語彙力ないの丸バレですね。
勢い乗って書きすました。
あの後俺は
必死に目を逸してたから気付かなかったが、俺の右足の骨折は開放骨折だった。
その上、治療中に未だに特効薬が見つかってないウイルスが検出されたかららしい。
のだが。
右足の手術から3日たった。
ウイルスを抱えたにも関わらず、俺は右足以外は元気だった。
流石におかしいと看護師に訪ねたが、潜伏期間だと返された。
さらに4日たった。
疑いは深まるばかりだ。
もとから治りが早いのと、何だかんだ最新の再生医療を使わせてもらっているので、右足はかなり良くなった。
その上、以前と変わらず体の調子はいい。
病気は悪化してない?
いくらなんでもおかしい。
周りの言うことが信じられなくなってきた。
父さんと母さん、心配してるだろうな。
入学式まで後3日になった日。
右足はとりあえず治った。
流石に早すぎないか、と不安になる。
病室から出てくるように言われ、看護師さんの後ろに着いていく。
連れてこらてたのは地下だった。
別に暗くも、汚くも無かった。
無機質な廊下を歩く。
そして、ある扉の前で看護師は立ち止まった。
「こちらです。」
部屋の名前は【第9診断室】
危険、の文字が書かれた扉に恐怖心が顔を出す。
ウイルスは本当だった?
いったい何をされる?
中学校に行く前に自分はここで……。
怖くてたまらなかった。
扉が開かれる。
どうぞ、の声に勝手に治ったばかりの足が動く。
中は少し暗かった。
奥の方が見えない。
「君には聞いてもらわなければならない話がある。」
いきなり左から男の声が響く。
そっちを向くとスーツに身を包んだ男。
セールスマンチックな雰囲気。
想定外と雰囲気に顔をしかめる。あの手の人間は苦手だ。
「僕に何をする気ですか。高すぎる治療はいりません。助かるなら、時間がかかっても構いません。」
言ってから状況を思い出す。嫌悪感が先走った。
男は少しも気にするような素振りもなく言った。
「始めに言っておく。君には、選択する権利はない。」
何を言ってるんだ。
選択の権利がない?
恐怖の横に怒りが顔を出した。
「次に、君の血液中には今まで言ってきたウイルスなんて存在しない。こちらが君を引き止める為の言い訳、と言っておこう。」
「冗談じゃ無い!今までずっと我慢してたんだぞ、こっちは!もう入学式の3日前なんだ、お前たちの勝手で人生台無しにされてたまるか!」
怒りを抑えられず、怒鳴り散らす。だが、男は吐き捨てるように、言い放った。
「言わなかったか。君に選択の権利は無いと。こっちは君に交渉してるのでは無い。」
言い切られ、何も言えなくなった。
「自己紹介が遅れたな。私はオーメルから来たフレディ・ネイサンだ。」
自己紹介だと。
噛みつきたくなる。
さっきまでのことを思い出し、抑えるのに徹することにする。
「さていきなりだが、君はドミナント、という言葉を知っているかな。」
黙って首を振る。
知るか。
「だろうな。先天的戦闘適性、つまり戦うために産まれてきたような存在、選ばれた人間だ。」
「嘘くさいですね」
そんな眉唾ものに興味がある訳がない。
「私だってそう思ったさ。だがな、実際に【天才】という概念がある。そういう事だ。」
「【努力】という概念もあるでしょう」
「『天才は99%の【努力】と1%のひらめきから生まれる』か。確かにな。だが【実証】されたのなら、話は別だろう」
「どうやってですか。才能ななんてどうやって実証するですか。」
「君は見ただろう圧倒的な力を。」
こうなった原因か。
「そう、レイヴンだ。そいつらの遺伝子と身体を徹底的に調べたんだ。そしたらどうだ。上位のレイヴンに共通する項目が山ほどあったのさ。先天的な筋肉構造、脳構造、体質。遺伝子からくる人格や反射神経。生まれつきというものがどういうものか思い知らされたさ。」
ネイサンはそこで区切った。
何が言いたいか少しづつ分かってきた。
だが、同時に馬鹿馬鹿しいとも思った。
「君が聡明ならば、そろそろ理解できるはずだ。救急隊から君の遺伝子サンプルをもらってね。調べたんだ。」
「君はどうやら選ばれた人間らしい。出たんだよ。ドミナントの一因とされる遺伝子が。」
