内容に変更はありません。
日差し…
眩しいなぁ…
…………あ!!!!
転生したのか!わぁお!
冷静なフリをしながら、周りの景色を眺める。ここは…森丘かな?池があるし、確か森丘のマップの左上。10番だったかな?周りの植物や岩場も見たことのある景色だし、そう推測する。
景色を見渡しながら、気がついた。自分の体の様子がおかしい。どうやらモンスターに転生した様だ。尻尾の感覚があるし、体を動かそうとすると違和感だらけだ。羽の感覚は無い。大きさはケルビとキリンの中間位。俺の足はそれよりも短いけど。体毛が生えていて、毛は灰色。何はともあれ、モンスターに転生出来て一安心する。
そして…ミツネはどこだ?
「きゃああああああ!」
「流石に無理!転生してすぐにモンスターとの戦闘は無理だよぉ!!!」
絶叫が聞こえた。ミツネの声がした!
さて、ミツネはどんなモンスターだろうか?
ん?声?人の声?
そこには、草の陰に向かって走って逃げる少女がいた。
飛び込んだ草の中からこちらを覗いている。
「グォルルルルァ!!」
(人間じゃねえか!!)
盛大にツッコんでみたが、やはりモンスター。自分でも驚くほどの咆哮になった。
「あわわわわわわ!ごめんなさい人間です!助けてよアルに会いたいよう助けてよアルぅ」
混乱してらっしゃるな、ミツネ殿。
そして、俺のツッコミに対してある程度の返事をしている。天然かな?
「ガルルル」
(ミツネ、俺だよ。俺がアルだよ)
「へ?」
「ガルル、ガルァ」
(君の目の前のモンスターだよ)
「嘘だ!そう言って食べるんだ!」
うーん、どうしよう?なんか証拠でもないかなぁ…あ、そうだ!あの合言葉がある!
「ガルルッ!」
(ナースコール!)
「何をいきなり……はっ、その合言葉はまさか、本当にアル?」
「ウガッ」
(おう!)
「アルだぁ!アルゥゥ!!」
ミツネはこちらに駆け寄って、俺の首に抱きついた。
やっとだ。やっと会えた。
その安堵からお互いにへたり込む。ミツネに会えたんだ。それも、とびきり元気な彼女に。
少し休んで、お互いの見た目の話が始まった。俺はガルルと鳴き声で、ミツネは普通に話をする。
「なんでアルはモンスターなの?」
「いや、ミツネがモンスターになりそうな気がして。勘だけど。」
「あははは!勘かぁ!でもしょうがないよねぇ、お互いわからないんだもん」
「以外だったよ、それならどうしてミツネは人間に?」
「アルの事だから、いろいろ生きていくのに便利な人間を選ぶかと思って。文明はあるわけだし、交流もあるだろうから。それなら、私も人間になろうかと思ってね」
「あぁ~~そうきたかぁ~…お互いにお互いの事考えた結果、逆になったと。」
「そうみたいだね~まぁ、実際こっちの方が楽しそうだよ!アルはモンスターでもいつも通りのアルだもん」
「そういえば、ミツネは人間だけどずいぶん小さくなったな。」
ミツネは俺の体を触って、もふもふだねぇ、犬みたーい。と言っている。
アレェ?竜っぽい見た目が良かったのになぁ。
そんなことより、そうなのだ。ミツネが幼くなっている。大体小学生の、中学年位か。ずいぶんあどけない。爺さんから貰ったのか、地味な色で法衣に似た服を着ている。
「ああ!本当だ!ちっこい!おっぱい無い!」
「今気付いたんかーい!それとおっぱい言うな。」
「ごめんごめん。びっくりしちゃって。でも本当にちびっこになっちゃった。これから大丈夫かなぁ?」
岩の上に乗り、くるくると回りながら自分の姿を眺めるミツネ。ちびっこでも可愛いもんは可愛いなぁ…
「うわぁ!」
その時、ミツネが岩から滑った。
焦った。側から見ればちびっこが転んでいるのだ。
「痛ててて、肘思いっきり打っちゃったよぉ~~」
「大丈夫?」
急いで駆け寄り、患部を見ると血が流れていた。
