開幕!茶熊学園運動会!   作:RASN_Pixiv1本になります

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午後の部

「そんじゃ皆お腹が膨れたところで競技を続けるわよー!」

 

キャトラの鳴り響く声によって午後の部が開始された。

始めはあまり意味無さげな応援合戦だったがインヘルミナの歌唱により生徒に先生の大半が気絶し、審査員の判断で赤組の勝ちとなった。

 

そして暫くインターバルが置かれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんじゃ次は綱引きよ!勿論普通な綱引きじゃないわよ!」

 

インターバルが終わり参加者らはダウン状態から復活していた。そして校庭には綱と言うより大きな鎖が二本置かれており、それぞれの片側にはクジャタがスタンバっていた。

 

「綱引きっていうより綱引き合戦よ!それぞれ綱を引いて先に自陣にクジャタ(訓練されて多分襲ってこない)を引き込んだ方が勝ちよ!」

 

そして皆はいそいそと配置へと着いた。

 

「それじゃ…よーいドン!」

 

「ッッ!!」

 

そして開幕と同時にクジャタは唸り声を上げ、手にする鎖を引き始めた。

 

「うぉぉ?!すんごい力だわー!」

 

「ぬぉぉ!?やってくれるじゃねぇかよ!?」

 

「アルさん頑張れー」

 

「でも負けるわけにはいかないわ!」

 

「そうだ!皆の者!全力フルパワーだ!!」

 

「…!!!」

 

「超速力全速前進っ!!」

 

「僕だって…うぉぉぉ!!」

 

「お兄ちゃん…!無茶は駄目だよ?!」

 

赤組は声かけによって少しずつだがクジャタを引っ張っていたのだった。

 

「皆!ここで気張れ!」

 

「ぐりぐりぐりぃー!!」

 

「足の速さなら得意なのですが…!」

 

「八龍の者に負けるものか…!いざシャァァイニング!!」

 

「…何で僕の前にはこんな人…というかアンドロイドがいるんだろうか…?」

 

「エシリアにだけにはー!!」

 

白組も声かけによって引いていた、だが最後尾で引いていたヴィルフリートは何か訝しげな顔をしてキャトラの方へと向かったのだった。

 

「…猫よ尋ねたいことがある。」

 

「何ー?みんな汗かいて頑張ってるのにアンタは何しに来てるのー?」

 

「我は尋ねに来たのだ、そちらが尋ねてどうする。」

 

「むむ…まぁいいわ、それで何?いつまでもコッペリアの武器スキル時のボイスが無いことは流石の私にも分からないわよ?」

 

「そうではないこの競技についてだが…別にスキルや特技を封印してある等の制約は設けては無いのか?」

 

「んー?特にないけど?ドラグナーは相方を呼んでもいいのよ?」

 

「…だ、そうだ皆の衆。」

 

ヴィルフリートの言葉によって赤組も白組も言葉を失って呆けていた。

 

「ん?みんなどうしたの?」

 

『『それを早く言えー!!』』

 

「ぎにゃー!?」

 

そしてキャトラは二組の号声によって倒れたのであった。

 

「それなばシュゴウ!力を貸してください!」

 

「ドロちゃん~あれ~来ないのかな~?」

 

「ぽっぽー!がんばっぽー!」

 

キャトラを倒したのち赤組のメンバー内のドラグナーらは相棒を呼んで助太刀を求め。

 

「そういうことなら流れにのって、コーン!っと。」

 

「僕たちだってー!エイン!」

 

「私も!ウィータ!」

 

あるものは内に秘めた力を解き放ったり、大きな狐に化けたり。

 

「ならば!」

 

そのなかでシャナオウは手に収まる程度の大きさのオーブを掴み、カチッとスイッチのようなものを押した。

 

「刮目せよ!カモン!ベンケイ!」

 

すると天から半透明な筋肉モリモリマッチョマンな僧侶のベンケイが、仁王立ちで降りてきた。

 

「おう、大将。何用かな?」

 

「力をアシスト願いたい!」

 

「へっ…まぁ良いぜ。」

 

