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(前回のあらすじ)
鉄華団としての初仕事を成功させ、企業として順調に成長しつつある〝鉄華団〟。
〝ガンダムラーム〟と共に鉄華団へ加わった蒼月駆留は、地球経済圏・アーブラウに依頼された仕事のため、実働三番隊を率いて地球へと向かうが………ブルック・カバヤン率いる〝ネオ・ブルワーズ〟、そしてフォーリス・ステンジャ率いるギャラルホルン艦隊の攻撃を受ける。
無事、地球に辿り着くためには彼らを撃破するより道は無い。カケルは、状況を打破するべく一計を講じる―――――
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▽△▽―――――▽△▽
「な………それは本当ですか!? 兄貴ッ!」
〝カガリビ〟〝ローズリップ〟からの定時連絡が途絶えた。
団長室でその報を受けたオルガは通信用タブレット越しの相手―――オルガや鉄華団の兄貴分である名瀬に思わず訊き直した。
2隻は鉄華団地球支部開設に向けた人員、それにモビルスーツやモビルワーカーといった装備を積んで地球へと向かっていたはず。
団長室には三日月や昭弘、ユージン、シノ、メリビットといった面々も集まり、一様に動揺を隠せない様子だった。
通信用タブレット端末のモニターの中で、『ああ』と名瀬の表情も硬い。
『〝ローズリップ〟からのLCS定時連絡が送られてこない。位置的にはそろそろデブリ帯に入ってる頃だろうが………そこは何日か前にテイワズの船が行方不明になってる所でな』
「………海賊ですか?」
デブリ帯で行方不明………と言われて連想するのは当然、非正規航路を荒らし回る宇宙海賊の存在だ。かつて猛威を振るったブルワーズは壊滅して久しいが、圏外圏には未だ大小さまざまな海賊が跋扈している。
『もしかしたら、な。ブルワーズみてえなバカがまだ残ってるのかも知れねえな。お前らの艦の方も、すぐにやられるような面子じゃないと思うが………』
「実働三番隊は、規模で言えば鉄華団最大です。それにカケルの腕は兄貴も知っての通りだ」
『ああ。場合によっては今からでも救援に飛べるかもしれん。とにかくこっちも準備するからお前らもモビルスーツを宇宙に上げとけ。合流ポイントは追って連絡する』
「分かりました!」
通信が終わった瞬間、オルガは後ろの全員に振り返った。仲間、家族の危機にやるべきことは当然決まっている。
振り返ればいつも通り、鋭い面持ちで全員がオルガの指示を待っていた。
「聞いてたな。すぐに準備にかかれ!」
「「「おうッ!!」」」
「分かった」
足早にユージンや昭弘、シノが飛び出していき、三日月もそれに続く。彼らに代わるようにメリビットがオルガの方へと進み出た。
「すぐに〝イサリビ〟の出港準備を始めます」
「ああ、頼む。ミカとシノの一番隊を送るからな。〝バルバトス〟と………」
オルガが細かく指示を飛ばそうとしたその時、コンコン、と控えめにドアがノックされた。
中に入るよう促すと「失礼します……」と事務所に詰めているはずのデクスターが姿を見せてきた。
「あのぉ。団長さん宛てにメールが届いてまして………」
「メール? 誰からだ?」
「地球のモンターク商会、というお方からです。私には要領を得ない内容だったのですが………」
モンタークが? 仮面の男で、その正体はギャラルホルンの高官である胡散臭い男を思い出し、オルガは思わず怪訝な表情を浮かべた。
▽△▽―――――▽△▽
『ブリッジよりモビルスーツデッキへ。――――緊急発進せよ! 緊急発進せよ!』
『目標。前方デブリ帯。LCSによるデータリンクを密に。デブリへの警戒を――――』
『2番艦の〝フレック・グレイズ〟隊は船団護衛用装備で発進準備。シールドを保持し指定されたコースを進行せよ。繰り返す………』
デブリ帯を眼前に、2隻の宇宙艦が航行していた。ハーフビーク級のように比較的洗練されたフォルムだが、かつては滑らかだっただろう装甲はすっかり傷だらけでくすんでおり、経年による劣化を感じさせる。だが圏外圏で使われる強襲装甲艦ほど古めかしい艦体ではない。
ハウンドフィッシュ級戦艦。それはギャラルホルンが半世紀前に運用していた旧式艦だ。2門の連装主砲の配置など、後継のハーフビーク級を彷彿とされるデザインだが、艦首下部はモビルスーツデッキ及びカタパルトとなっており、見る者に艦首がやや膨らんだ印象を感じさせる。
2隻のハウンドフィッシュ級戦艦の甲板に描かれた獅子のエンブレム。―――モンターク商会の関係者であれば、それがモンターク商会出資の下立ち上げられた傭兵団、通称〝ゼント傭兵艦隊〟のエンブレムであることに気が付くだろう。
