鉄と血のランペイジ   作:芽茂カキコ

10 / 78
火星軌道上の戦華

▽△▽――――――▽△▽

 

『………目標の確保、失敗したようです』

 

 部下からの報告に、ギャラルホルン火星支部長ながら自らモビルスーツに乗り込んだコーラルは一瞬ピクリと眉を震わせるが、すぐに下卑た笑みを浮かべた。

 

「クーデリアがそこにいるならそれでいい」

 

 モビルスーツの護衛がいるということは、そこにクーデリアがいると宣言しているようなものだ。

 クーデリアを捕え、殺し、火星の民衆の反発を煽ればノブリスからは金が手に入る。

 その金さえあれば保身と、栄達すら容易だ。ギャラルホルン、ひいてはそれを率いる〝セブンスターズ〟といえど、もはや金の魅力には抗えなくなっているのだから。

 コーラルはスラスター推力を上げて、乗機である〝グレイズ〟を前進させた。ライフルの照準を、シャトルへ合わせ始める。

 

『コーラル司令っ! ファリド特務三佐より〝殺すな〟と指示が………!』

 

 部下からの通信。その瞬間………地球からやってきた忌々しい青二才どもの顔をありありと思い出し、怒りに唇を震わせて怒鳴りつけた。

 

「貴様の上官は、いつからあの青二才になった!? 構わん!! ファリドが来る前に船ごと、ぐわっ!?」

『こ、コーラル司令!?』

 

 全身を殴りつけるような着弾の衝撃。だがコーラルは素早く回避機動を取り、その射線から逃れる。

 

「どこから………あれか!!」

 

 敵機接近警報が響き、コックピットモニター上で1機のモビルスーツの姿が拡大表示される。

 青い、巨砲と巨大なメイスを両手に携えた、見慣れぬ大柄のモビルスーツだ。

 

「あ、あれは確か………前に〝アーレス〟の守りを突破した………!」

『き、来ます!』

「!!」

 

 支部長直掩の〝グレイズ〟2機による弾幕をかいくぐり、あるいはその装甲で受け止めきって青いモビルスーツが迫る。

 狙いは………こちらか!?

 

「ぐ………!」

 

 片手の巨砲が凄まじい速度で火を噴き、こちらが怯んだところでもう一方のメイスを突きつけてくる。

 だが着弾の最中でも機体の制御を失わなかったコーラルは辛うじてそれを回避。敵機の背後に回り込み、ライフルを………!

 しかし青いモビルスーツはその重厚な見た目に反して信じがたい機動性を見せ、鋭く方向転換してもう1機の〝グレイズ〟へと迫る。

 

『う、うわあああああぁぁっ!?』

「バカ者! 動き続けろッ!!」

 

 だがコーラルの言葉も空しく、着弾によって行動を封じられた〝グレイズ〟は次の瞬間、青いモビルスーツが突き出したメイスにぶち抜かれ、腹部と胸部を潰される。

 

 コーラルは歯噛みし、咆えた。

 

「………あいつから始末しろォッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

「受け取れッ! 三日月!」

 

 ようやく接近した時、3機の〝グレイズ〟に囲まれ、その素早い機動に滑空砲の照準が追いついていない〝バルバトス〟の姿をはっきり捉えることができた。

 特徴的な白いシルエット目がけ、〝ラーム〟は思いきり、握っていた〝バルバトス〟のメイスを投擲した。

 

『ありがと』

 

 素早くそれを受け取った〝バルバトス〟は、まるで水を得た魚のように次の瞬間目まぐるしい機動を見せつけ………遂に1機の〝グレイズ〟を仕留める。

 例え俺が〝バルバトス〟に乗った所で、あの3分の1の機動もできないだろう。改めて三日月・オーガスのエースパイロットぶりを思い知る。

 撃ちかけてきた〝グレイズ〟にガトリングキャノンを放って牽制しながら、〝ラーム〟を〝バルバトス〟へと近づけた。

〝バルバトス〟は持っていた滑空砲から手を離し、こちらへと流す。

 

『足の止まったのからやろう。援護頼む』

「よしきた!」

 

 ガシッと流れてきた滑空砲を受け取り、サブアームで固定したガトリングキャノンと滑空砲をそれぞれ構える。

 これなら分厚い弾幕になりそうだ。

〝バルバトス〟が1機の〝グレイズ〟へと襲いかかる。ライフルで牽制し、それが不可能と悟るとバトルアックスを構えようとしたが間に合わず………1機撃墜。

 その背後から射撃を加えていた〝グレイズ〟に、〝ラーム〟からガトリングキャノンと滑空砲をそれぞれ撃ちまくる。無数の100ミリ弾を浴び操り人形のように奇妙な震えを見せた〝グレイズ〟は、アックスを握る間もなく頭部を、そして胸部を的確に〝バルバトス〟によって潰された………2機目。

