奥さん、貸した金が払えないなら身体で払ってもらおうか!   作:筆先文十郎

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とある女性が初めて東京を訪れた時の恐怖の記憶。


ヘヘヘ、安心しろ。すぐに楽しい所に連れて行ってやるからな~屈強な男たちに突然拉致された私~

 あれは私が16歳の時に起きた忘れることのない……夏の思い出。

 成人してどこにでもある中小企業に就職しそこで出会った男性、後に夫となる人との間に子どもが出来た今でも忘れることの出来ない……夏の思い出。

 

 10年前。8月。

「スゴい! これが東京なのね!!」

 この日のために両親から「末の妹だからってお姉ちゃんや近所の子のお下がりじゃお前も嫌だろう」と買ってもらったお気に入りのワンピースを着て電車やバスを乗り継ぐこと数時間。電車から見える光景に私は感激してました。

 田園や緑豊かな山々が見飽きた私にとって、生まれて初めての東京観光に私は浮かれていました。この時何者かが私に気づかれない距離で私を(うかが)っていたことに気づかないほどに。さらに運悪く私は色々な所を探索していくうちに人通りの少ない脇道を歩いていたのです。

「あれ……ここは? ッ!?」

 気づいた時には私は後ろから羽交(はが)()めにされた上に口を塞がれてしまいました。

「あれ、もしかして初めて東京(都会)に来た田舎者(お上りさん)かな?」

「だとしたらお嬢ちゃんが悪いんだよ」

「一人でこんな脇道(場所)に入り込んだんじゃ僕たちみたいな悪い奴に『(さら)って下さい』って言っているようなものだよ」

 何が何なのか理解することができない私に浴びせられる嘲笑(ちょうしょう)

 

「ヘヘヘ、安心しろ。すぐに楽しい所に連れて行ってやるからな」

 

「……は、はい…………」

 目の前に現れたリーダーらしい強面(こわもて)の男が、罠に()まった野ウサギを見る猟師のニヤニヤと笑う姿に、私は身体の奥底から震えるしかありませんでした。

「連れていけ」

「へい」

 恐怖で誰かに助けを求めようと叫ぶということさえ忘れた私を、男たちは手慣れた様子で車に連れ込みました。

 

 

 

 その後私は屈強な男たちに連れていかれ車に乗せられるとそのまま都内を観光。当時流行している服や靴、バッグなどを買ってもらいショッピングを楽しんだ後にドームで選手達がよく見えるVIP席へと案内され野球観戦。その後ミュージカルを楽しんだりディナーに舌鼓(したづつみ)をうったりした後に新幹線グリーン席のチケットを渡され東京駅で降ろされました。

 実家に帰るとすぐに「初めての東京はどうだった?」と両親に聞かれましたが、事情をどう説明すればいいのかわからず両親には「東京観光、楽しかったよ」としか言っていません。

 

 

 

 あの夏の体験は一生忘れることはないでしょう。楽しかったという意味と男たちは何がしたかったのかという二つの意味で。




いやあ、とうきょうはこわいところだな・・・・・・
(何でこんな話思いついたんだろう……)

投稿した後に気づいたのですが。東京って市内なのでしょうか?そう思って市内→都内に変えました。
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