鉄と血のランペイジ   作:芽茂カキコ

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狼煙

▽△▽――――――▽△▽

 

 ドルトコロニー群第2スペースコロニー、通称〝ドルト2〟。

 ドルト1、4、5と同様の工業コロニーで、ドルトカンパニー資本の工場がいくつも立ち並ぶ他、コロニー労働者用の集合住宅がコロニーの端から端まで続いている。だが、そのどれもが老朽化しきっており、今にも崩れそうな廃墟も同然。共用スペースの窓ガラスが割れたり電灯が点かないのも、すっかり当たり前の光景と化していた。低賃金で長時間労働を毎日のように課せられる、コロニー労働者のごく一般的な住まいだ。

 そんな集合住宅に住める者はまだいい。怪我や病気を理由に工場を追われた者は、他に働ける場所も、住める場所も無く、生活保障も無い。そういった者たちは集合住宅の間の敷地や公園、もしくは歩道にダンボールを敷き寝床にする悲惨なホームレス生活を送っていた。

 

 ドルト2コロニー労働組合長を務める男、ナボナ・ミンゴはこのようなドルト2の惨状を改善すべく、長年に渡ってドルトカンパニー本社と交渉の機会を探ってきた。だが、労働者に対するわずかな支出すら惜しむ声が強い本社の役員会からの返事は芳しくなく、最近では劣悪な環境で長時間働かされることへの労働者の不満がすっかり高まっていた。それこそ、武器を取って本社に暴動を仕掛けるべきという声が上がるほどに。

 

 

『火星に続き、他の場所でも地球への反抗の狼煙を上げようと、クーデリア・藍那・バーンスタインさんが呼びかけています』

『そのために必要な武器弾薬を、彼女の護衛である鉄華団の手を通してクーデリアさんが提供いたします』

 

 

 クーデリアの代理人を名乗る人物からそのような通信が入ったのが、つい数日前の話。

 不満がくすぶっていた労働者たちは、たちまちに武器を用いた暴動へと意見を傾け始め、穏健派であるナボナも彼らの意見を取り入れつつ………武装し、その圧力で本社に交渉を迫る姿勢へとシフトせざるを得なかった。

 

 そして今日、鉄華団と、クーデリアさんがやってくる。

 

「ナボナさん! あの方たちでは?」

「おお………!」

 

 無重力区画である宇宙港の通路を飛びながら、ナボナは先導する部下が示す先、見慣れぬジャケットを着た一団を目の当たりにした。まだ若い………というよりも幼い、少年たちだ。

 

「あなた達が鉄華団ですね?」

 

 宇宙港のフロアに降り立ちながらそう呼びかけると、少年たちは一斉にこちらへ振り向いた。リーダー格なのだろう、銀髪の青年が、一歩進み出てくる。

 

「オルガ・イツカ、鉄華団の団長だ。アンタは?」

「ナボナ・ミンゴといいます。組合のリーダーをしている者です。よく来てくださいました。クーデリアさんもこちらに?」

 

 いや、とオルガと名乗った青年は首を横に振った。

 

「クーデリアは今、俺たちの船に乗っている。ここにはいない」

「そうですか。よろしければ是非、一度ご挨拶をと思ったのですが………」

「ああ。………そっちの方が俺たちも都合がいい」

 

 ん? とその言葉に思わずナボナは首を傾げたが、オルガという青年は二ッと笑っただけで他に何も言わなかった。

 それに、見渡せば荷下ろしの際には積み上げられたコンテナで埋め尽くされるはずのこの場所が、今はがらんどうとしていた。

 

「あの………荷物はまだ下ろしていないのでしょうか?」

「ああ。………悪ぃな。ここに来る途中で海賊に襲われちまって。荷物は無事だったんだがエンジンが途中でおかしくなっちまった。今、周辺宙域に止めて修理しているところだ」

「それは………よろしければウチのメカニックをお送りしましょうか? 腕は保証しますよ」

 