1番艦のブリッジに詰める男たちは、誰もが黒い軍服のような上下に身を固めているが、ギャラルホルンにはこのような制服は存在しない。だが、誰もがギャラルホルンの軍人………圏外圏で怠けている者よりも余程手際よく、この組織が高い練度を保っていることは明らかだった。
「大佐。モンターク氏から通信です」
オペレーターからの報告に、艦長席に座す男………クランク・ゼント〝大佐〟は頷いた。
「通信を開いてくれ」
オペレーターはブリッジ正面のメインスクリーンに通信を繋ぐ。銀髪に金色の仮面を身に着けた男の姿が映し出された。
『状況はどうかな? クランク・ゼント大佐』
「我々の艦隊は指定されたデブリ帯に到達しました。モビルスーツ隊を発進させ、目標地点に向かっております。しかし………」
『鉄華団がギャラルホルン部隊から攻撃を受けたことは事実だよ。………ギャラルホルンも一枚岩ではないからな。特に地球の統制が及ばない圏外圏では、一部隊が独自に戦功を挙げようと動くことがある。君も火星支部で経験があるだろう?』
鉄華団――――蒼月カケルが率いる部隊がギャラルホルンに捕捉された。モンターク商会からその報を受けた時、このゼント傭兵艦隊はモンターク商会の輸送船護衛のため火星へと向かう最中だった。
ギャラルホルンが一民間組織を、それも法令に関わらない独自の思惑の下に攻撃するなど………コーラル時代のギャラルホルン火星支部を彷彿とされる事態にクランクは歯噛みした。
「火星支部以外にも、ここまで腐敗が広がっているとは………」
『先の一件でギャラルホルン全体の権威が失墜した結果。圏外圏では月やヴィーンゴールヴの統制を受け付けずに独自の動きを見せる部隊が増えてきているようだからな。鉄華団を襲撃したとされる正規航路パトロール艦隊はアリアンロッドの所属だが………やはり月からでは圏外圏全体に監視の目を光らせることはできないようだ』
モンターク商会から報を受けて、間もなく12時間が経過しようとしている。正規航路を守るパトロール艦隊は、1個艦隊およそ3~4隻のハーフビーク級戦艦で構成され、モビルスーツも10機以上。多少の海賊などものともしない大戦力、その力を誤れば一体どれだけの災厄がもたらさせることか。
『―――頼むぞ、ゼント大佐。鉄華団の損害はモンターク商会にとっても大きな痛手となる。必ず彼らを救援してくれ』
「承知した。少年たちは、私が必ず」
モンタークが小さく頷き、通信はそこで終了した。
ハウンドフィッシュ級から次々出撃していく〝フレック・グレイズ〟隊。かの〝グレイズ〟の廉価版、民間販売仕様であり性能はやや抑えめだが、圏外圏で使われる骨董品のようなモビルスーツに比べて最新の機器を導入しており、なおかつ明快かつ優れた操作性を持つ。クランクはモビルスーツが飛び出していく光景をしばし見守っていた。
『――――アイン・ダルトン、〝グレイズX〟行きますッ!!』
さらに1機のモビルスーツ〝グレイズX〟が発進する。通常のモビルスーツよりも一回り大きく、メタルシルバーのカラーリングが瞬間的に太陽光に反射して気高く輝く。
〝グレイズX〟は、〝フレック・グレイズ〟同様にモンターク商会から供与されたモビルスーツであり、当初は黒のナノラミネート装甲塗料が施され、禍々しさすら感じる機体だったが――――清廉にして温厚、質実剛健なアインに相応しい白銀の塗装を施し直し、専用大型アックスは〝グレイズリッター〟のバトルブレードを大型化したバスタードブレードへと換装した。
〝グレイズ〟の研究機の一つであり、量産性を考慮しない気難しい操作性を持つ機体だが、モビルスーツパイロットとして優れた技量を持つアインならば十分に乗りこなせる機体だ。事実、その巨体でありながらデブリや僚機である〝フレック・グレイズ〟の間を縫うように飛び駆けて前に出、誰よりも先にデブリ帯へと突入していった。
「クランク大佐。モビルスーツデッキより〝フォルネウス〟の最終調整、完了したとのことです」
「よし。ならば私も出る。後は頼んだぞ」
「ハッ!」
ブリッジを出たクランクは直ちにモビルスーツデッキへと向かった。
脳裏にありありと思い浮かぶのは、苦境にあっても必死に生きる、鉄華団のまだ年端もいかない少年たち。それに、彼らを生き延びさせようと奮闘してきた若者、蒼月カケルの姿だった。
急がねば。
決して彼らを玉砕させてはならない。
決意と共に、クランクはモビルスーツデッキへと向かった。
▽△▽―――――▽△▽
巨大な岩塊の群れを掻き分けるように進んだ先、〝カガリビ〟と〝ローズリップ〟、それに護衛のモビルスーツ隊はようやくデブリ帯の最奥――――厄祭戦時代の大破したスペースコロニーへと到達した。
