仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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天才外科医 鏡飛彩はCRのドクターとしてバグスターウイルスから患者を救うべく活動していた。飛彩は霧島の正体と目的を知るために幻夢VRを使って仮面ライダーブレイブに選ばれたアメリカでの試験を遡る。数少ない証拠から飛彩はフェイスの正体が根守川ではなくエドワード・ハバシュであると特定する。財団Xの闇医者 ドクター・フェイスとしての素顔を見せるエドワードは仮面ライダーフェイスへと変身した。


第4話「血に染まりしgashat!」

フェイス サバイバルゲーマー レベル2はガシャコンバグヴァイザーをビームガンモードにして右手に構えている。俺も檀黎斗から受け取った簡易版ではない本物のタドルクエストガシャットを使ってブレイブ クエストゲーマー レベル2に変身したため、ガシャコンソードを手にしている。

 

 

「俺の動きについて来れるかな?」

 

「望むところだ。これよりドクター・フェイス切除手術を開始する。」

 

 

フェイスはガシャコンバグヴァイザーで射撃攻撃を繰り出してきた。前回り受け身でかわしフェイスに接近する俺。接近戦に持ち込めればこっちのものだ。

 

 

-ガッシューン…ジャ・キーン…-

 

 

チェーンソーモードに変更してきたか、その勝負受けて立つ!逆手に持ったガシャコンソードによる斬撃を繰り出すもその動きを呼んで避けるフェイス。隙をついて逆に俺へ斬撃を食らわせる。

 

 

「ぐ…!」

 

「甘い甘い!」

 

「甘いのは…お前の方だ!」

 

「…!」

 

 

気が付いたようだな。足元にガシャコンソードを刺したことでフェイスの足元を凍らせておいた。足が動かないだろう。

 

 

「これで逃がさん!」

 

 

-カ・チーン!-

 

 

Aボタンを押し炎剣モードに変更。フェイスに炎の攻撃で襲い掛かる。

 

 

「グア!やるじゃあないか、さすが天才外科医だ。」

 

「お前の褒め言葉などノーサンキューだ。」

 

「なぁにすぐに皮肉にして見せるよ。」

 

 

足元が溶けて動けるようになったフェイスはキメワザスロットホルダーのサブガシャホルダーから黒の成型色に血液のような赤い線が入ったガシャットを取り出して起動させる。

 

 

-チゾメノミソギ!-

 

 

アーマーが血だらけになった鎧武者のようなゲーマ ミソギゲーマが出現した。人魂のような青色の炎も近くに漂っていて不気味な雰囲気を醸し出している。

 

 

「なんだ、そのガシャットは!?」

 

「このガシャットは財団が作ったガシャットでね。他のガシャットのデータを吸収することで強くなる。ランク40。」

 

 

-ガッチョーン!ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マキマキ!竜巻!ハリケーンサバイバル!アガッチャ!チゾメノ…ミ-ソ-ギ-!-

 

 

フェイスにミソギゲーマが鎧のように装着されミゾギサバイバルゲーマーに変身。そのレベルは何と…40!?この時代では桁違いのレベルとなる。

 

 

「40…だと!?」

 

「他のプレイヤーが持っていたタドルクエストや第二試験で試験の敗者が幻夢から受け取っていたガシャットのデータも全て吸収させてもらったからな。これぐらいのレベルにはなるだろうよ。」

 

「貴様…!」

 

 

レベル40…いくら俺が天才だとはいえそのレベル差を埋めることは出来ない。…そうだ、これはVRなのだ。檀黎斗、このゲームを終わらせろ!もう霧島の正体はわかっている。終了目的は達成しているはずだ!

 

…しかし一向にこのVRが終わる気配はない。このドクター・フェイスの登場によってゲムクリア条件が追加されたのかもしれない。

 

 

「やるしかないか…!」

 

 

今持っているガシャットでどうにかするしかない。ならばこれを使うか…!

 

 

-ドラゴナイトハンターZ!-

 

 

プロトドラゴナイトハンターZ、檀黎斗がアメリカへ持ってきたプロトガシャットの1本だ。モノクロのハンターゲーマが咆哮をあげながら出現する。

 

 

「術式レベル5!」

 

 

-ガッチョーン!ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!アガッチャ!ド・ド・ド・ド・ド!黒龍剣!ドラ・ドラ・ドラゴナイトハンター!Z!-

 

 

ブレイブ プロトハンタークエストゲーマー レベル5に術式を変更。とは言ってもドラゴナイトハンターZは複数人のプレイを前提としたゲームらしい。よって今の俺のフルドラゴン状態、さらにプロトガシャットであることからレベル5以上の力を引き出せるはずだ。レベル100まで耐えられた俺ならばこのレベルは問題ないはず!

