鉄と血のランペイジ   作:芽茂カキコ

78 / 78
7-2.

 

▽△▽―――――▽△▽

 

 歳星での親子盃の儀から翌日――――――。

 1隻の強襲装甲艦が歳星の宇宙港から発進する。その針路の先にあるのは、火星への宇宙航路。

 

〝イサリビ〟は一路、火星への帰途に就く。テイワズ直系組織への昇格という手土産と、工廠区から受領した1機のモビルスーツと共に。

 

 

 

「………こいつが〝ガンダムサブナック〟か」

「正しくは〝サブナックカラミティ〟なんだそうだ。見ての通り砲撃戦主体のモビルスーツだな」

 

〝イサリビ〟のモビルスーツ格納庫。

 おやっさんの解説を受けながら、オルガは眼前にそびえる1機のモビルスーツの威容を見上げた。青緑を基調としたカラーリングに、両肩部からは大口径のキャノン砲が突き出ている。

壁面のウェポンベイには長大なバズーカ砲と、砲のような構造体を内蔵したシールドが保管されており、このガンダムフレームが火力を徹底的に重視したモビルスーツであるということが嫌でも理解できた。

そして大型の角型アンテナ。同じガンダムフレームである〝バルバトス〟よりもずっと太く、それに長い。さらに後頭部からも角型通信アンテナが1本突き出しており、通信周りも重視された機体であることが伺える。

 

 オルガが手にしているタブレット端末にはこの機体に関するデータが表示されていた。

 機体コードは〝ASW-G-43〟。

 機体名は〝ガンダムサブナック カラミティ〟。

 

「オルガよォ、ホントにおめえ………こいつに乗る気なのか?」

「いざって時にはな。阿頼耶識もついてんだろ?」

「ああ。製造時のシステムがまだ生きてたそうだからな。操縦についちゃ心配いらねえよ。情報量は桁違いだが、最適化しちまえばモビルワーカーと大して変わらねえ」

 

 それを聞くと、「なら問題ねえよ」とオルガはさらにニヤリとした笑みを深くした。その意味を理解できるだけにおやっさん――――雪之丞は怪訝な表情を隠せなかったが。

 

「こいつには俺が乗る。こいつがあれば、前線でもきっちり頭張れるってもんだぜ」

 

 

 宇宙では強襲装甲艦で、地上ではモビルワーカーで鉄華団の指揮を執っていたオルガであるが、強襲装甲艦ではモビルスーツ戦の状況が把握しづらく、地上でモビルワーカーに乗れば万一という際にあまりに脆弱すぎるという悩みを抱えていた。

 

 ナノラミネート装甲で守られたモビルスーツ、それもガンダムフレームならば最前線で指揮を執るのもほとんど差し支えが無くなる。前線に近ければ近いだけ戦況も把握しやすく、より的確な指示を飛ばすことができるはずなのだ。

 それに火力が充実していれば、いざという時に最前線で戦う仲間を直に援護してやれる。

 

 

「………まあ、元々こいつは重砲撃用の機体で、リアクターと機体のシステム上格闘戦は不向きみたいだからな」

「だろ? ま、俺がコイツで戦うことなんざそうは無いだろうがな。なァ、ミカ!?」

 

 オルガが振り返りながら、近づいて来ていた三日月へと呼び掛けた。

 

「うん。前に出て戦うのは俺の仕事だから、オルガに面倒かけないようにするよ」

「頼んだぜ。まあ、ミカがいりゃあそこまで危ねえことには………」

 

 

 その時、非常警報が甲高く格納庫中に鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽―――――▽△▽

 

「何事だ!?」

 

 ブリッジへ飛び込んできたオルガ。既にブリッジは警戒態勢に入っており、操舵席にはユージン。火器オペレーター席にはビスケットが配置についている。

 通信オペレーター席についていたメリビットは困惑気味に振り返り、

 

「それが………他船からの救難信号です」

「なに? ここら辺は安全な航路じゃなかったのか?」

 

〝歳星〟の巡航航路周辺は、特にテイワズの警戒が行き届いており、宇宙海賊も、ギャラルホルンすらおいそれと近寄ることは無い。下手にテイワズの行く手を遮ればどのような火の粉を被ることになるのか、いかな荒くれ者でも承知していない者はいないだろう。

 

 その時、ブリッジ正面のメインスクリーンに【SOUND ONLY】の画面が表示され、ノイズ交じりの通信が入る。

 

 

 

 

『―――――ちら、モンターク商か………未確認………攻げ………本船は乗客………デリア・藍那・バーンスタ――――――』

 

 

 

 

「クーデリア!?」

「そういえば、最近火星に戻ってきたってメールが………」

 