コロニー自体はすでに大昔の戦闘によって破壊され、わずかに骨組みと構造物がへばりつくように残っているのみとなっているが、コロニーが有する大型エイハブ・リアクターは健在であり、制御されることもなく延々と発生するエイハブ粒子が、この広大で高密度なデブリ帯を形成する核となっていた。
宇宙港へ。カケルの指示に従い、2隻は比較的原型を留めているコロニー宇宙港へとゆっくり進入していった。
「〝カガリビ〟は、右舷にダメージを受けてるけど、応急処置で推力の80%は回復できるわね。モビルスーツは装甲とユニットの交換で。12時間もらえれば何とかする」
〝カガリビ〟のブリッジにて。
ブリッジ後部にあるブリーフィング用ディスプレイを囲んでいるのは、俺とチャド、フェニー、タカキ、それに〝ローズリップ〟のキャンベラ船長だ。
誰もが一様に厳しい表情でディスプレイに表示されたデブリ帯の宙域図を睨んでいたが、
「それだけの時間はあるのかい? 確かにここはおいそれと近寄れないデブリ帯の奥の奥だけどね………」
キャンベラの問いかけに、想定されるギャラルホルンの位置を見下ろしつつ俺は答えた。
「向こうもモビルスーツの補給・整備が必要なはずです。おそらく次の攻撃は、俺たちがデブリ帯から脱出しようとした所を待ち構えるか、もしくは例のビーム兵器で力づくで道を拓くか。いずれにしても、それなりに時間的余裕があると考えていいと思います。それに………」
「それに?」
「モビルスーツだけでなく、パイロットや、俺たち全員にも休息が必要です。交代で休息して次の戦いに備えるべきだ」
激戦で、誰もが疲弊しているのは見て取れた。このままではコンディションを保ったまま次戦に突入することはできない。
休める時に休む。異論は無かった。
「〝ローズリップ〟の方は被害軽微さ。そっちに修理班を送るよ」
「お願いします、キャンベラ船長。フェニーは〝ローズリップ〟のメカニックへの作業割り当てを頼む。すぐに取りかかってくれ。それとフェニーも6時間の休息を」
「分かったわ」
早速フェニーとキャンベラがブリッジを離れる。
次に俺は、チャド、タカキの方に向き直った。
「チャドさんは引き続き艦をお願いします。おそらく、ここから脱出する方がさらに厳しくなる」
「わ、分かった」
「タカキは艦内を見回って、無理してる奴がいないか気を配ってやってくれ」
「はいっ!」
「それとアストンを呼んでくれ。休息後にやってもらいたいことがある」
デブリ帯の中核たるスペースコロニー。
周囲に浮遊しているのは、戦時中の強襲装甲艦が大破したもの、それにモビルスーツの残骸、それすら原型を留めずにリアクターだけがポツリと浮かんでいるのも見える。
打てる手は全て打ち、使えるものは全て使うべきだ。
生き残るために。
▽△▽―――――▽△▽
「本艦の被害は深刻です。敵の攻撃が艦体後部を貫通し、動力室、モビルスーツデッキ等の重要区画が破損しました。今すぐにでも基地で修復しなければ。24時間以内の戦線復帰など不可能です」
後部を著しく損傷したハーフビーク級〝バルドル〟のブリッジ。
フォーリスは副官から報告書データが入力されたタブレット端末を受け取り、「ふむん……」と嘆息した。
「やむを得んな。〝バルドル〟は本戦線を離脱。修復に全力を挙げつつデブリ帯の外縁、指定地点で待機せよ。以後は〝グリンブルスティ〟を臨時旗艦とする」
「了解であります」
「それと、ブルック・カバヤンを呼べ」
数刻後、合流してきた宇宙海賊………その首魁たるブルック・カバヤンの顔がメインスクリーンに大写しになった。
『へぇ。お呼びで』
「結果は見ての通りだ。流石は元ブルワーズのヒューマンデブリ兵たち、と言ったところかな?」
『なーに。デブリ帯に追いこんじまえばこっちのモンですよ。後は艦さえ沈めれば、じっくり料理できますぜ』
そう。こちらはデブリ帯の外から潤沢に補給ができる。だが鉄華団の方はそうもいくまい。
退路を塞いでじわじわと絞め殺す。鉄華団の艦はデブリ帯の奥地へと逃げ込んでしまったが、デブリ帯というものは奥に入れば入る程脱出が難しくなる。
「確かに。ここから先は、退路を塞ぎつつ積極的な攻勢は避け、相手――――鉄華団の少年兵たちが疲弊し消耗し尽くすのを待つのが得策だろうな」
『こっちはあと2、3時間も貰えりゃ、出撃できますぜ』
「悪いが我々の方はまだかかるよ。まあ、焦らずに行こうじゃないか。………鉄華団を討った暁には、この宙域で好きなように荒稼ぎするといい」
報酬をちらつかせると、ブルック・カバヤンは途端に舌なめずりして色めき立った。
『へ。ガキ共の始末はお任せくだせぇ』
「期待しているよ。君は我々のハーフビーク級2隻と共に敵艦を釘付けにしてほしい」
