結城友奈は勇者である 〜勇者と武神の記録〜   作:スターダストライダー

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お待たせしました。

最近、コロナウイルスの影響で世界の経済が混乱していく情勢を見ている内に、『ゆゆゆ』(どちらかと言えば『のわゆ』)の世界観と似てきているように思えてきました。もしかしてこのコロナウイルス騒動も、神による人類への粛清の一環ではないかと思うと、ゾッとしております。(ウイルス繋がり)
無論単なる妄想かもしれませんが。

ともあれ、皆さんも気を緩める事なく、健康に気をつけていきましょう。


35:一ノ瀬 真琴と三好 夏凜は勇者である

「夏凜ちゃん、真琴君……!」

 

震える声で、眼前に迫ってきた敵を薙ぎ払った2人の名を呟く友奈。振り返った2人の勇者、武神は、片膝をついて息を荒げる兎角や、俯く友奈や遊月、そして倒れ込む銀達の姿を確認する。そして夏凜は、悲しげな様子の2人に向かってこう言い放つ。

 

「……友達に、失格も合格も、ないっての」

「……! けど……」

 

一度、顔を上げようとする遊月だったが、再び目線を地面に向けてしまう。

 

「あんた達、東郷の事で、自分を責めてるんでしょ。全く、あんた達らしいというか……」

 

やや呆れ気味にそう呟く夏凜。しかしその性格のお陰で、こうして夏凜や真琴にも、大切なものが見えて、守りたいものが出来たのもまた事実。その事を理解した上で、2人は近寄り、目線を友奈と遊月に合わせるように膝を曲げる。

 

「……お2人は、東郷さんの事、どうしたいんですか?」

「……止めたいよ」

「止めたいに決まってるだろ……!」

 

真琴の問いかけに対し、2人は即答する。

 

「この世界が壊れたら、みんなと一緒にいられなくなる……! 東郷さんと一緒に、いられなくなる……! ……でも、今の私じゃ」

「……情けない話だってのは分かってる。あいつの事をちゃんと理解してるはずだった。だから俺は、何があってもあいつを、誰よりも先に、必ず守ってやろうって決めてた……! ……けど、そんなあいつに銃を向けられちまったら、どうしたらいいのか、分からなくなっちまって……! 俺には、もう、あいつを止める資格なんて……!」

 

拳を強く握りしめ、震えている遊月。

そう、と小さく呟き、立ち上がる夏凜。そして彼らに背を向けると、こんな事を語り始める。

 

「……私、決めたわ」

「……?」

「もう、『大赦』の勇者として戦うのは、辞めるわ」

「えっ」

「これからは、『勇者部の一員』として戦う。私達の勇者部を、こんな所で壊させたりなんかしない」

「夏凜……!」

「誰の泣き顔も、見たくないから」

 

両手に武器を出現させ、強く握りしめながら、断固たる意志を伝えた後、真琴に顔だけを向ける。

 

「真琴。こいつらの事、頼んだわよ」

 

そう呟き、飛び上がってその場を立ち去る夏凜。友奈達が呼び止めるが、すぐにその背中が豆粒のように小さくなっていった。

その様子を見ていた真琴は、夏凜と同じように、左手にハンドガンを召喚させる。

 

「真琴……!」

「……遊月君、友奈ちゃん。間違った事を止めてあげるのも、友達の役目なんじゃ、ないでしょうか?」

「「!」」

「東郷さんを止めたい気持ちは、僕や周りにいるみんなも、同じです。そして何よりも大切なのは、その気持ちをしっかりと心に刻む事だと、思うんです」

「……」

「東郷さんを本当の意味で助ける為にも、僕と夏凜ちゃんで、必ず活路を開けてみせます。それが、今の自分に出来る、精一杯の役割だと思うから」

「真琴、お前……!」

「兎角君、後はお願いします」

 

そうして真琴も、夏凜が去っていった方向へ跳躍する。3人が止める間も無く。

 

「「「「……」」」」

 

3人だけではない。気絶していて、ようやく意識が戻りつつある銀、巧、園子、昴もまた、顔だけをその方角に向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見晴らしの良い場所に降り立った夏凜は、東郷によって破壊された壁に目を向ける。星屑の大群が、空を覆い尽くす勢いで進軍している。一匹たりとも逃すわけにはいかない。だがそれ以上に厄介な相手がいる事を、目視で確認した。

星屑に紛れて侵攻している、巨大なシルエットが10体。何れも、ここまでのお役目で殲滅してきたはずの、星座の名を冠したウイルスだ。如何に完成型勇者といえど、強敵を前に、内心震えが止まらない。しかしそんな不安を払拭しに来たのか、彼女の隣に、幼馴染みが姿を現した。

 