そして前とは見違えるほどに赤組の方のクジャタはズルズルと引かれていたのであった。

 

一方白組は…

 

「ガグツチ!」

 

「断る、下らんな。」

 

「ガグツチッ?!」

 

「ほらほら?頑張ってよー?」

 

「むっ…無茶な!拙僧は中は悪魔だが外は人形ですぞ?!」

 

「ほら……クマロンも…」

 

「我輩も人形だぞ!?しかも手をいれなけばならぬと言うのにー!?」

 

「………チッ…………」

 

「おらぁ!トリ公!馬車馬が如くに走れ走れー!」

 

「御子様!私が引っ張るのは構わないのですが!あなた様も引っ張って下さい!」

 

白組も赤組同様に相棒を呼んだりしているが、その勢いは赤組よりも弱いのであった。

 

「くっ…このままでは持ってかれるっ!出し惜しみはしないでくれ!」

 

「そういう委員長殿もまだ力を隠してるのでは?」

 

クライヴがそう言うと近くにいたバイパーが細目でクライヴを見つめてそう言った。

 

「俺がか…?!俺はこれでも全力で!」

 

「…自覚ナシか、ならば!」

 

「待て、バイパー…また姫様をダシにしようというのか?」

 

そしてバイパーが懐から何かを取り出そうとしたが、その手は暗く燃えているようなゲオルグに睨まれて動けなくなっていた。

 

「…なっ…何の事だ…?」

 

「………。」

 

「ぐっ…分かった…」

 

バイパーは溜め息をついて再び綱を引きはじめた。

 

「出し惜しみ…やるしかないわね!」

 

そして白組の中にピンク色の髪と眼の少女パルメが意を決したように綱を握る手を離し、最後尾に着いたのであった。

 

「よしっ!ハァァァ!!」

 

パルメはピンクと虹色に輝くオーブを掲げると、そこにはパルメという少女の姿は無く虹色の翼を持った巨大な白鳥が姿を現したのだ。

 

「よーし!この姿なら本気でやれるわ!」

 

パルメの声がハウリングしてるように白鳥から出ていた、そうこの白鳥はパルメである。

 

そしてパルメはその嘴で綱の端をつまみフワリと飛んだ。

 

「行くわよ!」

 

そしてパルメがクイッと首を引くと綱もそれを引いてる生徒らとクジャタは軽く引き上げられ、もろとも白組の陣営に引き上げられたものが落ちたのであった。

 

「あら?ちょっとやりすぎちゃった…?」

 

「決着ー!綱引きは白組の勝ちよー!」

 

こうして白組が勝ち3対3とまた同点となった。

 

「そんじゃ赤組の方で引いてたクジャタは片付けと次の準備したら下がってねー?」

 

「ッッ。」

 

赤組の方にいたクジャタは赤組のメンバーに一礼すると、白組の方でのびてるクジャタを叩き起こして片付けと準備しその場を去った。

 

 

 

 

「みんなー!実はもう次で最後みたいだから頑張んなさいよー!最後は借り物競争よ!」

 

「ルールは一回につき各組は二名から五人まで参加できての最大三回勝負よ。それで始まったらそこの箱まで走ってちょうだい!」

 

箱とはクジャタらが用意したのであり、校庭にあるスタート地点とゴール地点の合間に置かれてあった。

 

「そんで着いたら代表一名が中の紙を引いてもらって、そこに書かれてる者を持ってきてゴールしてちょうだい!あと妨害はナシね!」

 

そして暫くして参加者が決まり、始まろうとしていた。

 

「そんじゃ第一陣!行ってらっしゃーい!」

 

競技が始まりまず第一走者群が走り出した。

 

赤組はエシリアにヤマネにアリエッタにエクルの四人であり、白組はライライとサワワにツユハであった。

 

「さぁ!みんな元気良く走り出したわね!おっと!先に着いたのは赤組ね!」

 

そしてエシリアがひょいと箱から紙を取り出して他の三人に見せた。

 

「なになに?!見せて見せて!」

 

「わははは!私も私もー!」

 

