奥さん、貸した金が払えないなら身体で払ってもらおうか! 作:筆先文十郎
田中製薬会社のVIP専用応対室。
「お待ちしておりました。
薄暗い部屋に杖をつく老人が入室する。政界にも大きな影響を与えるVIPを、田中製薬会社会長の孫に当たる腹の出た三枚目研究員の
「海一郎くん。
枯れ木のようなヨボヨボの身体をしながら目だけはギラギラと獲物を狙うような猛獣のような光を放つ老人が、目の前の醜悪な男に尋ねる。
「えぇ。最上様が多額の融資をしてくださるおかげで。今回の
「ふふっ、聞いているよ。
極秘中の極秘の情報を目の前の老人が知っていたことに、研究者は少しだけ驚いた。
「さすが最上様。そんなことまで知っておられるとは」
そう言って男は異性が見たら逃げ出しそうな醜悪な笑みを浮かべる。
「最上様のおっしゃるとおりです。ちょうど良い所に極上の実験体がきまして。おかげで今回のような商品が出来ました。まあ、やりすぎて
「いやぁ、海一郎くん。
「ええ、まったくです!」
ハハハッ!と二人は聞くに
「それじゃあ、海一郎くん。さっそく
よだれを垂らす勢いで老人は研究員を
「まぁまぁ、最上様。
そう言いながら研究員も自身が手がけた
「では最上様。これがこの田中海一郎が作り出した
そう言って男は布を思い切り引っ張った。
「おおぉっ!これは!!」
目の前の現れた
「どうでしょう、最上様。この海一郎が開発しました……全身マッサージチェアは!」
「素晴らしい!素晴らしいよ、海一郎くん!!」
人一人入れそうな巨大なガラスケースに入れられた黒く艶やかな光を放つマッサージチェアに、老人は目を輝かせる。
「どうですか?このマッサージチェアは!この見る者全てを
「そんな御託はいい!さっさと使わせてくれ!!」
老人の願いに男はマッサージチェアをガラスケースから取り出す。
喉から手が出るほど望んだマッサージチェアに座った老人は、天にも昇るような
お詫び。
間違えて『天才・涅マユリの秘密道具』に投稿するはずだった『新章第一話 葛原粕人、二番隊に異動される』をこちらに投稿していました。
この場を借りてお詫びします。