鉄と血のランペイジ   作:芽茂カキコ

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願いの在り処

▽△▽――――――▽△▽

 

『だ、団長! これじゃ前が持ちませんっ!』

『援護はまだかよぉっ!?』

「く………カケル………!」

 

 

 エドモントン市内中心部近くの街道。

 10機ものギャラルホルンモビルワーカー隊相手に、蒔苗を護衛するタカキら鉄華団モビルワーカー隊は果敢に攻撃を仕掛けていた。しかし火力・装甲共に向こうが遥かに勝っており、接近戦か火力を集中しない限り撃破は望めない。

 辛うじてこちらの人死にはゼロ。だがダンジ機が右側の機関砲を失った他、ライド機もダメージが蓄積し、残弾も残り少ない。

 

 モビルスーツ隊側の戦況が危なくなっているのは、LCSを通じてオルガも知っていた。もしかしたらもうこちらを援護できる余裕は………

 だがその時、無数の重砲弾が炎の雨のように、ギャラルホルンのモビルワーカー隊目がけ降り注いできた。着弾した地面が爆ぜ、噴き上がった爆煙が瞬く間に敵モビルワーカー隊を覆いつくす。先頭の敵モビルワーカー3機が弾雨に巻き込まれて爆散し、激しく炎を散らした。

 チャンスだ。

 

 

「――――今だッ! タカキ、アストン、デルマで行くぞッ! ダンジとライドは援護!」

『了解!』

「俺らも行くぞユージン!」

『おうっ!!』

 

 

 破壊され舗装がめり上がった地面を走破し、オルガの指揮官用モビルワーカーを筆頭に、計4機のモビルワーカーは混乱する敵部隊に牙を剥いた。

 

「真正面のからやっちまえユージン!」

『おうよ!』

 

 指揮官用モビルワーカーを操るユージンが、眼前のモビルワーカー目がけて60mm機関砲を撃ちまくる。至近で直撃を食らった敵機は、なす術無く装甲を貫かれて四散した。

 タカキら3機のモビルワーカーも、敵陣深くに食い込んで乱戦を挑む。特に戦闘慣れしたアストン、デルマの戦いぶりは凄まじく、敵モビルワーカーの間を駆け巡って次々仕留めていく。

 

 その戦いぶりは、かつて白と青のモビルワーカーで火星の荒野を駆けた三日月と昭弘のように見え、オルガは思わず少し口元を吊り上げた。

 

 

「よし………これでもう俺らを邪魔できる奴らはいねえ」

 

 

 行くぞ! オルガ機を先頭にタカキら計6機のモビルワーカー隊、そして護衛された装甲車は敵モビルワーカー隊の残骸をかき分けながら目的地へと急いだ。

 

 

「早くやることやらねぇと………ミカたちがやべェ」

 

 

 頼むから、持ちこたえてくれ………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

「ぐ………どんどん湧き出やがって………!」

『くそっ! 弾がもう!』

「俺のを使えッ! 援護頼む!」

 

 昭弘は手持ちのライフルを昌弘の〝ホバーマン・ロディ〟に押し付けると、バトルアックスを構えて〝グレイズ〟に迫った。

〝グシオンリベイク〟のアックスと〝グレイズ〟のバトルブレード、刃と刃が激しく衝突するが、昭弘は〝グシオンリベイク〟持ち前のパワーで敵機を押し切り、〝グレイズ〟がよろめいた所で容赦なくアックスの刃を叩き込んだ。

 

 立ち止まったその瞬間、もう1機の〝グレイズ〟が回り込んで飛びかかってくるが―――そこに昌弘の〝ホバーマン・ロディ〟が放ったライフル弾が直撃。その一瞬を逃さず〝グシオンリベイク〟のアックスで刺し潰した。

 

 

「はぁっ……はぁ………!」

『まだ来るっ! 東から3機!』」

「ちぃ………俺から離れるなよ、昌弘ッ!」

 

 

 へばってなんていられない。

 絶対にここで昌弘を………家族である鉄華団を死なせたりはしないッ!

 

 だが昭弘らに攻撃を仕掛けてきたのは東の3機だけではなかった。センサーの反応は、南、西から2機ずつの反応を捉える。

 すでに〝漏影〟と〝流星号〟は大破して横たわり、〝アクア・グレイズ〟と〝フォルネウス〟とは分断され連携が取れない。孤立無援の状態でもなお、昭弘と昌弘は必死に抗い続けてきた。

 

 それでも、劣勢という名の現実は容赦なく彼らを蝕む。

 

 

「ぐっ………!」

 

 