「エシちゃん!私にもー!」

 

「それにしても元気なチームね…こっちが疲れちゃうかも…。」

 

キャトラがそうぼやくと白組の走者も箱にたどり着いてツユハがそれを開いた。

 

「ケロケロ…どれどれー?」

 

「何でしょうか…?」

 

「面白いのだといいなー?」

 

「えーと…『大笑いのヴィルフリート』?」

 

白組の紙にはそう書かれており。

 

「んーと…『女装が似合いそうな男の子』だって!」

 

そして赤組の紙にはそう書かれていた。

 

「…ねぇ!じょそうって何?!」

 

「んーと…耳かしてねゴニョゴニョ…」

 

エクルが呆けた顔でエシリアに尋ね、エシリアはエクルに女装の事を教えた。

 

「へー!そうなんだ面白いねー!」

 

「でしょー!」

 

「それでどうするのー?」

 

「えへへー思い当たる子いるんだー!」

 

エシリアがそう言うとバーっと駆け出して他の三人もそれに付いていった。

 

「それにしてヴィルフリート先輩の大笑いですか…難易度が高いですね…」

 

「その通りだな…」

 

そして白組の参加者は難儀していて、サワワが頭を抱えてるとヴィルフリートが三人の側に立っていたのであった。

 

「わぁ!ビックリしたー!いたんだー!」

 

「うむ、呼ばれた気がしたのでな…」

 

「ケロ…だったら笑わせちゃおー!こちょこちょー!」

 

するとツユハは何を思ったのかヴィルフリートの脇やら横腹をくすぐり始めた。

 

「わーい!こちょこちょー!」

 

「…ええっと…こちょこちょー…?」

 

そしてライライはノリノリでそれに参加し、サワワは少し戸惑いながらも参加したのであった。

 

「何の真似だ?」

 

「ケロケロ、これ見て。」

 

ツユハくすぐりながらもヴィルフリートに先ほど引いた紙を見せたのであった。

 

「うむ…成る程な…だがこのような方法では我を笑わせるとこは出来ぬぞ?」

 

「ええー!?笑ってよー!でないと白組負けちゃうよー?!」

 

「確かに我も白組で仲間だ、だが偽りを用いて得た勝ちには意味は無い。」

 

「そうですが…」

 

「見てみろ…」

 

ヴィルフリートの指差す方には赤組の陣営があり先ほど駆け出した四人がおり、一人の男子を追いかけていた。

 

 

「ヨッシュアちゃーん!待って待ってー!」

 

「待てないよ!エシリアちゃん!」

 

「待て待て待って待て待ってー!」

 

「そんなに言っても待てないよ!!」

 

「わははは!追い込め追い込めー!」

 

「面白いぞー!囲え囲えー!」

 

「何で僕がこんな目にー!?カティア様ー!」

 

ヨシュアは四人を引き連れ教師などがいるテントへと逃げ込んだ。

 

「おっほ?ヨシュアに…その他諸々達?」

 

「あれ?お兄ちゃん?」

 

そしてそこにはヨシュアの妹のミレイユと、ヨシュア兄妹の保護者でもあるカティアがいたのであった。

 

「んーとね…取り合えず言っとくけどドーピングを頼みに来たのなら諦めなさい、ちょっと興味があるけど駄目だからね?」

 

「カティア様違います!何故か追われてここに逃げてきて…!」

 

「あらそうなの?んで元気溌剌四人娘ちゃんらは何でヨシュアを追っかけてるのかしらん?」

 

「んーとね、ゴニョニョニョニョ…」

 

四人がそう問われるとエシリアはカティアの耳に囁くように答えた。

 

「おっほ…これはこれは…!」

 

「何なんですかカティア様?」

 

それを聞いたカティアは恍惚な表情を浮かべ、ミレイユは怪訝そうな顔で尋ねた。

 

「んふふ…ミレイユ、耳っ耳。」

 

「あっ、はい…。……えっ?!」

 

そしてミレイユもそれを聞き、驚き嬉しそうであった。

 

「そんじゃ…ヨシュア、諦めなさい。」

 

