巻き込まれた少年は烏になった   作:桜エビ

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最近アーマドコアの過去の記事を漁ってます。
発見も多いです。


交錯

昔、小さな里がありました。

そこは誰からも忘れられ、まわりとの関わりが途絶えていました。

怪物達が近くに住んでいて、里の人々は彼らを恐れていましたが、怪物達は里を襲おうとは考えていませんでした。

中には彼らと仲良くしていた者もいました。

ですが、ある日。

旅の者たちが外から迷い込んでしまいました。

彼らは里の人々が驚くようなものばかり持っていました。

それを見て、里の若者たちは近くにいる怪物達に立ち向かおうと、彼らに武器を持ってきて欲しいと頼みました。

何も知らない旅の者たちは、正直に渡しました。

若者たちはやがて怪物達を攻撃し始めました。

怪物達もたまらず反撃します。

ですが、見たこともない武器にだんだんと追い詰められていきました。

 

そこにまったを掛けた少女がいました。

彼女は怪物達と仲良くしていた少女です。

彼女は旅の者達からある道具を貰っていました。

あたりが急に眩しくなり、里の若者たちはどうして怪物達を倒そうとしたのか。どうしてこんな武器を持っていたのか忘れてしまいました。

そして里に帰って行きました。

そこに少女の姿はありません。

少女の友達たちはとても悲しみました。

ですが、外からまた一人、誰かが迷い込んで来ました。

彼は、かつて旅の者たちについていった者でした。

「あの子なら、外にいたよ。彼女も旅をしているみたいだった。」

友達たちは里を飛び出し旅を始めました。

少女を見つけるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だいぶ派手にやられたな。」

「本当に酷い目に会いました。」

 

ガレージで整備の方と話をしている。

俺たちは俺たちだけで傭兵をやってるわけじゃない。

整備士や仲介人、オペレーターなどいろいろな人に支えられている。

彼もその一人で、オヤジさんと呼ばれてるベテラン整備士だ。

ガタイがいい中年の男性で整備班を仕切ってる。

 

「すいません。実力不足です。」

「ま、ホワイトアフリカの英雄様と渡り合ったんだ。必要経費と考えるか。」

 

そう言うと、ACに向き直る。

 

「余剰パーツとは言え、元はシャルのパーツなんだ。無駄にはするなよ。今回みたいに全力を出した結果ならそれでいい。」

「分かりました。」

 

 

 

 

この人たちはシャルさんが人脈を使って呼んだ人達だ。

オヤジさんはシャルさんの友人らしい。

 

でも、少しおかしいんだ。

シャルさんのプロフィールを見た。

 

【3年前に現われ圧倒的な力でアリーナの上位に短期間で食い込んだ。彼女の身元は分かっておらず、友好関係にある人間も少ないため正体は未だにはっきりしない。】

 

これで中立なのだから、人脈なんていうほどのものはないはずだ。

それにどうして俺はシャルさんに預けられたのだろう。

企業にコネのあるレイヴンじゃなきゃいけないはずだ。

 

 

一体、シャルさんって何者なんだ?

 

 

 

 

 

自室の机に向かう。

毎日のように依頼がある訳じゃない。

何もない日は、シャルさんに貰った通信教育のテキストに取り組んでいる。

せめて一般教養は学んでおかないと、と義務教育分を頼んでおいた。

できるだけ選択肢を残したくてやっている。

もし早く戦場から離れられても、みんなに取り残されて一人というのはごめんだ。

端末を見ると依頼が来ていた。

【潜伏テロリスト掃討】

 

『ミッションを説明します。』

『日本に潜伏するテロリストに対し各勢力による掃討戦を行います。』

『日本は勝敗委任国であり、国家、企業ともに出兵を控え、侵略を受け付けない状態です。』

『これに侵攻することは条約違反にあたり、各勢力から徹底的に攻撃されます。』

『しかし、これを気に食わない者たちが潜伏。テロを予定しているとの情報が入りました。』

『これに対し各勢力が彼らを扇動して利益を得ることを互いに警戒。話し合いの末、これを合同で殲滅する運びになりました。』

『機動兵器の破壊があなたの役割です。』

『乱戦となる上、今回ばかりは戦力が特定できませでした。』

『その為、今回は僚機の選択が許可されています。あまり無理をされない方がよろしいのでは?』

『以上です。力を示すにはいい機会だと思います。悪い話ではないと思いますが?』

『いい返事を期待しています。』

 

 

 

 

相変わらずムカつく。

でも身近なところだ、参加する意義はある。

しかし珍しいな、オーメルが情報不足なんて。

端末でレイヴン専用の掲示場を見たが、ちょっとした騒ぎになっている。

まあ、受諾っと。

選択する余地ないしね。

……3日後⁉大丈夫か!連休真ん中だぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦前日、割り当てられた地区が京都郊外だったので、京都で軽く観光することにした。