 1機の〝グレイズ〟が発射したバズーカ弾を回避しきれず、着弾の衝撃が昭弘の全身を殴りつけた。機体のバランスが崩れ、思わず〝グシオンリベイク〟は地面に片膝をつく。

 そこに〝グレイズ〟のバトルブレードが迫る。反射的にバトルアックスを振り上げて防いだが、さらに薙ぎ払うように蹴り飛ばされ得物が〝グシオンリベイク〟の手から吹き飛んでしまう。

 

 

『兄貴! うわ………ッ!』

 

 

 援護しようと昌弘の〝ホバーマン・ロディ〟が駆け寄ろうとしたが、全方位から容赦のないライフル弾やバズーカの射撃が殺到し、さらに近接戦を挑んだ〝グレイズ〟の猛撃を受けてよろめく。長時間に渡る戦いは昭弘のみならず、昌弘の体力も奪っていた。武器、スラスター残量、そしてパイロットの体力。何もかもが限界に差し掛かろうとしていたのだ。

 

 それでも必死に踏みとどまろうとする昌弘だが、3機の〝グレイズ〟隊は容赦なく〝ホバーマン・ロディ〟に襲いかかり、武器を奪われ、バトルブレードに装甲をぶち抜かれ、さらに至近距離でバズーカを食らって吹き飛ばされる。

 

 

『が………ぁッ!』

「昌弘ッ!!」

 

 

 それでもヨロヨロと起き上がろうとした昌弘の〝ホバーマン・ロディ〟。

 だが両脇を2機の〝グレイズ〟が掴み、リアクター出力の差で力づくで地面へと跪かせた。重装甲の〝ホバーマン・ロディ〟は生半可な近接武器では倒せない。

 

 そのために………装甲と装甲の隙間から直接コックピットを殺ろうとしているのだ。

 行動を封じられた昌弘は逃げることもできない。

 

 

『ぐ………っ!』

「―――――ッ!!!」

 

 

 その瞬間、昭弘はこちらに斬りかかろうとする〝グレイズ〟を〝グシオンリベイク〟のマニピュレーターで殴り飛ばし、残り少ないスラスターを全開に昌弘目がけ飛びかかった。

 そして〝ホバーマン・ロディ〟とその両脇を固める〝グレイズ〟2機もろとも、あらん限りのパワーで突き飛ばす。

 

 雪崩打って横に吹っ飛ぶ〝グレイズ〟と〝ホバーマン・ロディ〟。

 迫る刃。

 そこにいるのは昭弘の〝グシオンリベイク〟。

 

 

 

『あ、兄貴―――――――ッ!!』

 

 

 

 コックピットが抉られる衝撃。

 頭から殴りつけられるような感覚に、昭弘の意識は瞬く間に投げ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

「余計な邪魔を………!」

 

 エドモントンを守るギャラルホルンモビルスーツ隊を指揮するテオールは、唐突に割り込んできたもう1機に舌打ちを隠せなかった。鉄華団の重装甲モビルスーツを捕らえ、装甲の隙間からバトルブレードをねじ込みパイロットを殺さんとしたが………飛び込んできたもう1機がその身代わりとなったのだ。

 

 代わりにコックピットを抉られたガンダムフレームは、力なく膝をつき、倒れ伏す。

 

「だが、まあいい。1機倒したことに変わりはない」

 

 それに。ガンダムフレームの方が厄介だと考えていた所だ。わざわざ身代わりになってくれたことに礼を言うべきかもしれない。

潰される寸前の味方を守るつもりだったのだろう。薄汚い宇宙ネズミ同士の、美しい仲間愛だ。

 

 莫大な犠牲を経て、テオール率いるモビルスーツ隊はようやく鉄華団のモビルスーツをねじ伏せようとしていた。まだ〝アクア・グレイズ〟と〝ガンダムフォルネウス〟が抵抗を繰り返しているが、その動きは徐々に鈍っていく。接近戦を挑まず、しばらく射撃で牽制し続けていればいずれ疲労のピークに達し、討ち取れる好機が生まれるだろう。全機の半数以上を失ってしまったが、それでも尚こちらには余力がある。

 

 ヨロヨロ……とロディ・フレームの重装甲モビルスーツが起き上がった。遅れて立ち上がろうとした1機の〝グレイズ〟を、掴んで殴って黙らせる。

 

 

『よくも……よくも兄ちゃんを………!!』

「ほう、それは悪いことをしたな。許せ」

 

『うおおおおおああああああああアァアアアアァァァァ!!!!』

 

 

 獣のように咆えた若い……というより幼い敵パイロットは、武器も無くマニピュレーターの拳だけで果敢にもテオールの〝グレイズ〟に襲いかかってきた。だが、もう体力も限界に近いのだろう、あまりにも真っ直ぐで、読みやすい。

 

 

「ふん」

 

 

 テオールの〝グレイズ〟は悠々と拳をかわずと、バトルブレードの刃を重装甲モビルスーツの腕部、その装甲の隙間にねじ込んだ。

 

