仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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バグスターウイルスのオリジナルであるパラドは仮面ライダーパラドクスとして宝条永夢やCRのメンバーと協力してバグスター根絶のために戦っていた。幻夢VRで自分の過去を遡っているパラドは霧島がバグスターウイルスを感染させた高岡のストレスの原因である仮面ライダーのルーツを調べる。そんな中、高岡の体内のバグスターウイルスが再び発症。バグスターユニオンとなって暴れ手のつけようがないパラドクスの前にプロトガシャットを使って変身した大我が現れて…。


第3話「託されたability!」

スナイプ…いやプロトスナイプだと!?確かこの時には既に花家大我はCRを追放されて医師免許もはく奪。プロトガシャットどころかゲーマドライバーすら持っていなかったはずだ。なぜコイツが持っているんだ?

 

 

「何ボケっとしてやがる!霧島を追え!」

 

 

プロトスナイプが霧島を知っている…?ということはコイツは現代のスナイプということだ。なるほど、永夢がゲームオーバーとなってゲーム参加資格を失ったから代わりにスナイプが参加した…ということだ。

 

とにかくプロトスナイプのいうように霧島の正体や目的を知ることが最優先だ。

 

 

「高岡は任せた!」

 

「あ、あとエグゼイドが…!」

 

 

プロトスナイプが何か言いかけたみたいだがそれを俺は聞き取れなかった。その場から離れようとする霧島を追うためだ。

 

 

-ガシャコンマグナム!-

 

 

プロトスナイプ シューティングゲーマー レベル1はガシャコンマグナムを召喚し連続射撃でバグスターユニオンの武装を剥がしていく。

 

 

「このタイプは肩を狙い撃ちだ!」

 

 

肩の装甲は堅くて単発ではとてもダメージは与えられない。しかし何度も同じ部分を連続で撃つことが出来れば…この通り!アーマーが割れて急所が露わになる。そこに一発でも打ちこめば完璧だ!

 

 

「喰らえ!」

 

 

プロトスナイプは体に銃弾型のエネルギーを纏わせて急所目掛けて特攻した。バグスターユニオンは体が崩壊していき、オレンジ色の粒子は人型に再構築されていく。その中から気絶した高岡が出てきてプロトスナイプがキャッチした。

 

 

「まさかこの姿になるとはねえ。僕のイケメンな顔を拝ませてあげるよ。」

 

 

患者から分離したバグスターはラヴリカ。プロトスナイプのような通常の仮面ライダーにとっては物理攻撃が効かない強敵となる。

 

 

 

 

 

「待て!」

 

 

逃げる霧島にやっと追いついた。コイツ本当に人間か?それほどの速いスピードで俺から逃げていたのだ。もしくはもうバグスターになって…いやこの世界は約5年前の世界だ。霧島は1年前にバグスターウイルスを体に宿して適合させたと自分で言っていた。もしそれが本当ならばこの世界ではまだバグスターにはなっていないはず。

 

 

「ただの人間のお前が俺には勝てない。大人しくバグヴァイザーを捨てて手を挙げてもらうぜ。」

 

「ただの人間…ねえ。」

 

「…!」

 

 

目にもとまらぬ速さで俺の前に現れる霧島。とてつもない速度で繰り出された蹴りが俺の腹部に叩き込まれた。

 

 

「グアア!」

 

 

この力…人間じゃねえ!何者だ、こいつ!

 

 

「お前…一体…!」

 

「ククク…さてとコイツで行きますかね。」

 

 

そういうと霧島は赤いスイッチのようなものを取り出した。それを押すと星座が浮かび上がり霧島の体が闇に包まれると姿が変化していく。

 

 

「なんだ…その姿は!」

 

「レオ・ゾディアーツ。私は特異体質に改造されていましてね、ゾディアーツスイッチは大概扱うことが出来る。」

 

「ゾディアーツ…?」

 

「仮面ライダーフォーゼが戦っていた怪人たちのことですよ。貴方たちとバグスターのような関係です。高岡も高校生の時、ゾディアーツとしてフォーゼと戦いました。」

 

「…!まさかそれがストレスの原因!?」

 

「ん?バグスターユニオンの破壊音が聞こえなくなりましたね。プロトスナイプに倒されてしまう前にラヴリカからストレスのデータを収集しなくては。完全体になりかけのバグスターの中には凝縮されたストレスのデータがいっぱいですから。」

 

 

なるほど、わかったぜ。コイツは仮面ライダーフォーゼのデータを得るために高岡にバグスターウイルスを感染させたのだ。ストレスの原因はゾディアーツとして仮面ライダーフォーゼに敗れたこと…なのだろうか。だから同じ仮面ライダーである俺にもストレスを感じていたわけだ。

 

 

「目的は分かった。後はお前の正体を知るだけだ。」

 

「やってみればいいじゃないですか。」

 

 

レオ・ゾディアーツはカギ爪の付いた手甲で襲い掛かってきた。ここはかわして…いや違う!