 声を震わせるビスケット。「狙いはお嬢さんかよ………!」とオルガは舌打ちを隠せなかった。

 クーデリア・藍那・バーンスタイン。その名は、既に圏外圏中に知れ渡っている。火星ハーフメタルの規制解放を実現した、火星の若き革命家。当然、一般市民のみならず、圏外圏で暴れまわる無法者たちの注目をも集めている。

 

 

「でもクーデリアさんがテイワズと協力していることぐらい知られているはずなのに………」

「話は後だ。とにかく救難信号が出た所に急ぐぞ。――――戦闘準備! ミカも準備させとけッ! テイワズに喧嘩売るような奴らなら並大抵の装備じゃねえはずだ。気合い入れろッ!!」

 

 オルガの号令により〝イサリビ〟は慌ただしく、戦闘に向けて動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「おらァッ!〝バルバトス〟をすぐ出せるようにするぞォ!」

 

 声を張り上げるおやっさんに「応―――ッ!!」と整備班の団員が鬨の声を上げる。慌ただしく団員が飛び回る無重力の格納庫において、〝バルバトス〟と〝サブナック〟だけが静かに佇んでいた。

 今、〝イサリビ〟ですぐに戦いに出せるのは〝バルバトス〟だけだ。〝サブナック〟はオルガの機体となるモビルスーツだが、オルガ自身モビルスーツ戦の経験は無い。

それは今、この艦に乗っている他の者も同様だった。鉄華団の戦力の要であるモビルスーツに乗れる昭弘やシノは火星本部に残っている。カケルは地球だ。

モビルスーツ戦となれば三日月一人で戦わなければならないのだ。

 

 素早くパイロットスーツに着替えた三日月は、格納庫の壁を蹴って〝バルバトス〟のコックピットシートへと飛び込む。

 シートをコックピットブロックへと降ろし、モニターを起動すると、慌ただしく出撃準備を終わらせようと奮闘する団員たちや陣頭指揮を執るおやっさんの姿が映し出される。

 

 そしてメインシステム起動と同時に阿頼耶識システムもオンラインに―――――機体情報が〝感覚〟として三日月の神経に注ぎ込まれる。

 歳星で万全の整備を整えられた〝バルバトス〟の様子は順調そのもので、その機嫌の良さに三日月はふと軽い笑みをこぼした。

 

『ミカ! 出れるな?』

 

 コックピットモニターに通信ウィンドウが表示される。ブリッジのオルガが映し出され、三日月は「うん」といつものように頷いた。

 

「すぐに出れるよ」

『頼んだぜ。………どうやらクーデリアが乗った船が襲われたらしい』

「クーデリアが?」

『ああ。歳星に行く途中に襲われたみたいだ。船を襲ったとあれば強襲装甲艦かモビルスーツか………』

 

「どっちでもいいよ。オルガの命令なら、敵は全部潰す」

 

 その決意は、今も昔も変わらない。

 オルガも『その意気だ』とニヤリと笑った。

 

『いつも通り、頼むぜミカ』

 

 それだけ言うと、オルガからの通信は終了した。側面モニターに表示されていた通信ウィンドウは閉じられ、再び外部映像越しの喧騒を映し出す。

 三日月は………出撃準備を終えて手持ち無沙汰の状態でふと、目を閉じた。少しでも体力を温存し、余計なことを考えないためだ。

 それでも、クーデリア―――――その言葉と、彼女が襲われたという事実に、否応なく〝イライラ〟する。

 

 

「………クーデリアの邪魔をする奴も全部潰す。やれるな? 〝バルバトス〟」

 

 

 格納庫内で静かに佇む〝バルバトス〟の双眸が、瞬間的に煌めいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽―――――▽△▽

 

『――――ようやく来たぜェ。〝お客さん〟だ』

 

 ノイズ交じりの通信越しに聞こえてくるのは、グドシーからの耳障りな甲高い声。奴が操るのは長距離強襲型〝百里〟。長大な航続力と加速力、機動力はベースとなった機体を遥かに凌駕する。このデブリが多い宙域でも悠々と飛び回っていることだろう。

 

 通信を受けて、デブリの陰に潜んでいた2機の〝百錬弐式〟も姿を現した。その奥には〝餌〟――――クーデリア・藍那・バーンスタインを乗せたままの輸送船が力なく漂流している。

 女は殺しても構わねえ。依頼人はそうのたもうたが、ベルナッツのような粗野な傭兵でも多少は政治というものを理解している。あの女がテイワズのマクマード・バリストンにとって価値のある女だということ。それを勝手に殺せばいかに依頼人がテイワズの幹部だろうが、そのトップであるマクマードの怒りを買うこと請け合いだということぐらいは。

 

 

 それに、餌は活きがいい方が獣がよく食いつく。

 

 

