無理矢理力を引き出したからなんの代償も無いはずありません。ですのであの時カズマの中にあったスキルポイントが全部負担してくれていました。そのせいでスキルポイントゼロです。
士郎みたいになんの対価も無しにカズマのやった事をしたらまず壊れます。
まぁ大丈夫なのはカズマの運がいいからですよ。
俺は洞窟の奥へと進んだ。
俺はようやくたどり着いた。ようやく美遊に会うことができた。
「お…にい……ちゃん?」
美遊の目はあの時よりも虚ろだった。
「どうして…来たの?あの人達から聞いた。お兄ちゃんと切嗣さんが私を拾ったのは私を使う為だって。私は道具で使い方を見つけられなかった切嗣さんの代わりにエインズワースが私を使って世界を救うんだって。……なのに今更…どうして…来たの⁉︎」
美遊はこんなにも苦しんでいた。なのに俺は何もしてやることもできなかったなんて。
それにまだあの続きだって話せていない。
「そんなの考えるまでもない。お兄ちゃんなんだから妹を守るのは当然だろ?それにまだ言えていないこともあるしな。」
「え?」
「美遊が拐われた時言いかけていた言葉。それにはまだ続きがある。美遊を道具としようとした。だけど俺にはどうしてもそんな事はできない。だからその事を美遊に伝えて許してもらおうとは思わない。だけどそこから新しく『兄妹』として行こうとしたんだ。自分でも勝ってな奴だとは思うよ……けど…この願いだけは……本当だから。」
俺はあの日言えなかった事を全部言った。
「美遊、こんな傲慢なお兄ちゃんの願いを聞いてくれますか?」
「もちろん!」
美遊の目からは光が戻り涙を流していた。
俺は七つのカードを掲げた。
「我聖杯に願う。美遊がもう苦しまなくていい世界になりますように。
優しい人達に出会って、笑いあえる友達を作って、あたたかでささやかな……幸せをつかめますように。」
「おにい…ちゃん」
これが俺の聞く美遊の最後の言葉になるだろう。
さて、残った俺のする事は敵の足止めだけだ。
「悪いな、妹が頑張ってるんだよ。もう少しだけ待ってくれないか?」
「ならぬ、貴様の望みは叶わない。聖杯戦争に紛れ込んだ偽物が聖杯を手にする事などあってはならぬ!」
「それが本物のアーチャーのカード、ギルガメッシュか。」
ある男は夢見た。この世全ての救いを。
ある男は選んだ。種の継続を。
俺は願った。たった1人の願いを。
敵の宝具が雨のように降ってくる。俺は衣服と体をを強化し、耐える。
「カードを持たすただの人間が生身で英雄王の前に立ち塞がるなど愚昧極まる。そのまま地に臥して許しを乞うがいい。…だがもし立ち上がると言うのなら次は命を撃ち落としてやる。」
そう奴は言い放つとまた黄金の波紋の中心から武器が出てくる。その波紋は無数に点在する。
「そうか、思い出した。お前はあの時の奴か。」
6人の敵と戦いその武具を見て来たから俺でもわかる。無造作に飛ばされて来た剣が全て紛れも無い一級品の宝具。
「古今を問わず、東西を問わず、人類が成した財の全てがこの英霊の力だ。」
それじゃ未来のやつもあるんですかね?空気砲とか、あの某猫型ロボットの持っているやつとかね。おっとふざけてる場合じゃないな。
「なるほどな桜が『最強のカード』って言ったわけだ。」
俺はフラフラとしながら立ち上がる。
「人類ねぇ。お前らがめっちゃでっかい事を背負ってるのは分かるけどな…俺も背負ってるんだよ。」
「個人の感情か、あるいは感傷か。いずれにせよこの世で最も下らぬものだ!」
そいつが怒った顔はどこかジュリアンに似ていた。
ーーーー
円蔵山に行く前。
しっかしなぁ、どうするかな。今から行っても絶対邪魔入るだろうな。7枚のカードを使ったら俺は武器無くなるからな。
「しっかしこれどうするんだ。」
俺はセイバー戦で形を変えた日本刀を見ていた。それは剣としては使えるが本来の用途とは違う用途になる。日本刀はもはやレイピアになっていた。
「まぁどうにかなるか。それにこのカードともお別れだもんな。」
俺は弓道で使う弓具を持って円蔵山へと向かった。
ーーーー
エインズワースにとって誤算だったのは俺が屑カードを英霊に繋げたこと。その英霊が自分自身だという事。そして知る由もなかったろうな。自分のカードを使い続けた者がどうなるかなど。自分が至るかも知れない未来。そいつを憑依させ、戦闘を続けて来た俺はその技能を先取りし、俺は戦うごとに英霊カズマに
敵は無数に剣が俺へと飛翔してくる。
俺は3本の矢をつがえ放つ。
「"狙撃"」
3本の矢は剣へと当たる。当たった矢は軌道が逸れ他の剣にも当たる。当たった剣も軌道が逸れ、他の剣に当たり相殺される。そして全ての剣は俺に当たる事は無かった。
「バカな!その芸当。あり得ない。その戦い方は!」
「俺をただの人間と言ったな、認識が甘いぞ英雄王!お前が挑むのは正真正銘英霊の成り損ないだ!」
「貴様、エインズワースの目の前で偽物を称するか。その罪、命でしか償えないと知れ!」
敵は飛ばしてくる武器を増やした。流石にこれを弓で捌ききる事は不可能だ。
剣も持ってない。…ん?持ってない?なら作ればいいだけの事!