 

 

「ガォ!」

 

 

もう片手のカギ爪が俺の体を切り裂く。なんてスピード…そして攻撃力なんだ。これはレベルXのそれではない。

 

 

「ぐ…やばいな。」

 

「フフフ…貴方のレベルでは私には敵いませんよ。これでもホロスコープスの幹部が使っていたスイッチですから。」

 

 

俺だって仮面ライダークロニクルには上級バグスターに位置づけられていた。幹部がどうとかは知らないが全力を出すことが出来れば勝てない相手ではないはずだ。

 

俺の全力…それを出すにはガシャットギアデュアルが必要だ。だがこの時代には存在しない…。このプロトガシャットでどうにかするしかないか…!レベルXで限界以上の力を出すにはエナジーアイテムの力を使うしかない。ならば…。

 

 

-ガッシューン!パーフェクトパズル!-

 

 

「大変身!」

 

 

-ガシャット!バグルアップ…!Get the shine ジェノサイド!in the chain!PERFECT PUZZLE Woooo!-

 

 

プロトパラドクス パズルゲーマー レベルXに大変身!これでエナジーアイテムを操ってレオ・ゾディアーツに対抗する。

 

 

-マッスル化!マッスル化!マッスル化!-

 

 

全振りすることでパズルゲーマーには足りない攻撃力を手に入れた!これで一発決められれば完璧だ。AとBボタンを同時押しからのAボタン選択で必殺技の発動だ。

 

 

-クリティカル エンド…!-

 

 

「心が滾る…!」

 

 

腕力が強化された状態でパンチをレオ・ゾディアーツに叩き込む!喰らえ!!

 

ここは天才ゲーマーMたる俺の腕の見せ所だ。華麗な切り返しでレオ・ゾディアーツのカウンターを見切り隙が出来たところに攻撃!入ったぜ!

 

 

「よし!」

 

 

吹っ飛ぶレオ・ゾディアーツはアスファルトの壁に激突しそれが崩れていくと土埃が辺り一面を覆い尽くした。はっきりとは見えないがかなりのダメージがレオ・ゾディアーツに与えられた。奴にライダーゲージがあったとしたら警告音が鳴り響くぐらいだ。

 

 

「…何!?」

 

 

土埃の中から液体で出来た鞭が飛び出してきて俺を縛り上げる…!なんだ、これは!

 

 

「ククク…やりますねえ。アクエリアスの力がなければやられていましたよ。」

 

 

アクエリアス…だと?土埃の中から出てきたやつの姿はレオ・ゾディアーツではなく女性らしい体をした青色の怪人の姿へと変貌していた。

 

 

「その姿は…!」

 

「アクエリアス・ゾディアーツ。言ったでしょう、私は特異体質。あらゆるゾディアーツに変身できる。」

 

 

アクエリアス・ゾディアーツの能力は恐らく回復。攻撃を受ける直前にアクエリアス・ゾディアーツに変わって回復を一気にしたのだろう。それにしてもこの鞭…かなりの強度だ。振り払うことが出来ない!

 

 

「く…!」

 

「終わりですよ。」

 

「まだだ!」

 

 

この声はプロトスナイプ!振り返るとそこにはシューティングゲーマー レベル2にレベルアップし、ガシャコンマグナムを連射しながら近づいてくるプロトスナイプの姿があった。ゲンムとは反対に白いデザインだがモノクロであることはプロトタイプの仮面ライダーの特徴ともいえる。プロトスナイプのお陰で鞭が銃撃されてちぎれ何とか解放された。

 

 

「スナイプだと?じゃあラヴリカは…!」

 

「残念だが俺には倒すことは出来なかった。今は沈静化させている。」

 

「サンキュー、プロトスナイプ。」

 

「勘違いすんな。エグゼイドに頼まれただけだ。」

 

「永夢が?」

 

 

 

 

 

「大我さん、お願いします!僕は幻夢VRにしばらくログインが出来ないんです!」

 

「そして幻夢VRは人間の体で参加しなくてはならない。この檀黎斗神と九条貴利矢はバグスター。鏡先生は既に自分の過去に遡る幻夢VRに参加中。参加資格があるライダーは花家先生しかいないというわけだ。」

 

「患者を放っておくわけにはいかねえだろ。なんだ、それともエグゼイド、お前が花家医院(こっち)で働いてくれるのか?」

 

 

冗談のつもりで言ったことを永夢は二つ返事で受け入れた。CRのバイクに乗って花家医院まで来ると大我に頭を下げて頼む。

 

 

「パラドのこと、お願いします!」

 

 

そこまで言われれば引き受けないわけにはいかない。こうして大我は幻夢VRに参加したというわけだ。

 

 

 

 

 

「エグゼイドはお前に力を託したと言っていた。その意味がお前にならわかるとな。」

 

 

良かった、やはり永夢は無事だったんだな。それにしても力…永夢の力が今俺の体の中に…?

 

そうだ。永夢がゲームオーバーになって消える時、自分の手の中で光となって消えたように見えた。かつて俺がドクターマイティXXガシャットを使って消滅した時のように。

 

その時俺は永夢に再び感染することで命を繋ぐことが出来たのだ。その時のように永夢は俺の中に…!

