巻き込まれた少年は烏になった   作:桜エビ

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感想見てますが、やっぱり読みづらいですよね。
研究せねば。


また、連日投稿です。
妄想が止まらない。


瓦解

『ミッション開始。まず、対空砲を攻撃してください。』

「了解。」

 

俺はミッションを受けた。

 

『敵襲!総員戦闘配置!』

 

既に基地は臨戦態勢だ。

騒がしく兵士と兵器が行き交う。

 

そういえば、攻める側は守る側の倍戦力がいるという話を聞いた気がする。

こっちにそれだけ戦力があるか知らないが、俺はやれることをやればいいか。

 

俺は散布型ミサイルを再び受け取っていた。

完成したらしく、この戦いの戦果で商品化するかしないかを決めるらしい。

 

そのミサイルを対空砲にマルチロック。

 

「いけよ。」

 

放たれたミサイルは複数の砲台に突き刺さり、爆散する。

ローゼンタール製の[TYPE-DULAKE]も対空砲を攻撃し始めた。

なら俺はこれを妨害する敵を排除すべきだ。

 

俺は基地を囲む壁を越える高度まで飛び、そこからEOとミサイル、リニアライフルを撃ち下ろした。戦車やMT、ノーマルを次々に壊していく。

 

エネルギーと熱が限界に来たので壁の外に着地。

だがそこに敵攻撃ヘリが来た。

 

『調子に乗るな!』

 

ヘリがミサイルを発射。

俺はそいつが放ったミサイルを飛び越えヘリに高度を合わせた。

 

そして、ブレードで切り裂く。

 

 

 

俺は見た。

下半身のなくなったパイロットが、ガラスを突き破り落ちていくのを。

殺したのをはっきり見届けた。

 

何も感じない訳じゃなかった。

罪悪感、自分への失望。

逆に空中のヘリにブレードを当てたという達成感。

チャージングとオーバーヒートが続く機体のコックピットで、ごちゃまぜの感情と、少し吐き気を感じた。

 

 

『なんだと!どういう事だ!』

 

偶然、指揮官と通信が繫がった。

 

『こちらのセリフだ!そちらはノーマルの部隊だと聞いていた。レイヴンがいるのはなぜだ!』

『そういう指定だろう!指示はそうなっている。』

『こちらとて同じだ。空爆はさせるなと。』

 

空爆?指定?一体なにを言ってるんだ。

 

『レイヴン。作戦変更です。爆撃機がここに来る途中に襲撃され、墜落したそうです。あなたはこれから渡される爆弾を持って基地に突入、倉庫に仕掛けて下さい』

「…そうですか。了解。」

さっきの通信が気になるが、まず目の前の事だ。

 

そうして、味方ACから、AC携帯用爆弾を渡された。

 

『味方も援護してくてるそうです。危険な役回りです。気をつけて。』

「了解。」

 

西門から一気に敵陣のど真ん中に突っ込む。

EOとリニアライフルを連射して周囲の敵を蹴散らす。

『このまま倉庫まで進んで下さい。』

 

そのまま敵陣を突っ切り、倉庫の自陣から見て裏側に来た。

倉庫越しにリニアとEOを撃ち、あたかも挟み撃ちの為に来たように見せかける。

そして、ブレードしか装備せず、マニピュレータが空いている左手で倉庫の壁の比較的高い位置に爆弾を設置。

 

即解除なんて事は無いだろう、と思った

しかし。

 

「ACだ!オーダーがいるぞ!」

 

そこを通りかかった歩兵の一団に見つかった。

無意識にリニアライフルを向ける。

 

「邪魔だ。」

 

トリガーの瞬間、口から漏れた言葉はあまりにも冷酷だった。

 

 

 

そして、後悔した。

高初速、大口径砲の砲弾を人に撃った結果なんて目に見えている。

 

自分が地獄絵図を作った。

形を保っているもの、そうでないもの。

関係なく、死んでいた。

自分が消した。

 

光景と直前の思考が先程以上の吐き気と嫌悪が襲う。

 

 

 

『…聞こえますか⁉すぐに脱出してください!』

「ッ。了解。」

 

 

 

数分後、基地の倉庫は盛大に爆発した。

 

 

ACが作戦領域外に出るまでは耐えられた。

だが、ヘリに繋がれた辺りで限界が来て、胃から来たものをぶちまけた。

幸いACには備え付けの袋があったのでそれを使う。

やはり、直接死体を見るの違う。

生理的嫌悪感には抗えない。

だが、兵器に乗っていようがいまいが、俺は敵を殺している。

そこに違いはない。

今までやってきた事だ。

俺は、何処かで戦いを愉しんでいる。

戦いには自分にとって都合の良い敵が出てくるとは限らない。

愉しむなら、受け入れろ。

選択だ。

 

