ポケモンって、クトゥルフ系に見えなくもない   作:ジャック・ザ・リッパー

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思っていたより共感してくれる人が少なかった。
ポケモン リアルで調べれば分かって貰える筈です。

ポケモンって、特性次第で攻撃力が変わる事を最近知った。はらだいことか、ただの自爆技だとずっと思ってた。


悪意で人は成長する。

彼が向き合ってくれるようになってから1週間、私はかなり満足している。彼は、ポケモンの卵を一人で持てる程度には馴れてくれたのだ。まだ外に飛んでいるポッポを見ると吐きそうになってしまうが、必死に堪えている。耐性が付いてきたのだろう。

 

今日は、彼を少し外に連れていこうと思った。町の中を散歩するだけだ、それくらいなら吐く程の強い刺激に成らないだろう。

 

「今日は、外に行ってみましょう。大丈夫、町からは出ませんから。」

 

「......。」

 

彼は、首を横に振って拒否する。まぁ、拒否した所で連れていくんですけどね。卵の時のように、無理をしなければ直らない事もあるだろう。

 

「大丈夫、町からは出ませんし何があっても私が守りますから。卵も持っていって、あなたの町を見せてあげましょう。」

 

「......。」

 

やっと納得してくれたのか、私にしがみ付くように手を握った。これで良い、これなら早くポケモンと打ち解けられそうだ。

 

だが、この選択が彼を深く傷付ける事になる事件と繋がるとは、思っても見なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼を連れて町を歩いていると、一人の女の子が泣いていた。私はその女の子に声をかける。

 

「君、どうして泣いているの?」

 

「......悪い人に、私のラッタちゃん取られちゃったの。ラッタちゃん、うぇ~ん!」

 

女の子はそう言って、チャンピオンロードのある方向に指を指した。他人のポケモンを奪うような悪い人間がいる。そう思い私は彼に言った。

 

「私は今からこの子のラッタちゃんを取り返しに行くから、あなたは先に家に帰って下さい。直ぐに終わらせて帰りますから。」

 

彼は、中々私の手を離そうとしなかったが、私は彼をおいて女の子とチャンピオンロードのある方向に向かった。彼は、一人卵を抱えて私を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャンピオンロード付近には、Rマークの付いた黒尽くめの集団が檻に入って暴れるラッタを見てニヤニヤしていた。

 

「ロケット団!またあなたたちなのね!」

 

「天才トレーナーエリー、我々はあなたを待っていました。今日こそあなたを倒し、あなたのポケモン達を我々の物にしてあげますよ!」

 

そう言って、ロケット団の下っ端達はズバットとコラッタを繰り出してくる。私は、女の子を守るように後ろに隠して相棒を繰り出した。

 

「いけ!バンちゃん!」

 

私の相棒、バンギラスのバンちゃんが目の前に現れ、あっさりと下っ端達のポケモンを全滅させた。

 

「バンちゃん、ラッタを閉じ込めている檻を破壊して!」

 

バンちゃんは、飴細工を作るかのように檻を曲げてラッタを助け出した。次の瞬間、私のバンちゃんが膝をついて倒れた。

 

「バンちゃん!!?」

 

原因を知るためにバンちゃんの体を観察すると、バンちゃんの脚にラッタが噛み付いているのだ。あれは、『いかりのまえば』という技だ。体勢を立て直そうとしたバンちゃんだが、倒れていた筈のコラッタ達が『ひっさつまえば』で攻撃してきた。バンちゃんは、怯んで攻撃することができない。

 

その光景に気を取られていたその瞬間、私の体に力が入らなくなった。私はそのまま倒れ、後ろには『しびれごな』を出すナゾノクサと女の子が立っていた。

 

「エリーお姉さん、何も疑わずに私を助けようとしてくれてありがとう。お姉さんが油断してくれたお陰で罠は大成功だよ!」

 

「な、なんで?」

 

「だって、可笑しいと思わないの?コラッタの進化系であるラッタが奪われているのに、下っ端達が雑魚しか出さないんだよ。何か可笑しいって思わないから、簡単にやられちゃうんだよ!」

 

女の子がそう言うと、服装がRマークの付いた黒服に変わった。女の子もロケット団だったのだ。

 

「ひ、卑怯もの!」

 

「その言葉は、我々にとって最高の誉め言葉ですよ!それじゃあ、あなたが動けない間にポケモンを頂いちゃいますね。」

 

このままじゃ、私のポケモン達が奪われてしまう!抵抗しようにも身体は痺れて動けない。自分のふがいなさに涙を流したくなったが、目の前に見覚えのある背中が現れた。

 

「あれ?さっきのガキじゃん。もしかして私達にその卵をプレゼントしに来てくれたの?」

 

彼は首を横に振って、とぎれとぎれの言葉で言った。

 

