奥さん、貸した金が払えないなら身体で払ってもらおうか! 作:筆先文十郎
『この放送は『死ねば助かるのに』、『狂気の沙汰ほど面白い』
「すばらしいわ」
『来週は怒りの美少女戦士ヴァイスバスター~引き裂かれる聖なる衣~をお送りします』と次の番宣になったところで深雪はテレビのスイッチを切った。その顔には微笑が浮かび上がっていた。
「でも甘いわね」
微笑から一変。少し悲しげな瞳を浮かべて、続ける。
「たこ焼きや揚げ春巻、肉まんも悪くないけど……こう言う時は、大概おでんの大根を用意するものよ。熱々のおつゆを染み込ませた大根をゆっくりと近づけ、湯気とあのこげ茶色に染みる大根を見せ付けることで恐怖心をあおる。その効果は絶大だわ。もし目隠しした状態でそれを近づけたら熱気だけで漏らしてしまうくらいに。それを知らない所を見ると、このシナリオを書いた脚本家は熱々おでん大根を味わったことがないようね(リアクション的な意味で)」
フッと苦笑を漏らし、深雪は続ける。
「あと私なら敵幹部をもう一人増やして太めの布ゴムパチンコをシャイニングピースに咥えさせるように提案させるわね。あのゴムが徐々に伸びていく緊張感。いつ自分に向かってくるか分からない恐怖。これによって視聴者の『清らかな美少女がリアクション芸人のように痛がる』という
深雪は顎に手を置いて思案する。
「それと目隠しをして近くで焼肉をするというのも面白いかも……。熱く熱せられた鉄板の近くに立たせて肉がジュージューと焦げる音を聞かせる。……コップの水を垂らして蒸発する音を聞かせるというのもいいわね。それによって目隠しされた美少女に『この鉄板の上に立たされるのではないのか?』という恐怖を抱かせる。その姿を想像するだけで……あぁ、ご飯三杯はいけそうだわ!」
自分の想像に深雪は思わず自身の肩を抱く。
深雪さ~ん! 準備ができました! すぐにスタジオに来てください!!
スタッフの呼びかけに深雪は大きく深呼吸をしてドアに向かった。
子どもだろうが老人だろうがいじっていじっていじりまくることで有名なお笑いコンビ、タウンダウンにいじられ倒されるために。
この『奥さん、貸した金が払えないなら身体で払ってもらおうか! 』を書くと幽☆遊☆白書のキャラクター、鴉のあるセリフを思い出します。
「好きなものを殺す時…“自分は一体何のために生まれてきたのか”を考える時のように気持ちが沈む。だがそれがなんともいえず快感だ…」
私も何を書いているんだろうと気持ちが沈みます。だけどそれがなんともいえない快感なんですよね汗。
あと深雪の私ならこうさせるというセリフは読者の方の感想を参考にさせてもらいました。この場を借りてお礼申し上げます。