『喜んで………と言いたい所ですがねぇ。デブリ帯の奥地と言やぁデブリの密度が濃くて、足の遅い艦じゃ近寄れませんぜ』
安心したまえ。とフォーリスはニヤリと笑いかけた。
「心配は不要。そのための〝アムドゥシアス〟じゃないか」
〝アムドゥシアス〟のビーム兵器ならば邪魔なデブリを破砕して道を作ることも容易いだろう。同時に先の戦いのように敵の退路を塞ぐことも。
「さあ。今はじっくりと力を蓄えて、楽しい第2幕を迎えようじゃないか」
それだけ言い放つとフォーリスは通信を断ち切った。
思いの他甚大な被害を被ったギャラルホルン・パトロール艦隊は、補給と整備を受け順調に回復しているが、それでも戦力の回復には時間がかかるだろう。
少々長いインターバル。〝バルドル〟の指揮官席から立ち上がり、フォーリスは奇妙な高揚感と共にブリッジから立ち去った。
▽△▽―――――▽△▽
〝カガリビ〟、〝ローズリップ〟のスペースコロニー跡到着から数時間後。
補給と整備を終えた〝ランドマン・ロディ〟隊が次々と〝カガリビ〟から飛び立っていく。
俺も〝ラーム〟を発進させ、スペースコロニーの奥へ機体を飛ばした。
『いいか! カケルさんからの命令だ。まずはモビルスーツとリアクターの残骸を集めて、艦はなるべく状態のいい奴を探せ。使える艦を見つけた奴は俺に知らせろ』
『『『『『了解っ!!』』』』』』
アストンが音頭を取って〝ランドマン・ロディ〟隊はデブリを巧みにかわしながら散開していく。この状況での細かい陣頭指揮は、元ブルワーズの奴らのことをよく知っているアストンに任せておけば確実だ。
俺は、〝ラーム〟を駆ってアストンたちとは反対方向へと飛び、宇宙港同様に比較的原型を留めている工業ブロックへと進む。
モビルスーツが辛うじて進める資材搬入用通路をさらに先へ。―――――情報チップによる一般的なスペースコロニーの構造図からして、この最奥部に目的のものがある。
やがて、分厚い隔壁が〝ラーム〟の行く手を阻んだ。この辺りは特に厳重かつ頑丈な構造になっているらしく、300年以上の劣化を感じさせない。端末など、おそらくまだ機能していることだろう。
この先にあるのはスペースコロニーの最重要区画………スペースコロニーの全電力、それに疑似重力を生み出す大型エイハブ・リアクターを収めた動力区だ。
「ゲートは完全に封鎖されているな。それなら………」
仮にも厄祭戦時代に戦場になったスペースコロニーだ。おそらく真っ先にエイハブ・リアクターを狙われたに違いない。居住区など跡形も残ってないこの状態なら、どこかに被害が集中している場所があるはず。
動力区の位置を確認して、俺は再びスペースコロニー跡の外へと出た。
一度コロニー外の宇宙へと出て、外周から見渡すと………予想通り、ひと際破壊の度合いが酷い場所があり、エイハブ・リアクターの一部らしき円盤状の構造物が露出していた。
中にまだ生きている端末があればやりやすいのだが。
そう望みつつ俺は〝ラーム〟を着地させ、周囲のデブリの状況を素早く確認。ノーマルスーツのヘルメットバイザーを下ろして外へ飛んだ。
▽△▽―――――▽△▽
『――――よし! モビルスーツの残骸、もう1機見つけた!』
『リアクターがちゃんと動いてるか確認しろよ! それを持っていったら、向こうの難破船を運ぶぞ!』
『了解っ!!』
大破した古いモビルスーツを見つけたペドロの〝ランドマン・ロディ〟が、それを抱えつつコロニーの宇宙港へと戻ってくる。
既に5機のモビルスーツの残骸が宇宙港へと集められ、アストンは自機のコックピットで、近づいてくるペドロ機を見上げた。
「いいぞ。これで6基目のエイハブ・リアクターだ」
『でもよ。壊れたモビルスーツとか船とか集めて、どうするんだ?』
「カケルさんには何か考えがあるんだろ。俺たちも向こうの応援に行くぞ!」
アストンはビトー機を連れ、3機がかりで運ばれてくる難破船へと飛び立った。
難破船――――デブリ帯では比較的新しい船に見えるが、前半分がまるで抉られたように無くなっており、機関部にあるエイハブ・リアクターが外部から見て取れた。
『今だっ! 全力で押せーっ!』
「俺たちも手伝う」
『すまない! クレストの方を手伝ってやってくれ!』
アストンは機体を難破船の反対側へと回り込ませ、スラスター全開で難破船を押し進めようとするクレスト機に加勢した。ビトーも尾部に取りついて、〝ランドマン・ロディ〟5機分の推進力で、ようやく船の残骸が動き出した。
――――エイハブ・リアクターが残っているモビルスーツを6機、それと船を2隻見つけてくれ。それがカケルがアストンたちに与えた命令だった。