『ぐうううううぅッ!!』

「すぐに兄の後を追わせてやろう」

 

 

 さらに突き飛ばして再び後ろに倒し、〝グレイズ〟は馬乗りになると――――持ち直したバトルブレードを首の装甲の隙間に突き刺そうとした。

 重装甲モビルスーツは、すかさず残った片腕でそれを防ごうと足掻くが、旧式のモビルスーツとギャラルホルンの現行機ではパワーが違う。少しずつ押し込んでいき、その先端が装甲の隙間を抉り始める。

 

 敵機のコックピットからも、頭上からめり込み始めるバトルブレードの先端を見ることができただろう。短い悲鳴が接触回線越しに聞こえてきた。

 

 

 

『あ、兄貴………兄ちゃん………っ!』

「心配するな。すぐに会えるさ」

 

 

 

 優しく諭しながら、テオールはバトルブレードをさらに深く………

 

 その時、〝グレイズ〟のコックピットに【AHAB WAVE SIGNALS】の警報が鳴り響いた。

 

 

「何だと? 敵の増援………」

 

 

 だがテオールに対処する間は与えられなかった。

 次の瞬間、コックピットの側面モニター全体に映し出された、鋭く回転する黒い何かがテオール機のコックピットを………一瞬にしてぶち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

『ば、バカな! エルナール隊長が………っ!』

『あのデカいモビルスーツ、一体なんだ!?』

『撃て、撃ちまくれッ!』

 

 突然、ギャラルホルン優位で進んでいた戦場に乱入してきた、1機の黒いモビルスーツ。

 その威容は通常のモビルスーツより一回りも二回りも大きく、頭部センサーユニットのモノアイが禍々しい紅に光り、ギョロリと周囲を見渡していた。その足下には、胸部コックピット側面に大穴が空き、重装甲モビルスーツに覆いかぶさるように沈黙した隊長機仕様の〝グレイズ〟。

 

 

戦場後背で控えていた、〝アクア・グレイズ〟や〝フォルネウス〟と対峙していない予備兵力4機が即座に展開。ライフルを撃ち放ちながら未確認モビルスーツに迫る。

 

 

「まあ、いけませんわ」

 

 

 たった4機で、この〝グレイズX〟の相手をしようなんて。

 コックピットで女――――エリザヴェラはフフッと、迫る〝グレイズ〟隊に笑いかけた。

 愚直なまでに真っ直ぐ、陣形を組んで迫る4機の〝グレイズ〟は………わずか一瞬にして眼前に迫っていた〝グレイズX〟に反応できなかった。

 

 

『な………!?』

 

 

 両手の専用大型アックスを一気に振り下ろし、〝グレイズ〟の頭部をかち割って胸部を抉り潰した。

 突然の事態に呆然としていたもう1機に、亡骸となった〝グレイズ〟を叩きつけ、2機が揃って倒れ伏した所を、ドリルモードで超高速回転させた片足で、貫き踏み潰した。

 3機目は袈裟懸けにコックピットを引き裂き、

 最後の機体は、押し倒し、上半身がぐちゃぐちゃになるまでアックスを振り下ろし続けた。

 

 

 4機全てを〝惨殺〟し終えた所で、

 

 

 

 

 

「お戯れが過ぎますわ、モンターク様。こんな楽しい機体を頂いたら私………楽しすぎて鉄華団の方々までぶっ殺してしまうかもしれませんもの!!」

 

 

 

 

 

 破壊し終えた〝グレイズ〟からようやくアックスを引き抜き、〝グレイズX〟の禍々しい紅眼は他の獲物……残る〝グレイズ〟へと、異様な熱意を以て注がれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

 

「ははは………この反応速度、この戦闘力、予想以上じゃないかッ!」

 

 

 阿頼耶識システム。モビルスーツと人体を一体化させるシステムが、これほどまでに………俺に力を与えるとは。

 ギャラルホルンがこの技術を禁忌としたのも分かる。このような人体と機械を融合させるテクノロジーが広まれば、世界には二度と「秩序」などという言葉は生まれなくなるだろう。破滅的な力を身に宿した者同士の………それこそ〝厄祭戦〟が延々と繰り広げられることとなる。

 

 だがこの力は………ガエリオの心に危機感を抱かせると同時に魅力をも注ぎ込んだ。この力があれば、もう手順に煩わされる必要も無い。力を以て邪悪を排す。ギャラルホルンの本道を征き、全ての不正と腐敗を、物理的な実力を以てして取り除くことができるだろう。その先に、ギャラルホルンが真に目指した理想世界がある。

 

 

「まず討つべきは此度の騒乱………元凶である鉄華団と、クーデリア・藍那・バーンスタインを………!」

 

 

 ガエリオは〝キマリス〟のニードルランスを、〝ラーム〟の胴体から引き抜こうとした。残ったもう一匹を片付け、残存のモビルスーツ隊も全て破壊する。あの宇宙ネズミの小僧が操る〝バルバトス〟も。降伏は一切認めない。ギャラルホルンが目指す世界に、宇宙ネズミの居場所などあるはずがないからだ。

 

 そして鉄華団の拠点も叩き潰し、そしてクーデリア・藍那・バーンスタインを………!

