仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング 作:エクシ
プロトスナイプは気絶した高岡を横にした校舎裏へ向かっていた。ラヴリカの活動限界が終わったことを確認して安静にしておけば、しばらくはバグスターウイルスは沈静化すると診断していた。
しかしストレスを感じることが起きてしまえば話は別だ。再びラヴリカが現れ、次こそは完全体になってしまうかもしれない。
「やってくれるな…霧島明!」
プロトスナイプは柵を乗り越え高岡を横にしていた場所に立っているのは…グラファイトだ!
「グラファイト!てめえ…!」
「ん?お前はスナイプ?なぜここにいる?」
「てめえこそなんでここに!」
「俺は霧島という男からコイツを預かってな。」
そういって出したのはガシャコンバグヴァイザー。
「この男が今バグスターウイルスに感染していると聞いた。ストレスのデータさえ取ればコイツをじっくり完全体にして構わないらしいからな。」
「なるほどな。お前はラヴリカを完全体にするために霧島に協力しているということか。」
「俺たちバグスターが人間を支配するためだ。」
「そんなことさせるか!」
「いいだろう、今度こそお前を倒してやる。培養!」
-インフェクション!レッツゲーム!バッドゲーム!デッドゲーム!ワッチャネーム!?ザ バグスター!-
ガシャコンバグヴァイザーを右手のグリップに装着することでグラファイトバグスターの姿に変化する。かつての緑色の姿でありグレングラファイトバグスターほど高いレベルではないがそれでもやはりグラファイトバグスターと一騎打ち出来ることに変わりはない。
現実世界ではブレイブと共に戦い勝ち取った勝利だ。プロトスナイプにとって、さらにプロトスナイプの姿で決着をつけられるのは大我にとっては過去を振り切るには最適な機会になる。
「行くぞ!」
「かかってこい。ドラゴナイトハンターZの竜戦士 グラファイト。全力でスナイプ、お前を倒す!」
プロトスナイプがガシャコンマグナムでグラファイトバグスターに攻撃を仕掛けるとグラファイトバグスターはグラファイトファングで銃弾を弾く。そのまま接近戦に持ち込もうと近づいてくるがプロトスナイプは一定の間合いを取るために校舎のベランダに飛び乗った。
「やるしかねえか…!」
-ジェットコンバット!-
「貴様…プロトガシャットをまだ使う気か!」
「あいにく俺の体はクロノスに変身できるぐらいの抗体がある。プロトガシャットだって使いこなしてやるよ。」
「クロノス…?」
-ガッチョーン!ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!ババンバン!ババンバン!バンバンバンバンシューティング!アガッチャ!ぶっ飛び!ジェット!ドゥ・ザ・スカイ!フライ!ハイ!スカイ!ジェットコンバット!-
プロトスナイプ プロトコンバットシューティングゲーマー レベル3にレベルアップ。2本のプロトガシャットはプロトスナイプの体をかなり蝕むがグラファイトバグスターを倒すにはこれぐらいの力を使わなければ倒すことは出来ないだろう。
ベランダから飛び立ち空中からガトリングコンバットによる砲撃をグラファイトバグスターに向けて発射!さすがのこの量の銃弾はグラファイトファングでは弾ききれないようだ。
「ぐ…この力がレベル3…!」
「初めて味わうだろ。さぁこれで終わりだ!」
-ガッシューン!ガシャット!キメワザ!ジェット クリティカル ストライク!-
ガトリングコンバットの銃口はまっすぐにグラファイトバグスターに向けられている。そこから一気に銃弾が放たれ狙撃に成功した。
「グアアア!」
「まだまだぁ!!」
-ガッシューン!ガッシューン!ガシャット!キメワザ!バンバン クリティカル ストライク!-
キメワザスロットホルダーからプロトジェットコンバットガシャットを抜いた後、すぐにメインガシャットスロットから抜いたプロトバンバンシューティングガシャットをキメワザスロットホルダーに装填する。
足に力が込められてくるのを感じ、真上にジャンプをする。そこから右足を突き出してバンバンクリティカルストライクをグラファイトバグスターに叩き込もうとする…が!