ブルワーズにいた時にも、ノーマルスーツやモビルワーカーでジャンクを漁りに行かされたことはある。無数の残骸が飛び交うデブリ帯でのジャンクの引き揚げは、いつも誰かがデブリに巻き込まれて死ぬ過酷な作業だったが、今アストンたちに与えられているのはモビルスーツ。それに、この辺りはデブリの動きも緩やかで動きやすい。デブリ帯に慣れた元ヒューマンデブリならドジを踏むことは無いだろう。
『よっしゃ! これで1隻目!』
『2隻目はコロニーの裏側にあったよ。強襲装甲艦みたいだ』
「分かった。クレストは案内してくれ。それと、ガスが少ない機体は早めに補充しろよ!」
モビルスーツ隊がデブリ帯を駆け回っている一方、コロニー宇宙港へと潜り込んだ〝カガリビ〟〝ローズリップ〟は艦の修復作業に追われていた。
「――――なら、パワーリレーの3番と7番をイグニッション・チャンバーに直結させて!」
『ええっ!? それじゃあ1、2時間でリレーが溶け落ちるわよ!』
「デブリ帯を脱出できるまで保てばいいのよ! とにかく推力を回復させることを最優先させるしかないわ。メインの機構に影響を出さないように、ここと、ここに溶断ユニットを………」
フェニーが船外で〝カガリビ〟修復の陣頭指揮を執り、〝ローズリップ〟から派遣された女性メカニックたちが手際よく右舷メインスラスターの修復作業に取り掛かっている。これなら、あと6時間以内に主だった応急修理は完了するだろう。
艦内では、タカキがモビルスーツのスラスターガス補充を仕切っている。今も、2機の〝ランドマン・ロディ〟が着艦し、〝カガリビ〟艦尾の甲板で補給と簡単な整備を受けていた。
『次の機体のガス補充も急ぐぞっ! パイロットは中で簡単な食事を作ったから―――――』
誰もが慌ただしく作業を進める中………カケルの〝ラーム〟がコロニー構造物の奥から飛び出し、こちらへと近づいてきた。
フェニーはノーマルスーツの通信機をオンラインに、
「カケル! 〝カガリビ〟はあと6時間もあれば応急修理が完了するわ」
『分かった! ………アストンたちの方も順調みたいだな』
「コロニーの方はどうだった?」
『ああ。思った通りエイハブ・リアクターが生きてた。そっちの〝仕掛け〟はバッチリだから、後は罠を張るだけだ』
ガス補充を終えた〝ランドマン・ロディ〟が再び発進し、空いた後部甲板に〝ラーム〟が着地する。そこに団員たちが補充用ホースを抱えて機体へと取りつき、手際よくスラスターガスの補充作業を進めていった。
と、宇宙港の進入口越し。何やら大型の物体が横切るのが見えた。大破した強襲装甲艦だ。
それを運んできた〝ランドマン・ロディ〟隊が、今度は逆方向に推力を集中させて艦体は静止。機体は続々〝カガリビ〟へと戻ってきた。
『カケルさんっ! これで言われてたモビルスーツと艦の残骸、全部揃いました!』
『よし! よくやった。すぐに戻って機体の整備と、お前らも休息を取れ』
『まだやれます! 偵察に行かせてください』
『その前にガスの補給を済ませろ。いつ敵が来るか分からないからな。ガス補給後にアストンとペドロで偵察に出てくれ』
『『了解!!』』
今までは、〝バルバトス〟〝グシオンリベイク〟〝流星号〟と鉄華団が誇る最強のモビルスーツと共に戦い、打ち勝ってきた。だが今回はカケルの〝ラーム〟と〝ランドマン・ロディ〟だけで、ギャラルホルン相手に戦わなければならない。敵にもガンダムフレーム、それもデブリを容易に破砕できるだけの強力なビーム兵器を備えた、手ごわい機体がいる。
前線で戦うことなどできないフェニーにできることは、艦を修理しモビルスーツを万全な状態に直して、彼らを戦場に送り出すこと。だからこそ、今できることを全て、全力でやらなければならない。
『フェニー! リレーの接続、終わったわ』
「―――OK! じゃあ、簡単にテストして、次は………」
生き残るため。
生きて明日を迎えるため、鉄華団の誰もが全力で自分のできることを精一杯取り組んでいく。
たとえ敵が世界最強の戦闘力を誇るギャラルホルン艦隊であってもだ。それに、カケルが指揮する実働三番隊が負けることなど、フェニーには考えられなかった。
▽△▽―――――▽△▽
――――先の戦闘からおよそ10時間が経過。
ハーフビーク級〝グリンブルスティ〟を旗艦に、計2隻のハーフビーク級。それに宇宙海賊〝ネオ・ブルワーズ〟の強襲装甲艦がデブリ帯を突き進んでいく。
常識的に考えればこれだけのデブリの密度、まともな艦なら回避が間に合わず、数分と持たずに岩塊に激突して沈んでしまうだろう。
だが――――艦隊の後方から次々発射される太い光条が、迫る岩塊を次々と切断、破砕、押し飛ばしていき3隻の艦が整然と進めるだけの回廊を生み出していく。