「うん。擦りむいただけかな。一応そこの水で冷やすよ」
そう言って池に向かうミツネだが、すぐに歩みを止め、こちらを見て
「治った」
そう言った。
「治った?あんまり強がっちゃダメだよ?」
「違うの。本当に治ったの。」
ミツネは肘を俺に見せる。するとそこにあった筈の傷が消え、少し血が付いていた。ミツネは池の水で肘を洗い、もう一度俺に肘を向けた。
「本当だ、傷一つ無い…」
「すごい!治っちゃった!」
二人(一人と一匹)で肘を触ったりして、完治している事を何度も確認する。
「これがモンハンの世界の普通なのかな?」
ミツネが言った。
転生直後は騒いでいたミツネだが、いろいろと順応が早い。そんな一言だった。
「転生条件もあるかもしれないけどね」
「あ、そうだった」
「まぁ、ゲームでは明らかに貫通してる攻撃を受けてもハンターは生きてるんだから、モンハン世界では普通なのかもな」
「とりあえずこの世界の私は強いんだね。」
脳筋な一言だなぁ。
「過信しちゃいけないよ、ミツネ」
「うん。そうだね!あ、アルはどんな条件にしたの?」
「ミツネの条件に合わせたのと、一個思念がある」
「えぇ!ずるい!白ジィから私の条件聞いたの?」
「うん。教えてくれたよ。ミツネは先に儀式を始めてるからって。てか、白ジィってあの白髪白髭の爺さん?」
「そうだったんだ、でもアルが後で良かった。私が後だったら、きっと悩んで決められなかったもん。」
白ジィかわいいよねぇと言いながら、池の水をパシャパシャとはたく。
「アルと共に。って条件は嬉しかったよ」
「………や、」
「やっぱりずるい!先に聞くなんでずるだ!」
「ごめんて!俺の条件も教えるから!」
「はよ!はよ!」
急かすなぁ、もう。
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とりあえず俺の条件は教えた。ミツネを守るとミツネと共にの条件を話した時は顔を赤らめていた。
そして、例の暴走野郎をぶんなぐるって条件には、小さく「そっか」と言った。
因みに、俺の顔はモンスターなので恥ずかしさで赤くなったりはしない。モンスターって便利。
そして、あの爺い"白ジィ"から聞いた、世界の干渉だとか、俺たちの運命とか、彼女の両親の事も話した。
ミツネも白ジィから聞いていた様で、それ以上その話は進まなかった。
~~~~~~~~
「あと、最後に一つ条件を足させてもらった。」
「それ私も!小さいものならって」
「ミツネもか。なんて言ったんだ?」
「教えな~~い!ヒントあげる!」
「クイズかよぉ、で、ヒントとはなんぞ?」
「病院食!これがヒント!」
「白ジィめ、同じ事言ったな」
「異世界で何食べるかわからないからね」
「美味しいものたくさん食べる!とか?」
「いくら私でももうちょっと考えるよぉ」
「なにぃ…うーん、わからん、お手上げ」
「じゃあ先にアルが教えて!」
「俺は、美味しいものを見て判断できるようにって条件」
「あははっ、見て判断ってところがアルらしいね!なんかずるいなぁ」
「いいだろぉ、美食っぽくて。で、ミツネは?」
「あのね、なんでも美味しく食べられるように!って条件にした!」
「なんだそりゃ、まるで悪食じゃんか、あはは」
「いいの、色んなもの食べるんだから!」
そんな話をしているうちに、日は暮れて、俺たちは物陰へ隠れ、そのまま眠りについた。俺は地面に直接屈み込みんで寝た。ミツネは俺の腹を枕にして寝た。
初めてのモンスター化での睡眠はなかなか寝付けず、少し夜更かしをした。電気もなく、光の消えた森丘から見た星空は、今までで一番美しかった。
決して、ミツネがそばにいて眠れなかった訳では無い。断じて違う!!断じて!!
読んで頂いてありがとうございます。