 

 

「レベル5ねぇ…。」

 

 

そう呟くとフェイスの体にまとわりついている人魂 オンネンフレイムがフェイスから離れ俺を攻撃してきた。炎の魔法を扱う俺にも耐えることが出来ないこの火力はさすがはレベル40といったところか。

 

 

「ぐ…!」

 

「俺に敵うわけねえだろ。大人しくタドルクエストガシャットを渡せ。そうすれば霧島に頼まれていた任務は達成完了だ。ここともおさらば出来るってもんよ。」

 

 

プロトドラゴナイトハンターZでもこのレベル差を埋めることは出来ないか…!あと俺が持っているガシャットはジャラジャラカジノガシャットただ1つ。レベルは7、確かにプロトドラゴナイトハンターZよりもレベルは高いが、第二試験であの”必殺技”を見たからな…。

 

正直効果は期待できない。だが攻撃を耐えうる機能であればプロトドラゴナイトハンターZを上回っているかもしれない。それに”俺ならば”…!

 

 

-ジャラジャラカジノ!ガッチョーン!ガッシューン!-

 

 

「術式レベル7!」

 

 

プロトドラゴナイトハンターZガシャットを抜いてジャラジャラカジノガシャットをメインガシャットスロットに装填!俺の空中には既にカジノゲーマーが待機している。

 

 

-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!アガッチャ!ジャーラ ジャーラ ジャラジャラカジノ!-

 

 

カジノゲーマが俺の体に装着されカジノクエストゲーマー レベル7に術式を変更した。ビートクエストゲーマー レベル3に酷似した姿ではあるが細部がかなり異なる。

 

リズミカルバイザーにあたる部分は黒くなっていてサングラスのように見えるし、ドレミファターンテーブルにあたる右手の装備はルーレットへと変わっている。

 

ワッツアップサウンダーにあたる左肩には昨日クエストプレイヤーが外していたスロットが起動している。

 

 

「ついに運頼みか、天才外科医…!」

 

「さぁどうかな。」

 

「強がるのはよせ。檀正宗から財団に送られて来た資料の中でチラっと見たことがある。ジャラジャラカジノ、ありとあらゆるカジノのミニゲームが詰まったゲームで稼ぎまくって大富豪を目指すゲームだ。ギャンブルで勝負を決めようとしてるってのはドクターとしてどうなのかねえ。」

 

「俺は賭け事はしないタイプでな。」

 

「でしょうな。ならさっさとガシャットを渡せ!」

 

 

フェイスがガシャコンバグヴァイザーを使って襲い掛かってきた。すぐさまかわすもフェイスは俺の肩を掴んでくる。とっさに振り払い一定の距離を取る俺。

 

 

「…!?」

 

 

なんだ…この感覚!奴に触られて一定の距離をとった瞬間、自由に体が動かなくなった。そればかりかガシャットを自らの手で抜こうとまでしている!

 

 

「これは…!」

 

「チゾメノミソギの能力 憑依だ。俺は触れたものを操ることが出来る。」

 

 

まずい…こんな能力まであるとは…!だが何かしら…何かしらの突破口はあるはずだ!

 

 

「ハアアアア!!」

 

 

何とかして力を体に込める。すると左肩のルーレットの回転が始まった。これに賭けるしかない。…いや違う、俺は天才外科医。全てが必然でなくてはならない。俺に救えない命がないようにこの場を乗り切ることが出来ないわけがない。現実世界でもコイツを追い抜いて俺は仮面ライダーになることが出来た。倒せない敵ではないはずだ!

 

 

「俺に…斬れないものはない!ハッ!」

 

 

俺のタイミングでスロットが止まっていく。7…7…そして…7!

 

 

「何!?」

 

 

よし!胸からコイン型のエネルギーが大量に放出されフェイスを吹き飛ばす。

 

 

「ぐあ!!」

 

 

…!体の自由が利くようになった。どうやら憑依能力というのは随分と集中力を使うようだな。1発でも攻撃を喰らえば解除されてしまうらしい。

 

 

「ぐ…お前なぜ7をそろえることが…!?」

 

「手術は患者の状態を気にしながら常にタイミングを見計らって素早く行うものだ。俺は一度カジノゲーマのルーレットが止まるタイミングを見ていた。」

 

「まさか…ルーレットが止まるタイミングを見て意図的に7を揃えた…というのか!?」

 

 

その通りだ…と答える必要もないな。これで終わりだ。

 

 

-ガッシューン!ガシャット!キメワザ!ジャラジャラ クリティカル フィニッシュ!-

 

 

ジャラジャラカジノガシャットをゲーマドライバーから抜き、ガシャコンソードのガシャットスロットに装填。必殺技の発動準備は整った。腕のルーレットが起動して球がルーレットを転がり始める。

 

 

「…今だ!」

 

 

ガシャコンソードでコイン型の斬撃を飛ばすと共にルーレットの球がブレイブの顔マークのところに入った。これで攻撃力は20倍。レベル7×20でレベル140分の攻撃を喰らえ!!