艦隊後方の岩塊に着地した〝アムドゥシアス〟のコックピットにて、フォーリスは艦隊の指揮を執りつつ、コックピットモニターのマップ表示を見やった。
「もうそろそろデブリ帯の中心だな」
このデブリ帯は、厄祭戦時代に破壊されたスペースコロニーのエイハブ・リアクターが重力場を形成して生み出している。そこまでの道のりは大いに険しいが、スペースコロニーに近づいてしまえばコロニー周辺の重力場は安定しており、いい避難場所になることだろう。
鉄華団の強襲装甲艦、それにコンテナ船は常識的には考えられない挙動でデブリを避けながら、デブリ帯の奥深くへと消えて行った。おそらく、どちらか一方あるいはどちらも阿頼耶識システムに対応した操艦システムを持っているのだろう。
ハーフビーク級が2隻。強襲装甲艦が1隻。
〝グレイズ〟が6機。
〝ジルダ〟が4機。
それに〝ガンダムアムドゥシアス〟だ。未だに戦力ではフォーリス率いる隊が鉄華団を超過している。
加えてこちらは補充も万全だ。短期決戦は避け、消耗戦に持ち込めば相手から勝手に自滅してくれる。何せ鉄華団の機体は重装甲モビルスーツばかりだ。
『ステンジャ司令。間もなくデブリ帯中心部に到達します』
「結構。モビルスーツ隊を出せ。敵部隊の位置を――――――」
だがその時、〝アムドゥシアス〟のコックピットモニターに【CAUTION!】の表示が。そして大小複数のエイハブ・ウェーブの反応が映し出された。
〝グリンブルスティ〟のオペレーターが通信越しに息を呑んだ。
『多数のエイハブ・ウェーブの反応確認ッ! 固有周波数を………』
だがその反応の正体が有視界内に入る直前、前方の一角が沸き上がる煙幕で遮られた。
スモーク? いや、これは………
『これは………ナノミラーチャフです! 敵の反応、捉えられませんっ!』
ふん。とフォーリスは鉄華団の浅知恵をせせら笑った。ナノミラーチャフでこちらのセンサーを撹乱し、その隙に逃げ出す算段なのだろう。
周辺のデブリを飲み込み広がるナノミラーチャフの煙幕が完全に前方を塞ぐ。
だが一抹の危機感も無くフォーリスは号令した。
「全艦ッ! ありったけの砲とミサイルを前方に叩き込め!! 宇宙ネズミ共をチャフごと焼き払うのだッ!!」
ハーフビーク級2隻、それにネオ・ブルワーズ艦からの主砲、対艦ナパームミサイルの一斉砲火。ナノミラーチャフで覆われた宙域は一転、砲撃とミサイルによる爆炎へと塗り替えられた。
壮絶な爆発の果て―――――ナノミラーチャフは残らず焼き払われた。
センサーも機能を回復する。
「ふん。すばしこい宇宙ネズミでも、これだけの短時間では何も………ん?」
コックピットモニターに表示されるエイハブ・ウェーブの反応位置を見、フォーリスは思わず首を傾げた。
ナノミラーチャフが散布される前に観測した敵艦、敵モビルスーツのエイハブ・ウェーブの反応、それに位置。全く変わっていないのだ。
「敵が動いていないだと………?」
『敵部隊、位置そのまま。動きありません!』
『何だとォ? まさか………』
そこでブルック・カバヤン率いるネオ・ブルワーズ艦が〝ジルダ〟隊を率いて加速し、一気に敵との距離を詰めた。
本来であれば接近した時点で、敵からの反撃があって然るはずなのだが………
『こいつぁ………全部リアクターが動いてるだけのガラクタじゃねえかッ!』
加えて〝グリンブルスティ〟からの報告も飛び込んできた。
『し、司令! 新たなエイハブ・ウェーブの反応を捕捉! 急速にこちらから離脱中!』
〝アムドゥシアス〟のセンサーにも、新たに2個の大型反応が映る。
なるほど。少年兵たちのやり口にフォーリスは舌を巻いた。
このデブリ帯ではエイハブ・ウェーブの波形照合は困難を極める。艦種やモビルスーツのフレームを推定するのが精々だ。
その地形環境を利用し、囮としてデブリ帯に無数に散らばっている艦船やモビルスーツを配置。さらにはこちらのセンサーが精密スキャンを行う前にナノミラーチャフを散布して精査を妨害。こちらがセオリー通り砲撃やミサイルでナノミラーチャフを焼き払っている間に別方向へと敵本体が離脱したのだ。
なかなか楽しませてくれる。
だがな………
「ふ………その速さではハーフビーク級を振り切ることはできんよ」
ノロノロと逃げ出す敵艦の反応に、フォーリスはニヤリと下卑た笑みを隠せなかった。
デブリ帯という難所で全速を出せないようだが。例えここから逃げ出せたとしても、鉄華団の艦が積んでいるのは厄祭戦時代の、もしくはテイワズ製のような民間製スラスターエンジン。
一方ハーフビーク級には最新のものが装備されており、重力の影響を受けない環境下ならばこの程度の距離、追いつくことは容易い。
「全軍、全速で敵を追撃せよ!! これ以上少年兵たちに舐めた真似をさせるな!」