「行くぞ、ロプキンズ。抜かるなよ」

『言われるまでもねえ』

 

 グドシーが〝探し〟。

 ロプキンズが〝撃ち〟。

 そしてベルナッツが〝斬る〟。

 

 ロプキンズの〝百錬弐式〟が大事に抱えているのは、大型対物狙撃ライフル。ギャラルホルンから流出した技術をも取り入れた、世界にただ一つしかない特大サイズの狙撃用ライフルだ。銃火器ではモビルスーツの装甲を撃ち抜けない、という常識から抜け出すことは叶わないものの、その遠距離狙撃能力はロプキンズの技量も相まって、本物だ。

 

 そしてベルナッツの機体が装備するのは―――――たった一振りの太刀のみ。

 この武器は極めて緻密で繊細な高硬度レアアロイ精錬能力が要求されるため、テイワズの歳星工廠区や、それ以外では極限られた一部の工房でしか製造できない。そして、太刀でモビルスーツを斬る技量を持つ者は、それ以上に希少だ。

 

 その時、メインモニターの端で動きがあった。

 拡大モニターが1機の見慣れぬモビルスーツの姿を捉える。

 

『む。鉄華団がモビルスーツを出してきたぜ』

「例のガンダムフレームだな。〝バルバトス〟とかいう………」

『厄祭戦時代のアンティークだろ? 分捕って高く売りさばこうぜェ』

 

 ロプキンズの〝百錬弐式〟がスナイパーライフルを構える。この距離では致命打にはならないだろうが、いい牽制になる。それに当たり所が悪ければナノラミネート装甲で守られていない装甲と装甲の継ぎ目、あるいは兵装を破壊することも可能だ。

 

「頭を狙え。挨拶代わりにな」

『あいよ』

 

 短い受け答えの直後――――ロプキンズ機のスナイパーライフルが火を噴いた。

 撃ち出された大口径の銃弾は、こちらに接近しつつある〝バルバトス〟の頭部目がけて………

 

 

 刹那、刃の一閃が弾丸を両断。

真っ二つに割られたそれは一瞬、それぞれ二つの軌跡を描いて宇宙空間に消えた。

 

 

『何ィッ!?』

 

 さらに次弾を撃ち出そうとするロプキンズ。

 だが次の瞬間、〝バルバトス〟が背部にマウントされた滑空砲を構え、発砲。

 狙撃用ライフルでもないにも関わらず………超遠距離から正確にロプキンズ機を激しく打ち据えた。

 相方のくもぐった呻き声が通信越しにベルナッツの耳にも聞こえてくる。

 

『ぐ! くそが! この距離で――――!?』

「仕方ねえ、下がれ! テメーは側面から援護しろッ!」

 

 僚機に怒鳴りつけ、ベルナッツは乗機を駆って〝バルバトス〟へと一気に肉薄した。

〝百錬弐式〟の太刀と〝バルバトス〟の太刀が、次の瞬間激しく激突する。

 刃と刃が僅かに擦れあう度、火花が飛び散り――――もしこれが音のある大気圏内なら、互いの駆動部が軋み合っている音も聞こえたことだろう。

 

 直感的に、ベルナッツは自機がパワーで押され始めていることに気が付いた。赤い警告表示ウィンドウがいくつもコックピットモニターに表示される。

 

 

「………たかがアンティークとバカにしてたんだが。これがツインリアクターの力か」

 

 

 獲物は、活きが良ければ良いほどに、狩り潰し甲斐がある。

 ベルナッツは鍔迫り合いを中断し、素早く引き下がって距離を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽―――――▽△▽

 

 クーデリアを乗せた船が消息を絶ったという宙域に差し掛かった途端、〝バルバトス〟はモビルスーツによる襲撃を受けた。

 背後には〝イサリビ〟がいる。

 使えるモビルスーツ戦力が実質〝バルバトス〟のみである以上、ここから先を通す訳にはいかない。

 

「逃がさない………!」

 

 三日月は後退していく敵モビルスーツ目がけ、滑空砲を撃ち放った。

 一撃。

 さらに一撃。

 

 が、敵は急激な回避機動を見せつけ、泳ぐように三日月の射撃を回避していく。

 そうしているうちに、別方向から〝バルバトス〟が狙い撃たれる。阿頼耶識越し、直感的に照準されている危険を感じ取った三日月は、【CAUTION!】の警報が鳴ると同時に素早く機体を宙返りさせて、敵のいやに正確な射線から逃れた。

 

 敵の執拗な狙撃から一時的に身を潜めるため、三日月は近くの小惑星を盾にしつつ、

 

 

「ち。何機いるんだ………?」

 

『三日月! 敵のモビルスーツは3!』

『拡大映像から確認しましたが、………これはテイワズの〝百錬〟では!?』

 