「"クリエイトウォーター""フリーズ"」
俺は両手にショートソードの形をした氷を作り出した。俺へと飛んでくる武器だけを防ぎ、一歩ずつ着実に進む。
すると俺の足元から黄金の波紋が出現した。そして大剣が俺を突き刺そうとして来た。
「"回避"」
俺の回避スキルが偶然発動し避ける事が出来た。そして俺はまた前進する。
それまであいつの宝具はどれほど斬り伏せたかは分からない。
今度は上と下から黄金の波紋が現れた。
「"ウインドカーテン"」
俺は風の障壁を展開した。だがこんなのは気休めにしかならない。ちょっと軌道がずれるだけ。
そして武器が一つ俺へと向かってくる。
「"ウィンドブレス"」
普段より魔力を込め放たれた風はその武器を吹き飛ばす。
「とうに死に体のはずだ、だと言うのに貴様の技能は高まるばかりだ、だがなどんなでたらめを弄してもその先にあるのは明確なる破滅のはず。」
全くどいつもこいつも戦闘中にペラペラとお喋りをよくするなぁ。
「戦闘中に話しかけるとか馬鹿かよ。」
「何?」
俺にはそんな余裕はなかったのにな。あーあこれだからチート持ちはよ。
「俺にはそんな余裕なかった。そうでなきゃ俺は生き残れなかった。」
そう、あんな連中に勝てたのは奇跡に近い。俺が出来るのは精々相打ちが限界だからな。きっとこいつが俺の
「偽・固有結界」
ここは宇宙果てのどこかの星にあるダンジョンの最も深い場所。そこは違う世界の俺の散った所でもある。
「さぁラウンド2だぜ
俺はそう吐き捨てると即潜伏スキルを使い隠れた。
「フェイカー風情が、どこに行った。」
俺は千里眼スキルと敵感知スキルがあるからあいつの居場所が手に取るようにわかる。
「"狙撃"」
俺は矢を飛ばす。
「そこか!」
矢は当たったがそれで方角がバレ武器を広範囲に飛ばしてくる。
「"クリエイトウォーター""フリーズ"」
俺は氷の壁を生成する。範囲が広いため集中して放たれる事がないので防ぎきれる。
「ええい、めんどくさい!」
黄金の波紋から光るなにかを取り出し辺りにばら撒いた。そのせいで普通の明るさになってしまった。
「そこにいたか。次こそは逃さん。」
こうなっては弓の出番などもう無い。それにもう一本しか残っていない。俺は弓を捨てた。
「"クリエイトウォーター""フリーズ"」
俺は一本の剣を生成する。
もう俺に出来る事は接近して斬る、スキルを叩き込む。それだけ。
俺は前進する。飛んでくる武器は殆どが風の障壁により軌道を逸らされる。
「ち、これならどうだ!」
今度は発射速度も上がっていた。俺は氷の剣を投げた。
「"スティール"」
俺は飛ばされる剣を奪っては捨て、奪っては捨て、を繰り返した。それでも全部は奪えない。だから一つは捨てずに残し、それで武器を撃ち落とす。
「貴様ごときが王の財を手にしてもいいと思っているのか!」
敵の攻撃は更に激しくなる。それでも俺は進みあと一歩へとなった。
「チッ」
あいつは無数の盾を置いた。
「"クリエイトアース"クリエイトアースゴーレム"」
砂のゴーレムを創り出し、盾をどかせる。
「"ブレードオブウィンド"」
風の刃は敵を斬りつけた。だがそれは当たらなかった。
「舐めるなよ、エインズワースを!」
それは空間置換だった。そして気が付いたら俺は空中に居た。
「貴様の時間稼ぎき付き合う義理はない。児戯は終わりだ。来い!イガリマ、シュルシャガナ!」
そこに現れたのは物凄く大きな剣と灼熱の剣だった。
「"ライトオブセイバー""カースドプリズン""バインド"」
俺は魔力を使い詠唱を省略して無理やり発動させた。