「! 真琴、あんた……」

「えへへ。付いてきちゃいました。さすがに夏凜ちゃんだけだと不安だったので」

「だ、誰が不安だなんて……!」

「大丈夫。僕がサポートするから。夏凜ちゃんが目一杯活躍できるように、援護する。それが僕の役目だから。その為に、この力を使うって決めてたから。最期まで付き合いますよ」

「……言うようになったじゃない」

 

そっぽを向きつつ、どこか嬉しそうに呟く夏凜。彼女にとって、これほど心強い仲間は他にいないだろう。

 

「……再生したバーテックスが、溢れてきましたね」

「先ずはあいつらを殲滅して、その後に東郷を探して……」

 

敵の姿を再確認してから、夏凜は左腕に付いている満開ゲージに目を向ける。あと少しで満タンになりかけているのが分かる。

 

「……さすがに、犠牲なしってわけにはいかないでしょうね」

「夏凜ちゃん、やっぱり最初から……」

「止めても無駄よ。どのみちこうなる事は覚悟の上だった。心配しなくたって、私は人一倍鍛えてきてるし、今更機能を失ったって、怖くないわ。東郷を、勇者部の仲間を助けられるなら、本望よ」

「……じゃあ、僕と同じ考えだったみたいだね」

「あんたも覚悟の上、か。悪いわね。ただでさえ右手が使えなくなってるのに、負担かけちゃって」

「! 夏凜ちゃんが謝るなんて、珍しいね。……でも、今この状況をどうにか出来るのは、僕達だけだから。僕達の友達を、絶対に、助けようね」

「友達を助ける、か」

 

そう呟いた夏凜は、一旦武器を霧散させると、代わりに端末を握る。そこには、誕生日パーティーの最中に撮った、集合写真が表示されている。パーティー後に友奈が全員に送ってくれたものだ。思わず笑みが溢れてしまう。

真琴もそれを覗き込み、笑みを浮かべる。

 

「それ、ずっと残してたんだね」

「……フン。なんか捨てるのも気が引けてね。すぐに削除するつもりだったのに……、我ながらバカね」

『諸行無常』

 

傍らに義輝が登場し、そう呟く。この写真に写る皆の笑顔を、守りたい。それが今の、三好 夏凜と一ノ瀬 真琴の本心だ。

一つ深呼吸した2人は、ほぼ同時に気合いを入れて、全身に力を込めた。

 

「さぁさぁ! ここからが大見せ場! 遠からん者は後にも聞け! 近くば寄って目にも見よ!」

 

咆哮にもほど近いその叫びを、バーテックスにぶつける夏凜。真琴も目力を強め、しっかりと敵を見据える。

 

「これが、讃州中学2年、勇者部部員、三好 夏凜と!」

「一ノ瀬 真琴の!」

「「実力だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

夏凜が先行し、真琴が後方から銃弾を撒き散らす。向かってきた星屑は跡形もなく消滅する。

バーテックス側にも動きが見られた。乙女型が尻尾から卵型の爆弾を射出。それを夏凜が難なく斬り裂き、近づいていく。真琴は引き続き星屑の殲滅に集中する。その間に、満開ゲージが溜まった事に気付いた夏凜は迷う事なく、その力を発動する。

 

「さぁ! もってけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

刹那、夏凜の体が光に包まれ、サツキの花が咲き誇った。刀を持った4つの腕が確認された。

 

「! 夏凜ちゃん!」

「あいつ、満開を……!」

「! あれって……!」

「銀! みんなも! 気がついたのか!」

「あぁ、けど、あれは……」

「ミノさんとほぼ同じ姿……」

「これが夏凜ちゃんの……」

 

友奈達は、リスクを承知で満開を発動させた事に驚きを隠せない。特に銀は、夏凜の容姿が、自分が満開を行使した時とほぼ同じフォルムである事に驚いている。

しかしそんな彼らを気にする事なく、夏凜は早速その力を敵にぶつける。

 

「勇者部五箇条、一つ!」

 

刀を一振りしただけで、一気に星屑は殲滅し、続けざまに無数に分裂した刀を放ち、更に星屑は数を減らしていく。その勢いに乗ったまま、夏凜は乙女型に向かって突撃する。

 

「挨拶は、きちんとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

迫り来る爆弾を物ともせず、刀を振り下ろす夏凜。乙女型は有無を言わさず、その場で消滅。そのまま勢いを殺す事なく、乙女型の背後に位置していた蟹型にも刀を振り下ろす。

が、蟹型は6つの板を盾に、夏凜の攻撃を防ぐ。しかし夏凜も負けじと、拮抗しつつも両足を使い、蟹型の顔面に強烈な蹴りを叩き込んだ。徐々に亀裂が入り、遂には真っ二つに引き裂かれ、消滅する蟹型。