 そういえば。と、ビスケットとメリビットの言葉に、三日月はふと先刻の敵機を思い起こす。何となくどこかで見覚えがあると思ったら………

 回線が開かれたままの通信機から、ブリッジのやり取りが聞こえてきた。

 

 

『〝百錬〟だと………? 固有周波数は拾えねえのか!?』

『無理です団長。おそらく何らかの方法で周波数をジャミングしているようで………』

 

『マズイよオルガ。こっちには三日月の〝バルバトス〟しか………』

 

「オルガが潰せと言った敵は、全部潰す」

 

 ビスケットの声に畳みかけるように、三日月は静かに言った。

 たとえどれだけ相手が強くても、どれだけこちらが不利であったとしても。――――それがオルガの命令なら、どんな敵とでも戦う。どんな相手でも倒す。

「あの日」からずっと、三日月が決めていたことだ。それは今この瞬間も変わらない。

 

 フッ………とオルガが軽く笑った。

 

『頼むぜミカ』

「ああ。――――任されたッ!!」

 

 

 それだけで十分だった。

 小惑星の陰から飛び出した〝バルバトス〟を、またしても正確な射撃が襲いかかる。だが三日月は直感的にその射線を読み取ると、一撃目を紙一重の所で回避し、次いで撃ち出されたもう一撃を――――〝バルバトス〟の太刀で再び真っ二つに叩き斬った。

 三日月は拡大モニターに表示された、遥か彼方の敵機を睨みつける。先ほどの奴とは違う。遠くからチマチマ撃ってくる別の敵モビルスーツだ。

 

「邪魔だな………」

 

 再び滑空砲を構えて発射。だが静止していたはずの敵機は次の瞬間には飛び上がり、手近な岩塊に飛び込んで続けざまに三日月が放った追撃をやり過ごした。

 厄介な相手だ。この手の、潰すのに時間がかかる敵が三日月は嫌いだった。手こずっている間で予想外の動きを見せて、仲間が危険に晒される。

 

 事実、敵モビルスーツ隊のうち2機は捕捉できているのだが――――もう1機、〝バルバトス〟のセンサーはその位置を捉えあぐねていた。捕捉した2機を追跡しつつ、三日月は余念なくコックピットモニターを見回し、3機目の敵の姿を見出そうと………

 その時、

 

 

『うわっ!?』

『下方から敵モビルスーツ接近! 速すぎるっ!』

『何だと!? 対空防御―――――!』

『間に合いませんっ! きゃ………!』

 

 

 振り返ると、後方の〝イサリビ〟の艦腹部で、いくつもの火球が激しく浮かび上がっていた。

 

「〝イサリビ〟が………! ぐっ……!」

 

 すかさず翻って駆けつけようとした三日月だったが、それまでのコースに背を向けた瞬間、背後からライフルによる直撃を食らう。

 大型のライフルを持った敵機が一つ。さらにその背後からもう1機―――――太刀を構えたモビルスーツが〝バルバトス〟に飛びかかってきた。

 太刀同士が激しく激突し、双方退かない鍔迫り合いが繰り広げられる中、大人の男のだみ声が三日月の耳に届く。

 

『――――行かせねえよ。俺らの相手してくれや』

「………邪魔だな。アンタ」

 

 オルガの邪魔をする奴はいつもこんな連中ばかりだ。偉そうで、大人の腕力で三日月のような子供や、弱い奴に言うことを聞かせようとする。

 三日月がやるべきことは決まっていた。

 

 殺す。

 オルガの邪魔をする奴は全員潰す。

 

 三日月は〝バルバトス〟の力任せに敵を押し飛ばし、太刀を横薙ぎに払う。

 敵モビルスーツは素早く後方へと引き下がり、太刀の軌跡はただ虚空を薙ぐだけに終わるが、〝バルバトス〟はメインスラスターを爆発的に噴射させて一気に肉薄、さらに一閃。

 敵機の肩部装甲の一部が斬り飛ばされ、宙を舞って消えた。

 

 

『ち………俺の機体に傷をッ!』

「浅いか………!」

 

 敵の胴を薙ぎ斬るつもりだったのだが、三日月がこれまで相手にしてきた敵の中でも特段に、速い。

 あの………地球で相手にしたガリガリのモビルスーツには劣るが、十分三日月が攻めあぐねる嫌な相手だった。

 さらに太刀と太刀が激突し合う。薙ぎ、打ち込み、刺突を繰り返しても尚、敵モビルスーツは同じスピードで〝バルバトス〟の一撃一撃をかわし、受け止めていくのだ。

 オルガの邪魔をする奴は嫌いだが、こういう………すばしこい奴も同じぐらい三日月は嫌いだった。これでは、オルガの邪魔をする奴を潰すという役目を果たすことができない――――――。