 ナボナの申し出に、「そうしてもらえると助かる」とオルガは二ッと笑った。

 

「ついでに………アンタもこっちに来て荷物をチェックしてもらえないか?」

「そうですね。それがいいでしょう」

 

 すぐに、技術者数人を集め、ナボナとオルガらはランチに乗って宇宙へ飛び立った。

 

 

 

 

 

 

「クーデリアさんは既にご存知かもしれませんが、ここドルトコロニーでは私たち労働者の暮らしぶりは悪化する一方で、工業コロニーで暮らす誰もがギリギリの生活を強いられています。ドルト3は華やかなものですが、ドルト2のようなスラムの人間はスラムで死ぬまで働いて終わるしかない。それが現状なのです」

「だからあれだけの武器を? 俺が言えた義理じゃねえが、武器を取る以外に手はねぇのか?」

 

 オルガの問いかけに、今のナボナは首を横に振るより他なかった。

 

「我々はどんな手段を使ってでも、会社を交渉の場に引きずり出さなければならないんです。その………不躾な頼みですが、もし可能であれば、君たちの力を貸してくれませんか? 見ての通り我々は争いごとに関しては素人です」

 

 モビルスーツやモビルワーカーを操縦するといった技能を持つ者は多いが、こと戦闘ということになれば、ギャラルホルンのような本格的な軍事組織に潰されるのは必然だ。ナボナはこれまでそのような事態にならないよう過激派たちを抑えてきたが、もし鉄華団のような組織が自分たちの味方になってくれれば………

 だが、鉄華団はあくまで武器を運んできただけ。クーデリア・藍那・バーンスタインの護衛に過ぎない。報酬も大して用意できないのに、貧しい労働者の依頼など受ける訳がないだろう。

 半ば諦めつつも、とりあえず、と頼むナボナに………オルガは、

 

「いいぜ。もとよりクーデリアもそのつもりだ」

「はは。バカなお願いをしました。忘れてくだ………えっ?」

「あんたらの革命にクーデリアと鉄華団が手を貸してやる、っつってんだよ。だが俺たちだけじゃ頭数が足りねえ。あんたらにもきっちり働いてもらうぜ」

 

 そう言って不敵に笑うオルガに、連れてきた技術労働者たちが「おおっ!」と色めきたった。

 

「クーデリアさんと鉄華団が味方についてくれれば………」

「本社の連中も、コロニーの駐留部隊も一捻りだぜ!」

「ほ、本当に………本当に私たちを………!?」

 

 ああ。と、オルガは力強く頷いて請け合った。

 

「まずは俺たちの依頼主、クーデリアに話を聞いてくれ。それから、これからどうするか決めようじゃねえか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

〝イサリビ〟の、クランクにあてがわれた一室にて。

 

「………何? 俺にここから出ていけと?」

 

 虜囚にしては快適な環境を与えられつつも手持ち無沙汰で、ただ鍛錬をするのみで日々を過ごしていたクランクは、久々に顔を見せた若者……カケルの突然の言葉に思わず耳を疑った。

 カケルは、申し訳なさそうに視線を落としながら、丁寧に事情を説明してくれた。

 木星開発コングロマリット・テイワズからドルトコロニー宛に託された貨物に………違法な武器弾薬が満載されていたこと。おそらくこれから、ドルトコロニーで起こるだろう騒乱に巻き込まれるであろうこと。

 

「中身が何であれ鉄華団は親組織であるテイワズから命じられた以上、それを届けなければなりません。ですが物が物なので、最悪ギャラルホルンとの衝突が予想されます」

「ならば………私にギャラルホルン駐留部隊と話をさせてくれないか? 事情を説明すれば………」

「そうなればテイワズを裏切ることにも繋がりかねません。鉄華団はそれはできない。ですがこのまま誰かの仕組んだレールに従う訳にもいかない。俺たちは別の道を歩みます。クランクさんは、どうか脱出を。任務中に鉄華団に救助されたことにでもしてもらえれば、後々助かるのですが………」