「え?」

 

こうしてヨシュアはいつの間にか後ろに回っていたミレイユによって羽交い締めにされていた。

 

「ミレイユ?!どうしたんだ?!」

 

「ごめんね…お兄ちゃんでもね私も見てみたいの…」

 

「みっ…見たいって何を?!」

 

「あら?まさかヨシュア、何も知らずに逃げてきたのかしらん?」

 

「そっ…そりゃ、エシリアちゃん達がこっちに猛ダッシュで向かってくるから…逃げるしかありませんでしたし…」

 

「ふふーん…耳かしなさいー。」

 

困惑するヨシュアにカティアは嬉しそうな顔で耳打ちした。

 

「えっ…そっそんな理由で…?!」

 

「そうよ、さぁ諦めなさい。」

 

「まっ…待って下さい!それじゃ何でミレイユが僕を羽交い締めにしてるんですか?!」

 

「私もね…いきなりそんな事をするって聞いて最初は驚いたけど…お兄ちゃんの女装なら少し見てみたくって!」

 

「ミレイユー?!」

 

「そんじゃカメラも準備できたし…そうね画像だけじゃアレだし動画も撮っておこうかしら?」

 

カティアはルーンビデオカメラを用意したのであった。

 

「それじゃ!助手五人達!撮影開始よ!ほいぷすりー」

 

「うわっ?!か…体が…?!」

 

そしてカティアはヨシュアに何かを打ち込み、ミレイユら五人はヨシュアを着せ替え始めた。

 

「やっ…やめろー!ミレイユー!!」

 

「お兄ちゃん…お兄ちゃんはホント可愛いね…」

 

「うっ…うわぁぁぁぁ!!!??」

 

 

そうしてそんな情景を一部始終を見てきた四人らは再び相対した。

 

「たっ…大変ですね…」

 

「それほど真面目に取り組んでるものだ、それより中々…」

 

「笑うの?」

 

「…否、笑わせるのは某らだろう?さぁ…来いっ!」

 

「来いっ!…と言われましても…」

 

「だったら私が行くねー!」

 

一番手はライライが行くことになった。

 

「えっーと…雷とかけましてー草原と解くね!」

 

「ほぉ…その心は…?」

 

「…。」

 

「…。」

 

「…。」

 

「…。」

 

……。

 

「…わかんない…?」

 

「…ほぉ…それで?」

 

ヴィルフリートはライライを一瞥すると、他の二人を見たのであった。

 

「えっと…巻物には…書いてませんね…」

 

「ケロケロ…分からないよぉ…」

 

「…その心はな…どちらもゴロゴロ出来るから、ではないのか?」

 

そしてヴィルフリートは見るに見かねて代わりに答えたのであった。

 

「んー…それじゃそれで!」

 

「駄目だな…これは一度鍛えた方が良いかもしれぬな…そこに直れ!」

 

「「「はっ…!はいっ!?」」」

 

こうして三人はヴィルフリートによって笑いとは何かについて講義を受けさせられたのだった。

 

 

そして暫くして…校庭には歓喜歓声が溢れかえっていたのであった。

 

「おっほー!!可愛いわー!ヨシュアー!きゃー!!」

 

「カティア様…やめて下さいよ…」

 

その中心にいたのはヨシュアであった、だがその姿は虚ろな眼をしてウェディングドレス姿で引きずられるように歩かされていた。

 

こうしてエシリア達はそのままヨシュアと共にゴール地点へとたどり着き、第一走者の戦いは赤組が勝ったのであった。

 

 

 

「何か色々あって時間かかっちゃったけど、第二走者!行ってきなさーい!」

 

続いて第二走者群が走り始めた。

 

走者は赤はシズクにイサミにエスメラルダで、白はメイリンとハオだけであった。

 

「全く驚かされますね…一陣目は落とすと見込んで編成されたというのに…」

 

「いいじゃない、これで勝ちを掴めばその場で勝ちが決まるものだしね。」

 

「でも油断は許されませんね、相手はたった二人と言えども兄妹で息は合致してるはず。」

 

「ええ…油断せずに行きましょう。」

 