 

 さらにモビルスーツが急速接近。頭部にツノが付いた、コーラルの機体だ。

 

『私の………邪魔をするなァッ!!』

「くそ………!」

 

 コーラルの〝グレイズ〟目がけてガトリングキャノンと滑空砲を撃ちまくるが、正確かつ緻密にそれを回避され、着弾しても致命傷を避けられる。

………間違いなく、クランク、いやもしかしたらそれ以上の手練れだ。

 ガトリングキャノンを肩にマウントし直し、コンバットナイフを抜き放つ。

 刹那、肉薄してきた〝グレイズ〟のバトルアックスと〝ラーム〟のコンバットナイフの刃が激しく激突。凄まじい火花と閃光を散らした。

 

 まずい………バトルアックスの質量を的確に使われている!

 コンバットナイフの質量と面積じゃ………〝ガンダムラーム〟でも押し切られる。

 

『私の………ぐぅっ!?』

 

 その時、下方からの銃撃がコーラルの〝グレイズ〟に命中した。

 気が逸れた所を、今度は滑空砲の方で思い切り殴りつける。形勢不利と判断したコーラル機は直ちにこちらから距離を取った。

 

「今のは………」

『無事か?』

 

 火星の赤茶を背景に、〝グレイズ改〟の姿がそこにはあった。

 昭弘のしかめ面が側面モニターの一角に映し出される。

 

「助かった。ありがとう」

『礼なんて必要ない』

「援護してくれ。無理はしなくていい」

 

 それだけ言うと、滑空砲を〝グレイズ改〟へと流し、〝ラーム〟をコーラル機目がけて推力全開で突進させた。

 

『ぬぅ………! まさかあの〝グレイズ〟は………っ!』

「食らえッ!!」

 

 コーラルの〝グレイズ〟が放つ銃撃をかいくぐり、次の瞬間、〝ラーム〟が構えるガトリングキャノンで………〝グレイズ〟を思い切り下から上へと殴り上げた。

 

『ぐお………!』

 

 思いきり上方を殴り上げられ、各所のスラスターを吹かせつつもその制御回復に手間取るコーラル。

 その一瞬を見逃さず、〝ラーム〟のガトリングキャノンの照準を、静かに合わせた。

 

 重力偏差修正完了。

 引き金を引き、瞬間的に機体を震わせるほどの衝撃を纏うガトリングキャノンの砲撃が………次の瞬間、至近距離にあったコーラルの〝グレイズ〟を蜂の巣にした。

 

『ぐぶ………!』

 

 汚い断末魔の後、機体各所の装甲が吹き飛び、ひしゃげ、穿たれ無残な姿となったコーラルの〝グレイズ〟は、完全に沈黙した。

 

………そうだ。三日月は!?

 

 短い走査の後、センサーが〝バルバトス〟のエイハブ・リアクター反応を捕捉する。

〝バルバトス〟の周囲には、すでに物言わぬ数機の〝グレイズ〟の残骸が浮かび、今……残る1機目がけてトドメのメイスを振り下ろそうとしている所だった。

 

 だがそこに上から銃撃が降り注ぐ。

 

 

 

 

 

『コーラルめ。我々を出し抜こうとしてこのザマか』

 

 

 

 

 

 ギャラルホルン監査局付き武官、ガエリオ・ボードウィン特務三佐が操る〝シュヴァルベ・グレイズ〟が、〝バルバトス〟を静かに見下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

「ボードウィン特務三佐。会敵しました!」

 

 火星支部のハーフビーク級に同伴するギャラルホルン・ビスコー級クルーザー〝ヴィルム〟。

 そのブリッジで、指揮官であるマクギリス・ファリド特務三佐は、モニター越し、同僚にして盟友でもあるガエリオが操る〝シュヴァルベ・グレイズ〟と、見慣れぬ白いモビルスーツの戦いを見守っていた。

 そして、白いモビルスーツを援護する青いモビルスーツ。どちらもギャラルホルンや、民間機としては見ない機体だ。

 

「見ない機体だな………。照合できるか? 2機ともだ」

「距離はありますが、どちらもエイハブ・リアクターの固有周波数は拾えています。………波形解析………データベース照合中………出ました!」

 

 オペレーターの手元のモニターに【MATCHING RESULT】の文字が表示され、ギャラルホルンが保有する膨大なライブラリから2機のモビルスーツのデータを浮かび上がらせる。

 

 

【GUNDAM BARBATOS】

【GUNDAM RALM】

 

 

「〝ガンダムフレーム〟だと………?」

「固体コードは〝バルバトス〟と〝ラーム〟。………マッチングエラーでしょうか? 厄祭戦時の古い機体ですよ?」

 

 いや………とマクギリスは静かに笑みを浮かべた。

 

