ソードアート・オンライン〜戦闘狂兄弟が行く〜   作:赤茶犬

37 / 46

なんだか最近うまく書けない。原因もいまいち分からないのですが、駄文がひどくなっているかもしれませんのでご了承ください。



キリト親子と子供達

 

はじまりの街。

かつてのデスゲーム宣言において舞台となった街にして、現在最も人口の多い街だ。

ここ含めた下層は《軍》が自治を行う地であり、《ファミリー》の自治が届かない場所でもある。

 

「どうだ、ユイ。見覚えあるか?」

 

「……わかんない」

 

俺はユイを肩車しながらこの地に降り立った。プレイヤーなら誰でも来たことのあるはじまりの街ではあるがユイの記憶には残っていないようだ。

 

今回の同行者はアスナはじめ、おにーさんとノーチラスとユナだ。

無駄に豪華なメンツではあるが今回はユイのことだけでなくある調査も兼ねている。

 

《アインクラッド解放軍》穏健派リーダー、シンカー氏の所在についてである。

 

現在彼は行方が分からなくなっており、《軍》は現在、キバオウが取り仕切っている。キバオウの派閥は穏健とは程遠いもので、たまにディアベルが顔を出してはいるが最近では彼でさえもキバオウを止めれていないそうだ。

キバオウ主導のもと、コーバッツらの無謀な作戦が執り行われたことはタナトスとアルゴの調査で判明している。

 

シンカー氏が行方不明になったのはつい先日。とりあえず彼の知り合いである女性プレイヤー、ユリエールさんを訪ねることになった。

 

「そういえばおにーさん。ここって今何人くらいのプレイヤーがいるんだ?」

 

ノーチラスの問いにおにーさんは答える。

 

「今残ってるプレイヤーが7千人くらいで、うち(22層)に移住して来た人たちを差し引いて……だいたい2千弱って言ったところかな?」

 

はじまりの街に多く残っていた小・中学生は現在知る限り全員が22層で暮らしている。

そのために現在人口が多い都市のトップ10くらいに22層があるという穏やかなあの層がなんともいえない状態になっていた。

 

「確かユリエールさんが指定した教会ってのは確か……あ、あった」

 

ついたのは小さな教会だった。二階建てでシンプルな作りのそれにたどり着くとおにーさんが大きな二枚扉をノックしたのち、「失礼します」と声を張りながら扉を開けた。

 

内部は薄暗く、人の姿はなさそうだった。

 

「早く来すぎた?」

 

「かもな……いや、まて。人がいる……キリト、何人だ?」

 

「右の部屋に4人、左に2人。二階にも何人か」

 

「……索敵スキルって、そんなに便利なものなの?」

 

アスナが呆れたような口調で聞いてくる。

索敵スキルは980を超えたら壁の向こうの人数までわかるという便利なスキルで、対レッドには必須のスキルだ。

ちなみにおにーさんは何人かまでは分からない。こう言うところでおにーさんに頼られるのはなぜだか気分が良い。

それはそうと、教会の人間になぜ隠れているのかを聞かなければならない。

 

「すみませーん。私たち、ユリエールさんって人と待ち合わせできてるんですが!」

 

ユナが少し声を大きくして呼びかける。すると、右手のドアが開き、1人の女性プレイヤーが出て来た。

 

「《軍》の、軍の徴税隊じゃないんですね……?」

 

徴税隊?本当だったのか。

何度か耳にしたことのある単語におにーさんに目を向けるとかすかに頷いた。

目を目の前の女性に戻す。

暗青色のショートヘアと黒縁メガネをかけた彼女はサーシャと名乗った。

 

「ユリエールさんの言っていた、《ファミリー》の方々でしたか。すみません、不躾な態度で」

 

その途端──。

 

「あの最強ギルドの《ファミリー》⁉︎」

 

甲高い少年の叫び声とともにサーシャの背後のドアが開き、数人の子供が駆け出してくる。

出て来た子供たちは一番上が14歳くらい、下は12歳くらいの子供たちだった。

 

みんな興味津々で俺たちに話しかけて来て、攻略の話や武器のことなどを聞きたがった。

なのでアスナの武器であるランベントライトや俺のダークリパルサーなどを見せてやると大喜びでそれを見ていた。

 

「あ!歌のおねーちゃんじゃん!」

 

「え、私⁉︎」

 

「ねね、歌って歌って!」

 

子供達に急かされるユナと苦笑するノーチラスを置いておにーさんとともにサーシャと話すことになった。

 

いつの間にか眠りこけてしまったユイを下ろし、事情を説明する。

 

「なるほど記憶が……。確かにここではこのはじまりの街にいるほぼ全員が集まっていると思います。数は15人ほどです」

 

「22層には来なかったのか?うちでは子供達の受け入れしていて、教育とかも完備だけど」

 

目を見開くサーシャ。

どうやら《軍》による情報規制が行われていたようだ。

 

「では、今出かけてる子たちが帰ってき次第相談したいと思います。……それで、この子なんですけど、私たちは2年間ずっと、毎日1エリアずつ全て回って困ってる子供がいないか探してるんです。だから、残念ですけど……はじまりの街で暮らしていた子では、ないかと思います」