そして赤組の走者は箱にたどり着き、紙を取り出した。

 

「何かしら…?奈良漬け…?こんなんでいいのかしら?」

 

「奈良漬けならシャオフー先生が漬けていたの見たことがありますね。」

 

「よしっ、それでは向かおう!」

 

こうして三人はシャオフー先生の所に向かい、無事に奈良漬けを貰ったのだが…

 

「だーっはっはーこりゃ最高だねー!」

 

「そいりゃね!とっーても美味しいわぁ!」

 

「えぇ…?」

 

貰ったのち、少し少し摘まんで食べているとイサミとシズクは奈良漬けに含まれていた酒粕の中にある微量なアルコールに酔ってしまったのだった。

 

「ふぁぁ…なんらか眠くなりゃったらーzzz…」

 

「ちょっと?!寝ちゃ駄目でしょ?!起きてよ!」

 

「なんりゃ?!また板が何いってらぁ?!」

 

最中ピキッと音が響いた。

 

「…今なんて…?」

 

「あらぁ~まぁら板だよぉまな板ぁー!あっはっはー!」

 

「もう怒ったっ…!こっちに来いや酔どれ共…!」

 

そして二人はエスメラルダに引き連れられて何処かに行ったのであった…。

 

「何でしょうか…?赤組の三人が見られれませんね…?」

 

そして残ったのは白組の走者のハオとメイリンだけであり、既に彼らの手には紙に書かれていた物のお年玉のルーンが握られていた。

 

「こんなものまだ残っていたんですね…。」

 

「まぁ…ゴールドは事足りてるみたいだし、これより多く持ってるイベントルーン売却の方がいいからね。」

 

「流石お兄様です!」

 

「ハハハ…それじゃ早く行こうか?」

 

「ハイッ!お兄様!」

 

そう言うと二人は走り始めたがメイリンが先に進み、ハオはかなり遅れていたのだあった。

 

「お兄様?どうしたんですか、まだ力をセーブしてるんですか?」

 

「えっ…」

 

「お兄様は神気解放できるし…それで何か特別なスキルを持ってる筈では…!」

 

ハオが何か弁明しようとするが、それを遮るようにメイリンが言葉を重ねた。

 

「いや…そんなに変わってないし、そんなに仕様は変わっては…」

 

「そんなはずは無いです!ハオ兄様のファルコンエッジは城壁を意図も容易く打ち砕けると…!」

 

「何その話…」

 

「これはおかしいです!俗に言う獏の陣たやらですか?!」

 

「いや…そんな策は知らないけど…。メイリン今は競いあっているんだ…!早くそれをゴールへと…!」

 

「はいっ!分かりましたお兄様ー!」

 

ハオにそう言われたメイリンは言葉を残して風の如くゴールへと着いていたのであった。

 

「…兄に勝る妹…か…」

 

ハオはそうぼやきつつゴールをくぐり、第二走者の戦いは白組が納めたのであった。

 

 

 

 

「次でファイナルよ!並びなさいー!」

 

いよいよ最後となり、勝ったものが優勝となる状況になった。

 

「ここまで来たら勝ちたいものね!」

 

「えぇ、まぁ頑張りましょう。」

 

「ウィ!最後までターバディユーでござるよ!」

 

「ちょっくら本気でも出しますかねぇ?!」

 

赤組はフランにコリンにカスミにメアであり。

 

「むぅ…彼女らか…」

 

「どうしたやりにくいのか?」

 

「確かにそうだが、それでも全力で立ち向かうさ。」

 

「にしても…お前がいると何か起こりそうで怖いんだよな…」

 

「して欲しいのか?」

 

白組はクライヴにゲオルグにバイパーにオズマであった。

 

「いや、勘弁するぜ…!」

 

「そうか…」

 

バイパーは少し残念そうな顔をした。

 

「そんじゃ最後はきばんなさいよー!行ってこーい!」

 

キャトラの合図によって赤組と白組の走者は走り出し、それぞれ同じタイミングで到達した。

 

「ゲオルグ殿!中は…!」

 

