プリズマ☆カズマ 雪下の誓い   作:こしあんA

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私の投稿している『もしもカズマがプリヤの世界に行ったら』を執筆している時に思いついた物です。決して『もしもカズマがプリヤの世界に行ったら'』とはそこまで関係ありません。なんとなく思いついたから、やろう!と思っただけです。数話程度で終わると思います。


1話 始まり

 7つ数えるまでは神のうち

 数えて7歳までを迎えるまでの稚児は人ではなく神や霊に近い存在である。

 そんな伝承がかつてこの国にはあった。

 乳幼児の死亡率が極めて高かった時代子供は人と神の境目に立つ両義存在と見なされていた。

 今では失われた民族伝承だがこの地(冬木)には伝承の生き残りがいた。

 

 

 

 俺は衛宮和真。本当の苗字は違うけどもう覚えていない。ある火災の時、俺は衛宮切嗣という男に助けられた。その時俺は切嗣に憧れた。俺はその日から衛宮切嗣の養子として生きて来た。切嗣は魔術師で世界中を旅している。世界は終わりを迎えている。切嗣はそれを防ぐ為科学、魔術、宗教などいろんなものを試し、世界中を旅した。俺は旅の道中魔術の初歩だけ教えてもらった。強化魔術、解析魔術、変化魔術、治癒魔術など。

 

 そしてある情報を手に入れ冬木の地にたどり着いた。

 

 冬木にたどり着くと突然黒いもやの様なものが町の中心から溢れ出て、町を飲み込んでいた。

「な、なんだ…これ」

「カズマ、車に乗れ!引き返すぞ!」

「わ、分かった。」

 今の俺達いや、人類ではどうすることもできない。俺達はそう悟った。

 

 その時、何か神々しく純粋な何かがもやを消し去った。

 俺達は街に向かったがさっきの黒いモヤから避難する人達で溢れ渋滞になっている。

「俺先行くわ」

「まて、カズマ!」

 俺はさっき光った場所へ憶測で向かった。そこは竹林で一つ古びた家がぽつんと立っていた。正面から見た家の姿は何ともなかったが回り込んでみると家は崩壊寸前でそのすぐ近くにはクレーターが出来ていた。

 その崩壊寸前の家には幼い女の子がいた。

「君は……」

 人の家に勝手に入って家の人に誰と尋ねるのもおかしいと思うが俺はそう尋ねた。

 家が限界に至ったのか柱がみしみしと音が鳴り崩れそうになった。

 俺は強化魔術で足を強化し、走り出した。

 

 頼むまだ崩れないでくれ(・・・・・・・・・・・)俺はそう願った。すると瓦礫は一瞬止まった様に見えた。俺は女の子を抱き上げ家から脱出した。俺は間一髪脱出できた。

「あっぶねえぇ!危うく死ぬところだった。」

 脱出できたのは瓦礫が一瞬止まってくれたからだ。まさかこの子がそんな事をしたのか。

「くる…しい…」

 俺は自然と強く抱きしめていた。

「おっと、ごめん」

「かあさま以外にだっこされたのはじめて」

 

 

 

 

 その後切嗣も来てその家が代々書いてきた書物を読んでいた。

 どうやらこの子には人の願いを無差別に叶えてしまう力があるらしい。切嗣はこの子を使って世界を救うと決意した。そして俺達の旅は終わった。

そしてここ冬木の地で人類を救う。

 

そして3人の生活が始まった。

切嗣は全てを救える願望器(美遊)の使い方を調べた。だが使い方がちっともわからなかった。

切嗣は切り詰めていた。そのせいで重い病にかかってしまった。

俺は切嗣に後を託された。けど俺は本当にそれで良いのか迷っていた。美遊を犠牲にして人類全てを救う。それで良いのか。大体美遊を犠牲にしたら人類全てじゃ無い。それに切嗣も死んだ。俺の大好きな義理の父(父さん)も居ない。俺が欲しかったのはただ美遊と切嗣と一緒に暮らす事だけだった。

 

そうして俺はどうすることもできないまま高2になった。俺は弓道部に入っている。と言っても部員は俺を合わせて2人だけ。数年前のあの災害のせいで冬木の人口が激減している。

