奥さん、貸した金が払えないなら身体で払ってもらおうか! 作:筆先文十郎
僕の名前は
瞑は頭は決して良いとは言えないものの、いつも笑顔で周りを明るくするオーラを放ち、多くの者に慕われ、可愛がられていた。
また外見もいい。肌は透き通るように白く、丸い小顔の中で、まるで隙だらけみたいなかわいいタレ目が見る者の気持ちを穏やかにさせる。
ちょっと低めにも見える鼻筋も愛嬌がある。小さくてぷっくりとした唇も、普段彼女が見せる笑顔のために存在しているかのように自然で、惹きつけられるチャームポイントになっている。
背中まである黒髪は絹のように美しい。
また彼女はスタイルもすごかった。
170センチほどの長身に加えて、モデルのようにすらっとした長い脚。キュッとくびれた腰の細さ。そして視点を上に向ければ、着ている服のボタンを弾き飛ばして飛び出てくるのではないかと錯覚し、歩けばゆっさゆっさと揺れているのが分かるほど大きく膨らんだ胸元は、多くの男達の視線の的となっている。
バストとウエストの凹凸の激しさは日本人離れしており、すれ違えば誰もが振り返るような抜群のプロポーションである。
顔やスタイルだけではなく、誰にでも等しく接する明るい瞑。僕にとって自分の命よりも大事だと言える瞑。
そんな大事な彼女は……いま目の前で苦しんでいた。
190センチ近くある、縦にも横にも大きい男が瞑の肩を掴むと、見た目通りのバカ力で瞑を地面に叩きつけたのだ。
「うぅ……」
今すぐにでも立ち上がろうとする瞑。しかしそれよりも早く、男は瞑に覆い被さる。
「うぅ……! くぅ……!」
男をはね除けて逃れようと必死にもがく瞑。しかし男はその抵抗を楽しむかのように小さく笑うと、瞑を遥かに上回る体格と体重で彼女の抵抗を押さえつけていく。
「くぅ……! この、このぉ…………」
それでも諦めず必死に動いて押さえ込む男から逃れようと粘る。しかしとりもちのように瞑に絡み付きながら押さえ込む男に、瞑の体力はみるみる奪われる。そして抵抗する意思も、体力も失われたその時。
ピィーーーッ!!
電光掲示板からけたたましい電子音がなった。
「そこまで!」
決着を告げる審判の合図に、男はゆっくりと瞑から離れて少しだけ着崩れた胴着を直す。
瞑も肩で息をしながら乱れた胴着を直し、さきほどまで自分に覆い被さっていた男と向き合うように礼をした。
こうして瞑の男女混合無差別級柔道大会は一回戦で幕を下ろした。僕は自分の命よりも大事な彼女が寝技で一本取られるのを、ただ黙って見ていることしか出来なかった。
お詫び
サブタイトルが『僕の目の前で彼女は寝技で一本取られる』が正しい所、誤って『僕の目の前で彼女は寝取られる……』と投稿してしまいました。
謹んでお詫び申し上げます。