「コリン殿!何と書かれていたでござるか?」

 

そして同じタイミングで紙を引き抜き、そして…

 

「「「…。」」」

 

「「「…。」」」

 

同じタイミングで二組とも絶句したのだった。

 

「へぇ…。」

 

「ほほぉ…。」

 

ただし二名は除く。

 

「どうしたのー?止まっちゃ競技にならないじゃなーい!おーいー!」

 

キャトラがマイクを使って呼びかけるものの、二組とも反応が無かった。

 

「…なぁバイパー…お前が仕掛けたんじゃ…?」

 

「何を言うか、俺ならもっとサムかっこよいのをだな…」

 

「そうだとしても…そうでなくても、こんな指令…受けるわけ無いだろう…!!」

 

白組のゲオルグの手にある紙には『猫耳を着けた上でメイド服を身に纏い、にゃんにゃんと四人で行進してゴールする。』と書いてあったのだ。

 

「格好ならともかく…にゃんにゃんは…!」

 

「あぁ…それは流石に姫様の命令でも受けたくはない!」

 

「同感だ…お前は…」

 

「ん…?何だにゃん?」

 

バイパーの格好は既に猫耳を着けメイド服を身に纏った姿であった。

 

「いや…何でもない…」

 

ゲオルグ達が書かれた指令に苦しい顔をする中、バイパーを見たオズマは一瞥したのちに頭を抱えた。

 

 

一方赤組の走者らは箱の前から移動して赤組のメンバーがいる箇所に移動しており、その組の名の通りに赤くなっていたのであった。一名を除いて。

 

「どっ…どうするでござるか?」

 

「んー?指示通りにすりゃいいんじゃないのー?」

 

「そうだけど…こんなのって…」

 

「…こっ…困るわね…」

 

彼女らの真ん中にある紙には『気になるあの子をお姫様抱っこで運んでくる!(参加者各員)』と書かれたのであった。

 

「んーちなみしアタシはもう決めてるんだよねー?」

 

「だっ…誰よ?!」

 

「んふふ…まぁ皆もご存知な感じかなー?」

 

「(皆がご存知…)」

 

「(もしかして…)」

 

「(シショー…?)」

 

コリンのヒントに三人はおそらく同じ人を浮かべたのかもしれない。

 

「そんじゃ行ってきますわー」

 

三人はそれを止められずにコリンは人混みへと隠れたのであった、そして暫くしてコリンは戻ってきた。

 

「お待たせー!」

 

意気揚々と帰ってきて連れてきたのはコヨミであったのだ。

 

「えっ?!何でコヨミちゃん?!」

 

「何でって気になるからって書いてあったでしょー?」

 

「そうだけどコヨミちゃんは女の子で…!」

 

「別にいいんだよー?ほらほら、ここ見てみそ?」

 

コリンが指差すのは先ほど取った紙の下の部分であり、よく見ると小さく何か書かれていた。

 

「何々…?『ちなみに気になる子は同姓も可。』ですって…!」

 

「…!そっ…それなら苦肉の策だけどフローリアを…!」

 

メアがそう読み上げると、苦しい顔で駆け出した。

 

「待ってカスミ!まだ何か書いてあるわ…!えーっと…『ただし同姓でも可は、一組のみとする。』…だって…!」

 

「ええっ?!」

 

だがその後のメアの発言でカスミはその場に踏みとどまった。

 

「だっ…だったらどうすれば…?!」

 

「んー…知んね?まぁアタシらは先に行くねー?」

 

コリンはそう言い慌てる三人を残し、コヨミを抱えてゴールへと向かった。

 

「おやおやー?先客がいるみたいだねー?」

 

「にゃぉん?コリンにコヨミをかにゃん?」

 

そしてそこには猫耳メイド服で猫になりきってるバイパーがいた。

 

「あっ!バイパーにーに可愛いね!」

 

「ふっ…照れるにゃん…」

 

バイパーは髪をかきあげ、尻尾をぴょんとして少し照れた。

 

「いいなーコヨミもそんなの着てみたいなー?」

 