 

「………ん?」

 

 どれだけ力を加えてもニードルランスは動かない。訝しさに、ガエリオは視線を下に落とした。

 その目に映ったのは………

 

 

「何だと?」

 

 

〝ラーム〟のマニピュレーターが、ニードルランスを掴み、あらん限りの力をかけて引き抜かれるのを妨げていたのだ。まさかパイロットがまだ生きているのは………

 

 

「何のつもりだ? まさか、まだ勝ち目があるとでも?」

 

『ああ………俺たちはまだ………ぐぶ……負けては………』

「無様だな。せめてもの慈悲だ、楽に殺してやる」

 

 

 通信越しに聞こえてくる吐血の音に不快感を隠せず、ガエリオ冷たく言い放ちキマリスサーベルを振り上げた。頭から潰れれば、さほど苦しむことは―――――

 

 

『………だ』

「ん?」

 

 

 

『今………だ! やれッ! 三日月ィッ!!』

 

 

 

 その瞬間、背後からの敵機接近に警報が轟いた。

 識別コード【ASW-G-8】。その識別コードは今のガエリオにとって最も因縁のある相手だった。

 

 

「小僧が………ぐ!?」

 

 

 振り返ろうとした瞬間、〝ラーム〟のマニピュレーターががっしりと〝キマリス〟の片腕を掴んだ。

 

 

「ぐ………汚い手で触るなッ! ネズミが!!」

『逃がさない………っ!』

「!」

 

 

 ようやく力づくで引き剥がし、振り返ったその時―――――眼前に迫った〝バルバトス〟が巨大なレンチメイスを突き出してきた。その先端部が大きく開かれ、まるで獣の咢のように〝キマリス〟の右肩を掴み捕らえる。

 

「しまった!」

『もらった………!』

 

 火星から因縁のある、忌々しい宇宙ネズミ小僧の声。

 

〝キマリス〟の肩部を掴んだレンチメイス、次の瞬間その内部にあるチェーンソーが高速回転して激しく火花を散らし………さらに悪いことに、背後でよろめきながら〝ラーム〟が動き始めた。

 前後を挟まれる訳には………ガエリオはやむを得ず掴まれた右肩部を強制パージし、瞬発的に後退して一気に加速してその場を離れる。

 

 突き刺さっていたランスを力任せに引き抜き、取り落としていたガトリングキャノンを構え直した〝ラーム〟が弾幕をばら撒いてくる。だが〝キマリス〟の直感的な目まぐるしい回避機動を、一切負いきれていない。

 

 

「射撃が追い付いていないぞッ!」

 

 

ガエリオは阿頼耶識システムがもたらす超絶的な反応速度を駆使し、難なく〝ラーム〟の弾幕を乗り越える。

 そして迫った〝バルバトス〟のレンチメイスと、〝キマリス〟のサーベルが幾度となく、激しく激突し合った。

 

 

「ふ………はは………はははははははは!!」

『ぐ………!』

「どうした宇宙ネズミぃッ! ご自慢の阿頼耶識はなァッ!!」

 

 

 所詮は流出した紛い物! 厄祭戦時代の「真の阿頼耶識」を有する俺の敵ではない!!

 互いに鋭く打撃と斬撃を繰り出す中………ついに〝バルバトス〟の反応がワンテンポ遅れた。

 

 

「そこだァッ!!」

 

 

 ガン! と次の瞬間、〝キマリス〟の斬撃を抑えきれずに〝バルバトス〟のレンチメイスがその手から吹き飛んだ。すかさず〝バルバトス〟は背部にマウントしてあった反りのあるブレードでさらなる斬撃を防ぐが………〝キマリス〟の加速する斬撃を前に、〝バルバトス〟はやはり徐々に追いきれなくなる。

 

 

「――――抜けるッ!!」

 

 

 もはや〝バルバトス〟は防戦一方。このまま押し続ければ、最後に勝つのは〝キマリス〟だ。

 ガエリオは勝利を確信した。そして、正義が正しく執行される瞬間を―――――

 

 

 

 

 

『シノ! 昭弘! 誰か返事をしろぉッ! オルガとクーデリアはもうすぐ議事堂だッ! あと少し………あと少しだッ! 踏ん張ってやれぇッ!!』

 

 

 

 

 

 クーデリアだと?