 

 

 

 

 

 

俺は仮の家に帰ってきた。

ミッション前に交わした言葉と、自分が見た光景がフラッシュバックする。

 

「おかえり。…大丈夫?」

 

シャルさんが玄関で迎えてくれた。

 

「なんとも言えません。歩兵を直接攻撃ってクルものがあります。」

「…やっちゃったか。」

 

いつかは起きることだった。と言うふうにシャルさんは頷く。

 

「ええ、フィルターないんで。きついです。」

「……そうなるよね。」

「シャルさんは歩兵を直接攻撃した事、あるんですか?」

 

俺は素朴で物騒な疑問を口にした。

 

「あるよ。私はACに乗る前から殺しはしてたから、それほど抵抗は無かったな。」

「え⁉」

 

驚いたが、また当然だとも思う。

じゃなきゃレイヴンは厳しいだろう。

 

「環境が環境だった。この前答えたくなかったのも、私が殺し慣れた人っていうのもあるの。でもやっぱりACとかで殺っちゃうと流石にエグいとかは考えたな。」

 

シャルさんは少し申し訳無さそうな顔をする。

 

「そうですか……。でも今は、辞めるつもりはないです。直接見たからって折れちゃ、今まで殺した人はどうなるって話になります。状況的にも難しいですし。だから……。」

 

その時の俺はどんな顔だっただろう。

辛そうだっただろうか。

楽しそうな顔だろうか。

でも、自分に嘘をつき続けるのはきっと良くはない。

 

「自分の気持ちにしばらく従ってみようと思います。駄目ならその時、また考えます。」

 

シャルさんは微笑む。

 

「そう、無理しないでね。…まずはACを見たら?自分の商売道具なんだから。」

「そうします。ありがとうございました。」

 

俺はガレージめがけて走った。

 

 

 

 

 

 

 

それを見届けたシャルは端末の着信に答える。

『俺だ。』

「詐欺?」

『40年以上前のネタだな、おい。そんな事より、乱入者が動いた。お前んとこのレイヴンの参加した戦闘が〔打ち合わせ〕の内容と違うって問題になってる。上は気付いてないらしいが、おそらく乱入者の仕業だ。』

 

シャルは少し眉を釣り上げた。

 

「どのタイミングで情報が入れ替わったか分かる?」

『GAからの情報だが、この時の[打ち合わせ]は顔を合わせて行われたらしい。だから、命令が下に伝わる途中ですり替えられた筈だ。インターネットに繋がれた端末で命令をやり取りした履歴もあった。』

「もう社内ネットワークに侵入してるのね。ホットラインに手を出されるのも時間の問題か。」

 

壁によりかかる。

電話相手はやれやれとくたびれた調子で言った。

 

『そうだな。おそらくあいつにも動いてもらわなきゃならない。』

「ええ、そうね。で、もう一人は?」

『こっちも動きがあった。レイレナードの物資が不自然に消えた事件。その運搬担当が監視カメラに写ってたが、銀髪の青年、奴だ』

「物資の内容は?」

『全部は掴めなかったが、一覧ファイルを端末に送った。見てみろ。』

 

端末からホログラムディスプレイでシャルの目の前に盗まれた物資が表示された。

 

「……アクチュエータ複雑系の最新モデル、それと炭素繊維装甲の原料。掘削機械?心当たりはある?」

『いや…ないな。』

「そう。にしても、そのキャラいつまで続ける気?必要はないでしょ。」

『レイヴンである間はこうする事にしている。俺が決めたことだ。』

「……分かった。じゃあ、切るね。」

 

 

 

 

端末を握ったまま、かつての英雄はため息をついた。

 

「杞憂だといいが……フラグだな、あり得ないのに。マシなとこに投入されることを祈るか。」

 

端末に地図が映る。

物資が消息不明になったエリアの地図だ。

そこにもう一つの地図が重ねられる。

 

【コジマ物質採掘場】

 

消息を断ったポイントに近い所にそう記されていた。




この世界の旧作AC(オーダー)は

コジマ発見妨害

駆動系、制御系、コア思想が残される。

できるだけ性能が高いものが欲しいと言われて、なんとか組み合わせる。

完成(コア思想抜いたのがハイエンド)


とコジマがなくなったため使われるはずだった技術が、それ抜きで成立するよう技術者が頑張った結果です。

なので何も関係なく成立してはいません。
旧作ACもアクチュエータ複雑系の技術が使用されてます。
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