「うむ………ここなら火星支部の影響外だ。お前たちの事についても、原隊復帰後悪く報告するつもりはない。だがこのままではお前たちは………」

 

 このままでは、カケルら少年たちは………ギャラルホルンとの望まぬ戦闘に巻き込まれてしまうだろう。武器の違法取引で、逮捕される恐れもある。もしこの事件に巨大な背景がいるのならば、弁明が通用するかどうかも怪しい。

 だが………

 クランクの懸念に、カケルは少しだけ笑いかけて、

 

「とりあえず、5時間後に鉄華団のビスケットさんがドルト3に向かうので、それに同乗する形でドルト3に行ってください。モビルスーツの方も、状況が許せば後日返還するとオルガと話をしています」

 

 頼もしいように見えるが、彼らは………鉄華団の旗を背負う彼らは皆子供なのだ。

 これだけの子供たちが武器を持って戦う運命を強要され………今、死地に誘われようとしているとは………!

 

「私は………無力な自分を許せん………!」

「クランクさん………」

「私がギャラルホルンに入隊したのは、ギャラルホルンこそが正義と、そして正道の体現者であると確信したからだ。だからこそ厄祭戦後300年の長きに渡ってこの世界の平和を守り続けることができたのだと………それが蓋を開けてみればどうだ。上層部は腐敗と汚濁にまみれ、無辜の人々が悲惨な運命を強いられている。行き場のない子供たちは、未来の可能性も知らぬまま武器を持たされ、ただ死ぬのみ。ギャラルホルンが守ってきたのがそのような世界だとは………ッ!!」

 

 ギャラルホルンへの忠誠は、最早クランクの中で完全に揺らぎ切っていた。

 最初は火星支部で、コーラルの性根の腐った振る舞いを見、そしてCGSへの襲撃を命じられた時から。そしてこの歪んだ世界の犠牲者である子供たちを目の当たりにし、あろうことかギャラルホルン自身が彼らに銃口を向けていると知ったその時から………

 

 クランクの中で、ギャラルホルンは最早、自身が自己を発揮できる「正義と正道の体現者」では無くなっていたのだ。だが、正当な手続きを踏むまでは、ギャラルホルン火星支部実働部隊所属クランク・ゼント二尉として振る舞わねばならないのだ。

 

 

「………分かった。去れというのであれば去ろう………無力な私を、許せ。だが、駐留部隊と合流できればすぐに、お前たちに手が及ばぬよう尽力しよう」

 

 カケルはこくりと頷き、踵を返した。

 子供たちに何もしてやれなかった自分へ、そして大人への恨み言は、遂に誰からも聞くことが無かった。

 彼らは分かっていないのだ。自分たちが過酷な運命を強いられていることを。そして、その運命を強いる歪んだ世界を作ったのが、自分たち大人であるということを………

 

 とその時、ドアの端に手をかけながら、カケルがふとその足を止めた。

 

「………クランクさん」

「どうした、カケル」

「もし俺たちを助けたいと………そう思ってくれるのなら、一つだけ、俺の話を聞いてくれませんか。話だけでもいいので………」

 

 

 断る理由は、どこにもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

 クランクの苦悩は、手に取るように分かった。

 良心では鉄華団や労働者らに味方したいことだろう。だが、ギャラルホルン士官としての厳格なもう一人の自分がそれを押し留め、その衝突の中で結論を出せずにいる。どれだけ熟練で、老練であろうと、自己の人格やそれまでの経験に関わる重大な決断を迫られれば、時間をかけて熟考するのは当然だった。

 

 俺は、やるべきことは分かっている。

 フミタンの裏切りから立ち直ったクーデリアは、自身や鉄華団を生き延びさせるため、そしてフミタンを再び取り戻すために、本当の覚悟を決めた。

 俺はクーデリアの傭兵として、やるべきことをやるまでだ。

 