「必然かもしれんな。その名を冠する機体は、幾度となく歴史の節目に姿を現し人類史に多大な影響を与えてきた。火星の独立を謳うクーデリア・藍那・バーンスタインが、それを従えているのだ」

 

 マクギリスはしばしガエリオと、2機の〝ガンダム〟の戦いを見届けていたが………フッと笑いかけると、

 

「艦を任せるぞ。………私も出る」

 

〝ヴィルム〟にはガエリオ機の他、マクギリス専用の〝シュヴァルベ・グレイズ〟も格納されていた。汎用性や整備性が高いがその分、一部のエースパイロットには満足できない性能の〝グレイズ〟をカスタムした機体だ。

 素早くパイロットスーツに着替え、コックピットへと飛び乗る。

〝ヴィルム〟の下部ハッチがゆっくりと開かれた。

 

「〝シュヴァルベ・グレイズ〟。マクギリス・ファリド………出るぞ」

 

 宇宙へと飛び出したマクギリスの〝シュヴァルベ・グレイズ〟はハーフビーク級の直掩についていた数機を随伴させ、火星軌道上での戦場目がけて、飛翔した。

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

『! また増えた………!』

「くそ………っ!」

 

〝シュヴァルベ・グレイズ〟がもう1機、〝グレイズ〟3機を引き連れてこちらへと接近してきた。タイミング的に、マクギリス・ファリドと見て間違いない。

 注意が逸れた隙を突き、ガエリオの〝シュヴァルベ・グレイズ〟がランスの突きを次々繰り出してくるが、三日月の〝バルバトス〟はトリッキーな機動を繰り返し、それを避け続ける。

 だがその動作の特徴はすぐにマクギリスによって見破られ、マクギリスの〝シュヴァルベ〟がライフル弾を放った次の瞬間、〝バルバトス〟の背部スラスターに着弾。

 

『! 今のじゃ当たる………!』

 

 先に〝バルバトス〟から屠るつもりらしい。

 護衛の3機の〝グレイズ〟は〝ラーム〟へと迫る。

 

「三日月! そっちに行ったぞ! 回避パターン変えろッ!」

『分かってる』

 

 迫るマクギリスの〝シュヴァルベ〟を、パターンを変えた機動で回避。だが、2機の息の合った連携により、〝バルバトス〟は徐々に押されつつあった。

 

「援護したいが………くっ!」

 

 こっちも3機の〝グレイズ〟の相手で手一杯だ。1機にガトリングキャノンを次々命中させ、陣形から離脱させる。だが距離がありすぎるために致命傷には至らない。どうやらこちらの足止めが目的らしい。

 母艦となる〝イサリビ〟は、オルクス商会の強襲装甲艦とハーフビーク級の追撃から逃走を図っているが、高度を下げた分火星の重力に捕まっているようで、追撃する敵から一定の距離を保つので手一杯らしい。このままだと、やがて沈められる………

 原作で、オルガによる作戦で窮地を脱することは分かっているものの、それでも現に戦闘に身を置いている分、緊張で掌に汗が滲んだ。

 遠距離から〝グレイズ〟隊と〝ラーム〟・〝グレイズ改〟が撃ち合う膠着状況がしばらく続く。その間にも、〝バルバトス〟は〝シュヴァルベ〟2機に翻弄され、苦戦が続いていた。

 

「昭弘! 先頭の1機に火力を集中させろ!」

『おうッ!』

 

〝グレイズ改〟が滑空砲を放ち、その射線が遂に1機の〝グレイズ〟の胴体を捉える。

 

「うおおおおおッ!!」

 

 ガトリングキャノンを乱射しながらその機体に迫る。残る2機が撃ちまくってくるが、〝ラーム〟の重装甲で耐え抜く。

 次の瞬間、ガトリングキャノンの砲身をランスのように〝グレイズ〟に突き付け………発射。

 至近での100ミリ弾に耐えられなかった〝グレイズ〟は、コックピット部分を破壊されて沈黙した。

 

 と、

 

『大人しく投降すれば、しかるべき手段で貴様を処罰してやるぞ』

『………投降はしない。する理由がない』

『ん? そのクソ生意気な声あの時のガキかァっ!?』

 

 もう〝お迎え〟の時間だ。

 バスが行く前に、さっさと帰投しないとな。

 

「撤退するぞ昭弘!」

『な………まだ敵が! 三日月も!』

「見ろ! もう〝イサリビ〟が目の前だ。掩護してやるから先に行けッ!」

 

 わ、分かった………! と昭弘の〝グレイズ改〟がもう視界内に小さく入ってきた〝イサリビ〟の明かりへと去っていく。

 追撃しようとした〝グレイズ〟を、〝ラーム〟のガトリングキャノンで牽制。敵がまた距離を取り始めた所で、こちらも踵を返す。

 ついでに先ほど撃墜した〝グレイズ〟の腕を掴む。………エイハブ・リアクターは、これから金になるからな。

 スラスター全開でイサリビとのランデブー・コースに乗る。

 その時、ガエリオ機のワイヤーアンカーに拘束され火星の重力圏へと突き落とされようとしていた〝バルバトス〟が、逆にガエリオ機に迫ることによってその拘束を解く。

 