 

 

 そうしている間にも、また背後の〝イサリビ〟の周囲でいくつもの火球が浮かび上がった。

 

「―――――ッ!」

『よそ見するとはッ!』

 

 一瞬の隙を逃さず、迫る敵機。

〝バルバトス〟はその胸部コックピット目がけて太刀を突き出す。敵の急加速も相まって、刃の切っ先が敵の胸部に吸い込まれ………

 だがその直前、〝バルバトス〟の太刀が敵機を貫くその寸前に―――――敵モビルスーツのマニピュレーターが、その両掌を合わせて刃を受け止めていた。

 

 否応なく、太刀を保持した〝バルバトス〟の動きが止まる。

 そして、それを見逃さなかった敵がもう1機いた。

 

『俺のこと、忘れんなよなァ?』

 

 いつの間にか側面に回り込んでいたもう1機の敵。

 それが構える大型のライフルが火を噴いた次の瞬間、太刀の刀身部分に弾丸が直撃する。

 モビルスーツのフレームをも両断できるモビルスーツ用太刀は、実は側面からの攻撃には異様なまでに脆い。

 

〝バルバトス〟の太刀は、その瞬間、真っ二つに砕け散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽―――――▽△▽

 

 敵モビルスーツ――――〝百里〟型が矢継ぎ早に撃ち出してくる110ミリ弾、それにミサイルの数々に、〝イサリビ〟のブリッジは幾度も激しく揺さぶられた。

 

 

「上部甲板に被弾! 被害ブロックの隔壁閉鎖します!」

「弾幕はどうした!?」

「〝百里〟みたいな相手じゃ艦の対空砲じゃ追いつけない! せいぜい近づけないようにするしか………」

 

 

 その時、再び敵機からの砲弾が直撃。艦首装甲で激しく着弾の火花が散った。

 ブリッジのメインモニターに一瞬、悠々と離脱していく〝百里〟の姿が映し出される。その光景にオルガは思わず歯噛みした。

 

「ち………っ!」

「せめて三日月が戻ってくれば………」

「〝バルバトス〟は他の敵機2機に捕捉されているようです。現在交戦中」

 

 こうまでミカが戻ってこないとなると………敵はおそらく相当の手練れだ。〝バルバトス〟と〝イサリビ〟を分断し、各個に撃破する。モビルスーツの火器程度では艦の装甲は撃ち抜けないと言われてはいるが、当たり所が悪ければどうなるかは分からない。現にカケルはドルトコロニーでの戦いで敵のハーフビーク級を沈めてみせた。

 

 このまま何もしなければ完全なる手詰まりになる。

 オルガは、艦長席から立ち上がると背後のドアへと飛んだ。

 

「お、オルガ!?」

「悪ぃビスケット。ユージン、艦の指揮は任せるぞ。―――――俺が〝サブナック〟で出る」

「はァ!?」

 

 

〝イサリビ〟にはまだモビルスーツがある。

 ガンダムフレーム〝サブナックカラミティ〟なら、敵機をこの艦から引き剥がせるはずだ。

 

「ちょ、ちょっと待てオルガ! この状況で………ぐあ!?」

 

 思わず操舵席から立ち上がって押し留めようとしたユージンだったが、〝イサリビ〟は再び直撃を食らいブリッジが上下に激しく震動する。「やるしかねえだろうがッ!」とオルガは有無を言わさずにブリッジから飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽―――――▽△▽

 

「へ! これが噂の鉄華団かァ? チョロいもんだぜ!」

 

 幾度となく敵――――鉄華団の強襲装甲艦相手に〝百里〟の100ミリライフル弾を直撃、ヒット・アンド・アウェイを繰り返しつつ、グドシーは未だこちらに有効打の一つも与えられていない敵艦をせせら笑った。

 モビルスーツの護衛なしでは、いかに今をときめく鉄華団の強襲装甲艦であろうと、この〝百里〟にとってはただのデカい的だ。速力が取り柄の、この長距離強襲型〝百里〟を前に、ノロノロと対空防御を繰り返すだけだ。

 

 

「向こうはまだやってんのか。………ちっ、宇宙ネズミの一匹ぐらいさっさと片付けろよな」

 

 

 遠くで戦闘による閃光が何度も瞬く。鉄華団のモビルスーツは、意外としぶといようで、性格はアレだが腕は確かなベルナッツとロプキンズが二人がかりで、また仕留められていないようだった。

 

「こっちはこっちで………やっちまうか」

 

