敵2機は彼らを追いかけるように行動した。
二人はそれを見て戦いの場を移す。
アキレスはどんどん基地の外に、ヤンは基地の入り組んだエリアへと敵を引き込んだ。
「APに余裕がある。…射撃頻度が少ない。継続的に攻撃して打ち勝つ!」
『先程のダメージが気になる…旋回は中量並か。あれを使えば十分翻弄できるな!』
しばらくマシンガンとEOの引き撃ちで門の前まで来た。
そのまま、アキレスは遮蔽物の少ない基地の外に出てマシンガンを撃ち続ける。
グレネードが放たれるが、弾速が遅い為切り返し続けるケイローンの左右上下を素通りする。
グレネードが当たらないと踏んだ敵はミサイルに切り替えるが、その散発的な攻撃ではダメージレースに勝てない。
アキレスは敵を捉え続けた。
近距離から連続して攻撃を続ける。
そうして業を煮やした(ように見える)敵がプラズマキャノンを連射するために動きを止めた。
「そこッ!」
最初に見た時からそれが狙い目だった。
相手は攻撃を回避出来なくなる。
そこに散布型ミサイルを敵に全ロックし発射。
動けない敵に容赦無く喰らいついた。
ヤンは基地で倉庫が乱立するエリアに敵を引き寄せた。
そこで敵はヤンを見失う。
無論、レーダーはある。
だが、ノイズが酷い。
『ECMだ、こちらのな。』
途端に動きが鈍くなる敵を見てヤンはほくそ笑む。
ECMは敵味方関係なく電子機器の機能を低下、停止させる。
だが、ヤンには関係ない。
入り組んだ地形で、その機動力で行くところなどたかが知れている。
索敵している敵の後ろからASTライフルで攻撃する。
振り返る頃には倉庫の影だ。
今度は側面からミサイル。
バッチリ全弾命中した。
次の襲撃方向をAIは模索した。
【後部上方からブレード。グレネードスタンバイ】
そして
ヤンは敵の後ろの倉庫の上から飛びかかる。
そこにグレネードを構える敵がいた。
ブレードを振りかざし彼は。
急上昇。距離を離す。
グレネードが彼の下を通り過ぎていった。
ASTライフル。続いてミサイルが雨のように降り注ぎ、敵に突き刺さる。
ライフルの被弾で動きが緩慢になった敵に、ミサイルの爆炎が敵の視界を潰す。
ヤンは敵を飛び越え、そこでブレードを起動した。
『「トドメェ!!』」
二箇所で二人は同時に叫ぶ。
アキレスは鈍った機体を正面から袈裟斬りに。
ヤンは後ろを縦に真一文字に斬り裂いた。
敵は機能停止した。
『こちらは片付いた。そちらは?』
「こちらもちょうど終わりました。」
二人はお互いに通信を繫げる。
『お前のような奴が居るとはな。傭兵も捨てたものではないな。』
「お褒めに預かり光栄です。しかし、申し訳ないですが、国連の依頼は受けれません。」
『受けられない?受けないではなく?』
ヤンがレイヴン相手ならそっちだろうと言わんばかりに問いかける。
「はい。俺、春まで一般人だったんです。日本の。企業に人質を取られて、無理矢理レイヴンを始めたもので。」
『本当か!無理しているだろう。それは…』
「今は企業側の依頼しか受けられないですが、レイヴンとして普通にやってけています。大丈夫です。あ、依頼はあいつらに盗られましたので撤退します。一時の共闘、誇りに思います。」
『そうか…一つ言わせてくれ。』
ウィンドウが開かれ、彼はの姿が映る。
『国連の者を代表して謝罪する。お前達を戦争に巻き込む事を許してしまった。済まない。』
「いえ、そんな、今は好きでレイヴンやってるんで、そんなこと言わないでください。」
ウィンドウの向こうで深々と頭を下げるヤンにしどろもどろしてしまう。
頭を上げたヤンさんは何かに気づいたように話す。
『……知らないのか。念のため、お節介だと思って聞いてくれ。』
「はい。」
『ある軍事評論家が戦争開始時に言った言葉だ。そいつによると、企業は3ヵ月も保たず国家に負ける見込みだと。だが、現実は違った。お前はどう思う。』
「企業のノーマルのアップデートとか?それとレイヴンの雇用頻度?」
『そんなもの、物量と税金でどうにかなる。…税金は言いすぎたが、よく考えてみろ。初期の情報精度の高さを。レオーネグループですら対国家戦は戦力予想に大きな間違いは無かった。おかしいと思わないか。』
「確かに…でも、それって…」
あまり考えたく無い答え。でも、証拠はある。
『お前には裏に詳しいやつがいる。聞いてみろ、真相を知りたければ。…話し過ぎた、帰った方がいい。味方が集まってくる。』
「……分かりました。ありがとうございます。戦争が終わった時に。また。」
そうして、アキレスはそのまま作戦領域を離脱した。
『アキレス…。』
「オペレーター。探られたくないと?」
今更だが、彼女とはオペレーターとレイヴンの関係であるために、あえてタメ口で話している。