 その瞬間、ガエリオの脳裏に、マクギリスの言葉がフラッシュバックした。

 

 

『ガエリオ。蒔苗とクーデリアがアーブラウ議会に入れば、もう我々で事態を制御することはできなくなる。蒔苗は再び政局を牛耳り、此度の騒乱を引き起こしたクーデリアや鉄華団の罪は不問に処されるだろう。――――奴らを議事堂に入れてはいけない』

 

 

 

 クーデリア――――

 

蒔苗――――

 

 政局――――

 

 不問――――

 

 議事堂――――

 

 

 マクギリスの言葉と単語の数々が、ガエリオの脳裏で滅茶苦茶に入り交じった。

 

 

「あ、あぁ………が……あああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 想像を絶する苦痛。

 恐怖。

 怒り。

 絶望。

 

 暗い感情の何もかもが蟲毒に混じり、だがそれは、ガエリオの脳に一つの結論を導く。

 

 

 

――――クーデリア・藍那・バーンスタインを止めねばならない。

――――例え、どのような犠牲を払ってでも。

 

 

 

 その瞬間、ガエリオの思考は直ちに行動へと直結した。

 地に転がっていたランスを取り上げ、眼前の〝バルバトス〟を蹴飛ばし、踏み台にして一気に飛び上がる。そして高く、高く………30t以上の重量を持つモビルスーツの巨躯がスラスターが噴き出す爆発的な推力に押し上げられて、空へと吸い込まれていく。

 そして、遥かエドモントン市内へと落下していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

『………前ら………えるか!? 蒔苗と……リアは議事堂へ送り………た! 俺たち……は成功………! ……から、こっから先は死ぬなッ!! もう死……じゃねえぞ! こっから先……死……らは……令違反で俺がもっぺん殺………! だから………ても、這って………生きやがれッ!!』

 

 

 ノイズ交じりの通信。

 オルガが、市内にありったけのLCSドローンを飛ばして、鉄華団の全員にそう呼びかけているのだ。蒔苗老とクーデリアさえ議事堂に入れれば、後はギャラルホルンでも手出しできない。武力で経済圏の議会に押し入る訳にはいかないからだ。

 

 後は、市内に展開しているモビルワーカー隊や、平原で戦っている俺たちモビルスーツ隊が撤収すればいい。舞台は血を流す戦いから、政治という流血を伴わない戦場へと移った。

 

 

「ぐ……ぐ……ぁっ!」

 

 

 内臓が押しつぶされ、鉄の味をした濃血が喉の上までせり上がってきて………堪えきれずに俺は何度目かの血を吐いた。

 身体の感覚が無い。何とか、阿頼耶識システムに繋ぎ止められて意識だけがはっきいしている。苦痛も遮断されたが、まるで神経の通ってない肉体に宿っているかのようで指一本満足に動かすことすらできない。

〝ラーム〟のコックピット………の成れの果ては酷いものだった。コックピットモニターの大半がひび割れてブラックアウト、辛うじて一部の側面モニターが機能しているが、点滅とノイズを繰り返して、外の様子は肉眼ではほとんど分からない。

 

 だが阿頼耶識システムのお陰でまだ生きている機外センサーと俺の肉体が直結しており――――〝バルバトス〟と激しく斬り結んでいた〝キマリス〟が突如として飛び上がったのが分かった。遥か、エドモントン市内に向かって………

 

 

「まさか………直接……っ!」

 

 

 だが、もう蒔苗とクーデリアは議事堂に入っているはず。まさか………!

 

『カケル!?』

 

 三日月の声。よかった、まだ通信システムは生きてる。

それに〝バルバトス〟はまだ戦える。今〝キマリス〟を………おそらく阿頼耶識手術を受け、原作のアイン・ダルトン同様に狂気に侵されたガエリオ・ボードウィンを止められるのは、三日月しかいない。

 

 

「三日月………行け……! 〝キマリス〟が街に……クーデリアが、危ない………!」

『!』

「早く……! ここは俺に……任せ………っ!」

 

 

 遠のこうとする意識を必死で呼び起こし続け、出血多量がもたらす寒さに震える唇を何とか動かしながら、三日月に呼びかける。

〝バルバトス〟は、頭部を上げ、エドモントンの方角を見据えた。

 

 

 

『………分かった。ここは任せる、カケル』

 

 

 そして三日月もまた〝バルバトス〟を駆り、飛び出していった。あっという間に消えていくその後ろ姿をセンサー越しに感じながら………

 

 

 

 

 俺は、ここまでか―――――――?