ライトオブセイバーは大きな剣を切り裂きカースドプリズンは灼熱の剣を凍らせた。そしてバインドで剣にロープを縛り付けさせ俺は登り下敷きになるのを防ぐ。
「まさか神造兵器を壊すとはな。いいだろうこの一撃、貴様が相応しい。」
その剣と言えるか分からないものからはおぞましい何かを感じた。
あれなら俺の中にあるスキルで最も通用するのはあれしかない。それは悪魔だろうが魔王だろうが神さまだろうがどんな存在にでもダメージを与えられる爆裂魔法。俺はゴーレムに出来るだけ持ちこたえるように命令した。
「黒より黒く、闇より暗き漆黒に我が真紅の混交を望み給う。」
俺の脳裏には知らない黒髪の女の子が浮かぶ。そして俺の中から大事な何かが消えてゆく気がする。思い出そうとしても思い出せないきり…つぐの顔。ん?切嗣?だれ…だっけ?俺は思い出そうとしてももう思い出せなかった。義父の、妹の、親友の、後輩の顔も名前も。全て忘れ去っていった。それを埋めるかのように知らない記憶が入ってくる。
「覚醒の時来たれり無謬の境界に堕ちし理、むぎょうの歪みと成りて現出せよ!」
「原初に還れ!」
そうして2人は同時に発動させるのであった。
「エヌマエリシュ!」
「エクスプロージョン!」
そしてついにやってきた。〇〇との別れが、
俺の中から大事な何かが消えた。大事な繋がりが、それがなんだったかはもう覚えてはいない。でも"俺の中の何かが"、その思いだせない者のために戦えと言っている。
俺は威力を上げる為に生命力を使った。
「はあぁぁ!」
「何ッ!」
爆裂魔法は敵の攻撃を上回り押している。
「バカ…な…エアが…負けた……だと」
勝ったぜ、名前も顔も思い出せないけどな。
その後俺は爆裂魔法を制御できなくなり体の内側から爆発してしまった。
固有結界は崩れ崩壊した。
やはりラスボスとの戦いは必ず相打ちになるのだろう。
そう、きっとそれが俺の
ーーーー
「……とう……」
なにを言っているのだろう。よく聞こえない。
「佐藤和真さん」
佐藤?ああ、俺の名前か。確か俺は妹の為に…妹?俺に妹なんていたっけ?ああ、違う。そうかゲームを買った帰りに女の子を助ける為に突き飛ばして俺は死んだのか。
親友は…ん?親友?ニートの俺にそんな奴いたっけ?あっ!ネット友達か。
「ねぇ聞いてる?」
「うっせえななんだよ!」
「たっくムカつくわね。まあいいわ寛大なアクアさまは許してあげる。それよりあなたは先程死にました。」
「そうですね。それより突き飛ばした女の子は?」
「ああ、それね。」
アクアとかいう女は散らかった書類を漁った。
「あら?なんであんたの書類が二つあるのかしら?普通1人一つなんだけど。まぁ印刷ミスとかよね。」
おい、天界ってのは随分現実的だな。
アクアが捨てた書類は衛宮和真の本当の死因だったのだ。
こうして衛宮和真としての記憶は失い、佐藤和真として魔王を倒すのであった。
「さあ!選びなさい。誰にも負けない力を!」
どれにするか、これはゲーマーの勘だがどれもチート能力に違いない。
「ねぇ早くして。ニートなんかに期待してないからさ」
俺の中の何かがキレた。
「じゃああんた。」
「へ?」
和真とアクアは異世界の地へと旅立ったのだ。
カズマが美遊の事を思い出すことは二度と無かった。
本当にこの結末でいいんでしょうか。これ結構辛いですよね。もう兄妹の再会は無いんですから。
この結末を思いついたからこれをやったんですけどね。マジで心が辛かった。
もうちょっとカズマと美遊が幸せになってもいいと思う。
でも士郎みたいにエア食らったら死にますけどね。