『いえ、あなたの心象が心配なだけです。』
「そうか、世話をかけた。」
東京の裏路地
そこにとあるバーがある。
[スカーレット・ナイト]
そこに6人の客と店主と店員がいた。
「さて久しぶりにこんな人数が集まったんだし、飲むか。」
その店は貸し切りの看板が掛かっている。
「やっぱり大物ね。あなたは。」
そう言ってシャルは隣の老婆にワインを注いだ。
「はは、まだ動ける。これからだよ。」
「おお、怖い。お孫さんは?」
GA代表取締役、その人である。
「元気にやっているよ。私が若い頃やらかしたくらいにはな。」
「それは…また引っ掻き回さないですよね?」
「保証できん。ハッハッハ!」
「困るな…」
グロッキーになったシャルの隣で高らかに笑う。
「そこだけで盛り上がってんじゃねーぞ。混ぜろ!」
「ナインブレイカー…。相変わらずだな。」
一人盛り上がる男。
「後始末はお願い、英雄。」
「英雄は後始末するために居るんじゃない、ブラックバード。」
ブラックバードと呼ばれたのは、10にも及ぶか分からない少女。店員の姿だ。
ストレイドはシャルより年上のような印象を受ける装いだ。
「アキレスはどうなんだ。」
「最近そればっかね。どうして?」
「そりゃ、期待の新星だからな。気になるんだ。」
この異常な空間で、彼に興味の無い者はいなかった。
「まあ、彼は少なくとも近いうちに化ける。私達にはできない、二面性を受け入れる事を選んだ。きっと、強くなる。」
「へえ、楽しみ。戦ってみたいなぁ。」
ブラックバードは既に気になって仕方ない様だ。
「お前は駄目だ。焼き尽くすだろ。」
「あの頃とは違うって!多少は加減できるわよ。」
少女はカウンターから身を乗り出し主張するが、
「競り合う、手に汗握る戦いになったら?」
「そりゃぁ、もう、全部をぶつけて…」
「アウトォォォ!」
恍惚とした表情で語るが、内容は
思わずストレイドがツッコミを入れた。
それを見た[英雄]がそろそろと席を立つ。
「さて、本題に移ろう」
パン、と手を叩く。
その途端、空気が張り詰める。
「情勢はどうなんだ?」
「……もうあの均衡は保たん。既に、敢えて[打ち合わせ]を無視する事案も出てきた。お互いに潰しにかかるだろうよ。世も末か。」
老婆は残念そうに言った。
だが全面戦争の結果は見えている。
故に、違和感が拭えない。
「勝算がない戦いを企業が続けるとは思えないんだよねぇ。」
「そこだ。強がるにも限界がある。もし[乱入者]が全面戦争を望むなら、何かしら企業に対抗手段を持たせる筈だ。」
全員が唸る。
「俺に思い当たる所があります。」
扉の方で声がする振り返ると、3人の影。
「なに?一人多い……何でアキレスが居るんだよ!」
ストレイドが驚きの声を上げる。
彼より年上の男女二人に挟まれ、アキレスが居た。
その二人は申し訳なさそうな顔をしていた。
「ごめん。店の前にいたら問い詰められちゃって。」
「あそこまでしつこいとな…」
「もう…アキレスはどうやってここを?」
「オヤジさんに普段何処に行ってるか聞いたんです。そしたら、ここを教えてもらえました。ここの二人が店に入る寸前に問い詰めもしましたし。」
すらすらと経緯を喋るアキレスは、既に言いたい事は決まっていた。
「シャルさん、そして皆さんに聞きたいことがあります。」
「なに?」
「この国家解体戦争は…」
「発端すら仕組まれた、大掛かりな管理戦争なんですか?」
「…辿り着いたのね。その答えに。」
ついにか、と複雑な表情をするシャル。
「いえ、国連軍エース。ヤンさんにヒントをもらえました。企業の戦力は国家に対する戦争には足りないと。以前から違和感はありましたが。」
「そうなのね…管理戦争の件は正解よ。そしてそれを利用しようとする者たちもいる。」
アキレスは彼より年下の店員にカウンター席に案内された。
「ここから話す事は他言無用。バレたらここに居る私達が全滅すると思って聞いて。」
意外とぎりぎりだったシャル一行
活動報告に書きましたが、ちょっと悩んでいます。
あれから少し進展して、
・6〜70%くらいバラし、わかり易くなる代わり、受け付けにくい要素が出てくる書き方。
(次回が完成している)
・2〜40%位に抑え、分かりづらくなる代わり、AC要素ガン押しの書き方。
(これから頑張ってみる)
の2つが出てきました。
出来れば真ん中あたりの書き方をしたいのですが、まだ力不足で…自分で難易度上げましたけど。
単純に意見を聞きたいのですが、アンケート化するかもしれないので活動報告【実力不足】を利用して意見を聞いてみたいと思います。
普通の感想もお待ちしております。というか下さい。(ヘタクソなのは承知していますが。)