 

 

 

〝ラーム〟が力を失い、倒れ伏す。

 その衝撃すら感じることができない。

 

徐々に広がる暗闇に、俺は身を委ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

「フリュウ先生! た、大変ですっ! 蒔苗氏がこの議事堂に………!」

「な………何ですって!?」

 

 2日後に代表指名選挙を控え、議事堂内の会議室で自身の派閥議員と打ち合わせていたアンリは、飛び込んできた秘書からの報告に思わず手元のタブレットを取り落とした。

 フリュウ派に属する議員らも、一瞬唖然とし、「ど、どういうことだ!?」と互いに顔を見合わせ騒ぎ始める。

 

 

「表にはギャラルホルンの部隊が展開しているんだぞ!?」

「厳重な警備をどうやって………」

「蒔苗が来たら他の派閥も一気に蒔苗についてしまうぞ!?」

 

 

 視線がアンリに集中する前に、彼女はいきり立って会議室を飛び出した。その手にはバッグが握られ食い込まんばかりに爪が深く立てられている。

 あの口先だけの無能な男はッ! 悉く蒔苗を仕留めるのに失敗したばかりか議事堂に入ることを許すなど………

 もしこのまま蒔苗が2日後の指名選挙で再選されるようなことになれば………奴の権力とメディアへの影響力で、アンリとイズナリオ・ファリドの癒着、そしてギャラルホルンのこれまでの内政干渉の数々が明るみに出てしまう。アンリは失脚、それどころか派閥も消滅し議会への影響力を永遠に失ってしまうことになりかねない。

 

 最悪、これまでの行為を追及され―――――逮捕、投獄もあり得る。

 

 

 アンリは早足に議事堂内の通路を歩いた。ここから先にあるのは――――――

 

 

 

「蒔苗先生! お待ちしておりました! まさかこれほど早くいらっしゃるとは」

「ほっほ。案外とスムーズに事が運んでのぉ。この子たちのお陰じゃわい。………して、議会の方はどうかな?」

「蒔苗先生さえいらっしゃれば、どの議員方も先生のご威光を知らぬ方はいらっしゃいません。ただ、ディアン派とマルシク会系議員の方々が旗色を決めかねておるようでして」

「うむ、あの辺りは派閥総裁が変わって混乱しておるからのぉ。よかろう、時間もあることだし儂が直接………」

 

 

 

「蒔苗東護ノ介ッ!!」

 

 

 

 蒔苗派をまとめる幹事長議員、ラスカー・アレジ。

 アンリがギャラルホルンの力を借りてオセアニアの辺境までおいやったはずの、蒔苗東護ノ介。

 そしてその隣にいるのは………クーデリア・藍那・バーンスタイン。後ろにいるもう一人の小娘は知らない。

 

 

 ほう、と蒔苗は剣呑とした表情でアンリに振り返ってきた。

 

 

「これはこれは、フリュウ議員。久しぶりじゃのう」

「貴様………どうやってここに!?」

「どうやって? ふふ………儂はここの元代表だぞ。少々外が騒がしかろうと、ここの造りは貴様よりもよ~く知っておるわい」

 

 ぐ………っ! アンリは歯噛みを隠せなかった。

 蒔苗がまだ代表の座にあった時代、幾度となくこの議事堂は増改築を繰り返してきた。表向きは厄祭戦後の再建期から続く古い建物構造の改修、となっていたが………密かに極秘の通路やセーフハウス、地下施設を建設しているのでは? という疑惑はゴシップ誌を中心にくすぶり続けてきた。もしや、とアンリも疑念は持っていたがまさか実際に抜け道を用意していたとは………。

 

 

 このまま放っておけば失脚は免れない――――アンリはバッグを握る手に力をこめ、中の硬さを確かめた。

 今ここにいるのはアンリと蒔苗、彼の取り巻きのみ。この状況では幸いなことに、誰もが外の騒ぎに釘付けとなっている。

 やるなら、今しかない。

 

「では儂らは失礼するとしよう。2日後の代表選で………」

 

 

 

 

「代表になるのはこの私! アンリ・フリュウよッ!! 貴様などに―――――ッ!!」

 

 

 

 

 アンリが手探りでバッグから取り出したのは――――この場にそぐわない冷たい輝きを放つ、拳銃。

 

 

「なっ!?」

「クーデリアさんっ!」

「い、いけません!!」

 

 

 この場で全員を殺し、適当に取り繕えば邪魔者は誰もいなくなる! 誰一人として………

 驚愕に目を見開く蒔苗とアレジ。

 飛び出して蒔苗を守ろうとするクーデリア。だがこの場で全員が死ぬことに変わりはない。

 勝ち誇った笑みを浮かべてアンリは引き金に添えた指に力を………

 

 

 

 

 

 

 

『クーデリアッ!! 藍那ああああァァァァッ!!! バーンスタアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ―――――――――――――――!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時、突き殴られるような衝撃と共に議事堂が………建物の構造が破られて崩壊し、アンリや蒔苗、クーデリアたちは全員、崩れゆく瓦礫の中へ瞬く間に呑み込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

―――――奴をッ!!