「俺も仲間を増やすために負けるわけにはいかない…!激怒竜牙!!」
グラファイトファングが赤く発光しそのエネルギーをプロトスナイプに飛ばしてきた。まっすぐに突っ込んできたプロトスナイプはなすすべなく激怒竜牙を身に受けてしまう。
-ガッシューン!-
プロトスナイプの姿から大我の姿へ変身解除、グラファイトバグスターも人間態の姿に戻ってしまった。
「グアア!くそ…!」
「ハァハァ…俺はドラゴナイトハンターZの竜戦士 グラファイト!そう簡単に倒れる俺ではないわ!」
「そいつァ…どうかな?てめえもボロボロじゃねえか…。」
「こうなっても戦う…理由がある!貴様ら人間にはわからないだろうがな。」
「今言ったじゃねえか…。」
「!?」
「お前はドラゴナイトハンターZの竜戦士…それこそが戦う意味なんだろ。」
驚いた顔をするグラファイト。驚くのも無理はない。人間のプロトスナイプがグラファイトの戦う意味を知っていたからだ。バグスターとして生まれたからにはバグスターとして生涯を全うする。それこそが彼の生きる意味であり戦う意味なのだ。
「だがそれを俺が知ってるからといってお前を放っておくわけにはいかない。バグスターを殲滅して人類を救う!それが仮面ライダーとして…ドクターとして俺が戦う意味だ!」
「…面白い。面白いぞ、スナイプ!戦いを続けよう!!この戦いはもう何物にも留めることは出来ない!」
「…ミッション…開始!」
プロトスナイプならば高岡を救えるはずだ。俺はただこの男を倒して正体を知ればいいだけだ。子の目の前にいるリブラ・ゾディアーツに変身した霧島を…!
「レベル50…なかなか厄介ではありますね。」
「さぁ次はどう来る?全部一発クリアしてやるぜ。」
そう言ってギアホルダーからガシャットギアデュアルを抜いてアクチュエーションダイヤルを左に選択する。
-KNOCK OUT FIGHTER!The strongest fist!“Round 1” Rock & Fire!-
「大変身!」
-Dual up!Explosion Hit!KNOCK OUT FIGHTER!-
パラドクス ファイターゲーマー レベル50に大変身。これでどんな姿になっても蹴散らしてやる。
「腕っぷしに自信があるようですね。ならばパワーで勝負です。」
ホロスコープススイッチを再び押すと今度は牛の姿の怪人へと変化した。しし座、みずがめ座、てんびん座の怪人の次はおうし座の怪人…ということはタウラス・ゾディアーツといったところだろうか。見た目がしっかりしてるだけあって確かにパワーがありそうだぜ。
「いいぜ、かかってこいよ!」
「お言葉に甘えて。」
タウラス・ゾディアーツはグアンナと呼ばれる杖を構えてこちらに襲い掛かってきた。これは拳のぶつかり合いの展開だと思っていたんだがな。まぁこちらにもマテリアライズスマッシャーがあるし武器の使用はいいとするか。
グアンナはゴルフクラブのような形状をしている。先に着いた宝石のような部分を使って打撃攻撃を食らわせてこようとするがそんな動き、レベル50の俺にとっちゃ大したことはない。左の拳でグアンナの攻撃を弾きそこから右のストレートがタウラス・ゾディアーツに叩き込まれる。
「グオオオ!」
左側に吹っ飛びアスファルトにのめり込むタウラス・ゾディアーツ。どうやら本当に一発で決着がつきそうだな。
「く…まさかここまでとは…。どうやらただのホロスコープスではあなたを倒すことはできないらしい。」
「わかったならお前の正体を吐いてもらおうか。霧島明!」
「クク…ただのホロスコープスなら…ですよ。」
そういって取り出したスイッチを押すタウラス・ゾディアーツ。今度の姿は…太陽の神 アポロンを思わせる神々しい姿。そして左手には弓…。いて座の怪人 サジタリウス・ゾディアーツか!