先行したネオ・ブルワーズ艦とモビルスーツ隊が真っ先に囮の残骸を押しのけながら突き進んでいく。あれなら鉄華団との会敵距離に入るのも間もなくだ。
敵の重装甲モビルスーツ隊を抑えつつ敵艦の頭を塞ぐ。退路を塞いで消耗戦に持ち込んでしまえば、こちらの勝利は決まったも同然なのだ。
『待ちやがれガキ共ォッ!! お前ら全員、しっかりいたぶってから売り飛ばしてやるからなァ―――――!』
ネオ・ブルワーズ艦が難破船の残骸の脇をすり抜けつつ、逃亡する鉄華団の艦に追いすがろうとする。先鋒は彼らに任せつつ、こちらは位置を変えて敵艦、特に火力の中心となる強襲装甲艦への攻撃に集中………
だがその時。難破船の陰から一筋の鋭い射線が迸り――――――すれ違ったネオ・ブルワーズ艦をぶち抜いた。
▽△▽―――――▽△▽
宇宙艦のナノラミネート装甲は異様なまでに頑丈だ。
確かに艦砲の直撃によって船体にダメージを与え、船の生命維持機能を奪うことは可能だ。だがその構造そのものを破壊するのは困難を極める。例えそれが民間のコンテナ船であったとしてもだ。歴代ガンダムシリーズの艦船みたく、飴細工のようにひしゃげたり完全に破壊されることは無い。
囮として配置した難破船とモビルスーツの残骸たち。一時的にであれ、ギャラルホルンやブルック・カバヤンはこれを〝カガリビ〟や〝ランドマン・ロディ〟隊と誤認したことだろう。そして、ここに激しい攻撃を撃ち放ってくる。
俺は構造の半ばで折れて大破したコンテナ船の奥底に〝ラーム〟を潜ませ、砲撃の嵐が通り過ぎ載るのを待った。砲火の衝撃にコックピットは何度も激しく揺さぶられるが、それでも破壊が内部の奥にまで殺到することは無い。
果たして――――砲撃が止んだ。
そして一隻の艦…ブルック・カバヤンが乗る強襲装甲艦がコンテナ船の脇を通り抜ける。既に逃亡済みの〝カガリビ〟〝ローズリップ〟を追撃しようというのだろう。
隠密のために出力を下げた状態で難破船内に潜んだ〝ラーム〟のツインリアクター反応が探知された様子はない。デブリ帯の環境も相まって、向こうはほとんど手探りの状態で進んでいるのだろう。
殺るなら、今しかない。
「―――エイハブ・リアクター戦闘モード。全システムオンライン。〝ビッグガン〟起動。照準連結――――――」
〝ラーム〟が巨砲〝ビッグガン〟の砲口を敵強襲装甲艦の横腹へと向ける。この距離なら、照準システムに頼らずとも外しはしない。
そこで、ようやく敵艦もこちらの存在に気が付いたのか、メインスラスターを大きく噴かし始めた。だが、もう遅い。
俺がトリガーを絞った瞬間、エイハブ・リアクター内蔵巨大レールキャノン〝ビッグガン〟が火を噴き、放たれた弾頭は真っ直ぐ敵艦へと伸びて………留まることなくそれをぶち抜いた。
ちょうど、エイハブ・リアクターや燃料タンクが集中する場所を撃ち抜かれた敵の強襲装甲艦は、爆炎を激しく上げながら左舷を流れるデブリに激突。そして自らが発した激しい爆発に飲み込まれた。
「じゃあな、ブルック・カバヤン。あんたを最後に殺すと言ったけど………あれは、嘘だ」
なんてな。
敵からの照準警報が〝ラーム〟のコックピットに響き渡る。敵艦を護衛していた〝ジルダ〟隊。それに、フォーリス率いるギャラルホルンの本隊はまだ無傷だ
次の瞬間、〝ラーム〟目がけて敵モビルスーツ、敵艦全ての火力が殺到した。
▽△▽―――――▽△▽
『撃て!! 撃ちまくれェッ!』
『コンテナ船の中だ! ありったけ撃ち込め!!』
『主砲斉射ァッ! あの難破船ごと敵機を撃破しろ―――――!』
宇宙海賊の〝ジルダ〟隊の銃撃、それに2隻のハーフビーク級の砲火が難破船へと一斉に撃ち注がれる。
敵―――鉄華団を率いる若者が操る〝ガンダムラーム〟はその巨砲を撃ち放った直後に、逃れる間もなく壮絶な破壊に晒され、無数の火球の最中に取り残された。
難破船は、その残った構造も徹底的に撃ち破られて、爆散する。
「ふむ………」
フォーリスは一言も発することなく、〝アムドゥシアス〟のコックピットから静かにその光景を見守り続けていた。
『や、やったか!?』
『エイハブ・ウェーブの反応を――――――な、増大しているぞッ!?』
『まだ生きてやがる、畜生が!!』
〝ジルダ〟の1機がマシンガンを撃ちかけながら突進する。
だが次の瞬間、爆煙の中から突き出された巨大な刃に、〝ジルダ〟の頭部はぶち抜かれた。
そして――――1機の青い、細身のモビルスーツが、爆煙を吹き飛ばしてフォーリスらの頭上へと躍り出てきた。
「む。あれは………?」
『何なんだよありゃあ!?』
『知るか!! とにかく撃ちまくれッ!』
『くそっ! ちょこまかと………ぐあ!?』