「カケル」

 

 クランクの部屋を辞した後、艦内放送で呼びかけられてブリッジへ向かうと、見慣れた赤いドレスに身を包んだクーデリアの凛とした眼差しに迎えられた。他にはオルガと………驚いたことにナボナ・ミンゴやコロニー労働者数人の姿もある。ちょうど、話し合いの真っ最中だったようだ。

 

「あなたは〝ラーム〟とドルト6に向かってください」

「………ドルト6に?」

 

 クーデリアの唐突な指示に首を傾げた俺だが、その場にいたオルガが、

 

「今、昭弘の〝グシオン〟が改修されているのは知ってるな? お前の機体も、テイワズがパワーアップしてくれるそうだ。しかもテイワズ持ちでな」

「これからのために、機体の強化は必要です。すぐに向かってもらえますか?」

 

 断る理由はどこにもない。俺はこくり、と頷いた。

 事態は原作から大きく乖離した方向へと、変わろうとしていた。今は、流れに乗るのが正解だと思う。

 

「………本格的に、ギャラルホルンと衝突するのですね。勝算は?」

「すでにマクマード・バリストンとノブリス・ゴルドンにはメッセージを送ってあります。今回の騒動、黒幕と暴かれたくなければ、そして得られる利益のために彼らも動いてくれるに違いありません」

 

 原作では、暴徒と化した労働者たちがコロニー駐留部隊やアリアンロッド艦隊によって悉く虐殺される中、鉄華団はその場を離れるしか無かった。あの、クーデリアの演説によって救われたようにも見えるが、実際には事前のノブリスへの根回しで、彼やマクマードによってアフリカンユニオンへと圧力がかかった結果、経済圏の意向でアリアンロッドは鉄華団に手を出せなかったのだ。

 ノブリスやマクマードを利用して事態の打開を図る。この点は変わらない。

 そして〝革命の乙女〟としてのブランドを高めるために、大なり小なりギャラルホルンと激突し、勝利を掴むことは必須条件に違いない。

 

「分かりました。すぐにドルト6に向かいます」

「頼みます。………こうして直に指示を出すのは初めてですね」

 

 笑いかけるクーデリアに、俺もニッと笑い返して、

 

「報酬、期待してますよ。お財布握りしめて待っててください」

「ええ。互いが無事であればです」

「それと、例のものはクランクさんが運んでくれる手はずになりましたので」

「分かりました、カケル。後で彼に声をかけましょう」

 

 不敵な笑みを浮かべるオルガや、額に汗を垂らしながらやや事態の進行についていけていないナボナを背に、俺はブリッジを後にした。

 

 

 

 カケルがブリッジから立ち去った後。

 冷や汗を垂らしながらナボナは、

 

「………もう、後には引けないのですね」

「どうする? やめとくか?」

 

 オルガの問いかけに、やがてナボナは首を横に振った。

 

「いえ。………いつかはこうなると、私も分かっていました。むしろ、鉄華団の方々が味方してくださるなら。来るべきときが来た、そう思うことにしましょう」

 

 と、クーデリアが一歩ナボナの前に進み出、

 

「ナボナさん。このコロニーで働く人々のことをできるだけ教えていただけませんか?」

「え?」

「知りたいのです。もっと、もっとたくさんのことを」

 

 

 

 そしてその数時間後、1機のランチがビスケットとクランクを乗せて〝イサリビ〟を離れる。

 

「ビスケット………と言ったか。何もしてやれず、すまない」

「そんなことないですよ。………どうかお気をつけて」

「うむ。託されたものは、責任をもって届けよう」

 

 客席でクランクは………クーデリア・藍那・バーンスタインから託された一つの情報チップが入ったケースを、大事に両手で包んで動かさなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

 数日後。

 

