1話 妹と再会し、異世界転生を!
俺は爆裂魔法を放ち自滅した。美遊は無事だろうか。
「本当に聖杯戦争なんてあったんだ。知らなかった。それより早く行きたい場所言ってよね。こっちだって暇じゃ無いんだからとっとと選んで行っちゃってね。ほら死人が来たわよ。」
いくら死んだからってその扱いはないだろ。妹を守ったんだから。
俺は来てしまったのか。地獄で会おうと約束したのに、俺だけのうのうと天国に。
俺は天国の使者?らしき人のところへ行った。そのひとは背中から翼が生え、いかにも天使という感じだった。目の前には椅子が置いてあり、足が見える。
俺はその人の顔を見た。
「み、美遊。」
「お兄ちゃん!」
まさかの再会。思っても見なかった。
「驚いた。兄妹一緒に死んだの?まあそこまで珍しくもないか。」
人が死んだのになんてこというんだこいつ。
でもまあ神や天使にとっては人なんてそこらにいる動物と認識が変わらないのか。
「で、俺はどこに連れていかれるんだ?地獄か?」
出来れば地獄であって欲しい。
「地獄なんて天界に存在しませんよ。地獄とは忌々しい悪魔の巣窟です。貴方達人間の解釈とはちょっと違うんです。」
いきなり敬語になりやがった。
「じゃあ赤子からやり直すのか?」
「まぁそれも一つの選択のうちです。とりあえず説明します。今貴方には三つの選択肢があります。天国でずっと何も出来ないまま暮らすか、赤子からやり直す。そして、もう一つ特別にあるのです!」
「それで?」
「で、異世界に飛びます。もちろん肉体と記憶はそのまま。ついでに貴方達は兄妹ですよね?だったらおまけで一緒に行くことを許しましょう。」
なるほどだったら選択肢は一つしかないな。
「異世界でお願いします。」
「了解いたしました。では特典として特別な力を与えましょう。」
特別な力か、普通だったら欲しがるがもう力なんて懲り懲りだ。もうそんな事で苦しみたくないし、美遊を苦しませたくない。
「いりません。その代わりその異世界の一般知識と暮らしていけるお金を下さい。」
そう、もう普通に暮らしたい。美遊と二人で。
「かしこまりました。では…」
俺達は一般知識を教えてもらった。
だがそれはからかっているようにしか思えなかった。まず野菜が空を飛んだり跳ねたりする。
さっきから美遊があり得ないと連呼している。
そして秋刀魚だけは畑から取れる。モンスターがいて魔王がいるらしい。モンスターは別にいい。だが秋刀魚が空を飛ぶってどういう事だよ。
あとお金の単価を教えてもらった。
そこではエリスというお金を使い、一エリス一円だそうな。
「異世界に米はありますか?あと言語は大丈夫なんでしょうか?
「ありますよ。言語は私の力で覚えさせます。だからあとはお金だけです。どのくらい欲しいですか?」
一生分!と言いたいがそれだと盗賊とかに狙われそうだからとりあえず一ヶ月暮らしていける分を貰った。
「では行ってらっしゃい。」
俺達は異世界に飛ばされた。
その後に思い出した。俺の憑依させた英霊魔王倒した奴や。って事は俺も倒すの?
俺は考えるのをやめた。
見渡すと中世のヨーロッパのようなレンガ造りに石で舗装された道。周りにはゲームで見るような戦士や魔法使い。エルフやドワーフがいた。
手持ちを確認すると20万入っていた。
「美遊まずどこ行く?」
「んー、とりあえずぐるっと見渡そう。」
俺達は歩いていたが美遊はそういえば裸足だった。そして黒いドレス。俺は緑のジャージ。完全に目立っている。とりあえず俺は服屋を探すことに決めた。
「なあ美遊ちょっといいか?」
「何?」
「いやその裸足だと辛いだろ?だからおんぶしてやるよ。」
「いいの?」
美遊の目は輝いていた。そういえば俺は美遊をおんぶしたことなんて一度もなかった。
俺は歩いていたおばちゃんに服屋の場所を尋ねた。おばちゃんはとても親切に教えてくれた。
俺達は服を買い身だしなみを整えまた散歩を始めようとした。その時ふとある事を思った。そういえば寝床どうしよう。それに仕事だって探さないといけない。俺は店の人に仕事を探せる場所を聞いた。するとギルドで頼めばいいと言われた。
ギルドってハローワークみたいなものなのか?普通冒険者とかが集まる場所だと思ったのだが、俺は店の人にお礼をし、ギルドへと向かった。
俺はギルドのドアを開けた。
「いらっしゃいませ、お食事なら奥の席へお仕事案内なら隣のカウンターへ。」
まさしくゲーム聞いたことのあるセリフだった。俺達は言われた通りカウンターへ向かった。
「はい、今日はどうなさいました。」
「えっと、仕事を探しに来たんですけどオススメのはありますか?」
