結城友奈は勇者である 〜勇者と武神の記録〜   作:スターダストライダー

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大変長らくお待たせしました。
イベント等の仕事もひと段落ついたので、投稿再開いたします。

『わんだふるぷりきゅあ!』のテーマでもある、『飼い主とペットとの関係性』において、避けては通れぬ道、即ち「寿命問題」について触れる回がありましたが、明確に『死』というワードを口に出す事なく、飼い犬の最期を看取るまでの過程を、ほぼ誤魔化す事なく描ききったのはある種、恋愛告白回に継ぐ、女児向けアニメにおける革命とも言えるでしょう。幼少期に以前住んでいた家で飼っていた、ゴールデンレトリバーの事が脳裏に蘇った次第です。
前書きという事もあるので多くは語りませんが、とりあえずアニメ全体の枠組みとしては、評価に値する作品であるのは間違いないと思いました。





EV19:香川では『年越し蕎麦』よりも『年明けうどん』が主流らしい

「アンビリーバボー!馬鹿なこと言わないで!年越しは蕎麦に決まってるでしょ⁉︎」

「諏訪ではそうかもしれないが、四国での年越しは、うどんと相場が決まっている!『郷に入っては郷に従え』という諺があるように、四国にいるうちは、こちらの慣わしに準じてもらおうか!」

「な、なんですってぇ⁉︎幾らここがうどんの聖地だからといっても、大晦日の年越し蕎麦だけは譲れないわ!」

「うどんだ!」

「蕎麦よ!」

 

暮れも押し詰まった12月31日。俗に言う大晦日にあたると同時に、諏訪の勇者、白鳥歌野の誕生日に該当する訳だが、当の本人は祝われるつもりはないのか、寮の自室にて例の如く『うどんvs蕎麦』の論争にヒートアップしている。とりわけ今回は年越しに啜る麺類は何なのか、という論点を巡って、若葉と火花を散らしている。

 

「で、でも、年越しうどんなんて、初めて聞いたけど……。ホントなの、昴君?」

「はい。僕の家の場合は、年が明けたらうどんを啜る為、『年明けうどん』という表現が正しいかと思いますが、四国ではやはりうどんが主流ですね。確か鷲尾家では、毎年天ぷらうどんを啜っているとか」

 

年越しうどん、というワードに馴染みがない水都は、食の知識が豊富な昴(小)の情報を得て、へぇ、と唸る。

と、そこへ暇を持て余していたであろう残りの小学生組が、歌野の部屋に入ってきた。

 

「チィース、なんかすっごい賑やかだけど、どったの?」

「ここに若葉さんもいるってことは、やっぱし……」

「……だろうな」

 

粗方喧騒の内容を察した巧(小)が、肩をすくめる。

 

「そもそも、年越し蕎麦は、細く長い物を食べることで長寿を祈願するもの。ならば、うどんでも構わない筈だ。否!腰のあるうどんの方が相応しい!」

「それは、諸説あるうちの一つよ。他の麺類より切れやすい蕎麦を食べることで、1年の災厄を断ち切るという説もあるわ!」

「……そうなのか?」

「そうですね」

「確かに、年越し蕎麦の由来は、歌野さんの仰る通りですね」

「フッフ。ほらね」

 

情報量として一歩リードしたことを、誇らしげに表情に出す歌野。それに対し若葉は拳を震わせ……。

 

「っ!裏切るのか昴!仮にも流星の子孫ともあろう者が……!」

「えぇ⁉︎」

「うわっ!若葉さんまさかの逆ギレ⁉︎」

「ひっでぇ⁉︎」

「ご先祖様、理不尽〜……」

 

流石の粗暴ぶりに、乃木家の子孫も呆れる始末。

 

「すいませんうちの若葉ちゃんが……。うどんのこととなると、つい熱くなっちゃって……」

「さ、解ったら今夜は、みんなで美味しい年越し蕎麦を堪能しましょう。みんなの分もちゃんと用意してあるから」

「そうはいかない。他のメンバーも集めて聞いてみようじゃないか。年越しは、うどんか蕎麦か!」

「往生際が悪いわよ、若葉。でもOKよ!受けて立ちましょう!」

 