 どうやら当たり所が悪かったらしく、艦体の一部から煙を吐き出し始めた鉄華団の艦。

 グドシーはニヤリと笑みを浮かべて、敵艦から距離を取りつつあった〝百里〟を一気に翻らせた。

 敵艦からの対空砲火が容赦なく浴びせかけられるが、どれも〝百里〟の挙動を追いきれていない。それを悠々と回避しつつ、至近距離から〝百里〟両側にマウントされた100ミリライフルを発射。

 

 推進部を狙い、これを壊してしまえば敵艦は動きを止める。後は対空砲を潰しつつ死角からチマチマ撃っていけば、如何に艦船のナノラミネート装甲と言えども無事では済まない。戦いの主導権は完全にグドシーの手に………

 

 

―――――が、その時。敵艦の下部で何かが動いた。

 

 

「あァ? ………カタパルトか?」

 

 拡大モニター越しに、敵艦下部のカタパルトレールが展開しつつあるのが見えた。事前情報では使えるモビルスーツは1機だけだと聞いていたのだが。隠し玉でもあったのだろうか。

 

「………丁度いいぜ。好都合だ」

 

 敵の弾幕、その軌跡を高機動で弄びながら、グドシーは再び下卑た笑みを見せた。

 スロットルレバーを一気に押し込んで急加速。〝百里〟は最大速度で一気に敵艦の腹部に回り込む。

 そこに―――――モビルスーツを吐き出すために開かれたハッチが、大きく口を開けていた。

 ここに砲撃を打ち込めば、その破壊と炎は容赦なく艦内を駆け巡るに違いない。外部からの攻撃には強靭な強襲装甲艦も、内側からの破壊には案外無防備だ。

 

 開かれたハッチの前で急停止する〝百里〟。

 ノロノロと敵の主砲がこちらへと旋回するが、もう遅い。

 

 

「バカなガキ共だぜ」

 

 

 嘲笑したグドシーはトリガーに指を………

 その時だった。

 

 

【CAUTION!】

 

 

「な――――――ッ!?」

 

 前方コックピットモニター、それにグドシーの視界に飛び込んできたもの。それは、

 モビルスーツですら質量で容易に潰せるだろう巨大なメイス。

 静止していた〝百里〟がメインスラスターに点火し急速離脱を図る………が、もう遅い。

 次の瞬間、凄まじい衝撃と金属が潰れ抉れる嫌な衝撃音が襲いかかる。一瞬にして〝百里〟のコックピットを無数の警告が彩った。

 

【DAMAGE!】

【右スラスター:損傷大 使用不可】

【頭部損傷:センサー有効稼働率 74%】

【スラスターガス漏出中】

 

「ち………な、何だってんだ一体………!?」

 

 ヨロヨロと機体を引き下がらせながら、グドシーは激しくノイズが走る前方コックピットモニターを、怒りと恐慌で血走った目で睨んだ。

 敵強襲装甲艦のカタパルトハッチから、ゆっくりと1機のモビルスーツが這い出てくる。青緑を基調としたカラーリングに、両肩から突き出す巨砲。さらに携えているのは、これもまた巨大なバズーカ砲。シールドのようなものを保持しているが、そこからも2門の小型砲らしきものが備えられている。ふざけている、としか形容しようがない、途方も無く火力編重の機体だ。

 

 そのモビルスーツの、頭部ツインアイが瞬間的に煌めく。

 

 

 

 

『――――そォら、落ちやがれェッ!!』

 

 

 

 

 両肩の巨砲が真っ直ぐ〝百里〟を捉え、刹那、砲撃の閃光がグドシーの視界を埋め尽くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽△▽―――――▽△▽

 

「ち………!」

 

 一振り目の太刀が砕かれた後、三日月はもう一振りの太刀を抜き放って、同じような太刀を構える敵機目がけて斬りかかった。

 が、敵機は〝バルバトス〟の一撃を受け止め、動きが止まったところをもう1機の敵が撃ちかかってくる。滑空砲で牽制する暇すら与えられない。

 

「しぶとい………!」

『そっくりそのまま返してやるよ。その言葉』

『俺ら2機相手によくやるぜ。流石は鉄華団の〝悪魔〟だな』

「?」

 

『知らねえのか? お前さん、傭兵界隈じゃ結構有名なんだぜ? ギャラルホルンをメタクソにぶっ潰した〝白い悪魔〟ってなァ』

『そんな悪魔をぶっ倒せば、俺らの格もさらに上がるってモンだぜ!』

 

 通信越しにそう言いながら、2機の敵機が目まぐるしく〝バルバトス〟の周囲を飛び回る。

 矢継ぎ早に撃ち出される射撃を、三日月はすんでの所でかわし続けるが、巨大なライフルを構えた1機が撃ち出した一撃が、〝バルバトス〟の頭部に直撃する。

 

「く………!」

 

