仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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仮面ライダーパラドクス パラドはプロトブレイブの変身者であった霧島を過去に見たことを思い出す。幻夢VRを使うことで自分が仮面ライダーパラドクスのプロトタイプ 仮面ライダープロトパラドクスとして戦っていた日々の記憶を遡ることになるが…!


仮面ライダーパラドクス&プロトスナイプ
第1話「Virtualな過去へ!」


「「超協力プレイでクリアしてやるぜ!」」

 

 

-マイティダブル クリティカル ストライク!-

 

 

仮面ライダーエグゼイド ダブルアクションゲーマー レベルXX Rの俺は右側から、レベルXX Lの永夢は左側からソルティにキックを食らわせる。レベルXに戻って敵を打ち上げ隙が出来た瞬間に再びレベルXXに戻ってマイティダブルクリティカルストライクを叩き込むぜ!

 

 

「ぐあああ!!!」

 

 

-ゲームクリア-

 

 

やったぜ!やっぱり永夢と一緒に遊ぶのは楽しいぜ。

 

 

「お疲れさま、パラド!久しぶりだったけど大丈夫だった?」

 

「仮面ライダークロニクルが終わってからバグスターがあまり出なくなったからな。でも俺は相変わらず最高のコンディションだぜ。」

 

 

俺、パラドは永夢のもう1人の人格 天才ゲーマーMだ。永夢も俺の調子の良さはわかっているはずだがドクターであるからかやたら俺の体調を気にしてくれる。俺はウイルスなんだから人間とは違うんだがな。

 

おそらくゲムデウスクロノスを倒すためにドクターマイティXXガシャットを使ったことをまだ気にしているんだろう。再び培養した俺はもうドクターマイティXXの影響は受けていないって何回も言ったのに。

 

永夢は人間もバグスターも同じ命として等しく扱ってくれるんだ。だからこそ俺は永夢と協力プレイで遊ぼうと決めてよかったと思っている。

 

 

「はい、宝条です。」

 

 

PHSが鳴ってすぐに出る永夢。急患かと思ったようだがその表情からして連絡はゲンムからのようだ。

 

 

「はい…すぐ行きますからちょっと待っててくださいよ。」

 

 

少しイライラしているな。そりゃゲンムからすぐ来いと呼ばれればイライラもするな。

 

 

「パラド、すぐCRに行こう。黎斗さんがしつこいからさ。」

 

 

永夢、お前も大変だな…。

 

 

 

 

 

「永夢ゥウウ!遅いぞ!すぐに来いと行っただろ!!」

 

 

CRに置かれたゲーム筐体のスピーカーからゲンムの声が鳴り響いている中、永夢は全く気にする事無く席に着いた。向かい側にはブレイブとレーザーが座っている。

 

 

「ソルティは倒したようだな。」

 

「はい、やはりレベルアップはしてますけどパラドとなら余裕で倒せました!」

 

「さすが永夢だぜ。」

 

「永夢ゥゥゥウウウ!!」

 

「黎斗!うるさい!音声切るよ!」

 

 

ポッピーがゲームの音声設定ボタンを押そうとするとゲンムは両手で口を抑えてもう余計なことはしゃべらないことをアピールする。ゲームマスターが堕ちたものだな。

 

 

「それで何の話だ、檀黎斗。」

 

「それは…」

 

「待たせたな。」

 

 

CRに設置された画面にスナイプとニコが映った。花家医院の仕事はなかなか忙しいらしく今回は映像での会議参加ということらしい。

 

 

「花家先生も来たか。今回みんなに集まってもらったのは私が幻夢コーポレーションからプロトガシャットを取り戻してきた時に会った男の話だ。」

 

「確か霧島とかいう男だったな。」

 

「あぁ。その男は仮面ライダークロニクルの一件が片付いた今となっても行方が分からない。ガシャットを作ることが出来る人間は私の管理の元にいなければ…」

 

 

ポッピーはゲンムの音声を切った。賢明な判断だな、どうせこの後は自分の神の才能がどうだとか言い始めるんだろ。

 

 

「それで今日はパラドと私が見た霧島の顔を視覚化出来るようにしてみたの!じゃ~ん!」

 

 

ポッピーがパソコンのキーボードを操作すると花家医院側の映像と半分になる形で霧島の顔が現れた。

 

 

「…!コイツは!」

 

「ブレイブ、知ってるのか?」

 

「あぁ。コイツとアメリカであったことがある。霧島という名前ではなかったが…。」

 

 

驚いたな、俺以外にも接触をしていたのか。コイツは。ゲームの画面を見るとゲンムが口をパクパクさせながらホワイトボードを掲げている。そこには「パラドも会ったことがあると言っていたな」とある。

 

 

「あぁ、ちょうどスナイプがプロトガシャットを没収されたあたりかな。」

 

「そいつは何を企んでいた?」

 

 

…正直わからないのだ。アイツは一体何がしたかったのか。再びゲンムを見るとホワイトボードを急いで書きなおしている。「そこでパラドの記憶を私の神の才能で完成した”幻夢VR”を使って遡る」とある。どういうことだ?