尚も食い下がる若葉の提案を受ける歌野。そうして2人は寮にいる面子を集めるべく部屋を出た訳だが、残された面々は話についていけずに置いてきぼりだ。

 

「なぁ、何で勝負みたくなってんだ、巧?」

「俺に聞かれてもな……」

「うぅ……。僕が、裏切り者……。ご先祖様に合わせる顔が……」

「あわわ〜。元気出してすばるん〜」

「その通りよ!」

 

珍しく落ち込んだ様子の昴(小)を慰める中、唐突に須美が立ち上がった。

 

「ここから若葉さんに加勢して、うどんの良さをアピールしていけば問題ないわ!何としてでも、うどん派に勝利を!」

 

意味もなくガッツポーズを掲げる須美に対し、晴人と巧(小)が小声で呟く。

 

「なんか最近……、須美が東郷さんに寄せてきているように見えるのは俺だけか?」

「まぁ同一人物だからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで俺達が招集された、と?」

「はい。うどん推しでも、蕎麦推しでもない皆さんに、少しお話しを伺おうかと思いまして」

 

10分後。寮の一室に呼び出されたのは、誠也、美羽、奏太、雪花、棗といった、四国や諏訪の出身ではなく、他の麺類を主軸としている面子。寮には他の面々もいるわけだが、全員四国出身の為、不公平にならない為の措置だ。その辺りは若葉も考えて行動するだけの脳はあったようだ。

 

「あー、まぁ確かに年越しラーメンはないわ」

「せやな。流石にワイも年越しにちゃんぽんってことはあれへん」

「私も、年越しにソーキそばは食べない」

「だったら、年越しには何を食べる?うどんが食べたいと思うだろ?」

 

流石に1年の締めくくりに、好きな麺類は口にしないと分かり、淡い期待を寄せる若葉。

が、各々の返答は当然ながら、若葉の予想を裏切るものだった。

 

「う〜ん。私達は、大晦日の日は蕎麦かな。ね、誠也」

「あぁ」

「年越しは……蕎麦だ」

「年越しいうたら、そら蕎麦に決まっとるやろ。年越しうどんなんて、これっぽっちも聞いたことあらへんで」

「普通に年越し蕎麦ですな」

 

5対0。完膚なきまでに叩きのめされた若葉のその表情は、元の世界におけるバーテックスの討伐数トップクラスとは思えないくらい、悔しさに満ちている。

 

「ふふん。私が何か言うまでもなく、勝負はついたみたいね」

「最早、これまで、か……!」

「お待ちください!」

「ここで割り込むのかよ⁉︎」

「須美も強くなったなぁ……」

 

膝が折れかけたその時、唐突に介入してきたのは、うどん派の勝利を筆頭に掲げる須美だった。後からついてきた晴人と銀(小)が戸惑う中、須美のプレゼンが始まった。

 

「確かに年越し蕎麦さ歴史も深く、西暦の時代にはそれが当たり前だったのかもしれません。ですが!年越しうどんには、『太く長く幸せに』という意味があります!」

「……そうなのか?」

 

これを聞いて、興味が湧いたのか、5人の心が揺らぎ始める。歌野も、少なからず動揺しているようにも見受けられる。

 

「長寿や厄払いも大切ですが、『幸せ』という言葉は、誰もが惹かれる魅力的な響きです。現に私達は勇者、武神として、世の為人の為、そして幸せの為に勇む者。ならばその願掛けとして、年越しうどんはこれ以上になく相応しいものです」

「うにゃ〜、それは確かに」

「長寿とか厄災ってのは、俺にはどうも年寄りっぽいワードに聞こえるし、それなら幸せって意味合いの方が良い。俺だって、美羽の幸せを1番に考えて行動してる訳だし」

「わ、私も、誠也が幸せでいられるのが1番だから……。うん。今年は年越しうどんもアリかな?」

「幸せに……なりたい」

「おもろそうやな!年越しうどん!」

「そ、そんな……!」

 

0対5。思わぬ伏兵にしてやられた感満載の歌野が、狼狽始める。

 

「よくやったぞ須美!ひなた、あれを」

「あれ?」

「はい。須美ちゃん、いい子いい子」

 