 コックピットモニターに瞬間的にノイズが走り、太刀を構えて迫る別の1機への対応がワンテンポ遅れてしまった。三日月は〝バルバトス〟の太刀を振り上げるが、推力全開で突っ込んできた敵機に押し負けてしまい、後ろから前へと流れる凄まじい荷重が三日月に襲いかかってきた。

 背後に岩塊が迫る。

 昭弘か、シノか、それかカケルがいれば、ライフルを持った1機の相手を頼んでこの1機だけに集中できるのだが………。

 

『そろそろ終わりにしてもらおうか?』

「俺を倒したら、あんたらは〝イサリビ〟をやりに行くんだろ?」

『悪いが、それが戦いってモンだ。傭兵はそれで金を貰ってる。お前さんだって分かってるだろう?』

 

「………オルガの邪魔は絶対にさせない」

 

『見上げた忠誠心だが傭兵には不要だなッ!!』

 

 数秒後には〝バルバトス〟は岩塊に叩きつけられる。

〝バルバトス〟は全スラスターをフルパワーに抗うが、初期の推力差を埋めるには………もう時間が無い。離脱しようにも鍔迫り合いを緩めれば、そのまま斬り込まれる。

 

 だがこのままだと――――――。

 

 その時、〝バルバトス〟を全速で押し込んでいた敵機の背後で、爆発の火球が沸き起こった。

 そしてその衝撃は、敵機のバランスを崩すに十分だった。フルパワーで直進していたことが仇となり、次の瞬間、敵は明後日の方角へ錐もみしながら吹き飛んでいく。

 

 

『うおおおッ!?』

「あれは………?」

 

 

 つい最近見覚えのあるモビルスーツが〝バルバトス〟へと近づいてきた。〝イサリビ〟の格納庫で〝バルバトス〟の隣にいた機体だ。

 それは確か、

 

『待たせたな、ミカッ!』

「オルガ? それ………」

 

 

 

『ああ。ガンダムフレーム―――――〝サブナックカラミティ〟だ!!』

 

 

 

 青緑のガンダムフレーム、その両肩の巨砲が咆える。

 その砲撃は遠距離から三日月らを狙撃しようとしていた大型ライフル持ちの敵機周辺で炸裂し、爆発の炎から敵機がヨロヨロと離脱していった。

 

「あいつら、結構強いよ」

『ミカが苦戦するなんてな。面倒な相手もいたもんだぜ。………ほらよ』

 

 オルガの〝サブナック〟が、その背部にマウントしてあったバトルメイスを保持し、〝バルバトス〟へと流し渡してくる。

 久々のメイスだ。モビルスーツのフレームを斬れるという点で太刀も悪くないが、こういう武器の方が三日月にとってはしっくりくる。

 

 再び、敵機接近の警報がコックピットに響く。態勢を立て直した敵が、またしても〝バルバトス〟そして〝サブナック〟目がけて飛びかかってきた。

 

 

「オルガは無理しないで」

『ああ。前は頼んだぜミカ。………構うこたねえ、ぶっ潰せ!!』

 

 

 オルガの命令に、三日月は自分の力が得て増していくのを感じた。

 太刀を振り上げて襲いかかる敵機目がけ、三日月は躊躇なくメイスを叩き込む。太刀で受け止める自信があったのだろうか、だが三日月が繰り出した一撃の方が、重く鋭い。

 刹那、敵機が構えていたモビルスーツ用太刀は、捻じ曲がり、次の瞬間にはへし折れた。

 

『ちぃ………!』

「こっちの方が戦いやすい………な!」

 

 さらにバトルメイスを振り回すが、そこは急速に距離を取られてしまい空振りに終わる。だが三日月は全速力でそれを追いかけた。

 一方の〝サブナック〟は、大型ライフル持ちのもう1機と撃ち合っている。敵の狙撃は正確だが、シールドを保持し、なおかつ頑強なガンダムフレーム相手に攻めあぐねているのが、離れた三日月からでもよく分かった。

 

 

『おらおらァッ!!』

 

 

 またしても〝サブナック〟から砲火が走る。両肩の巨砲、構えたバズーカ砲が矢継ぎ早に火を噴き、猛烈な砲火は容赦なく敵機へと殺到する。爆発の火球が何度もその周囲で沸き、次々繰り出されるその猛火を前に敵はデブリや岩塊を盾にしながら逃げ続けるより他ない様子だった。

 

 これなら、三日月は目の前の1機に集中できる。

 三日月は全神経を眼前の敵に集中させ、一気に敵に急迫すると別の太刀を抜いた敵機目がけてあらん限りのパワーで打ちかかった。

 

 

 

 





【オリメカ解説】

・ASW-G-43〝ガンダムサブナック カラミティ〟

厄祭戦時代に製造された72機のガンダムフレームの1機。
民間警備会社マーズファングより賠償金として接収し、歳星にて整備と大幅改修が行われ、機体本来の砲撃戦用モビルスーツとしての機能を取り戻した。