「冒険者なんていかがでしょう。危険はありますがクエストに成功すればお金を多く稼げて、スリルも味わえます。そして、仲間との絆も深める事も出来ます。」
なるほど。働くと考えていたがそれだと、働いている間は美遊を一人にしてしまう。それでは兄妹との思い出が作れない。それなら危険はあっても一生忘れない思い出もできるし、美遊が友達を作れるかもしれない。
俺が働いている間お留守番では友達なんて出来っこない。別に働きたくないというわけではない…ほんとだよ。
「では冒険者で。」
「はいかしこまりました。では登録手数料が千エリスかかりますが」
「では二人分で二千エリスで」
「そちらのお子様もですか?」
「いいか美遊?」
「うんお兄ちゃんと一緒に居られるなら。」
美遊の笑顔がとても眩しい。この笑顔の為なら魔王だって相手してやる…多分
「ではこの水晶に手をかざしてください。」
俺は言われた通りに水晶に手をかざした。
やっぱりこういうのはワクワクする。ゲーム好きなら一回は憧れる事だ。どんな職業に就こうかな。やっぱり魔法使いか。いや弓道部やってたからアーチャーとか。
「はい、えーとどれも普通ですね…おや知力が高いのと魔力が平均より微妙に高いですね。あと器用性も高いですね。それに幸運も非常に高いですよ。まあ幸運なんてあんまり必要ない数値なんですけどね。」
期待していたのとなんか違う。
「知力的にはアークウィザードにギリギリなれるんですが魔力が足りませんね。これでしたら冒険者しかなれませんね。これでしたら商人になった方が、あれ?こんな職業なんて今まであったけ?」
お?ここで隠された力が。それより俺は弓道部だったのにアーチャーになれないことにショックを受けた。
「どうしたんですか?いえ、ひとつだけなれる職業がありました。でも前例がありません。もしかしたら外れ職かも。誰も選ばないほど人気が無いからみんなに忘れ去られた職業かと。」
隠された力とかじゃ無いの?まじか。
「で、どんな職業ですか?」
「スキルマスターです。」
それ名前的に絶対当たり職だろ。
「それにします。」
次は美遊の番だ。
美遊は水晶に手をかざした。
「はあ?知力と魔力が紅魔族ほどもしくはそれ以上にあるなんて信じられません。」
妹に完全に抜かされ、兄の威厳が消え去った瞬間であった。
「これならアークウィザードになる事をお勧めします。他はアークプリーストなんてどうでしょう。」
「違いを教えて。」
「かしこまりました。」
さっきよりテンションが上がっていた。もう妹になにもかも抜かされた。妹に甘えようかな。
美遊はアークプリーストを選んだらしい。
そうして冒険者登録が終わりどこか安い宿がないか尋ねた。一ヶ月八万円の宿があるらしい。そこは設備は普通でどこにまあるようなところに見えるが布団が最高でその設備の割には安いらしい。
俺は宿で一ヶ月分の家賃を払い荷物を置き買い物に行った。
まずは食料と冒険に必要な装備を整えた。
俺は一番安い弓矢と革の胸当て、金属製のすね当てを買い、美遊は杖を買った。
今日は取り敢えず宿でゆっくりすることにした。
ご飯も食べ終わりあとは寝るだけとなった。
「美遊お休み。」
「お兄ちゃん。一緒に寝よ。」
妹の上目遣いはとても攻撃力があり俺は抗うことはできなかった。
「しょうがねーな。」
俺はみゆと一緒のベッドで寝た。
「なあ美遊。」
「なぁに、お兄ちゃん。」
「怖かったか?」
俺は美遊がどんな事をされたかを聞いた。俺は自分が本当に情けなく思えた。いや実際情けない。俺は美遊を助けようとしたのに俺は美遊に支えられていた。なのにそれに気付くことが死ぬ寸前まで分からなかった。それに俺のミスで美遊をまた孤独にしてしまった。
「ごめんな。大事な所で守ってやらなくて。でも今度は守りきるから。そしてこの異界の地で友達を作ろう。」
「うん」
そうして俺達は眠りに就いた。
俺達は朝食を摂り着替えてギルドに向かった。
「あのすいません。どんなクエストを受ければいいんでしょうか?やっぱり最初はゴブリンとかでしょうか?」
俺は昨日の受付の人に聞いた。
「ゴブリンなんてとんでもございません!あれには初心者殺しという恐ろしい獣が付いています。」
その獣はゴブリンなどの初心者にとって美味しい弱いモンスターの近くに隠れ、ゴブリンに夢中になった初心者を殺して食べるらしい。
「ですからこの時期だとジャイアントトードなんてどうでしょう。」
俺達はそれを受けることにした。
なんでアクアを出さなかったかというと出したら確実にカズマは連れて行きます。しかしそれは美遊とイチャコラ出来ないので却下です。なので出てきた天使はアクアよりはマシだけど生意気な感じです。決してあれはアクアではありません。
アクアはきっと何かのミスでクビにされましたね。