次なる標的を見つけようとする夏凜だったが、バーテックス側も反撃に転じた。牡羊型が電撃波を飛ばし、夏凜に降り注いだ。悲鳴をあげながらもバランスを崩してはならないと踏ん張る夏凜。再び攻撃を仕掛けようとする牡羊型だったが、不意にその背後で、巨大な光が出現し、オシロイバナが開花した。誰が満開したのかは明白だった。

 

「勇者部五箇条、一つ!」

 

両端に巨大な砲撃筒が設置された船に乗り込む、神秘的な姿となった真琴はリフレクターを展開させ、砲撃を撃ち込む。

 

「なるべく、諦めなぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

 

四方八方から降り注いだ砲撃を回避する間も無く、牡羊型は爆散し、その場で消滅する。一気に3体のバーテックスを倒した事になるが、相手も本気になったとばかりに、猛威を奮い始める。

 

「!」

 

後方から蠍型が夏凜に向かって、鋭い尾を振り下ろしてきた。慌てて巨大な右腕の一つを盾代わりにするが、刺された部分から侵食され、そのまま吹き飛ばされた夏凜は、遂に満開を維持できなくなり、元の姿に戻ってしまう。

地面に着地した夏凜は、右腕の感覚がなくなっている事に気付いた。これが源道の口から語られた、勇者システムに隠された機能『散華』だとすぐに理解する。

 

「くっ……! 散華が、こんな時に……! でも、まだまだ!」

 

右腕が使えなくなってしまったのは、刀を使う夏凜にとってかなりの痛手だったが、嘆いていても仕方がない。もう後には引けない。限りある力で戦うしかない。そうやって、東郷を助けるしかないのだから。

 

「ハァァァァァァァァァァァァァァ!」

 

夏凜の代わりに応戦する真琴。それに便乗するように、夏凜は飛び上がって残った左腕だけで刀を振るい、蠍型にダメージを与えていく。そうして攻撃の手を緩める事なく刀を振るっていると、満開ゲージが溜まっている事に気付いた。残りのバーテックスを殲滅する為にも、ここで躊躇う訳にはいかない。

 

「勇者部五箇条、一つ!」

 

再びその力を解放する夏凜。それを見ていた友奈達は動揺を隠せない。

 

「まさか……! 連続で満開を⁉︎」

「それじゃあ、2年前の俺達と同じように……!」

「やめて夏凜ちゃぁぁぁぁぁん!」

 

満開を行使すればするだけ、その後にどのような末路が待っているのか、分かっているはずだ。なのに何故止まらないのか。彼らの必死の訴えも虚しく、夏凜は突き進む。

 

「よく寝てぇ! よく食べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇる!」

 

蠍型よりも高く舞い上がり、一気に下降し、刀を突きつける。大きな音と共に蠍型は消滅。続けて天秤型が回転して突風を巻き起こすが、夏凜は勢いに乗ったまま、天秤型へと直進。胴体が折れ曲り、そこへ向けて斬撃を放つ。こうして敵の勢力を半分近くまで減らした所で、次なる攻撃が襲いかかった。

射手型が下の口から無数の針を発射し、夏凜に迫ってきた。身構える夏凜だが、そこへ割り込むように、真琴が針攻撃をその身に受ける。何発かは砲撃で相殺させたが、全弾撃ち終わったところで限界が来たのか、光が解けて元の姿に戻ってしまう。

 

「っ! 足が……!」

 

苦々しげに自分の左脚に目を向ける真琴。散華によって左足の機能が失われたようだ。しかしそれで身を引く真琴ではなかった。

 

「まだ、まだぁ……!」

「ウォォォォォォォォォ!」

 

反撃とばかりに、夏凜が刀をクロス状に構えて、射手型の攻撃が発動する前に、2つの口を破壊し、そのまま振り返って胴体を斬り裂いた。

続いて攻撃を仕掛けてきたのは、山羊型の、角のような太い4本足が絡み合った、ドリルのような攻撃だった。咄嗟に刀でガードする夏凜だったが、ぶつかった衝撃で吹き飛ばされ、そのまま満開の力が効力を無くし、元の姿に戻ってしまう。そして落下していく夏凜に追撃を仕掛けようと、雄牛型が待ち構えており、頭部のベルを鳴らそうとするが、それを遮るかのように、上空に光が現れ、そこから砲撃筒を構える真琴の姿が。

 

「勇者部五箇条、一つ!」

 

砲台が山羊型に向けられる。

 

「悩んだら、相談んんんんんんんんんんんんん!」

 

下方に位置する山羊型に向けて、砲撃が降り注ぐ。山羊型は吹き飛び、その直線上にいた雄牛型も巻き込まれ、地面に押し潰されると、2体同時に消滅する。

その雄姿を見ていた友奈達は、開いた口が塞がらない。

 

「凄い……!」

「にぼっしー、まこぴー……!」

「! おい、あれ!」

 

