割とガチ対応をする、ぐだの話   作:風呂

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まだ若いし、いけるし


スカサハへの対応

「…………」

 目の前をJK風の衣装に身を包んだサーヴァントが通り過ぎる。

「…………」

 目の前を体操着姿のサーヴァントが駆けていく。

「…………」

 目の前をフリルが沢山ついたドレスを纏った少女のサーヴァントが歩いている。

「…………」

 目の前をちゃんと学生服を着こなしたサーヴァントが横切っていく。

「…………」

 目の前で桜色の和服姿のサーヴァントが吐血した。

「うーむ」

「……いや、そこはちょっと気にしましょう!? 沖田さんびっくりですよスカサハさん!」

「――む? ああ、すまない。少し考え事をしていてな。ほれ、これで少しはマシだろう」

 スカサハが沖田に回復のルーンを使用する。

 すると先ほどまで吐血し、青白い顔をしていた沖田の血色が見る見るうちによくなり、ほんのりと赤みがさす。

「お、おお! 流石原初のルーンという奴ですね。理屈とかは全く分かりませんが、身体の調子が良くなってきましたよ。ありがとうございます」

「うむ。それは何よりだ。何事も健康が一番だからな」

「たはは。そ、そうですねー」

 病弱スキル持ちの身としては、微妙に返答に困る沖田だった。

「それにしてもどうしたんです? 珍しく難しい顔をしてましたけど」

「いやな。先程通り過ぎて行ったサーヴァント達を見てどう思う?」

 はて、どういう事だろう? と思いつつも、考えてみる。

 鈴鹿御前、ネロ、ナーサリーライム、パールヴァティーの四人を思い浮かべる。

 だが、女性であること以外に共通点が思い付かなかった。出身も違えば、逸話も似ていない。何か共通項があるからスカサハは気にしていたのだろうと思うも、全くもってさっぱりだった。なので、その事を正直に言うと、

「はは、流石に分からんか。無理もないが。なに、難しい事じゃない。単純に皆……」

「可愛い、かな?」

「わっ!? なんだマスターですか。驚かさないでくださいよ」

 スカサハの答えをかぶせるように言って現れたのは、ぐだ男だ。

「ごめんごめん。それで? また変な事でも思い付いたんですか?」

「変な事とは心外だな。最近、霊衣開放というものが、天才の工房でできるようになっただろう」

「あれですね、マシュさんの水着やメイヴさんの軍服? あとネロさんの体操着とかの」

「そうだ。私は以前にもルーンを用いて、似たような事をやった事があるのだ」

 無人島サバイバルでの話である。

 あの時はその場の環境に適応する為、クラスごと霊基を弄り、水着姿となった事があった。

 しかもその場にいた他の女性サーヴァントも含めて、だ。

「そう考えると、あの天才でも私のルーン魔術にはまだまだ及ばぬと言ったところか」

「……それ、本人の前では言わないでくださいよ。ダ・ヴィンチちゃん、自分の発明に関しては負けず嫌いだから、ムキになって何しでかすか分からなくなりますから」

「ふふん、分かっている」

 そう言ってドヤ顔をキメるスカサハ。

 それを見て、ぐだ男が一瞬ウザそうな顔をしたのを沖田は見逃さなかった。

「え、えーっと、要するに何が言いたいんですか?」

 が、それを見なかった事にして、沖田は話を進める。

「分からぬか? 儂なら霊衣開放くらい訳ないという事だ。それでな、どんな衣装を形作ればいいかと思案しておったところ、良い見本が通りかかったという訳だ」

「え、じゃあさっきの子達の服装を作るつもりですか?」

「うむ。まずは自分自身で試してみようかと思っていた所よ。それに折角だし普段とは別の方向性で攻めてみようと思ってな」

 沖田は想像する。絶世の美女であるスカサハが、外見的に幼いのサーヴァントや年齢制限のある衣装を着たところを。

 ミニスカJK風のスカサハ。

 ブルマ体操着装備のスカサハ。

 ゴシックドレスを着たスカサハ。

 ブレザー型の学生服姿のスカサハ。

 他にも連想して色々な姿が思い浮かぶ。しかしどれも想像しては妙に顔が引きつてしまうのは何故だろうか。何故だろうかっ!

 ただ、真っ黒いセーラー服姿だけは妙に似合う気がするのはどうしてだろう、と思う沖田であった。

「……た、偶には良いんじゃないですかね? 普段とのギャップっていうか、なんというか」

「うむうむ。して、ぐだ男はどう思う?」

 沖田の返答に気を良くしたスカサハは、ぐだ男にも意見を求めた。

 沖田としては先程のぐだ男の表情が全てを物語ってる気がすると思うも、何も言えず、緊張感ばかりが増してしまう。

 しかしそんな事とは関係なく、ぐだ男は口を開く。

「良いんじゃないですか? 別に誰が困るという事でもないですし。好きにしてみれば」

「え?」

 その返答に小さくではあるが、疑問の声が上がってしまった。

 沖田の知るマスターならここで色々弁を弄して、否定するものだと思っていたからだ。なに意味のないことをやってんですか? とかなんとか。

 勿論失礼ではあるのでそこまでは口にしなかったが。

 しかしマスターであるぐだ男にはそこまで気づかれてしまっているようで、一瞬、沖田の方を見て心外だという風に表情を変えた。

「……いや、これくらいの事に口を出すつもりはないよ? なんならゲオルギウス先生に頼んで写真を撮ってもらっても良いんじゃないかな? 俺も見てみたいし」

「ほう、度量の広い男は好きだぞ、ぐだ男よ。それでは早速撮影会と行こうではないか」

「ええー?」

 驚愕の展開である。

 これは絶対に裏があると沖田は訝しんだが、事実、その通りになった。

 後日、出来た写真集をケルト組に見せたスカサハは、男性陣から微妙な反応をされた上で生暖かい目で諭され、メイヴからは超絶大爆笑されて轟沈する事になった。

 そこから写真集の現物とデータの全てを破棄するようぐだ男に迫るも、彼はのらりくらりとこれを拒否。カルデア全体を包む大騒動に発展するも糠に釘。結局、ぐだ男はスカサハの弱みを握る事になった。

 神話以来の、スカサハの新たな黒歴史の誕生である。

「それを渡せ! もしくはいっぺん死んでみるか貴様ぁあああああああああ!!」




「BBA無理す……」
「ゲイボルク・オルタナティブ!!」


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