この言葉に、首を傾けたくなった。
正直なところ、自分がそんな強い人間だと思えないからだ。
体育は並、特技も優れた頭脳も無い。The・平凡だと自分を評価してた。
だが、ここに来ていきなり【天才】と言われてもピンと来ない。
だが、最新の医療機器の手配、面倒な書類偽造などを考えると、適当に使い捨てるようにするつもりは無さそうだ。
さてどうしよう。
じゃあ、ここから切り出そう。
「ということはオーメル専属ACパイロットになれと?」
「ずいぶん話が早い。普通はレイヴンで切り出されるんだが」
「それと、選択する権利はない、と言いましたが、ここでの拒否やACに乗った途端逃げ出したらどうするつもりで?圧力かけて寝返りなんてよくある話ですが。」
「……これまた理解が早い。」
複雑な顔をされる。
察しはつくさ。
「いつもは拒否されたあとに言うことだ。」
ドスの効いた声でネイサンは言った。
「よく聞け。こちらへ不利益なことをするなら、お前の家族、大切な者を暗殺させてもらう。」
やはりか。
企業は思った以上に黒い。
「しかし、君は賢いな。人によっては『選ばれた』の単語で堕ちる勇者気取りな者もいる。最初から首根っこを掴まれているのに気づく子供は少ない。」
「選択させる気が無い時点で怪しむものだろ。」
「大人はな。子供はそうはいかん。普通は怖がっている子供に優しく接して話しやすくするところから始めるんだが、出鼻を挫かれたからな。少し高圧的にでてしまった。交渉人として失格だな。」
地味に効いてたのかアレ。
「ビジネスマンが好きじゃないだけです。」
「例えそうだとしてもだ。舐めていたよ、子供だからと。君という人材を他企業に譲る気はないがね。」
目つきが変わる。
選択肢が無いことには変わりない。あるなら最善だ。
恐怖心は大分小さくなっていた。
死をぶら下げてはいるが、やはり人だと思ったからか。
「ですが、穴はある。」
「どんな?」
ネイサンは興味深そうに先をすすめる
「先天的才能。それも戦闘、いや戦争に関するものにとっても都合がいいものがありますから。」
ひと呼吸
厨二病な考え方だが、しっかり理解してるなら問題無い。
「サイコパスですよ。他人を物と大差なく見れる人間。殺しに罪悪感が無い。家族、友達を平然と見捨てますよ、俺は。」
ネイサンの顔が少し緩む。
「君がそれだと。」
1ミリは疑ってるだろうが、嘘だと考えるのが妥当だろうな。
そうだろうな。
ニヤリと笑って付け加える。
「虫も犬もイジメるのが大好きなんですよ。道端の猫を轢いたこともあったな。カラスを後ろから蹴飛ばしたし、やり返してきたときは彫刻刀で刺してやった。」
笑みを深くする。
ネイサンの緩んだ顔は少しずず釣り上がっていく。
1ミリが少しづつ膨らむ。それでいい。
「本当に親や友達をどうでもいいと?本当にサイコパスだと思って…」
「いや、ハッタリですよ。」
ネイサンは派手にズッコケた。
立て直して怒鳴る。
「ややこしいことをするな!大人を馬鹿にして‼」
「ややこしく感じましたんですね、嘘を。」
ネイサンは目を見開く。そして身体を反らしため息。
何も言う気配が無いので続ける。
「でも、あながち嘘でもないです。親に『いざとなったら、友や親よりお前を優先しろ。たとえ俺達が助けてと泣きわめいても』と地震やパンデミックの話のたびに言われてました。実行して傷つくか否か別として、死ぬより酷い目似合うならもしや、程度です。」
「…だからってそう言うか?それだけで演技に支障が出なかったんだろう。」
「はい。」
一気にくたびれたネイサン。
「本当に交渉人失格だな、俺は。お前、本当はこっち側だろその才能。」
「知りませんよ。資料はそっちでしょう。」
「そうだな。…………やっぱり、兄さんには敵わないか。」
素が出できた。
「下手するとクビだな俺。あ〜あ、こんなガキにこのざまか。今まで上手くいってたのになぁ。ああそれと今までの全部ハッタリだ。今そんな人手は無い。できて親まで、しかも上に頼まなきゃいけない。」
「曝け出していいんですかそんなの!仮にも脅迫相手ですよね!」
思わず突っ込む。
「ああ、レコードされてないからな。」