若葉の指示を受けて、須美の頭を撫で始めるひなた。頬を染めてお礼を言う須美だが、本音としては、

 

「(晴人君に褒めてほしかった節もあるけれど……)」

 

だったのだろう。

 

「くぅ……!かくなる上は……!」

 

歌野も、このままでは引き下がれないと思ったのか、苦肉の策に転じようとしたその時、一同の端末からアラーム音が。

 

「じゅ、樹海化警報です!」

「なんでやねん⁉︎」

「大晦日に戦闘とかアリかよ⁉︎」

「こんな時まで年中無休とかいらないから!」

「みんな、気をつけてね」

「若葉ちゃん、うどんを茹でて待ってますので」

「私も、お蕎麦を茹でとくね、うたのん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度ばかりは、バーテックスに助けられたな、歌野」

「イッツファニー、それはあなたの方でしょ、若葉」

「何?いつにも増して、負け惜しみの強い事を……」

「あら、私は負けたつもりはナッシングよ?バーテックスの次は、あなたの番」

「言わせておけば……!」

 

樹海化した後も、『うどんvs蕎麦』の論争は留まる事を知らず。

議論を続けるべく、早期の殲滅に尽力した若葉と歌野だが、事の次第を何も知らない面々からしてみれば、異様な光景だ。

 

「いつになく妙な空気になってるみたいだが、一体どうしたんだ?」

「さぁ……、ここに来た時から、ずっとあんな調子で……」

「年越しの、うどん蕎麦論争だよ〜」

「……あぁ」

 

園子(小)の一言で、粗方察した様子の犬吠埼姉妹。

 

「私とお姉ちゃん、さっきまで年越しの鍋焼きうどんを食べながら、そんな話をしてた所なんです。きっと今頃、うどんか蕎麦で張り合ってるだろうなぁ、って」

「そうか、そいつは良かったな」

「そういえば、なんだかんだでまだ済ませてませんね、僕達」

「?昴先輩は、やっぱり自分で作ったんですか?」

「あぁ、それなんですが……」

「色々と忙しくなって、そこまで気が回ってなかったんだ」

「ちょっと。私はちゃんと、出前でも取ったらって途中で聞いたでしょ?」

「そうそう。でも結局昴と東郷が、後は茹でるだけだからって話になって……」

 

友奈ら2年生組の会話を聞いて、訝しむ風。元旦ならともかく、大晦日に同級生同士が集まって、しかも何かしらの作業をするという話を聞いていない為、気になって仕方がない。

 

「……うん?あんた達、一緒にいたの?何の為に?」

「えへへ、ナイショです」

「え、どうしてですか?」

「今はまだ秘密なの、ごめんね、樹ちゃん」

「まぁ、この戦闘が終わってからのお楽しみって事で」

「何を隠してるのかしら?」

 

何やら意味深な発言をする遊月達。藤四郎や冬弥も首を傾げているのを見るに、彼らは関わっている様子もなく、犬吠埼姉妹に向けて何かしらのサプライズを用意しているようだ。

 

「うどんだ!」

「蕎麦よ!」

「喧嘩すんなや⁉︎」

 

その一方で、2つの派閥がメンチを切っており、これ以上の内乱を悪化させないように、風達は別働隊と合流するべく前進して、一応年内最後となる戦闘……残党の討伐に向かった。

 

「全く、しつこい奴らめ!うどんだ!」

「ゲッラウト、退散しなさい!蕎麦よ!」

「……掛け声、なの?」

 

迫り来る星屑を倒しながらも、推しの麺類を連呼する姿を見て、合流した調達は眉を顰める。

 

「うどんに蕎麦……。例のあれか?」

「んな⁉︎ここ1週間、ずっとやってたアレか⁉︎」

「……アホくさ」

「喧嘩するくらいなら、両方食べれば良いのにね。どっちも美味しいんだから!」

「……高嶋さんらしいわね」

 

などと呟いている間にも、敵の数は一向に減る様子もない。大型クラスがいない分、物量差で押し切ろうとしているようだ。

 