 

 

「最近VR技術が発達してきているでしょ?黎斗はそのVRを使ったゲームを開発したの!そのゲームにパラドの記憶をインストールしてその世界に実際に行ってみようってわけ!」

 

 

なるほど俺の覚えていないことも無意識に覚えていることや俺が直接見ていなくともウイルスである自分が無意識に取り込んでいる情報を見てみようというわけだな。

 

 

「じゃあパラド。一緒に行こう!」

 

「永夢!?」

 

「一緒に協力していけばきっと新しいこともわかるよ!」

 

 

こうして俺は永夢の中に入って幻夢VRをプレイすることとなった。永夢の体で装置を装着し準備は完了!と行きたいが…?

 

 

「待て。もう1つないのか?俺も自分の記憶を遡りたい。」

 

 

ブレイブも前に見たことがあるらしいからな。ゲンムのホワイトボードの指示に従ってポッピーはもう1台幻夢VRを用意しブレイブも隣で装着した。

 

 

「それじゃあそれぞれの記憶に…レッツゴォ~~!」

 

 

ポッピーの声の直後にワープホールのような映像が流れ始める。自分の記憶…そこから必ず霧島の目的を掴んでみせるぜ!

 

 

 

 

 

俺たちが辿りついたのはとあるビルの屋上だ。ここは確か…。

 

 

「パラド、いるか?」

 

 

この声はグラファイトだ。ここで永夢と会っているのを見られるのはまずい。

 

 

「永夢、隠れてろ!」

 

「え?あ、わかった。」

 

 

すぐに柱の陰に隠れる永夢。そのタイミングでグラファイトが現れた。

 

 

「誰かいるのか?」

 

「いや誰もいないぜ。それより…久しぶりだな。」

 

「? さっきもあっただろ。」

 

 

この時代にはいつも一緒にいたからな。懐かしい…。

 

 

「それよりももう1人の完全体の仲間を作るって話だっただろ。ターゲットはどうする?」

 

 

…そうだ。この時にゲンムにバレないよう新しい完全体のバグスターを生み出せば俺たちの戦力になると思いこっそり動きを起こしていたのだ。だが人の死の意味を知った今となっては人間にバグスターウイルスを感染させるのは気が引ける。

 

 

「お前が決めないなら俺が勝手にやるが?」

 

「……!そうだ。」

 

「ん?」

 

「グラファイト、バグヴァイザーを貸してくれ。ゲンムからこの前受け取っただろ。」

 

「あぁ、コイツか。人間の姿から元の姿になるにはコイツで急速に培養出来るといっていたな。」

 

「しばらくはバグスターウイルスを鎮静化させるってゲンムの話だったから使うことはないだろ。」

 

「それはそうだな。では任せるぞ。」

 

 

そういうとグラファイトはガシャコンバグヴァイザーを俺に渡して消えた。これであの男にバグスターウイルスを入れにいけばいい。

 

 

「永夢、もういいぞ。」

 

「パラド、バグヴァイザーでどうするつもりなの?」

 

「ある男にバグスターウイルスを入れに行く。」

 

「…!パラド!!」

 

「わかってる。行くだけだ。本当に入れるわけじゃない。」

 

「どういうこと?」

 

「その男にバグスターウイルスを入れに行った時、霧島に会ったんだ。」

 

 

そこで霧島の正体を掴んでやる。確か俺が行ったのは学校だった。どこの学校だったか…。

 

 

「そこの学校どんな制服だったか覚えてる?」

 

「青…だったな。あと聖都大学附属病院や幻夢コーポレーションの周りはゲンムが見張っているからってこともあって少し遠い所にしたんだ。」

 

「青い制服…それにこの近くじゃないところ…といえば…あの高校かな?」

 

 

 

 

 

ビンゴだ、永夢。この広々とした高校。恐らくここだ。

 

 

「で、どの生徒さんにバグスターウイルスを?」

 

「生徒じゃない。スーツを着ていたからな。」

 

「じゃあ先生…かな?」

 

「グアアアア!!」

 

 

どこからか悲鳴が聞こえた!合わせることなく2人で高校の中へ走っていく俺と永夢。校舎裏に行くと白い服を着た男がガシャコンバグヴァイザーをパッドモードにしてバグスターウイルスをスーツの男に注ぎ込んでいるところだった。

 

 

「おい!何してる!」

 

「…!」

 

 

振り向いた男、それは幻夢コーポレーションで出会った男 霧島だ。

 

 

「やっぱコイツか!」

 

「パラド、これって。」

 

「あぁ。俺が先に入れなかったらコイツがいれていたってことかな。それよりまずは患者だろ?」

 

「あぁ!行くよ、パラド!」

 

 

2人の力があれば勝てない敵はいないぜ、さてゲーマドライバーを……ん?ゲーマドライバーがない…?