エイハブ・リアクター直結のロングレールガンを両肩部に備え、さらに闇市場に流れた〝グレイズ〟用の320mmバズーカ、シールド内蔵パイルバンカー等、化け物じみた圧倒的火力を誇る。
基本的に最前線での陣頭指揮を主眼に置いたモビルスーツであり、頭部アンテナも大型化し通信機能が強化されている。

名称の〝カラミティ〟は、地球出立前のカケルの強い意向から実現した。

(全高)18.25m

(重量)41.1t

(武装)
背部ロングレールガン×2

320mmバズーカ
シールド内蔵型パイルバンカー
近接戦用コンバットナイフ

※バトルメイス(〝バルバトス〟の装備を借用したもの)


----------------------------------

・STH-05-2〝百錬弐式〟

テイワズ製汎用量産モビルスーツ〝百錬〟の改良型。
操作性・整備性を度外視しスラスター出力の強化、新型火器の搭載の他、最高純度の『木星メタル』をフレーム・各種部品に使用することでシングルナンバー機を凌駕する高性能モビルスーツとして一つの完成形を見た。
ガンダムフレームに匹敵するほどの超高価、希少なモビルスーツであり圏外圏最高峰のモビルスーツ傭兵である2人……ベルナッツ、ロプキンズしか保有していない。

テイワズ最新鋭の火器の他、取扱いに高度な熟練度が要求される〝斬太刀〟を装備しており、〝バルバトスラーミナ〟装備の重斬太刀と同様に習熟した者が扱えばモビルスーツのフレームをも容易に両断できるとされる。

(全高)
18.2m

(重量)
34.9t

(武装:ベルナッツ機)

斬太刀×1
ナックルガード×2


(武装:ロプキンズ機)

大型対物狙撃ライフル×1
ナックルガード×2



----------------------------------

・STH-14s 長距離強襲型〝百里〟

テイワズ製モビルスーツ〝百里〟をベースに大幅な改良を施した機体。
試作型の最新スラスターの他、センサー類、バックパックもより大容量かつ大出力に対応できるものに換装され、全体的な性能の底上げが図られている。だが強引な性能向上の結果、操作性に難点を抱えることとなり乗り手に高い技量を要求する機体として仕上がっている。

〝百里〟としての標準兵装である110ミリライフルの他、バックパック上部に対艦ナパームミサイルランチャーを装備しており、長距離偵察・対艦強襲戦において猛威を振るう。
圏外圏でも名高い傭兵の一人、グドシーの愛機。


(全高)
18.5m

(重量)
34.1t

(武装)
110ミリライフル×2
対艦ナパームミサイルランチャー×2
ナックルガード×2

----------------------------------


【オリキャラ解説】

ベルナッツ

出身:木星圏
年齢:37歳

テイワズの新鋭モビルスーツ〝百錬弐式〟を操る傭兵。〝ベルナッツ〟の名は偽名で、本名は不明。
太刀による近接戦を最も得意とし、圏外圏でも指折りの実力を誇る。指揮官としても優れており、同じく歴戦の傭兵であるグドシー、ロプキンズのリーダー格として采配を振るう。
テイワズのさる大物に雇われ、鉄華団へと牙を剥く。


(原作では)
登場無し。



-----------------------------------------------------------

ロプキンズ

出身:火星
年齢:40歳

テイワズの新鋭モビルスーツ〝百錬弐式〟を操る傭兵。〝ロプキンズ〟の名は偽名で、本名は不明。
専用の大型ライフルによる狙撃を最も得意とし、圏外圏トップクラスの傭兵として名高い。精緻な狙撃センスに比して粗野な性格で、専らベルナッツの相方として活動する。
ベルナッツ、グドシー同様にテイワズのさる大物に雇われ、鉄華団へと牙を剥く。


(原作では)
登場無し。


-----------------------------------------------------------

グドシー

出身:木星圏
年齢:35歳

専用カスタマイズ機である長距離強襲型〝百里〟を操る傭兵。〝グドシー〟の名は偽名で本名は不明。
偵察・情報収集・〝百里〟を用いた奇襲や高機動戦を得意とし、専らベルナッツやロプキンズと組んで活動しているが、単機でも圏外圏トップクラス級の実力を誇る。鉄華団がいずれ商売敵となると踏んでおり、叩き潰す機会を窺っていた。
ベルナッツやロプキンズ同様にテイワズのさる大物に雇われ、鉄華団へと牙を剥く。

(原作では)
登場無し。

-----------------------------------------------------------





すいませんが次話についてはまだ完成していないので、できあがり次第投稿したいと思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。