「あぁ、もう!せっかくの大晦日なのに!こんなことしてたら夜が明けちゃうわ!」

「いえ、あの……。樹海化してる間は、時間が止まっていますからね?」

「でも、自分は動いてるから焦る感じは、よーく分かります」

「そうだね〜。自分的には、もう寝る時間だから〜……、Zzz……、ううん、眠くないよ〜」

 

園子(小)の小ボケに反応することなく、歌野はある事に気づく。

 

「んんん?私達が動けてるってことは、樹海化の最中は、巫女の時間も止まってない?」

「はぁ」

「ちょっと聞くけど、だったら、巫女が手に持ってる物の時間は動いてる?止まってる?」

「?動いてる、とは思いますけど……」

「何が言いたいんじゃ?」

 

童山の問いに答える事なく、不意に血相を変えた歌野が、若葉に駆け寄って叫び始める。

 

「大変!エマージェンシーよ若葉!」

「何だって?」

「蕎麦を茹でとく、ってみーちゃん言ってたでしょ!でも今は鍋の時間はストップしていないから……!」

「……あぁ⁉︎ひなたもうどんを茹でている!このまま戦闘が長引けば、それはそれで悲惨な事に……!」

「ひ、悲惨な事って、何ですか⁉︎」

 

不意に豹変した2人を見て、同調して焦る真琴からの質問に、2人は同時に答えた。

 

「うどんが!」「蕎麦が!」

「「伸びてしまう!」」

『……』

 

真剣な表情の2人に対し、反応に困った様子の一同。

 

「伸びてしまったら、蕎麦もうどんも台無しになる事は同じ。若葉、ここは休戦しない?」

「あぁ。休戦して共闘だ。力を合わせて迅速にバーテックスを殲滅するぞ!」

「蕎麦の為に!」

「うどんの為に!」

「……よく分からんが、今年の麺類最強論争は、停戦したみたいだな」

 

現場の空気を読んで、一先ずそう結論づける藤四郎。

実際、共闘した若葉と歌野の連携は凄まじく、10分後には敵影の姿はなくなり、

 

「こうしてはいられない!若葉!すぐに寮に戻りましょう!」

「そうだな!うどんの為に!」

「蕎麦の為に!」

「うどんだ!」

「蕎麦よ!」

 

といった感じで、最後は若干喧嘩腰になりながらも、戦闘が終わると脇目も振らずに、寮がある方へと駆け抜けていった。

 

「なんか……、最後の最後でスゲェもの見た気がする」

「あたし、食べといて良かった……」

「ううむ!これだけ体を動かしては、腹の虫が鳴り止まんな!俺も、ひなた特製のうどんを堪能するとしよう!」

 

と言って、流星も地面を蹴って若葉達の後を追う。

 

「タマ達も行くぞ、もう腹ペコだ!」

「あ、うん!」

「紅希達も一緒にいかねぇか?」

「いえ、私は……」

「ロチモンでぇ!一年のシメはやっぱうどんに限る!」

「……行くわ」

「雪花、奏太、誠也。我々も行こう。……幸せになる為に」

「何だか誤解を招きかねない言い方ではありそうだが、とりあえず行くか。美羽が待ってる」

「ほーい、てなわけで、あたし達はこの辺で」

 

そうして西暦組を見送った所で、樹が疑問に思っていた事を口にする。

 

「あの、友奈さん。さっきのお話なんですけど」

「あ、そうそう。結局あんた達が秘密にしてる事って、一体何なの?」

 

風にそう問われた2年生一同は、何故かニヤニヤしている様子だ。(ただし園子だけは不適な様子だが)

 

「な、何だか怖くなってきちゃったので、早く教えてくださいよー」

「それでは言いますね。実は」

「わっしーとイッチーが結婚しま〜す!」

「「「「「「「えぇ〜っ⁉︎」」」」」」」

「ちょっ、そこであからさまなウソ言うなし!」

「……個人的にウソにはしたくないけれど。って、そうではなくて!実は」

「一旦CMで」

 

その先は、中学生の銀と巧によって遮られてしまったが、樹海化も解けた為、夜も遅くなっていつの間にか新年を迎えていた事もあり、小学生達は寮に戻った訳だが、それ以外の面々は、東郷の家へ案内される。