 

 

「あれ僕のゲーマドライバーがない…!」

 

 

永夢もだと!?どういうことだ?体のあちこちを漁っているとポケットの中に何か固いものが入っている。取り出してみると…これはプロトガシャット…!

 

 

「そうか。この時代に俺が持っていた物しかないんだ。」

 

「えぇ!じゃあ僕は変身できないってことじゃないか!」

 

「まぁここは俺に任せておけって。」

 

 

そういうと俺はバグスターバックルを腰に巻いてガシャコンバグヴァイザーを装着。

 

 

-ガッチョーン…-

 

 

これでバグルドライバーの完成だ。そしてまずは1本目を起動!

 

 

-パーフェクトパズル!-

 

 

「変身!」

 

 

-ガシャット!バグルアップ…!Get the shine ジェノサイド!in the chain!PERFECT PUZZLE Woooo!-

 

 

「仮面ライダープロトパラドクス パズルゲーマー レベルXだ!」

 

「おぉ…!かっこいい…!」

 

「…仮面…ライダー…?」

 

 

倒れた男が呟く。仮面ライダーの名前が広まっているとは思っていなかったがどうやら知っているらしい。そんな男にさらにバグスターウイルスを注入する霧島。すぐに分離が始まり現れたのはラヴリカだ。それを確認すると霧島はその場から走り去っていく。

 

 

「待て!」

 

 

永夢が霧島を追いかけていく。俺はラヴリカを倒すのに専念だ。

 

 

「世界中に I LOVE YOU!さぁ僕の魅力に取りつかれたまえ!」

 

「ラヴリカ、お前を完全体にするわけにはいかない!」

 

 

ラヴリカ…こんなことはしたくないが人間の命のためだ。許してくれ!エナジーアイテムを操作してラヴリカにぶつける。

 

 

-状態変化-

 

 

「おぉ!?なんだ!?」

 

 

これでラヴリカの状態が変化して物理攻撃が効くはずだ。あとはガシャットを変えて攻撃を叩き込む!

 

 

-ガッシューン!-

 

 

次のガシャットはコイツだ!

 

 

-ノックアウトファイター!-

 

 

「大変身!」

 

 

-ガシャット!バグルアップ…!Extreme Hit!ジェノサイド!KNOCK OUT FIGHTER Woooo!-

 

 

マテリアライズショルダーが外れて手に装着、マスクとセレクテッドモニターも回転しファイターゲーマー レベルXへと大変身を遂げる。

 

 

「行くぜ!」

 

 

マテリアライズスマッシャーでラヴリカにパンチを叩きこむ。効いてる効いてる!バグスターとも戦うのはやっぱり楽しいものがある。ラヴリカのように物理が攻撃が効かないというほぼ無敵とも思われる相手もエナジーアイテムを使ってこちらの土俵に連れ込んでしまえばこっちのものだ!

 

 

「うぉおおお!同じバグスターとして暴力的な男は許せんぞ!」

 

「俺はこれがやり方なんだよ。これで終わりだ!」

 

 

AとBのボタンを同時押しからのAボタンを選択!

 

 

-クリティカル エンド…!-

 

 

黒いオーラを纏った拳をラヴリカに叩き込む。吹き飛んでいくラヴリカ…かと思いきやラヴリカの体からオレンジ色の粒子が溢れだしバグスターユニオンへと変化していく。

 

 

「く…レベルアップか!」

 

 

バグスターユニオンになったことで感染者も取り込んでいる…!レベルXでは切り離すことが出来ない。俺はレベル1のガシャットを持っていない…!

 

 

「どうすれば…!」

 

 

そんなときに不幸中の幸いか。バグスターウイルスが沈静化していきバグスターユニオンは男の体の中に吸収されていく。

 

 

「とりあえずはどうにかなったか。大丈夫か?」

 

 

-ガッシューン!-

 

 

俺が元の姿に戻って駆け寄ると男は俺を見るや否や恐怖に怯えた表情を見せる。

 

 

「仮面ライダー…!うわああ!」

 

「ちょ…おい!」

 

 

逃げていく男、それを追いかけようとすると彼が落としたサイフから古びた学生証が飛び出ているのが見えた。

 

 

「高岡…晴雄…天ノ川学園高校…?」


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