巻き込まれた少年は烏になった   作:桜エビ

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少年はACや兵器の知識があんまりないです


本編
ありがちな出会い


日本はとても平和だった、といきなりだけど思う。

こんな世界だと、そう思わざるを得ない。

国家解体戦争。

その真っ只中、自衛隊を必要があるときに出すだけで戦火が本土に来なかったのだから。それも不謹慎だと思うが。

その時、俺はまだ中学校に入る前で、確か戦局は拮抗状態だったか?

ニュースで見るその戦争は酷かった。けど、それは画面越しだった。

 

 

 

あれに会ったあの日、俺は父さんと母さんとで中学の入学祝いに旅行に出かけていた。

 

車を運転している影に俺は

 

「父さん、次は?」

 

と聞いた。

サプライズだったもんだから、行き先を知らない俺は、好奇心を抑えられず、にもかかわらずそれを表に出すのが恥ずかしくて、あえて平坦な声で聞いた。

今思うとそれほど親嫌いでもなかった。

 

「流石に時間だからな。チェックインしに行かないと。」

 

どうでもいいが、俺は温泉好きだったりする。

また気持ちを抑えつつ車窓から見慣れない街を眺める。

空に流れ星のような一筋の光。

まだ日は暮れてない。

よって流れ星の可能性は低い。そしてそれは近づいて来た。

赤い体躯。

肩に⑨とペイントされた機体が3つくらい先にある交差点に着地して、肩の二つ折りになってた筒(グレネードキャノン)をこっちの方に…

 

ターゲット確認。排除開始。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…しっかりしろ、おい!」

 

気づくと横になってて父さんが目の前にいた。

 

「目が覚めたか。足を骨折してる。母さんが来るまで待つぞ」

 

あえて足から気を逸す。

だが、激痛からは逃れられなかった。

そして、母さんが松葉杖と救急箱を持ってきた。

足を固定しつつ父さんが言う。

 

「さっきのは向こうに行った。今頃自衛隊のACと戦ってるはずだ」

 

救急箱にあったギブス等を使い右足を固定。

松葉杖を使って移動を始めたとき巨人(AC)が100メートル向こうに落ちてきた。そして赤い機体がその上に降りる。

ACの足が踏み潰され、ミシィと嫌な音がした。

トドメと言わんばかりに左手から出る光(レーザーブレード)でACを貫いた。

ACが動きを止める。

見つめることしかできなかった。

その赤いACはそうやって呆然としている俺達の方を向いた。

見つかった。

そいつは右手のピストルのようなもの(パルスライフル)をこっちに向ける。

 

「父さん、母さん、逃げて!」

 

俺は間に合わない

目の前でやられたACを自分に重ねた俺は、無意識にそう付け加えようとした。

だがそれに反して、二人は俺に覆いかぶさる。

思わず目を閉じた。

 

 

 

 

 

しかし、何も来ない。

恐る恐る目を開くと、赤いACは空のどこかを凝視していた。

俺もつられて上を見る。

黒いACが赤いACと同様にこちらへ向かって来ていた。

黒いそいつがミサイルを赤いやつに撃った。赤いACは後ろに下がりながらそれを回避する。

その隙に、黒いACが俺達と赤いACの間に立ちはだかるように、静かに降り立った。

 

オニキス(赤いAC)をコントロールしている者に告げる。こちらは日本に雇われているレイヴンだ。そちらがこれ以上戦闘行為をしない場合、こちらもこれ以上攻撃をしない。無駄な損失はそちらも望まないだろう』

 

オニキスはピストルを向けた。

よく考えると、黒いACは地味に挑発している。

俺らがいるにもかかわらず。

 

(なんてことしてくれたんだ。)

 

傲慢な黒いACに怒りが沸き上がる。

しかし、睨みつけようとした黒いACはさっきまでいた所には居なかった。

直後、オニキスの方から激しい音。

見るとオニキスは両足を斬られ、倒れ行くところだった。

右手も無い。

宙を舞っている。

黒いACはそのまま右手の(マシンガン)を連射。

鉛の嵐に赤い装甲が砕かれ、内部が露出。しかし黒いACのマシンガンは止まらない。

銃声が止む頃には、オニキスは原型を留めていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「言わんこっちゃない。」

 

レーダーに敵はない。

通信回線が開かれる。

 

『済まない、助かった。礼を言う』

ハイエンド(ましなもの)は配備してないの?いい標的じゃない。レイヴンに狙われるわよ。」

 

事実を淡々と述べる。

 

『納品が間に合わなかったんだ、他の基地にはあるんだが。それに練度の問題もある。現状オーダー(レイヴン)にはオーダー(レイヴン)がベストなんだ。』

 

世の中そううまくいかないか。

 

「そう。それから念のため。こっちに取り残された民間人が三人。1人が怪我してる。」

『了解した』

 

 それにしてもやりずらい。

シートに全体重を預けて一息つく。

()()()()()()ではこんなややこしい名前も区分もなかった。ACはACだった。

それがどうだ。こっちでは自分たちが乗っていた機体はオーダーメイドACと呼ばれ、コアもない機体をノーマル、オーダーの技術で中身を変えたノーマルをハイエンドノーマルと呼んでいるじゃないか。

また別の世界から来た仲間の話によると、その世界でのハイエンドノーマルはオーダーのことを指していたらしい。

 

それもこれも、10年前にコジマ研究所を潰したせいで生まれた歪みなのかも知れない。

立ち去ろうとした時、音響センサーが声を拾った。

 

『助けてくれて、ありがとうございました!!!』

 

さっきの少年のようだ。

裏のない感謝に少し嬉しくなる。

だけども、彼の今後のために言っておかねばならない。

レイヴンに憧れても、ろくな事はないから。

声を低く、冷たくしてマイクに向かう。

 

「私はレイヴン。依頼を達成するためなら何でもする。今回はこれが依頼で気が向いたからに過ぎない。」

 

巡行モードでブースターを点火。

今度こそ領域を離脱した。

 

 

薄暗い部屋で何かが呟く。

あなたは、誰?




オニキスはコアをラストレイヴンで復刻した初代の方、パルスライフルをヴィクセンのにしたのをイメージして書いてました。(ビジュアル悪いけど)
世界観は

・ベースは4。

・コジマは見つかりそうになったけど、博士が消された。

・ネクストの代わりにオーダー(旧作AC、もしくはハイエンドノーマルのこの世界での呼び方)をレイヴンが使ってる。

またおまけに、

・人口は増えてなくて寧ろ少子化で減ってる

という感じです。
理由の感じられない世界観はもし連載、もしくは同じ世界を使ったら意味を持つかも。
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