―――――止めなければ。

―――――あの女が権力を握る前に!!

―――――何物にも屈しない「正義」が存在するということをあの女……クーデリア・藍那・バーンスタインと世界に知らしめなければ。

 

 

 絶叫と共に〝キマリス〟はその全身を、アーブラウ最高議会議事堂に叩きつけた。モビルスーツの重量に耐えられる訳も無く、瞬く間に議事堂の巨大な構造が外側から潰れ、崩壊していく。

 

 

『なぁッ!?』

『議事堂が潰されたぁ!?』

『あ、あれウチのモビルスーツじゃないか!?』

『なにやってやがる! 止めさせろっ!!』

 

 

 議事堂を警備していたギャラルホルンのモビルワーカーが、ノロノロと砲口を上げてくる。周囲で警戒していたモビルワーカーも、続々と集まってきた。

 

『そこのモビルスーツ! 一体何をしているかッ!! そこは………』

 

 

 

――――奴らはクーデリアに味方する者だ。

――――潰せ。

 

 

 

 阿頼耶識システムが命ずるがまま、もはやガエリオには彼らが『敵』としか認識できない。

 

「貴様らぁ………」

 

 クーデリア・藍那・バーンスタインを利する者は、全て潰さなければならない。

 それこが「正義」のあるべき姿なのだから。

 

 その思考は直ちに行動へと直結した。

 

『そこのモビルスーツ! 聞こえているんだろ!? さっさと………!』

 

 

 騒がしく囀っていたモビルワーカーは、次の瞬間〝キマリス〟のニードルランス内蔵砲の直撃を食らい、爆散した。

 そして隣に並んでいた数台も。

 

 

『そんな………!』

『議事堂を警備していた奴らが!?』

『う、撃て! 何とか議事堂から引きはがすんだよ!!』

 

 

 恐慌状態に陥った遠くのモビルワーカー隊が〝キマリス〟目がけて撃ちまくってくる。だが、モビルワーカーの砲でモビルスーツの装甲を撃ち抜けるはずも無く、

 

 

「貴様らも………クーデリアに加担するのか!? 腐敗ぃ、ここに極まれりだなッ!!」

 

 

 ランス内蔵砲を撃ちまくり、ガエリオは背後の建造物ごとモビルワーカー隊を吹き飛ばした。さらに奥の通りからも数台が姿を現すが、ガエリオはその横にある高層ビルの下層を内蔵砲で撃ち崩し、ギャラルホルンのモビルワーカー隊は悉く倒壊するビルの下敷きとなった。

 

 ようやく静寂が訪れ、〝キマリス〟は再び踏み潰した議事堂へと向き直る。階層を抉り、めくり上げ、潰れた議員と思しき死骸が何人も見つかるが、肝心のあの女の姿がどこにもいない。

 厄祭教団によってセッティングされた阿頼耶識システムに支配されたガエリオには、もはや正常な思考は残されていない。

 行動原理はただ二つ、「正義」を執行すること。そしてクーデリア・藍那・バーンスタインを止めること。殺してでも。

 

 

「どこだぁ………! どこにいるッ!! クーデリア・藍那ッ! バァァァァァアアアアンスタイン!! 貴様を………」

 

 

 

 

 

『私がッ!! クーデリア・藍那・バーンスタインです!! 私に………御用がおありですか!?』

 

 

 

 

 

 

 瓦礫の陰から、忌むべき火星の宇宙ネズミの首魁……諸悪の根源、クーデリア・藍那・バーンスタインが飛び出してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽――――――▽△▽

 

 

 破壊された議事堂。

 建物の半分近くが圧潰し、歴史ある荘厳な建造物は………今や崩壊した廃墟と化していた。

 

 突如として襲いかかってきた破壊は―――――まずクーデリアと蒔苗老を亡き者にしようとした女議員に振りかかってきた。破壊された天井から瓦礫が降り注ぎ、女議員を呑み込むと次いでクーデリアたちを吹き飛ばす。

 クーデリアが意識を取り戻した時には、先ほどまでごく普通の通路だった空間が瓦礫の山と変わり果て、クーデリアたちを殺そうとした女議員が―――――落ちてきた天井の瓦礫が頭に直撃したのだろう。どくどく、と頭部から溢れ出た血の上に沈み、既に事切れていた。

 

 

 こんな、こんな惨事を引き起こしたのは………

 

 

 

『どこだぁ………! どこにいるッ!! クーデリア・藍那ッ! バァァァァァアアアアンスタイン!! 貴様を………』

「私がッ!! クーデリア・藍那・バーンスタインです!! 私に………御用がおありですか!?」

 

 

 これ以上の破壊は許されない。許さない。

 決然とモビルスーツの下へ、クーデリアは飛び出した。既に外も酷い状況で、議事堂の外を守っていたギャラルホルンのモビルワーカーの破壊された残骸が点々と、そして遠くの高層ビルが倒壊しており、数分前まで閑静な目抜き通りだったその区画には無残な光景が広がっている。

 

 それを、この………ギャラルホルンのモビルスーツが?