 

「そうですか……」

 

俯くアスナ。

 

その時である。

 

「先生!大変だ!」

 

サーシャと同時に職業病かおにーさんも飛び上がった。

 

「ギン兄ぃたちが、《軍》の奴らに捕まっちゃったよ!」

 

「──少年、場所は?」

 

静かに問うおにーさん。その目は毅然としたものだ。

見るとサーシャも別人のように凛とした態度になっている。

 

「よし、行くぞ」

 

駆け込んで来た赤毛の少年から場所を聞くとおにーさんは手早くウインドウを操作して友切包丁を装備しながら立ち上がる。

 

「サーシャさん、案内してください」

 

「……助かります!」

 

木立の合間を縫って、大通りから裏通りに抜けと教えられた場所に最短距離で進むサーシャ。やがて着いた場所には《軍》のプレイヤーが10ほどいた。

サーシャたち女性陣はそれを見て交渉による解決を求めて歩を緩めるがむしろ俺たちは加速する。

 

俺は知っている。

 

「おっ、保母さんのとうじょ……ぶべらぁっ⁉︎」

 

バカは死ななきゃ治らないと。

 

ニヤリと笑みを浮かべた《軍》のプレイヤーをおにーさんが問答無用で体術スキルでぶん殴って吹っ飛ばす。

友切包丁を使わないあたり優しさを感じてしまうのは自分が麻痺しているからだろうか。

 

あの武器を対人戦で使われるとマジで怖い。『死』を予兆させるかのような謎の威圧感を感じさせるからだ。

 

「な、なんだぁ⁉︎」

 

「……悪・即・斬」

 

驚く《軍》のプレイヤーたちを刺突系片手剣ソードスキルを使用して次々に吹き飛ばして行くノーチラス。

圏内のため、ダメージが入ることはないが恐怖心と衝撃は入る。

 

「や、やめっ」

 

「安心しろ。HPは減らない。永遠に続く攻撃でSAN値がゴリゴリ削られていくだけだ」

 

それを見た他のプレイヤーたちは仲間を置いて逃げようとするが。

 

「自治を任された人間たちがこのような体たらくとは……。やれやれ、やはりDKBに火葬の自治を任せるべきだったか」

 

今度は友切包丁を携えたおにーさんが立ちふさがる。

その武器の異様な空気をもろに受け、立ち止まってしまう連中に心の中で合掌した。

 

「……キリト、やれ」

 

 

ダークリパルサーとエリュシデータを引っさげ、俺は二刀流を解放した。

 

 

数十秒後。

 

「すっげー、にいちゃん!なにあれ見たことないよ!なんてスキル⁉︎」

 

「あー、はは……《二刀流》だ」

 

「じゃ、じゃあにいちゃんが黒の剣士⁉︎スッゲー!」

 

なんだか褒められ慣れていないことを実感する。目をキラキラ輝かせながら群がる子供達の質問につっかえながらも律儀に答えていく。

 

因みに瞬殺を5から6セットほどやった俺は半泣きになった彼らを散り散りに逃げていくのをスクリーンショットしてアルゴに送っておいた。

とりあえず明日の一面記事にでもしてもらおう。

 

ユイをアスナに任せていたはいいが、彼女たちは大丈夫だろうか。

 

とりあえず子供達は大丈夫そうだった。

これで一件落着かと思われたその時だった。

 

 

「みんなの、みんなのこころが」

 

 

細いのによく通る声が響いた。

アスナの腕の中でいつの間にか目が覚めたユイが虚空に手を伸ばしていた。

慌ててその方角をみるも、何もない。

 

「みんなの、こころ……が」

 

「ユイちゃん⁉︎どうしたの⁉︎」

 

アスナがユイの手を握って叫ぶとユイは2、3度瞬きしてキョトンとした表情を浮かべた。

慌てて俺も駆け寄る。

 

「ユイ、何か思い出したのか?」

 

「……あたし……あたし……」

 

眉を寄せ、うつむいたユイは何かを思い出そうと顔をしかめた。

 

「あたし、ここにいなくて……ずっとくらいとこに……ひとりで……」

 

そこまで言うと突然、

 

「あ、うあ……あああ‼︎」

 

その顔が仰け反って悲鳴が迸った。

ザザッとSAO内で初めて聞くノイズのような音が俺の耳に響き、その声に驚いたノーチラスたちが駆け寄ってくる。

 

「ユイちゃん⁉︎」

 

ユナが心配そうな悲鳴を上げる。アスナはその体を必死に包み込む。俺もユイの手を握る。

 

「ママ……パパ……こわい……‼︎」

 

か細い悲鳴を最後に、ユイの体から力が抜けた。

 

「なんだよ……今の」

 

思わず虚ろな声が出る。

思わず空を仰いだときにおにーさんが視界に入る。

 

視界に入ったおにーさんは意識を失ってしまったユイを見るとわずかに目が細めていた。

それを見て俺はおにーさんの目の色が心配とはまた別の色を宿していることを悟った。




原作読んでて子供達の装備までかっぱらおうとしていた軍の皆さんにはオーバーキルと言う名の天誅を与えさせていただきました。

感想、評価等頂ければ幸いです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。