巻き込まれた少年は烏になった   作:桜エビ

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今まで冒頭と本編という構成ですが、その内容がひっくり返る形になります。


いつかのキオク

アリーナでオーエンさんと会った。

この際質問しようか。

 

「オーエンさん、戦いで生き抜く秘訣とかありませんか?」

 

手っ取り早く聞きたくて曖昧な質問になったが、ちゃんと答えてくれた。

 

「そうだな…普段は総火力を気にするな。」

「どうしてです?」

「昔、あんまり総火力があまりない機体でミッションに挑んだら、増援ラッシュが発生して死にかけたことがあってな。」

「不測の事態は総火力が多いほうが対応しやすいですか。」

 

やっぱり手数は必要か。

 

「…あ〜。それから、アセンブルは重要だな。起伏の激しい領域でタンクは向いてないし、閉所で紙装甲の機体で戦うのは難しい。」

「確かに、自分で難易度上げるのは自殺行為ですものね。参考になりました。」

「気にするな。こういう教訓は死にかけて手に入るが、そのために死にに行くのは本末転倒ってやつだ。どんどん聞いてくんだ。」

「分かりました。そろそろ試合なんで。」

 

そうして別れようとして、ふと気づく。

 

「……そういえば、起伏のあるところでタンク使ったり、閉所で軽量二脚使ったんですか?」

「……若気の至りというやつだ。」

 

 

 

 

二人は気づかない。

今の会話の内容の異常性に気づかない。

 

 

 

 

 

オールラウンダー(全脚部を使用するレイヴン)など数える程しかいないのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は地上に出て、早速街に行った。

そこで問題に直面する。

通貨が違った。

要するに所持金ゼロ。

ついでに住民票も無いと来た。

ハッキングするための端末を持てないし使えない。

結局私は引き返してしまった。

その途中、彼に出会った。

 

「おい、こんな時間に、こんなところで何してんだ?」

 

彼に私は身寄りがない、検査は受けられない、行き場がない、など嘘を交えつつ現状を話した。

そうしたら、彼は孤児院に連れて行ってくれた。

 

見た目が十代だったのが原因だ。

その孤児院にあったパソコンで私はAIを作り始めた。

ネット上で名を名乗り、顔を出さずに種を蒔いていった。

調べられたら厄介だから逆探知対策も万全にして。

傍から見れば引き篭もりだが、別に外出しない訳じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

駆け足で駅から待ち合わせの場所に行く。

 

「おーい、5分遅刻だぞ。時間指定したのお前だろ。」

「ごめんなさい。駅から待ち合わせの場所行く時間計算するの忘れてて。」

「まぁ、予約までには余裕がある。ゆっくり行こうか。」

「…最初から、遅刻すると思ってたでしょ。」

「いいや。」

「絶対思ってた。」

「…何回やったと思ってる。」

「今回で7回目。」

「時間に余裕もって行かなきゃと思うだろ。」

「ムゥ〜」

 

私は、なぜか遅刻する。

電車を間違えたり、電車が遅れたり、おばあちゃんの荷物を持ったり。

 

「世界最高峰のAI技術者が、遅刻グセね。」

「グハッ!」

 

結構刺さった。

 

 

 

ビルのラウンジに有る喫茶店に来た。

そこで今回の目的を見せてもらっている。

 

「見るたびに凄いと思う。AIの成長速度が他のレイヴンとは段違い。」

「そうか?変わったことはしてないが。」

 

今更だけど、今私が話してるのはレイヴンだ。

不思議なことに、彼は周りからはそのまま【レイヴン】って呼ばれる。

私もそれにならって彼をレイヴンと呼ぶ。

だけど、レイヴンと呼ぶことにはもう一つ意味がある。

彼こそが、私の弟を超えたレイヴン。

私にとってレイヴンの中のレイヴン。

だが、ランクは中盤。

原因は彼が資格の更新期間中世界を旅してまわったので、資格を剥奪され再取得した故の新人扱いによるもの。

むしろ短期間で中堅まで上り詰めたことが彼の強さを証明している。

 

「それにしてもこのAI、本当にお前が作ったのか?シュミレーターで戦うと本当に俺そっくりの動きをするんだが。」

「当然よ。アリーナ限定だけど、その中で見せるあなたの動きを記録解析してどんな戦い方が【あなた】なのか。それを学んでいくんだもの。」

 

胸を張る。

そしたら。

 

「細かいことはわからないが、やっぱり凄いな。」

「そ、それほどでもないわよ。」

 

会話は弾んだ。

 

こうやっていく中で、同時に私は彼の残した人々がどのようなものなのかも観察した。

あまり私のところにいた人達と変わらない。

ただ、ユニオンと呼ばれた組織はいた。

そして、最後の最後で僅かに纏まり、彼と組んで弟は斃された。

 

私のやろうとしている事は決まっている。

かつての人々と今の人々との差は、無きに等しい。

また、繰り返す。

だけど今の人々を託すに足る人は居る。

管理は容易い。だがその管理が崩れたとき、彼らは生きていけるだろうか。

私達は、私達が託したものを受け継いでくれると願って計画を開始した。

そろそろ終わりが見え始めた。

 

 

「おい、聞いてるか?」

「……ああ、ごめんなさい。考え事してて。」

「新しいAIでも考えてたか?」

「今後のこと!」

 

私は彼に斃されることを望んでいる

むしろ彼になら、とまで思うようになってきた。

私は彼に抱いている感情に気づいていない。

私が。

彼に深く関わり、計画が狂うとは思っていない。

 

 

 

 

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

思い出したくない

 

 

 

 

 

 

記録の再生を一時中断します。

 

 




少し演出に力入れました。
最近こういう所に書こうとしたことをよく忘れます。
次回は続きです。
経験不足なんで、
「こうしたらいいんじゃないか」
系の感想もお待ちしてます。
勿論、普通の感想もお待ちしてます。
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