反省はしているが後悔はしていない。断じて逃げてるとかそんなんじゃない。いいね?
「お母さん?」
「いい、よく聞いて。あなたは人のために産まれてきたの。だから、あなたは人のためになることをするの。分かった?」
「うん。お母さんは?」
「…ごめんなさい。あなたと一緒には行けなみたい。」
「どうして?」
「…っ。さっき言ったことを忘れないで。」
お母さんが離れてく。
「お母さん⁉お母さんッ!!」
そして見えなくなった。
何もかも。
真っ暗に。
比喩抜きで、私はお母さんの手によって世界の外へ送り出された
闇の中にいる。
世界と世界の境界に立たされたんだ。
そして私は
『ミッションを説明します。』
初ブリーフィングが始まった。
『依頼元は有澤重工、場所は横浜です。』
あれ?山岳部じゃなかったっけ。
『テロリストがMTを使用し市街地の一区画を占拠しました。』
『本来、自衛隊の役割なのですが。レイヴン試験に状況が似ているとのことで依頼となりました。』
『ここだけの話、レイヴン試験は我々企業が都合の良いテロリストに対し自律型MTを提供、マッチポンプして行っています。事前に日程が決まっているのはそのためです。しかし今回それが行われる前にこの状況となりました。』
『なお同時に試験を受けるレイヴン候補が僚機になっています。』
『ここで実戦を経験するのも、悪い話ではないと思いますが?』
まあそうだな。
軽い気持ちでこの変更を受諾した。
指定の区画に入った。
【エリア、シンニュウ】
【システム、キドウ】
無機質なCOMボイスが流れ、ミッションの始まりを告げる。
機体はレイヴン試験に用いられる再安価のオーダーAC。
心許ないがMT相手なら問題無い。
『これをクリアすれば…』
僚機のつぶやき。
さて近くの敵機は、右のビルの向こうにニ機か。
ビルをブーストで超え、ライフルを構える。
真上に来たとき、MTはようやく上を見たが
「遅い。」
上からの弾丸でMTが一機の装甲が砕け、沈黙する。
着地するまでの間にもう一機のMTの後ろに回った。
そのままブレードで叩き斬る。
上下に別れた機体が崩れ落ちた。
確認すると、僚機もニ機倒したようだ。
負けてられない。
奥の交差点左からMTが出現。こちらに気づいたようでミサイルを撃ってきた。左右に機体を揺らし、予測追尾機能を利用してビルにミサイルをぶつける。
その後、ブーストで一気に距離を詰め、ブレードを横薙して手前の一機を溶断。
もう一機いたがバックブーストで引き撃ちしたらあっさり壊れた。
MTを一人7機撃破したところで、相手は全滅した。
『良かった、これで』
僚機から安堵の声。
こっちも似たようなものでシートに身体を預けていた。
『力はあるようだな。認めよう、今日から君は……』
ロックオンアラート
上に、ブレードで俺を真っ二つにしようとするACがいた。
ただブースト吹かすだけじゃ間に合わない。
そう思った時には、身体が勝手に左手のトリガーを押し込んでいた。
ブレードのマニューバーで急発進し、元いたところにACが着地する。
『避けられたか。』
『何事ですか…AC!?』
僚機も後ろからやって来た。
相手はオーメル社製ハイエンドノーマル
[TYPE-DULAKE-HI]
ノーマルの駆動系をオーダーに差し替えた典型的なハイエンドノーマルだ。
ライフルとブレードを装備している。
さらに後ろからもう二機、別の武装タイプが現れた。
一機は左手がシールド、もう一機はバズーカ、ブレードだ。
『付き合う義理はない。試験中ならまだしも、既に終わっている上、先程のテロリストとは無関係だ。早く撤退しろ。今、別のレイヴンを雇った。』
試験官から通信が来たが、敵ACが言い返すように通信回線を開く。
『逃がせないね。
「何?」
俺に向かって憎しみがぶつけられる。
『お前は俺達みたいにこき使われるはずだった。耐えたれずに逃げ出すぐらいに。だが、今のお前はそうじゃない。むしろ自由じゃないか!いい思いしやがって‼殺してやる!』