「これを渡すいくわけにはならにゃんし…これが終わったら小さくしてしてあげるにゃん。」

 

「ホント!ありがとバイパーにーに!」

 

「ふっ…俺の裁縫技術はミシン級だぜ?!」

 

「いや…それの例えは少し…」

 

「それより…そっちのメンバーも難儀してるのかにゃん?」

 

「まぁ…そうだね、そっちはそんな格好をあの人らが着たいとは思えにくいし。」

 

「んで、そっちは?」

 

「んぁ?あぁ、気になる子をお姫様抱っこで持ってこいって感じかなー?」

 

「…コヨミとは同性だろ…まさかキマシ…」

 

「いや、そうじゃなくてね。一人のみ同姓は可なんだよねー、それを利用したわけ。」

 

「そうか…まぁそうした方が面白いからにゃ。」

 

「そりゃそうだよ、悶々と悩む仕草は堪らないねー?」

 

「写真に収めたいぐらいだな。」

 

 

そして…バイパーとコリンがゴールしてから数分後…

 

 

「おーい!さっさとなさーい!何時まで固まってんのよー!?」

 

二組とも先程から動きが無く、状況は変わらずであった。

 

「ぎにゃー!!もー!こーなったらー!って?!ぎにゃー?!」

 

キャトラが身を乗り出して介入しようとすると、衝撃と爆煙が校庭を響かせた。

 

「なっ…何よー?!」

 

キャトラだけでなく会場の生徒・先生やらがその視線を爆煙の発信源に集めた、何とそこには…

 

 

ハンバーガーが鎮座してたのであった…。

 

 

「えっ…?何で…?新手のデリバリーサービスかしら?」

 

「おい、そこの…」

 

「えっ…?何?誰かしら?」

 

キャトラが辺りを見渡すものの、キャトラはその声の発生源が分からないのであった。

 

「そこの猫…いや、トイ!」

 

「トイって…しつれーね!私にはキャトラって名前が…!」

 

「おいっ!」

 

「何よ…ってぎにゃー?!動いたー?!てか喋ってるー!?」

 

そしてキャトラは戦慄した、目の前の光景に。そう目の前には先程のハンバーガーがサングラスをかけてこちらに歩いてやって来ていたのであった。

 

「何よアンター?!何なのよー!?ぎにゃー!」

 

「あぁん?俺か?俺はバーガーだが?」

 

「見りゃ分かるわよー!!」

 

ちなみに彼の名は言うとおりにバーガーであり、バーガーでバーガーである。

 

「それより!あんたは何?乱入者?!それとも…」

 

「おおっとそこまでだ!ポテトミサイル!」

 

「ぎにゃー?!!」

 

キャトラが怒り大口を開けた一瞬を突き、バーガーはその口にポテトを沢山ねじり入れたのだった。

 

「ふっ…俺の前ではそんな文句やクレームは言わせねぇ…俺の前で口を開いて良いのは食べる時だ!」

 

「モッ…モゴゴー?!(くっ…食うかー?!)」

 

「さてと…。」

 

そしてバーガーは放送席に来るとマイクを取り、トマトの部分に近づけた。

 

「あーあー…よしっ!おおぃ!この中に俺を注文した奴は居るかー?!」

 

その声は校内に響き渡ったが、誰もそれに反応しなかった。いや反応したくなかった。

 

「ふむ…どういうことだ、オーダー先は茶熊学園で間違いない筈だ…なのに注文者がいないとは…?」

 

バーガーはマイクを投げ捨てるとポテトを一本取り出して煙草の如く吸った。

 

「なら…前々からの計画を実行するか…!バーガー学園化計画をな!」

 

そう言うとバーガーはパンズの上にナゲットを置き、ポテトを数十本持ち出した。

 

「喰らえー!もとい食らえー!!」

 

そしてバーガーは装備されたポテトとナゲットを斉射し、それらは茶熊学園の生徒や先生の口を無差別に襲った。

 

「これが飯テロだ!」

 

「そんなのは飯テロですらない!」

 

「…!」

 

「この様な事を平然と…堪忍袋の尾が切れた!容赦はせん!」

 

そんなバーガーの前に立ち塞がったのはクライヴにRASNとゲオルグであった。

 

「ほぉ…見たところやるな…!だが俺を食えるかな?!」

 

「ゲオルグ殿!行くぞ!」

 

「あぁ!RASNは救助と避難を頼むぞ!」

 

「…!…!!」

 

「あっ!はい!ガルボート参ります!」

 

そうして風紀委員と生徒会対バーガーが始まった…!