シャルさんも依頼を受けたけど、地区が長野の山の方らしい。

一人ふらつく。

古き良き町だ。

ジジイ臭いところが出てくる。

連休なだけあって、人通りが少し多い。

いろんな人とすれ違う。

 

 

そんな中、()()()の顔を見つけた。

 

(ツイてねえ。)

 

俺は知らない人を装った。

俺はサングラスをかけてる。スポーツ帽も。

雰囲気も変えようと頑張ったつもり。

だけど。

 

「…ン!…練!」

 

なんでバレたんだろうな

できるだけ気付かないふりをする。

 

「練!練ってば!」

 

だけど近づいてくる。

 

「練!」

 

肩を捕まれ振り向かされる。

目の前に彼女の顔。

この前夢に出た幼馴染。

 

 立上 紫蘭

 

「どなたですか、いきなり。」

「惚けないで。」

 

ぴしゃり、と言い切られる。

 

「世の中には、よく似た別の人が…」

「へえ、あご裏にあるほくろまで一緒なんて凄いですね。」

「……」

 

あ、普段気にしてなくて対策を怠った。

 

「…心配してた。病院の人に、病気でいつ死んでもおかしくないって言われてて。見つけたら、ピンピンしてんじゃない。損した。」

 

本当にそう思っているようだ。

涙ぐんでる。

 

「……参った。お前がいるなんて思ってなかった。」

 

諦めて認める。

これ以上、他人のふりをする自信が無かった。

 

「できるだけこのことは言うな。いろいろめんどくさいことになるから。」

 

 

 

 

 

アマジークさん。ちょっと違うけど、早速甘さが裏目に出たよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今まで何してたの?ずっと病気だって聞いてたし、さっきだって無視するし、惚けるし。」

 

ところ変わって裏路地の小さな喫茶店。

シャルさんに相談したらここを教えてくれた。

シャルさん達が秘密の話をする時に使うんだとか。

店内は静かなピアノが流れていた。

 

「企業に捕まってね。その手下さ。父さんたちが人質になった。」

「え…嘘、逃げられないの?」

「今はな。」

「そんな…」

 

実際厳しい。

 

「だけど、ずっと奴らにやられっぱなしってわけじゃない。これでもまだましな待遇なんだ。」

「そう、そうなんだ…。ところでどうしてここに?」

「任務で。詳しくは言えない。お前は?」

「おばあちゃんの墓参り。終わったから観光してた。」

「そうか。」

 

話が途切れ、ピアノがその間を流れる。

 

「いつまで滞在するか知らないけど……。」

 

俺から切り出した。

言っといても罰は当たらないだろう。

 

「上から聞いた話では明日の夜、日本と企業の合同で潜伏してるテロリストをを掃討するらしい。郊外で戦闘になるだろうから気をつけろ。」

「そうなの⁉一応明日午前で帰りだから多分大丈夫。」

「そうか、良かった。」

「そういえばさ、」

 

そこからいろんなことを聞いた。

最近どうだとか。

俺の親がどうしてるか。

学校がどうなってるかも聞いた。

最後のは少し避けてくれてたんだろう。

が、うっかり言っちゃてた。

俺は行けないからとか気にしなくていい、って言ったら続けてくれた。

何してるかは気になってたからな。

 

「そろそろ、行かなきゃ。」

 

レイヴンになったことは、紫蘭には言わなかった。

 

「……そうか。」

 

お互いに口惜しそうな顔をする。

 

「連絡先とかはどうにかならない?」

 

俺は少し躊躇う。

 

「偽名だけど、こいつでいいなら。頻繁に掛けるなよ。」

「アキレス、か。判った。」

 

バレたらバレたでその時だ。

 

「まあ、生きてたら適当に連絡する。」

「待ってるね。ま、死なないでね。」

 

紫蘭が帰る。

 

一人残された。

ふぅ。

なんとか……なってないな。

あいつ、俺の事漏らさなきゃいいけど。

口軽いからなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京都郊外のガレージに来た。

アセン確認だ。

テロリストだからポットとか湧くと思う。

リニアはブレて小さい相手には当てられない。

アサルトライフルに変更。

あとは大丈夫か。

ミサイルも6連がある。

試作品だった散布型ミサイルは一応返品してある。

今付いてるのは7連マイクロだ。

一通り確認し、ガレージを出る。

 

 

 

 

 

 

 

外は暗くなっていた。

 

 

 

 

 

とっくに自分は誰にも誇れない自分になっていた。

でも生きるため、選んだ。

後悔しても、今は進まなきゃ。

立ち止まりは出来るけど、時間は戻せないから。




アセンブルを画像で活動報告に載せました。
画質は期待しないでください。

主人公の名前は出すか出さないか迷って今更出しました。
主人公:神津 練 (カミツ レン)
幼馴染:立上 紫蘭 (タツカミ シラン)

となります。
では。


語尾が酷かったので修正しました。
推敲をもっとしようと決意。
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