 

 

俺はいま昼飯を生徒会室で食べている。ジュリアンと一緒に。

「何故お前はいつもここで飯を食うんだ」

「まず第1は茶が入れられること。第2は1人で飯を食うのが寂しいからお前と一緒に食っているだけだ。」

「ッチ、迷惑な事を。折角1人で落ち着ける快適な場所だったのに」

「…お前俺以外に友達いないだろ」

「は?誰がお前なんぞと友達になった!」

「まじか友達じゃ無いのか。友達じゃ無い他人にそんなに馴れ馴れしく接してきてるのかぁ。全くどんな教育を受けてるのやら」

俺が挑発する様に言うと

「はぁ?上等だ、やんのかごら!」

「おお、友達じゃ無い見ず知らずの人を殴っちまうのかなあぁ!」

「チッ、お前といると調子が狂いそうだ」

「病院連れてくか?」

「やかましぃ!」

俺はそんな馬鹿騒ぎをジュリアンとして昼休みが終わった。

 

 

午後の授業も終わり部活の時間となった。部活に行く最中ジュリアンと会った。

「よぉジュリアン。帰りか?」

「ああそうだ、じゃあな」

「おう」

「そうだ、そういえばお前はあの災害見たか?」

「ああ、見た。」

「晴れた瞬間は?」

「…悪りぃ逃げるのに必死で空なんて見てねぇよ。怖くてずっと地面見てた。じゃ無いと気が狂いそうだった。」

本当は見たが切嗣に美遊の事はバレてはいけないと言われ言うに言えない状況だった。

「そうか、悪いこと聞いたな。」

「驚いたな…お前から”悪い”なんて言葉聞くとは思わなかった。」

「どう言う意味だぁ!」

「じゃ、じゃあ俺部活あるからそろそろ行くわ」

俺は急いで武道場へと向かった。決してジュリアンが怖かった訳では無い。そう怖くなんか無い。

「待てやごらぁぁ!」

嘘つきましたごめんなさい。めっちゃ怖いです。

俺は全力で逃げた。武道場に追い詰められれば逃げ場はない。だから俺は校舎を縦横無尽に駆け巡った。そして、俺は教室の教卓の下に隠れた。

「あの野郎どこ行きやがった。見つけたらタダじゃおかねぇ」

俺はジュリアンが去ったのを確認して急いで武道場へと向かった。

「はぁはぁ、疲れた。」

「大丈夫ですか先輩?そういえば何をしてたんですか?あっ、それとさっきジュリアンさんがここに来ましたよ。」

本当にあいつは執念深い。

「そ、そっか。じゃ、じゃあ部活始めようぜ。」

「はい、先輩。」

俺達は部活を始めた。部員は俺と後輩の間桐桜のみ。部活で女子と二人っきり…しかもめちゃくちゃ美人!

男としては嬉しい限りだ。だがそんなことを考えていると『先輩顔が気持ち悪いですよ?』と言われかねない。

 

 

俺はさっきまでの考えを消し、弓を構え意識を集中させ放つ。狙いは必中、的のど真ん中に矢が刺さる。

「一射一射ブレなく無駄なく殆どいえ、全部が真ん中に必中。まるで先輩自身が弓の様です。」

「はは、照れるなぁ。別にもっと褒めてくれてもいいんだよ。」

「それはさえ言わなければ満点なんですけどね。」

「だな。」

2人で笑い合った。俺はこんな日々が幸せだ。こんな幸せが長く続けばいいのに。

 

部活が終わり二人で下校している。そう二人っきりで!とてま嬉しい。だがそれで勘違いしてはいけない。もしここで『もしかして俺のこと好き?』と言えば『ごめんなさい!』と帰ってくるに決まっている。そう、期待してはいけない。ソースはアニメ。

 

「…先輩何か悩みがあるんですか?」

何エスパー?桜さんエスパーですか?

