レイヴン、ハリソンは愛機のコックピットで思考にふけっていた。
今日の対戦相手はアキレス、以前僚機として雇ってもらったレイヴンだ。
(彼は中量二脚のオールラウンダー。遠距離からのヒットアンドアウェイで倒せるはず。)
いつもどうりやるだけだと自分に言い聞かせる。
時間になりアリーナに出る。
(さあこい!)
相手もガレージから出てきた。
が。
(四脚⁉話が違うぞ!)
四脚だった。
バズーカ、肩リニア、ショットガン。
(完全に潰しに来てやがる。)
いい思い出の無い武器ばかり持ってこられた。
「ええい!ヤケクソだ!」
試合開始と同時にスナイパーライフルを発射。
避けられリニアで反撃された。
直撃して反動で機体が固まる
「このッ。」
しかし連射され思うように動けない。
そのまま接近され、ショットガンの間合いに。
ハリソンは思い切ってOBを使用した。
ところをリニアで狙い撃ちされ、機体温度が危険域に達する。
バズーカとショットガンの連射でどんどんAPが削られる。
(せめてブレードでも当てられれば!)
思い切りブレードを振りかぶり……
「ランク70位代突入おめでとう!」
クラッカーがなる。
シャルさんがお祝いを用意してくれた。
「いやぁ、まだまだですよ。」
「あの
「あれだって弱点ついたからですよ。」
「それでも。っていうか脚部を選ばないあたり十分よ。」
少しだけ食事が豪華だ。
席について食べ始める。
「さっきシャルさん、俺は脚部選ばないって話。どういう意味ですか?シャルだってニュースとか見ると足結構変えてますけど。」
あれから何回かミッションに出撃したが、確かに皆足を変えて無かったような…。
自分はあまり必要性を感じず二脚のままだったが。
「身近になった私やオーエンがそうだったから気付かなかったのね……。基本、脚部を変更すると操作感が酷く変わるから、慣れた脚部以外あまり使わないのよ。」
「そうなんですか?」
「ええ。全部使えるのは世界でも数える程しかいない。って言うと聞こえはいいけど、器用貧乏とも取れるから気をつけてね。」
「はい…。」
多分、釘を刺したのだろう。
確かに全部使えるからと言って強いとは限らない。
精進せねば。
「そういえばシャルさんってどっち側って知られてるんですか?あまりミッション内容を見せてもらえてないので。」
「うーん。強制的に企業側につかされてる人が聞いて大丈夫なの?」
頷く。
「今はどっち派って考えてないです。自分の意思は。」
「……まあ、中立って見られてるわね。んで、私自身としてもどっち派とかないかな。依頼と報酬次第。」
「そうですか。」
あとは他愛もない会話で夜が更けていった。
「おはよう!」
玄関を開けると彼女がいた。
「ああ、お前か。んでいきなりどうした。」
「ジャーン。これ見て!ついに……」
「おお!おめでと!オリンピック合宿参加状だなんて凄いな。」
「これで夢に一歩近づいた!」
「中学の夏休みか。」
「うん。絶対陸上でメダル取ってやるんだから!」
「気が早いって!あくまで合宿だろ。」
「そだね。」
学校の卒業式が終わる。
「じゃあ、今度会うのは入学式ってことで。」
「うん。じゃあね。」
「ああ、またな。」
夢で自分の過去を見たのは初めてだった。
春休み前、幼馴染と最後にあった日のことだ。
俺がヘマすれば最期にもなる。
こんな俺だが、実は付き合ってた。
いや、さっきの話的に違うだろうとかそういう批判はあるだろう。
あんなので付き合ってた、とかふざけるとか聴こえそうだ。
リア充爆発ともな。
まあ、告ったのは俺から。
冬休み、お互いの中学が一緒だったらって確かめてだな。
でも二人揃って
「この年の恋愛ってそこまでだよね。」
ってビミョーな温度なんだ。
だから神バズ持ってこないでくれ、頼む。
付き合ってる人の余裕だって言って、C4持ってこないでください。
寝ぼけたまま、悶々と誰に向けたかも分からない釈明をベットの中で続けていた。
あいつ、どうしてるのかな。
朝、端末で情勢とミッションを確認していた。
レイヴンに関するニュースについて、前から疑問に思っていたことがある。
「シャルさん。前から思っていたことなんですけど、いいですか。」
「どうしたの?」
「他のレイヴンのミッションファイル。撃破の項目がレイヴンだったりACネームだったりふらついてるんですけど。」
「それは、ACがAP0になるとAC撃破。レイヴンが死亡、もしくは病院送りになったらレイヴン撃破ってなるの。」
なるほど、ACネームだけなら、翌日に復活してる事もありうる訳か。
「へ~。そうだったんですか。」
「ここにあなたの名前が載らないことを祈るわ。」
「やめてください!」
不謹慎極まりないことを言われた。
「そろそろ、言わなきゃね。」
「?…なんですか」
シャルさんの雰囲気が少しだけ変わる。
「実は、あなたのACには少しだけ細工されてるの。」
「ええっ!何したんですか。」
待って!
いきなり何言い出してるんですか!
「あなたのモニターには本来
「…逆じゃ無いんですか?」
余分な物を付けてるのではなく、欠けている?
「ええ。それ故あなたは見なくていいものを見ることになる。」
「フィルターが無いと言う事ですか。」
「そうね。そのフィルターで弾かれるものを言わないといけない。」
「あなたは戦争で不都合なものすべてを目にすることになる。道徳違反、死体、虐殺すべて。」
空気が凍る。
「……何故です。俺は企業の駒です。不都合なものは見なくていいのですが。」
何も知らずに戦った方が企業としては都合が良いはずだ。
「あなたは自分自身で判断すべきなの。あなたは自ら選択してここに来た。あなたには事実を見て判断する権利と義務がある。」
「それはあなたの判断ですか。」
「そうよ。」
「…分かりました。」
そうか、俺は運が良かった。
今まで、コックピットが剥き出しの機体は作らなかった。
歩兵部隊とかち合わなかった。
もしかしたら、俺は途中で折れてたかもしれない。
無責任だな、俺は。
「ちなみに他のレイヴンには、APが0の機体は炎上して見える。」
「なんでそんな機能が?」
全くの謎機能だ。
「過剰攻撃の抑止らしい。企業も国連も、どうやら兵士に死んでもらいたくないみたいだね。AP0っていうのは実は中破なんだ。」
「どうしてなんでしょう。」
「そこまでは知らないな。お偉方に聞ける立場じゃ無いからね。」
読者を振り落としている気がすると前から思ってました。
実際文章力がなさすぎですけどね。
追記。
活動報告、チマチマ更新しております。