「.....お前、嘘ついてるの....何となく分かった!.......先生...は、やらせ...ない!......カエレ!」

 

その言葉を聞いて、私は胸が締め付けられた。彼はあの時、違和感を伝えようと彼なりに必死に私を止めようとしてくれていたのだ。元々喋ることの無い彼が、私のために必死になってくれている。

 

「そっかー、美しき師弟愛だことで。なら、そんな言葉は戦えるようになってから言うんだね!」

 

ナゾノクサが攻撃しようとした瞬間、彼の持っていた卵が光輝く。これは、ポケモンが生まれる合図だ。だが待ってほしい、彼はやっと卵に馴れる程度にしか成長していない。いきなりポケモンに触ったりしたら大変なことに!!?嫌、大丈夫だろう。卵の頃から一緒だったのだ。友情パワーでなんとかなると信じるんだ!

 

「ニド!」

 

産まれたのは、ニドラン♂だった。可笑しい、私はニドラン系統のポケモンを持っていない筈なのに、何故ニドランが産まれたのだ?私が渡したのは、バンギラスの卵の筈だ。......あっ、まさかあの卵は、ジムリーダー達と共にロケット団のアジトを潰したときにボスの隠し部屋と思わしき所で手に入れた卵で、間違えてそれを渡してしまったのか?そうとしか、あれ以外にニドランが産まれる理由がない。

 

「あら?随分強そうな子が生まれてきたわね。でも産まれたばかりで何が出来るのかしら?ってえ!?」

 

彼は、予想通りゲロを吐いた。それも、産まれたばかりで抱かれているニドラン♂の顔面目掛けて。ニドラン♂は、まるで訳がわからないような顔をしていたが、彼の顔を見た次の瞬間、目付きが変わった。

 

「うわっ、汚いなぁ。さっさと倒してあげ―」

 

ロケット団の女の子が汚いものを見る目で見ていたニドラン♂が、彼の手から飛び降りてロケット団の女の子を見る。すると、彼女の側にいたナゾノクサが吹き飛ばされた。まるで、見えない何かに攻撃されたかのように。

 

「これは、まさかエスパータイプの技?」

 

「あり得ない!ニドランは毒タイプなのよ!弱点であるエスパー技が使える筈がない!ラッタちゃん、大きいのはコラッタ部隊に任せてこのニドラン♂にひっさつまえば!」

 

ロケット団の女の子の命令で、ラッタはニドランに襲い掛かった。しかし、ラッタの動きは空中で止まった。認めるしかない、このニドランは、毒タイプでありながら弱点の筈のエスパー技が使える。実際にナゾノクサは倒されたのだ。

 

空中で止まったラッタは、そのまま地面に叩き付けられる。ラッタが動かなくなり、ニドランはラッタから視界を外した次の瞬間、さっきまでの攻撃など効いていなかったかのように襲い掛かった。実際にレベルの差もあり効いていなかったのだろう。しかし、その奇襲も失敗に終わる。

 

「......下から蹴り上げるように『にどげり』」

 

『ひっさつまえば』で攻撃してきたラッタの顎に、ニドランの後ろ足の蹴りがカウンターで決まった。強烈な一撃が急所に決まり倒れるラッタの顎に、もう一撃の蹴りが放たれた。哀れラッタは、縦回転をしながら吹き飛んだ。

 

「そんな!?こんな産まれたばかりのポケモン相手に手も足も出ないなんて......!?」

 

ラッタがやられたことにより、コラッタ達が攻撃をやめてしまう。その隙をバンちゃんは逃さない。コラッタ達に『はかいこうせん』を撃ち包囲網に穴を開けた。しかし、既にロケット団達はラッタがやられた時にポケモンを置いて蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。ロケット団の女の子も、悔しそうな顔をして逃げてしまった。その後は、直ぐに身体の痺れが取れて立ち上がれた。

 

「助かりました。君が来なかったら、私はロケット団にポケモンを全て奪われていました。私があなたを守ると言っておきながら、無様に負けてしまいました。」

 

何とも腑甲斐無い。ポケモンリーグベスト4に入った天才少女と周りから称賛され、天狗になって相手が下っ端だけの雑魚だと侮り油断していた。教え子に助けられるなんて、先生失格です。

 

「......先生、無事で...良かった...。」

 

彼は、私にぎこちない笑みを浮かべながら地面に倒れこんだ。その後彼は、2日も目を覚まさなかった。




ニドラン♂

あるお方のポケモンの卵から産まれた。
毒タイプでありながらエスパー技の『ねんりき』が使える。親譲りの戦闘センスを持っており、産まれたばかりで謎の風格を持っている。

主人公

今回SAN値がものすごい勢いで削れたが、なんとか持ちこたえた。SAN値回復のために自ら意識を手放した。
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