「いきなりどうしたんだ?誰だって悩みの一つや二つあるだろ。」

「そお……ですよね…私分かるんですその悩みを私に言ってくれないことを。」

「…まぁ恥ずかしい悩みもあるからな」

本当は嘘だ。本当に悩んでいるのは美遊の事だ。まあ確かに恥ずかしい悩みもあるけどな。

「そう…ですよね。いつかその悩みを聞かせてもらえたらな……なんて」

そう儚げに桜は言う。

「そうだな、その恥ずかしい悩みを言える覚悟が出来たらな。」

俺はそう誤魔化す。

 

 

そうして家に着いた。

「お帰りなさい。カズマさん。」

「ただいま美遊。」

美遊は今日肉じゃがを作ってくれた。

美遊はもう10歳になる。随分と人間らしくなった。いや、なってしまった(・・・・・・・)

俺には切嗣の様に道具として扱うことが出来なかった。かと言って完全に人の子として育てる事も出来なかった。と言うか俺の年でどう育ててやればいいかもわからない。だってまだ16歳だしその前は11か10くらいだったし。

与えてやれるのは当たり障りのない情報だけ。屋敷から一歩も出させる事も出来ぬまま経験を伴わない知識だけを得ていく。

その虚ろな目は中途半端な俺を映したかのように。

俺はどうしたかったのだろう。

いやもう答えは得ている。だがそこには切嗣は居ない。切嗣が居なくなってから俺の心の半分が空っぽになった。

切嗣がしようとした人類救済という願いを叶え続けるため美遊は魂ごと永遠に世界に縛り付けられてしまう。

俺にそんな事はできない。

ならもうとっくに答えは出ているはずだ。なのにどこかでそれを認めようとしない俺が居る。

今日も俺は鍛錬をしている。俺には初歩の魔術だけには誰にも負けないような才能を持って居たらしい。と言ったても初歩の初歩だ。それより上になるとちっとも出来なかった。投影魔術も出来るが何の役にも立たないし、イメージが難しい。部活で使っている弓や料理でいつも俺が愛用している包丁なら何とか投影はできるが直ぐぶっ壊れてる。

だから俺はそれ以外の強化魔術、解析魔術、変化魔術、治癒魔術の鍛錬をしている。

物差しを強化し、鉄パイプをまるで野菜を切るかのように物差しで切り刻む。その切り刻んだ鉄パイプを変化魔術で直す。そしてミスが無いか解析魔術で確認する。そして強化魔術で強化した物差しで指を少し切る。それを治癒魔術で治す。

こうしておれの日課の鍛錬は終わった。

「カズマさん鍛錬お疲れ様。」

「まだ起きてたのか。」

「うん。星座を探していた。」

「星座?美遊に似合わずロマンチックな事だな。」

そう俺が言うと天体の運行に物理以外の意味など無い云々言い出した。

やはりもっと絵本読ませるべきだった。

そう、俺の持ってた本は全て漫画本。流石に家に引きこもって漫画を読み続けるのはいろんな意味でまずいと思い悩んでいると俺の学校の本を読んで俺より詳しくなってしまった。特に理科に関しては驚異的だった。この物理理論がもっと知りたいとか言い出して俺が図書館で借りてきて、いつの間にかここまで来てしまった。絵本を読ませる隙間なくこれ借りて来て、あれ借りて来てと言われてしまった。無理矢理にでも絵本を読ませるべきだった。

 

俺は美遊の隣に座った。

「親父もここで星を見てたなあ。」

そう、虚ろげな顔をして毎日毎日飽きずに星を見ていた。俺はその姿を見るのも好きだった。

「切嗣さんが?どうして?」

「星に願い事をしていたのかもな。」

多分切嗣も悩んでいたのだろう。心を殺して美遊を道具のように扱おうと。でも心を殺しきれずきっと苦しみながらあそこまで進んでいったんだろう。

「星の並びに何らかの魔術的作用が⁉︎」

やはり美遊はブレない。

「いや、そういうんじゃなくて、おまじないみたいなもんかな。内に秘めたささやかな思いなんかを星に願うんだ。」

「月じゃなくて?」

「月じゃなくて。まぁどっちでもいいと思うけどな。なんなら月と星両方に願っちまうか。」

人の願いも自分の願いを勝手に叶えてしまう美遊の力はもう何年も見ていない。」

もしかしたらあの時俺が願った願いが最後叶えることの出来る願いだったのかもしれない。

ああ、いっそいっそのことそうであったなら。そんな事を星に願ってしまう俺は。

「……星に願い事……もし、一つだけ叶うのなら…カズマさんと本当の兄妹になりたい。」

美遊は願った。自分にでは無く。星に願い事をした。

「なんて駄目…だよね。」

「駄目なわけないだろ。」

 