いつかこうなるかもと思っていたが、早すぎる。
さっき斬りかかってきたACが再度接近。
お互いにブレードを振る。
放電するような音がし、ブレードが命中したことを伝える。が。
(クソっ、ダメージ交換になってねえ。)
こっちは最安価元工作用ブレード、相手は専用実戦向けブレード。
威力が足りない。
加えて相手は空中斬り。
APが1000ほど消し飛ぶ。
相手には500くらいか。
ハイエンド相手とは言え少ない。
ハイエンドのAPはだいたい5000だったか。
着地点はT字路、前後に敵。左には道が開けている
ブレードが当たった肩が赤熱化していた。
『援護します。後退を!』
僚機がライフルを連射し、俺の一歩手前に出る。
動いてなかった二機がバックステップ、俺は後ろを振り返りミサイルを放った。
それと同時に二人揃って交差点を誰もいない方に進む。敵ACは俺達がさっきいたところに集まった。
俺達は進んだ先の十字路に陣取った。
「いいか。お前が左、俺は右だ。合図で一気にブースト、いいな。」
『分かりました。』
相手3機がこちらに向かってきた。
「行くぞ!」
散開した俺達。
敵は、
3機揃ってこっちに来た。
『そんな!掩護……』
「撤退しろ!こいつらの狙いは俺だ。お前は逃げても追って来ない。」
最初からこれが狙いだ。
『でも!』
「早く行け!」
その間俺は、ライフルよりも射程が長いミサイルの引き撃ちをした。
だがバズーカの射程から逃げられない。
何発か食らった。
どうにかシールド持ちは倒せたが、そこでミサイルが切れた。
AP残り2000ちょっと。
ライフル残り43発。
きつい。
そこにいきなりの大声が響く。
『うおおおおおお!』
『後ろから!?』
僚機がOBを使って追いかけてブレードでバズーカ持ちに斬りかかった。
結果、そいつの左腕を切り落とし、僚機は俺の目の前で停止。
『大丈夫ですか?』
「馬鹿!なんで来た!」
『ほっておくなんてできませんよ。』
でもこれで五分か。
『すいません。ライフル切れました。ミサイルもです。』
嘘だろ。
見ると既にパージされている。
相手は、バズーカの弾がまだそれなりにあるACとほとんど使われてないライフル持ち。
(不利は変わってないか)
引き撃ちされたら詰む。
そんな時、通信が来た。
『待たせた。あとは任せろ』
横から割って別のACが入ってきた。
【ゾウエン、AC、ローレンス、デス】
そのCOMボイスが終わらない内にことは終わっていた。
まず、バズーカ持ちに向けてレーザーライフルを一発。
それはバズーカに命中し誘爆、APが0になったのか膝をつく。
突っ込んできたもう一機がブレードを起動したが、振る直前、ローレンスが飛んで空振りに終わる。
そのガラ空きの背中を左腕の月光で斬った。
敵ACは吹き飛びそのままヘッドスライディングして停止した。
その様子を、呆然と見ていることしかできない。
『一戦交えた後の初期機体でよくここまでやったな。でなけりゃ、まず瞬殺は無理だったよ。』
「いや、お強いですね。」
『そうでもない。救援と聞いて即座に敵を撃破できる装備にしたんだが、負荷がでかくてな、ピーキーなんだこいつ。』
それでもあの立ち回りか。
『そういうことで、期待しているぞ。』
ローレンスは、そのままOBで何処かへ飛び去っていった。
こうして俺達の初依頼は終わった。
「すごいじゃん。アリーナの3位に期待されるなんて。」
「えっ!あの人トップランカーだったの!?」
あの人が超大物だと知ったのは、シャルさんにそのことを言ったあとだった。
僚機のモデルは林檎少年です。
アキレスはLRの、僚機くんは3の初期機体を使用しました。
増援のAC、ローレンスのパイロットはレイヴン U.N.オーエン。つまるところ本来のアナトリアの傭兵の過去の姿です。
旧作ACに乗ってるお陰でさらに凶悪になってます。(ノーマルよりかは高性能なので)
さて、連日で作ってしまった。明日頑張らないと。