 

 事態を呑み込めず、混乱するばかりのクーデリアに『ああ………』の紫のモビルスーツは頭部のツイン・アイを向け、冷たく見下ろしてきた。

 

 

『探したぞ、クーデリア・藍那・バーンスタイン。コーラルの不正を追及するついでにお前を捕捉するつもりだったのだがな………お前は、我々ギャラルホルンの掌の上で囀っていればそれで良かった! 独立運動など言い出さず、蠢動さえしなければ!! ………貴様のせいで、一体どれだけの人間が犠牲になったと思って――――――』

 

「私の行動のせいで多くの犠牲が生まれました! 鉄華団の皆も、ギャラルホルンの方々もッ! しかし、だからこそ私はもう立ち止まれない!!」

 

 

 最初、クーデリアがかつてのCGSを訪れたその夜、ギャラルホルンの襲撃が始まりその防戦で少年兵たち、そしてギャラルホルンにも大勢の犠牲者が出た。火星を脱出する時にも、多くのギャラルホルンのモビルスーツをパイロット諸共撃破した。

 ドルトコロニーでは、労働者たちがクーデリアの名の下にマッチポンプの犠牲となろうとしていた。それを防ぐために戦い、労働者の権利を勝ち得ることができたが――――抵抗戦に打って出た多くの労働者が死に。ギャラルホルン将兵にも甚大な犠牲が出たという。

 

 地球に降りるときにも、地球でも。敵味方の流血を引きずりながら、クーデリアは、鉄華団はここまで来た。

 だからこそ、その血を、犠牲を無駄にしてはいけないのだ。

 世界を変える。そのために流れた血に報いるには、もうそれしか残されていないから。

 

 

 

 だが―――――

 

 

『思い上がりだな』

「………っ!」

『はっ、笑わせてくれる。小娘一人の力で世界が変わるとでも? 宇宙ネズミが何匹湧いた所で世界が変えられるとでもッ!? 卑しいお前らにそのようなことができるはずもない。世界を変えるのは常に………本当の力を持つ選ばれた者たちだけなのだからな!! そのためのギャラルホルンだッ!!』

 

「ですがギャラルホルンは世界を変えませんでした! 火星の窮状も、子供たちがどれだけ悲惨な目に遭っているかも放置してッ! それで―――――!!」

 

 

『だからお前たちが自分たちの世界を変える、と? 思い上がりも甚だしい。不愉快だ。その不正義――――――世界秩序の番人たるギャラルホルンの名の下に誅してくれるッ!!!』

 

 

 モビルスーツは剣を振り上げ、そしてクーデリア目がけ真っ直ぐ振り下ろした。

 

 クーデリアには、それを止める力は無い。

 だが、戦うことを、抗うことを止める訳にはいかない。

 

「――――クーデリアさんっ!!」

 

 横からアトラが飛び出し、身代わりになろうと体当たりしてクーデリアを突き飛ばす。だがそれだけではあの剣を避けることは………

 刃が迫るその瞬間も、クーデリアは諦めず、静かに佇んでその運命と対峙し続けた。

 

 そして―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 飛び込んできた巨体……〝バルバトス〟のレンチメイスが紫のモビルスーツの刃を中途で受け止めた。

 

 

 

 

 




【オリメカ解説】

EB-X〝グレイズX〟

ギャラルホルンが密かに研究していた阿頼耶識システム試験機の一つ。
厄祭教団と共に阿頼耶識研究機関を牛耳ったマクギリスが入手し、通常のコックピットへ換装した上でモンターク商会へと流した。
阿頼耶識システムとパイロットの適合性を研究する上で機体は大型化。両足のドリルキック等複雑な制御を要する機構が多く、通常のコックピットで制御する場合、非常に優れた操縦センスが要求される。〝シュヴァルベグレイズ〟以上にピーキーな機体であるが、乗りこなし、その高いポテンシャルを発揮させることができれば、阿頼耶識システム機にも並ぶ優れた性能・反射能力を発揮する。
エドモントン戦にて、モンターク直属の部下であるエリザヴェラの乗機として運用されることとなる。

原作であれば〝グレイズ・アイン〟として投入されるはずだった機体。

(全高)
22.2m

(重量)
38.0t

(武装)
専用大型アックス×2
肩部格納式40㎜機関銃×2

パイルバンカー×2
マニピュレーター・スクリューパンチ
両足部ドリルキック

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