傲慢な俺は最後に月にも願い事をした。

もし叶うのならこのまま美遊と一緒に暮らしていたい。この生活が永遠に続いて欲しい。

 

 

俺は図書館から一般的な生活のマナーについての本などを借りて来た。

「さぁ美遊、勉強を始めよう!」

「……いきなりどうしたの?」

俺は美遊に困った顔をされてしまった。

「一般的は教育ってやつだ。美遊の読んだ本はだいぶ偏ってるからな。」

「そうなの?でもどうして急に?」

「…近い内に一緒に外に行こうと思う。」

「外って?……だったら私海が見たい!」

俺は美遊の食い付き具合にびっくりした。

「OK、了解だ!」

 

俺は美遊に本を渡した後学校に向かった。

途中今は廃校になった小学校を見つけた。この学校が今もあったら美遊に通わせられたのに。その時校舎から金髪の子が見えた。

「何してるんですか先輩?」

いきなり桜に声を掛けられてびっくりした。

「小学校がどうかしたんですか?」

「いいや、別に。そうだ!桜はこの小学校にかよっていたのか?」

桜は昔の頃のことを考えて暗い顔をした。俺は桜の地雷を踏んでしまったのか。

「昔のことはあまり思い出したくありません。」

「悪い。」

「なーんてうっそでーす。」

なんだろうこの笑顔。殴りたい。

まあ手を出すほどクズじゃないけどな。

「私は今が一番幸せです。優しい先輩がいて…人は少ないけど普通に学校に通えて。そんな何気無い日々の繰り返しが私は幸せです。」

それは俺が昨日、月に願った事と殆ど同じ願い事。

そうだ、俺は美遊を道具として使い人類救済はしない。これからは美遊を、この日常を。

 

俺は切嗣との誓いを破り自分の道を進むことに決めた。

 

「ニヤケてるな。気色悪い。何かいいことがあったのか?」

「いや、まぁあったっちゃあったけどな。そういえば今日小学校で金髪の縦ロールでポニーテルだったな。妹にも…って大丈夫かジュリアン!」

ジュリアンは熱々のお茶をこぼした。

「全然熱くねー!」

「強がってんじゃねーよ!」

 

こうして幸せな日々は過ぎていった。

 

「さて行きますか。」

「うんお兄ちゃん。そうだ、前からずっといってみたかった。”行ってきます”」

俺達は街をいろいろ回って海へと向かったが、海に行く前にしなくてはいけない事がある。

 

「お兄ちゃんここどこ?」

「美遊の本当の家族の墓だ。覚えてるかな?ここは初めて俺と美遊が出会った場所。そして、美遊の生まれた家だ。」

「家?母さま……たちのお墓?」

俺は話した。俺と切嗣で助けられなかった美遊以外を埋葬したことを。

「そっかここであの時私はひとりぼっちになっていた私を切嗣さんとお兄ちゃんが助けてくれたんだね。」

違うそれは違う。俺と切嗣は美遊を利用しようとした。それを伝えてそしてここからもう一度始めるんだ。一から。今度は兄妹として。

「聞いてくれ美遊……俺と切嗣はお前を助けたかったんじゃない。」

「え、そんな。嘘だよね?」

「聞いてくれ美遊。でもな……」

「くだらねぇー」

それは聞き覚えのある声だった。そこに現れたのは

「くだらねぇ…心底くだらねぇ筋書きだなクソが!てめぇだったんだな、衛宮和真!」

 

 

ジュリアンだった。




投影魔術はカズマは決して使いませんよ。無駄ですから。あと治癒魔術はこのすばのヒールの劣化版です。
変化魔術の使い方ってあんな感じでいいんですかね?間違ってたらそれはそれというわけで。
誤字脱字が酷いかもしれませんが寛容な精神で許してください。
寛容って漢字合ってますか?




1回目2017年11月25日修正完了。
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