 

 

「グアアアア!!」

 

 

安心しろ、ギリギリライダーゲージが残るぐらいにはしてある。フェイスの胸にはライダーゲージが表示されていないが天才外科医としての感覚でわかるのだ。

 

 

「なーんてね…。」

 

「…!」

 

 

まだ…立っているだと!?ドクター・フェイスはフラフラしながらも煙の中から出てきた。既に変身は解除されている。

 

 

「やっぱりこのガシャットは駄目だな…。一緒に使ったガシャットを使い物に出来なくしてしまう。」

 

 

手にしたハリケーンサバイバルガシャットのガシャットラベルは黒くなってしまった。ガシャットとしての能力が失われたのだろうか。…いやああなったからこそ霧島は幻夢コーポレーションでの戦いの際にデータ収集をしていたのだ。

 

今行われている戦いは現実のものではないが、過去にもハリケーンサバイバルガシャットはチゾメノミソギガシャットと同時に使用され、今のように起動できない状態に陥ったに違いない。

 

 

「だから霧島も不完全なバグスターであったということか…。」

 

「そんだけ霧島のことが気になるか?いや気になるのは我が財団のこと…かな?」

 

「財団X…一体なんなんだ!」

 

「崇高なる目的のため力を集めている組織だ。俺はネクストゲノム研究所でバグスターウイルスの研究が出来なくなったから移ったにすぎんがね。」

 

 

ネクストゲノム研究所…Dr.パックマンの時のあの組織か。

 

 

「ネクストゲノム研究所…そこでお前は適合手術を受けたのか?」

 

「私は君たちと違って適合手術を受けたわけでも、霧島のように抗体を持った状態でバグスターウイルスを大量に摂取しバグスターになったわけでもない。別にそこまでの覚悟を持って仮面ライダーになったわけではないよ。」

 

「では一体…?」

 

「興味深いから。」

 

「…。」

 

「バグスターウイルス!興味深いじゃないか!人とほぼ同じ知能を持つウイルス!いやむしろ人を凌駕さえしている!興味深い…興味深いよ!!」

 

「…俺も人のことを言える立場ではない。かつて自分の恋人を救うために仲間を裏切った。」

 

「?」

 

「だが敢えて言わせてもらう。お前は医者を名乗るには堕ち過ぎた。」

 

「…で?」

 

 

-チゾメノミソギ!-

 

 

「ランク40!変身!」

 

 

-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!アア 口惜シヤ 口惜シヤ!其方ノ 血潮デ コトミヲ染メン!チゾメノミソギ!-

 

 

今度はゲーマドライバー中央寄りのメインガシャットスロットにチゾメノミソギを装填。レバーを展開することでフェイス チゾメノミソギゲーマー レベル40へと変身する。先ほどと姿はほとんど変わっていないが、どこかフェイスの様子が変だ。

 

 

「グウウ…アアアア!!!!」

 

「暴走…しているのか!?」

 

 

急激に上がったレベルに耐えきれずにバグスターウイルスが暴走しているようだ。

 

 

「ククク…私が…あなたを倒します!」

 

「人格が…変わった?」

 

 

チゾメノミソギガシャットに込められた怨念のせい…と檀黎斗のようなゲーム脳なら言うのだろう。だが俺は医者だ。あれはドクター・フェイスに感染しているバグスターの意識が外に出てきたのだろう。ちょうど研修医がエグゼイドに変身する時にパラドの人格に影響されるように。

 

 

「行きますよ…!」

 

 

…!消えた!?いや違う、一瞬で俺の背後にまで飛んできたのだ!なんてスピードだ!そんなことを考えているうちにガシャコンバグヴァイザーによる攻撃で俺はホテルの壁に叩き込まれる。

 

 

「グっ…!」

 

 

なんて破壊力だ。コイツを止めるにはもう奴の力が必要だ。何とかそれまで時間を稼がなくてはならない…!


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