じゃあ本当にただの脅しなのか。
「…親までは殺れるんですか?」
「恐らくな。」
「脅す余地有りませんか?ただ匂わせただけですよ。」
「悪いが、正直なところ待遇は最悪だ。脱走するやつも普通にいる。お前もそうするだろう。子供なら親が殺されたと信じるだろうからと暗殺の予算が少ないんだ。俺も親ならぬ兄の七光でな。正直合ってないと思ってたところだ。」
「愚痴ですか。仮面外れてますよ。」
突然の身の上話に困惑してしまう。
確かに、今まで合わない仕事をしていたせいか、だいぶ疲れた顔をしている。
「済まない。だが、話を戻させてもらう。こちらにもプライドも引けない理由もある。」
俺も真面目になる。
「悪いが知りすぎだ。俺が愚痴ったのを除いても、この施設と行為を外に出すつもりはない。少なくともお前には消えて貰うだろうな。拒否すれば。しかも才能は確かに本物みたいだからな。さっき言ったが余所にやる気もない。」
ここに戻ってきてしまった。
「そうでしょうね。人質の話も自殺防止ですよね。」
やはり逃げ道は無し、か。
気が沈む。
「すいません、調子乗りました。話の流れをこっちに持ってきて少しでもマシな待遇にして貰おうとしたんです。」
「だろうな。最悪の待遇って言うのが見え見えだからな。気づけば足掻くだろうよ、そりゃ。」
ネイサンは共感しつつニヤつく。
「少なくとも、ACからは、戦争や死からは逃げられない。」
ああ、詰んだんだ、お互い。
場の空気が沈む。
「だが、待遇なら幾らかどうにかなる。」
「えっ」
いや、厳しいんじゃないんですか。
「実はこのシステム、期待度が低くて俺に全部丸投げなんだ。誤魔化しが効く。」
「大丈夫ですか!?そんなの!?」
施設が用意されてるそれなりの規模のプロジェクトじゃないんですか⁉
「まあ、確実にこっち陣営だろうな。だが、戦いからは逃げられないが奴隷よりかマシな状態には持っていける。それに少しお前に期待もしてる。」
[逃げは無しですか。」
「人殺しは嫌だろうな。だが最初に言った通り選択肢はほぼ無い。死ぬか殺すかだ。」
「結局そうなるんですね。」
この手は、確実に血に濡れる。
それでも、家族と俺が生き残るためにはやるしかない。
「脱走される度に管理責任を問われてな、もう脱走者を出す訳にも、世間に知られてもいけない。気づいただろうが、このシステム自体がまだ【実証】なんだよ。」
「ならあなたが言う次善策っていうのは…」
「オーメル贔屓のレイヴンだ。お前は此処に来る事なく、病室から脱走しレイヴンに拾われる、その後人質の話をされ、脅迫されオーメルの依頼を受ける。あらすじはこんなところか。」
「それなら監視系の責任でまだマシになると。何故そこまで?」
正直、ここまでしてもらえる様な人間じゃないのに。
「まずはお前に期待していること。適性トップなんだよ。上に報告したら、なんとしてでも手に入れろだとさ。俺のプライドで殺すとどうなることやら。次に保身。同じ所に連れてって他の奴らに暗殺の予算無いって言われたら一斉にAC持ち逃げされてしまう。俺の死は確定だ。
「乗るしか無さそうですね。」
気持ちは落ち込んだままだ。だけど、進むしかない。
「30分間で準備する。病室に戻っててくれ。」
俺は、生きるために戦う事になった。
机の上で皺くちゃになっているカルテには社交性についての適正に赤いマーカーで線が引かれていた。
「あ〜あ。戦闘適正だけに目が行ってたな。まあいい。これで奴を[オーダー]に乗せられた。こっちのほうがあいつに合ってる。」
そう呟いて彼は端末を握る
画面には[シャル マメイヤー]の文字が浮かんでいた。
予定ではもう少しダークな感じでしたが書いてるうちにギャグが入りました。
正直なところ、サナトリウムを使うのにかなり躊躇いました。
ですが、ここの世界観作るのにこの単語が必要なので使う運びに。クロスしているのはAC内だけではないんです。隠してるのは恥ずかしいからです。
覚悟できたら言おうと思ってます。
なお超大雑把なあらすじは決まっています。敵はエタることです。
誤字、不適切な表現の報告お願い致します。
追記
エディをフレディと改名しました。