不意に兎角が何かを見つけ、その方向に指を指す。その先には、素早い動きで神樹へ向かおうとする、双子型の姿が、今回は双方同時に出てきており、早く対処しなければ、大変な事になる。

 

「! やらせるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

それを見て、夏凜は迷う事なく、満開を行使。再び巨大な4本の腕を振るい、双子型に突っ込んでいく。

一方、水瓶型の攻撃で巨大な水球に閉じ込められてしまう真琴だったが、砲台を左右に広げ、水中でリフレクターを展開させる。そして砲撃が水の中で入り乱れると、荒波のように激しく唸りだし、遂には水瓶型の胴体に着弾する。内側の攻撃からは対処できず、水瓶型は攻撃に晒され、そのまま消滅した。時を同じくして、夏凜も双子型に負けないスピードで追いつき、2体同時に斬り裂いた。

 

「もう一体は⁉︎」

 

端末のレーダーでは、敵は残り1体。それもさほど離れた位置にはいない。躍起になって探していると、敵は夏凜の元に現れた。それもすぐ眼前に。

 

「⁉︎ しま」

 

最後に残された魚型が、地面からの奇襲攻撃に定評がある事に気付いた時には、体当たりをまともにくらい、満開を維持できなくなってしまう。反撃とばかりに刀を投げつけるが、魚型は表面が僅かに崩れただけで、再び地面に潜り込んでしまう。

 

「くそ……! 定着が浅い……!」

「夏凜ちゃん!」

 

その様子を見ていた真琴が全速力で背後に回り、夏凜をキャッチする。刹那、右耳に違和感を覚える夏凜。散華によって右耳の機能が失われたようだ。更に真琴の方にも限界が訪れようとしていた。満開の維持が難しくなり、このままでは散華が起きてしまう。それ以上に、体力面でも疲労が蓄積されてきているのだ。

 

「(このままじゃダメだ……! こうなったら、アレを使うしかない! 危険だし、後で東郷さんの所には向かえないかもしれなくなるけど、それでも、今は……!)」

「! 真琴、あんたまさか……!」

「その、まさかです! 僕は、僕の全力を尽くして、皆の明日を、繋げたい……!」

「だったらこのまま、私と一緒に、続けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

そう叫んだ瞬間、夏凜の体は光り、再び花が開き始める。そして真琴の傍らには、パートナーの精霊である鳳凰が出現する。

その輝きを前に、友奈達は……。

 

「なんて奴らだ……!」

「そんな……! 夏凜ちゃん、真琴君! もう、やめてぇ!」

「どうして、そこまで……!」

「損して、得取れ……。にぼっしー達は、この一瞬で、最高に輝こうとしてるんだね……」

「それが、あいつらの覚悟……!」

「あたしらには、止められない……! これが、あいつらの進む道なら……!」

 

そう呟く銀の目尻からは、堪え切れない水滴がこぼれ落ちてくる。

 

「「勇者部五箇条、一つ!」」

 

地面に潜り込んだ魚型を捕らえるべく、同じく地面に潜り込む2人。やがて地響きと共に姿を見せたのは、満開を行使し、4本腕を生やした夏凜と、精霊下ろしによって、七色に輝く翼を背中から生やした真琴が、魚型を持ち上げている光景だった。

 

「「成せば大抵ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 何とかなるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」」

 

目一杯振り上げられた刀による斬撃を受け、全身から放たれた炎に包まれた魚型は吹き飛ばされた。

 

「見たかぁ! これが勇者部の!」

「人間の!」

「「力だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」

 

神樹の方を向いて、2人がそう叫ぶと同時に、魚型は砂となって消滅。勇者部五箇条を全て唱え、11体のバーテックスを殲滅させたその雄姿は、この場にいる誰よりも神々しく、圧巻の一言に尽きるものだったのは、言うまでもないだろう。

そんな2人も、光が解けると同時に体がグラリと揺れ始める。

 

「あと……は、東郷、を……」

「……」

 

そこで意識が途絶えたのか、変身が解けて、全身から力が抜けたように落下していく2人。特に真琴は、精霊下ろしを行使した反動からか、口から血を垂らしているではないか。

 

「「夏凜ちゃん! 真琴君!」」「「「「夏凜! 真琴!」」」」「にぼっしー! まこぴー!」

 

それを目撃した友奈達は、仲間の落下地点に向かって、樹海を駆け抜けていった……。

 

 

 

 

 




ここだけの話ですが、一応夏凜の散華によるダメージは、原作よりかは抑えた形になっております。

そして次回、遂に……!


〜次回予告〜


「こんなのって……!」

「言いたかった事が、あるの……」

「無茶しやがって……!」

「ゆづ、ぽん……?」

「俺達なら、出来るぜ!」

「俺達なら、きっと……!」


〜重なる心〜

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