そうして友奈達の手で犬吠埼姉妹に見せたもの。それは……。

 

「わぁ!綺麗ですね!これ全部晴れ着ですか?すごーい!」

「え、何、着物?随分いっぱいあるけど、これがどうしたの?」

「実は、初詣にみんなで晴れ着を着たらどうかという話をしていたんですが……」

「何を着ようか相談してたら、こんな感じになっちゃってさ」

「は?どゆこと?話が見えない」

「この柄が風先輩に似合いそうとか、樹の色だとか、色々盛り上がってしまって」

「それで、2人にも着てもらおうよ〜って、ね〜?今年最初のサプラーイズ♪」

「ま、まぁ私は付き合いでいただけだけど、偶には良いかと思って、賛成したの」

 

つまるところ、友奈達は初詣の際に、自分達が着ていくものを決めると同時に、犬吠埼姉妹に着てもらう晴れ着をどれにするか、議論をしていてその結果、これだけの量が部屋に並べられた、という事になるわけだが、唐突なサプライズを前にして、2人は困惑の色を隠せない。

 

「で、でも、私達にもって、お姉ちゃん、そんなの……ねぇ?」

「う、うん。嬉しいけど、流石に悪いわよ。ってかこれ誰の?着物って高価だし、汚したりしたら大変よ?」

「それについてはご心配なく。ここにあるのは、私とそのっちの物なので、そう言う事はお気になさらず」

「そうだよ〜。着てもらった方が着物も幸せだと思うから〜、是非〜」

「いやそういうわけにはいかないでしょ。クリーニングとか簡単にはできないんだし……」

「だぁもう!変なとこで遠慮深いよな、風って!」

「そうね。てなわけで東郷、園子、問答無用で着付け開始!」

「了解!」

「ラジャ〜」

「え、ちょ」

 

犬吠埼姉妹が返事する間もなく、男性陣が何も言わずに部屋を出て、東郷と園子を中心に、着付けが執り行われる。

 

「ま、全くもう……。あんた達ときたら、強引なんだから……、でも、ありがとう」

「私、こんな本格的な着物、初めてです!」

「良く似合ってるわよ、樹。風も、馬子にも衣装ってとこね!」

「な、なにおう!」

「風先輩、着崩れしてしまうので、お淑やかに。それと、大股で歩かないでくださいね」

「あ、はい気をつけます……。でも、何だか振袖を着たら、女子力が数段上がった気がするわね」

「それは気のせい。せいぜい大人しくなさい。樹は心配ないけど、風はすぐに暴れ出すんだから」

「にゃにおう⁉︎っと、お淑やかに……」

 

姉としての威厳があるのか、一先ず後輩の嫌味に反論しないように一歩引き下がる風。

 

「でも、良かったよな。2人にピッタリの着物見つかってさ」

「ありがとうございます、すっごく嬉しいです!あの、このまま初詣に行っても良いですか?」

「勿論だよ〜。その為に着てもらったんだから〜」

「姉妹水入らず……と言いたい所ではありますが、藤四郎先輩と冬弥君が外で待ってるみたいなので、折角なので4人で楽しんできてくださいね」

「あらそうなの?んじゃ待たしちゃ悪いわね。着物ありがとね、東郷、園子!」

 

そうお礼を言って、東郷家を出た姉妹は、同じく初詣を済ませようと、一旦家に戻って支度してから外に出ていた藤四郎と冬弥と合流し、人が賑わう高屋神社へと向かう事に。

その日、初々しそうな姉妹の晴れ着姿が、参拝客の間でちょっとした話題になったそうだが、ここではその多くは語らない事とする。

 

 

 

 

 




私自身は、大晦日の昼間に年越し蕎麦を食べるのが習慣ですね。というより、年末年始にうどんを食した記憶がないので、ゆゆゆファンとしては、香川県民でなくとも、やはり年明けうどんはやっておくべきなのでしょうか……?


〜次回予告〜


「みんなの晴れ着姿も見たい!」

「暇なのか?」

「……チョロい」

「ここで新たに選択肢増やす⁉︎」

「想定外の謎理論〜」


〜晴れ着姿になると、妙に緊張するよね〜

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