飛び出してきた青いモビルスーツに射線を集中させようとした〝ジルダ〟の1機が、急転してきたその機体から逃れきれず、コックピットブロックごと頭部を叩き潰されて沈黙した。
その残骸を蹴飛ばした青いモビルスーツは、さらに目まぐるしい挙動でデブリ帯を舞い飛び、さらに1機、眼前に巨大なガトリング砲を突きつけて撃ち潰す。
凄まじい機動力。
常人ではあり得ない反応速度。
青いモビルスーツが繰り出す射撃、それに斬撃を前に宇宙海賊のモビルスーツ隊など、まるで嵐を前にしたカカシ同然に次々潰し落とされていく。
『ひ、ひぃ~っ!!』
完全に戦意を失い、逃げ出そうとした最後の〝ジルダ〟が背中から巨大なブレードを叩き込まれて岩塊に激突し、沈む。
そして静かに―――――ガンダムフレーム特有の双眸が、こちらへと振り返った。
(用語解説)
・ゼント傭兵艦隊
モンターク商会全面出資の下、クランクが立ち上げた傭兵艦隊。
主にモンターク商会と専属契約を交わし、商会の火星ハーフメタル輸送航路の護衛を受け持つ。
ギャラルホルンが大昔に運用していた旧式艦ハウンドフィッシュ級戦艦2隻を保有するほか、船団護衛に特化した〝フレック・グレイズ〟、アイン・ダルトン専用機である〝グレイズX〟、そしてクランクのガンダムフレーム〝フォルネウス〟を擁し、モンターク商会の圏外圏での活動を武力面で支えることとなる。
厄祭戦時代以前に存在していたと言われる軍隊の階級制度を採用しており、総指揮官であるクランク・ゼント〝大佐〟の指揮の元、コロニー・圏外圏出身の元ギャラルホルン兵が多く在籍していることもあり、組織として厳格に統制されている。
積極的に他船の護衛・救助も請け負っており、鉄華団実働三番隊の窮地に真っ先に駆けつける。
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【オリメカ解説】
・ハウンドフィッシュ級戦艦
ハーフビーク級戦艦が本格配備される前に、ギャラルホルンの主力艦として運用されていた宇宙戦艦。半世紀前の旧式艦であり、現在では同時期に配備されていたモビルスーツ・ゲイレール同様、ギャラルホルンの第一線を退いており全ての建造艦がスクラップ処分を待つのみとなっていた。
しかし、地球外縁軌道統制統合艦隊総司令官となったマクギリスの手引きによって、一部の艦が廃艦管理施設から持ち出されゼント傭兵艦隊へと譲渡。2隻が傭兵団の主力艦として運用されることとなる。
(全長)290m
(武装)
・連装主砲
・対艦ミサイル
・対空砲
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AEB-06Cz〝フレック・グレイズ〟(ゼント傭兵艦隊仕様)
モンターク商会の出資の下、クランクが立ち上げた傭兵艦隊が配備する民間用モビルスーツ。
ギャラルホルン主力機である〝グレイズ〟の廉価版であり、性能もそれには及ばないが、モンターク商会から依頼される船団護衛等の任務に対応するため独自の改修が施される他、大型シールド等の装備が追加されている。
(全高)13.8m(シールド含む)
(重量)26.1t
(武装)
バトルアックス
90mmマシンガン
頭部ミサイルポッド
大型シールド
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EB-X〝グレイズX〟
ギャラルホルンが密かに研究していた阿頼耶識システム試験機の一つ。
厄祭教団と共に阿頼耶識研究機関を牛耳ったマクギリスが入手し、通常のコックピットへ換装した上でモンターク商会へと流し、傭兵艦隊を立ち上げたクランクへの出資の一環として彼に提供された。
大型機、両足のドリルキック等複雑な制御を要する機構等、〝シュヴァルベグレイズ〟以上にピーキーな機体で、阿頼耶識を用いない場合、場合非常に優れた操縦センスが要求される為、モビルスーツパイロットとして優れた技量を持つアイン・ダルトンの乗機として運用される。
当初の装備であった専用大型アックスは、大型バスタードブレードへと置き換えられ、カラーリングも黒からメタルシルバーへと塗り替えられている。
原作であれば〝グレイズ・アイン〟として投入されるはずだった機体。
(全高)
22.2m
(重量)
37.8t
(武装)
大型バスタードブレード×2
肩部格納式40㎜機関銃×2
パイルバンカー×2
マニピュレーター・スクリューパンチ
両足部ドリルキック
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お待たせしましたm(_)m
執筆時間が思うように取れず、お待たせしてすいません。
特に何も無ければ翌日17時にて次話更新となります。