 

 

「そうか、そういうことだな永夢。この天才ゲーマーMにも思いつかなかったことを…やるじゃねえか!」

 

「どうやらわかったらしいな。」

 

「あぁ!」

 

 

-ガッシューン!-

 

 

俺はプロトパーフェクトパズルガシャットを抜いて変身を解除した。その様子を見て首を傾げるアクエリアス・ゾディアーツ。

 

 

「どういうつもりです?」

 

「ここはゲームの世界だ。バグスターにとってプログラムを書き換えることはそこまで不思議なことではない。」

 

「確かに。でもレベルを上げるまでの書き換えは難しいですよ。」

 

「出来る!永夢のリプログラミングの力を使えばな!」

 

「リプログラミング…だと!?」

 

 

俺はプロトパーフェクトパズルガシャットとプロトノックアウトファイターガシャットを手に永夢が俺の中に遺してくれた力を放出する。体からオレンジと緑のオーラが放たれ、2本のガシャットを1つにしていく。

 

 

「これに俺の経験値を組み込めば…!」

 

 

完成だ、ガシャットギアデュアル!初めて見るガシャットにアクエリアス・ゾディアーツは驚きを隠せない。

 

 

「なんだ…そのガシャットは!?」

 

「見せてやるよ。俺の本当の力をな!」

 

 

-PERFECT PUZZLE!What's the next stage?-

 

 

ガシャットギアデュアルのアクチュエーションダイヤルをパーフェクトパズルの方向に操作するとネイティブな発音の機械音と待機音が鳴り響く。ガシャットギアデュアルを顔の前に構えて準備は完了!

 

 

「変身!」

 

 

-Dual up!Get the glory in the chain!PERFECT PUZZLE!-

 

 

デュアルアップスターターを押すことで出現するパネルが俺の体を通り抜けることでモノクロのプロトタイプではない、本来のパラドクスへ変身を遂げた。

 

 

「仮面ライダーパラドクス パズルゲーマー レベル50だ!」

 

「レベル…50だと!?」

 

 

この時代ではさぞかし驚く数値だろうな。これで霧島の正体を暴けばもう幻夢VRとはおさらばだ!

 

 

「行くぞ、パラドクス。」

 

「あぁ、心が躍るな!」

 

「ミッション開始!」

 

 

プロトスナイプはガシャコンマグナムでアクエリアス・ゾディアーツを狙い撃ち込んだ。その後ろで俺はエナジーアイテムを操作しプロトスナイプにバフをかける。

 

 

-分身!透明化!-

 

 

プロトスナイプが複数人になったうえ見えなくなる。これでどこから撃ってくるかわからないぜ。

 

 

「く…どこだ!?」

 

「バン!」

 

 

プロトスナイプの分身射撃はアクエリアス・ゾディアーツの体のあちこちを撃ち抜いた。

 

 

「ぐあ…く…肩の甕が…!」

 

 

どうやら肩の甕を同時に破壊されたことで回復能力が消えてしまったようだ。ゲームの才能は運を味方に出来るかどうかも入ってくるぜ!

 

 

「今だ!決めろ、パラドクス!」

 

「おう!」

 

 

ギアホルダーからガシャットギアデュアルを取り出しアクチュエーションダイヤルをもう一度パーフェクトパズルを選択する。

 

 

-Kimewaza!Dual Gashat!PERFECT CRITICAL COMBO!-

 

 

これで決まりだ!俺はジャンプしアクエリアス・ゾディアーツ目掛けてパーフェクトクリティカルコンボを叩き込む!

 

 

「く…!」

 

 

奴の手にはまた別のゾディアーツスイッチ…!それを押すと今度は姿が突然プロトスナイプへと変化した。

 

 

「何!?プロトスナイプだと!?」

 

 

-伸縮化!-

 

 

すぐさまエナジーアイテムを自分に適用させ手を伸ばすことで近くにあった木に捕まってパーフェクトクリティカルコンボを中断する。

 

 

「馬鹿野郎!そいつは敵だ!俺じゃない!」

 

「!?」

 

 

プロトスナイプの姿は天秤の受け皿を重ねたような相貌の怪人へと変化する。…そうかコイツの能力か!

 

 

「リブラ・ゾディアーツは相手に幻影を見せることが出来ます。」

 

「くそ!」

 

「さぁ次はどう来ますか?」

 

 

…おかしい、コイツほどの力を持っていれば俺たちを倒すことなど簡単だろうに。

 

なぜコイツはさっきから本気を出してこない?まるで時間稼ぎをしているかのように…。

 

…!まさか!

 

 

「プロトスナイプ!高岡だ!高岡の所に行くぞ!」

 

「高岡だと?奴のバグスターウイルスなら今沈静化…」

 

霧島(コイツ)の仲間が高岡のバグスターウイルスを再び刺激してストレスを与えてるに違いない!霧島(コイツ)は俺たちを高岡のところから離そうとしてたんだ!」

 

 

プロトスナイプはすべてを察したように高岡の元へと駆けていく。

 

 

「させませんよ!」

 

「それはこっちのセリフだ。」

 

 

リブラ・ゾディアーツの退路は俺が絶った。さぁここで最終決戦といこうか。


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