「我望光明の遺した力…味わうがいい。」
コズミックエナジーで作り出した矢をギルガメッシュと呼ばれる弓に装填し俺を目掛けて飛ばしてくる。一直線の攻撃だ、よけられないことはない。
動きを見切って右に避けた俺だったが突如矢は分裂し俺の避けた方向にまで襲い掛かってくる。
「ウアア!!」
「甘いですね。サジタリウスはホロスコープスの頂点。今まで通りにいくと思ったら大間違いですよ。」
なんて威力だ…。レベル50のこの体にいとも簡単に傷をつけた。確かにコイツは格が違う。このままじゃ…やられちまう!
「たかがバグスターが我々の邪魔をしようとはね。大人しく仲間をコソコソと作っているだけでよかったんですよ。」
”我々”…と奴は言った。霧島は組織に属している…のか?それもホロスコープススイッチを手に入れることができるような組織に。
「お前は…一体…!」
「おっと、私はどうも口を滑らせてしまうところがある。もうここらで終わりにしましょうか。」
「く…!」
まずい…ギルガメッシュにとてつもないエネルギーが溜まるのが目に見えてわかる…!あれを喰らえば…間違いなくやられる…。
バグスターである俺は幻夢VRにデータとして侵入している存在だ。永夢やプロトスナイプのようにプレイヤーとして参加しているわけではない。
ようは俺は今ゲーム内でやられてしまえば存在が消える…。俺は…死ぬ…。
「やられるわけには…いかないんだ!」
「いいや、無駄ですよ。」
ギルガメッシュから放たれた一閃…。赤い光が俺を貫こうと超スピードで接近している。終わり…なのか…?死の恐怖が俺を襲いかかる。あの息が出来ないような苦しい感覚…あの冷たさ…。
いやだ、死にたくない。俺は…!
「諦めんな!!」
!?
ギルガメッシュから放たれた攻撃が自分に当たったと思った瞬間、突然横から何者かが現れその攻撃をうけた。コイツは…プロトスナイプ…!?
「諦めんな…エグゼイドなら患者の命だけじゃなく…自分の命も諦めねえぞ!」
「プロトスナイプ…お前…!」
プロトスナイプのライダーゲージが一気に減っていき点滅している。これほどの攻撃をうけて無事なはすがない。
「なんで俺を庇った!?バグスターを残らず消すと言ったお前が…!」
「俺は仮面ライダーである前に…ドクターだ!一つしかない命を守った…それだけ…だ…。」
-ゲームオーバー-
プロトスナイプのライダーゲージが尽きた。体が消滅していき最後にゲーマドライバーとプロトバンバンシューティングガシャットが地面に空しい音を立てて落ちる。
「おやおや、どうやらグラファイトを倒したようですね。まぁ完全体ですからすぐ復活できるかとは思いますが。」
「…許さねえ。」
「ん?」
「お前は俺の心を滾らせた。覚悟しろよ。」
「レベル50”ごとき”の貴方に何を覚悟しろと言われても困ってしまうだけですよ。」
レベル50…。俺の進化は止まらない。今見せてやるぜ。
ギアホルダーからガシャットギアデュアルを抜きつつ、プロトスナイプの遺したゲーマドライバーをパラドクスバックルの上から装着する。
「ゲーマドライバー…?」
-デュアル ガシャット!The strongest fist!What's the next stage?-
俺の後ろに現れたパーフェクトパズルとノックアウトファイターのゲームが1つとなってパーフェクトノックアウトの画面が現れる。
「マックス大変身。」
-ガッチャーン!マザルアップ!赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!-
パネルが俺の体を通り、赤と青の色をしたレベルマックスの仮面ライダーパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマー レベル99へと変身を完了した。
「ゲームを…混ぜただと?」
「俺のレベルは99。ついて来れるか?」
-ガシャコンパラブレイガン!-
遠近両方の攻撃を兼ね備えたガシャコンパラブレイガンを召喚し準備は整った。後は太陽の化身 サジタリウス・ゾディアーツをこの手で蹴散らすだけだ。