 

 

そんでもって夕暮れ時になりバーガーとの戦いは裏山へと移り、校庭はポテトやナゲットが刺さったりシェイクやジュースがこぼれた更地へと変化していた。

 

そしてそこに熊が一頭、茶熊学園の校長たるカムイがやってきたのだった。

 

「やー!鮭に釣られて来たら何やら戦闘に巻き込まれて私、本能覚醒しちゃいましたよー!はははー!って?あら?!」

 

カムイは目の前の更地を見て驚愕したのだった。

 

「むぅ…これは整備が大変かなー?まぁいっか!それよりそろそろ頼んだバーガーセットが来ないかなー?」

 

そう言いカムイはその場を去った…。

 

 

-茶熊学園 裏山-

 

「ぐっ…」

 

「ぬぅ…!」

 

裏山には未だバーガーと戦うゲオルグとクライヴがおり、共に満身創痍であった。

 

「ふっ…どうした?まだやるか?」

 

一方バーガーはパンズが少し欠けているぐらいであった。

 

「このままでは…」

 

「あぁ…負ける!」

 

「…悪いが俺はお情けで加減するほどバーガー挟んじゃいねぇ…覚悟してもらうぜ!」

 

そしてバーガーそんな二人にポテトの槍を構えて向かったのだった。

 

「グッ…姫様申し訳ありません…!」

 

「ソフィ殿…シャロン殿…エクセリ…ぐぉわ?!」

 

それに対しクライヴは思い残すことを言おうとしたが、最後まで言えずにゲオルグの裏拳で沈んだ。

 

「真心を胃のなかにー!のわぁぁ?!!」

 

ゲオルグの口にポテトを入れようとしたバーガーは突然と吹き飛ばされた。

 

「何っ?!」

 

ゲオルグの眼前にはマイが立っていたのだった。

 

「ふふふっ…ハンバーガーね?」

 

「ふっ…お嬢さんも俺をお求めかい?ならば注文でも…」

 

「…せいっ…!」

 

だがバーガーが言い終わる前にマイはその拳をバーガーに向けたのであった。

 

「ぬぉっ?!いきなり何しやがる!」

 

「ふっ…ふふふっー…」

 

バーガーが寸での回避をして難を逃れたが、マイは笑いながら追撃してきたのだった。

 

「御代わり如何ですかーー?!」

 

「ぐぅぅ!!結構だ!ここは一時撤退だー!」

 

バーガーはマイの気迫に圧されたのかその場から去った。

 

「くっ…やるじゃねぇかライスガール!次はライスパンズで挑むきゃねえか…!」

 

「まぁ、次はそんなミスは…ぬわー?!」

 

逃げるバーガーは急に倒れた、その頭のパンズを食われた跡の様に削られて。

 

「ちぃ…!何者だ!?」

 

「…ジュルル!」

 

そしてバーガーの前にはガブリーが舞い降り、バーガーのことを凝視していた。

 

「はっ!今度はリトルガールか?!俺を食おうなんて百年早…ごわぁぁ?!」

 

またバーガーが言い終わる前に遮られ、バーガーはガブリーに押し倒された。

 

「ジュルル…!ハンバーガー…!ガブリンチョ!!!」

 

「ぐぉぉ?!食われる?!俺が食われるー!!でもありがとー!」

 

そしてガブリーはバーガーを食ったのだった。

 

 

こうして茶熊学園で行われた運動会は謎のハンバーガーの乱入により結果はお流れとなった。

 

そして暫くは購買のハンバーガーの類が売れなくなったり謎のハンバーガーがたまにやって来るようになったとか…

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