『気でも触れたかッ! 宇宙ネズミがァッ!!』

 

 ガエリオの〝シュヴァルベ〟が、迫る〝バルバトス〟目がけてランス内蔵ライフルを撃ち放つ。

 だが、躍るような機動でそれを回避し、〝バルバトス〟は手持ちのメイスを投擲。

 射撃に集中して回避動作が遅れた〝シュヴァルベ〟の胸部にメイスが直撃し、怯んだ所を〝バルバトス〟がすり抜けていく。

 

「よっ……と」

 

 ガトリングキャノンを肩部に格納し、空いた右手でちょうど飛んできた〝バルバトス〟のメイスを受け止める。逸れたコースを修正するために、フットペダルを押し込んで推力を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

「ガエリオ。大丈夫か?」

 

 マクギリスの〝シュヴァルベ〟が、降下しながらガエリオ機へと近寄る。すでにモビルスーツ程度の重力では火星の重力に捉えられるギリギリの高度だった。

 

『く………かすり傷だっ! あいつは!?』

 

 二人で見下ろす先、〝バルバトス〟が火星目がけて降下している所だった。それに〝ラーム〟が追随する。

 とその時、大きな影がマクギリスらの視界を瞬間的に遮った。こちらの追撃をかわした強襲装甲艦だ。

 それが通り過ぎた後………見れば2機のモビルスーツの姿は既に無かった。着艦し、母艦と共に立ち去ったのだろう。

 追撃しようにも、こちらもボロボロだ。コーラルは戦死。出撃した火星支部のモビルスーツ隊は半数以上が撃墜され、鹵獲された機体もある。ガエリオ機も損傷。

 

「潮時か………」

 

 マクギリスは静かに、離脱していく強襲装甲艦を見送るより他なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

〝バルバトス〟と〝ラーム〟が着艦し、格納デッキへと収まった瞬間、雪之丞や整備係の少年兵らが集まり始めた。

 まずは状態の悪い〝バルバトス〟から取りかかる。〝ラーム〟は鹵獲した〝グレイズ〟を隅に横たえて、指定された場所で停止した。

 不要なシステムを次々オフラインにし、開かれたコックピットハッチから外へと飛び出す。少年兵らの喧騒が、一気に俺の耳に飛び込んできた。

 

「三日月!」

「お怪我はありませんか!?」

 

 と、格納デッキの出入口から少女が2人……アトラとクーデリアが。

 何の気なし、といった風に二人の手を取って止まった三日月は、

 

「俺は平気。他の皆は?」

「わたしたちは無事だよ! でも………」

 

 その時、デッキ下部の一角が騒がしくなる。1機の、損傷したMWが転がり、ハッチを開けようと少年兵らが取りついている所だった。

〝イサリビ〟が追撃をかわすための作戦……小惑星によるスイングバイを成功させるために、小惑星に打ち込んだアンカーをMWで爆破するという荒業……によってボロボロになった機体だ。

 一歩間違えれば爆破によって弾かれたワイヤーに破壊されるか、置き去りにされるリスクもあったろうに………

 

「電源きてねーぞ!」

「解除コード、分かりましたっ!」

 

 ようやく、ギシギシと音を立てながらMWのハッチが開かれる。

 中で、ユージンが目を瞑り、外から助け出されるのを静かに待っていた。

 そんなユージンに、ニッと笑いかけながら近づいてきたオルガが手を差し出す。

 

「ハラハラさせやがって」

 

 そんなオルガにユージンはムッと唇を結びながら、

 

「クソみてぇな作戦立てたテメェが言うな」

 

 だが次の瞬間には、フッと頬を緩ませてオルガの手を取り、MWから抜け出した。

 

「次もこの調子で頼むぜェ」

「ふ、ふざけんなっ!」

 

 等々のオルガとユージンの掛け合いに、周囲では笑いが漏れた。俺も、思わずニヤリと笑ってしまう。

 向こうには〝グレイズ改〟が、今頃昭弘は「疲れた………」と達成感と共に天を見上げていることだろう。

 俺も、疲れた。まずはシャワーに………メシも食いたい。

 その後はまた〝バルバトス〟だ。何とか駆動周りの修復と整備を進め、多少は有利な状況を作り出さなければ。

 

 次の戦いのために。

 

 今頃、トドさんはギャラルホルンに回収された後だろうか。そう考えながら俺は、ロッカールームへと一人消えた。

 

 

 次の相手は………〝タービンズ〟だ。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。