 ドルトコロニー群外周宙域に、月基地から発進したギャラルホルン月外縁軌道統制統合艦隊、通称〝アリアンロッド艦隊〟が集結しつつあった。20隻以上のハーフビーク級に、100機以上の艦載モビルスーツ部隊。この人類圏で、これだけの大艦隊に挑戦できる戦力はギャラルホルンそれ以外には存在しない。

 

「全艦、配置につきました」

「よし。後は………」

 

 ドルトコロニー群で騒乱が起こるのを待つのみだ。

 アリアンロッド艦隊の、少なくとも分艦隊指揮官以上の高官には、すでに事態の大筋が伝えられていた。

 地球からの一元経営管理のしわ寄せにより、住環境や労働環境が悪化し不満を高めている労働者たち。彼らに民間業者を通じて武器を供給し、武力暴動を起こした所にギャラルホルン・コロニー駐留部隊やアリアンロッド艦隊が駆けつけ、速やかに鎮圧する。

 

 厄祭戦後、300年の間に当然のように繰り返され続けてきたマッチポンプ。力によって不満を抑え世界平和を実現する。それが人類社会を守る誇り高き「武力を以て武力を制す世界平和維持のための暴力装置」たるギャラルホルンのやり方だった。

 下層階級の者たちを犠牲にすることによって、より多くの人々の生活と安全を保証する。そうすることによって世界は300年に渡って平和を維持してこられたのだ。

 1億の下層階級者を虐殺することによって10億の人間を救うことができるのであれば、当然そうするべき。指揮する艦隊の威容をブリッジで見守りながら、アリアンロッド艦隊司令官は、これからの自分の行動を一切疑わなかった。

 

「ドルト3の状況は?」

「駐留部隊より、異常なしとのことです」

「………妙だな」

 

 そろそろ、ドルト3のドルトカンパニー本社前で武装した労働者による抗議デモが始まるはず。あらかじめ本社エントランスに爆弾を仕掛けておき、労働者側からの先制攻撃を演出する。危害射撃の大義名分を得た駐留部隊によって労働者たちは速やかに武力制圧される。そういう手はずになっているのだが………

 

 が、その時だった。

 

「ドルト1、ドルト4、ドルト5にて同時多発的に暴動が発生しました! 各駐留部隊が対応に当たっていますが、数が多すぎて対処できないと………」

「何………段取りが違うではないか………!」

 

 ドルト3での虐殺に触発された各コロニーの労働者たちが暴動を起こし、武装ランチやモビルスーツを奪ってドルト3に殺到する。

 奪われるであろう武装ランチやモビルスーツにはあらかじめ細工が施されており、無力化された労働者側のモビルスーツ部隊は、精強なギャラルホルン駐留部隊によって難なく撃破される。そのはずなのだが………

 

「まあいい。やることは変わらん。L7宙域の艦隊が先行しているだろう。各コロニー駐留部隊への援護に向かわせろ」

 

 外周宙域からドルトコロニー群に向かうには、まだ距離があり時間もかかる。この程度の暴動なら、L7駐留の部隊だけでも十分対処できる。アリアンロッド艦隊をも動員したのは、あくまで演出に過ぎないのだから。

 だが………

 

「ドルト2より緊急通信! 駐留基地が攻撃を受けているとのこと!」

「既に施設の大半が制圧され、武装した労働者に包囲されたと………!」

「な………駐留基地が直接攻撃を受けたというのか!?」

 

 あり得ない。コロニー駐留部隊は小規模とはいえ、中隊規模のモビルスーツ隊やモビルワーカー、それに兵士が配備されている。武装しているとはいえ暴徒如きに後れを取るはずが………

 

「先行している艦隊に急行するよう伝えろ! こちらも発進準備を急がせろ!」

 

 

 事態は、本来の予想から大きく外れようとしている。

 300年もの間、起こりえなかった異常事態に、司令官は混乱を抑え、矢継ぎ早に指示と檄を飛ばすより他なかった。

 

 

 




次話は11/1(水)投稿予定になります。

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