仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング 作:エクシ
クロノスの力の一部を手にしたスナイプの最終形態 クロニクルウォーゲーマー。ほぼ完全なバグスターウイルスの抗体がある俺でなければ変身できない姿だ。
「仮面ライダークロニクルを使う…だと…。そのゲームはお前たちが禁止しやがったんだろうが!お前それでも医者か!?」
「あ?俺は患者を救うためだったら何だってしてやるよ。仮面ライダークロニクルを使うことなんてへでもねえよ…。」
牧…ブレイブの恋人…救えなかった患者たち…多くの人を犠牲にしてしまった。だが今度こそ誰も死なせない。ゲムデウスを復活させてまた人々を苦しめようってんなら俺はどんな手段を使ってでもコイツを止めてみせる。
「ミッション開始…!」
-ガシャコンスパロー!-
ゲーマドライバーを用いたクロノスの全武器使用能力でガシャコンスパローを召喚。とは言っても今俺はギリギリチャンバラをレーザーから預かってきている。クロノスの能力がなくとも召喚は出来るがな。
射撃攻撃を繰り出しゲムデウスフェイスを撃ち落としにかかるもデウスランパートでその攻撃は守られてしまう。
「甘いわ!」
逆に鞭による攻撃が俺を襲ってくる。だが今の俺にはそんなものは通用しない。
-ガシャコンマグナム!-
先ほど放り投げたガシャコンマグナムを再度召喚し直した。右手の片手撃ちでデウスランパートを握りしめた右手を狙う。放った銃弾はまっすぐ狙い通り命中。奴は思わずデウスランパートを手放した。
「ぐぅ…!」
-ス・パーン!-
ガシャコンマグナムを手放しガシャコンスパローのAボタンを押すと鎌モードに分離。すぐさまジャンプしている奴のところまで飛んでいき斬りかかる。
「ぐあ!」
「まだまだこんなもんじゃねえぞ!」
地面にのめり込むほどの衝撃でゲムデウスフェイスへ斬撃を食らわせると今度はガシャコンスパローを手放しエグゼイドの武器を召喚する。
-ガシャコンキースラッシャー!ズキュキュキューン!-
コイツならダブル、デュアルガシャットも扱える。アタックラッシュキーパッドのGUNのエンターキーを選択、準備は整った。エグゼイドから拝借してきたドクターマイティXXガシャットをガシャコンキースラッシャーのD-ガシャットスロットに装填!
-ダブルガシャット!キメワザ!-
ゲンムとレーザーの声が鳴り響く。コイツはゲムデウスウイルスのワクチンプログラムがベースになっている。マキナビジョンの時はゲムデウスXとなりウイルスが変化していたこともあってこのガシャットを使うことは出来なかった。
だが今回は先ほど奴自身の力が弱まったことで先ほど培養されたばかりのゲムデウスウイルス。このガシャットの攻撃が効くはずだ。
-ドクターマイティ クリティカル フィニッシュ!-
ガシャコンキースラッシャーの銃口 ガンエリミネーターーGKSをゲムデウスフェイスに向けてガシャコントリガーを引く。ドクターマイティクリティカルフィニッシュがゲムデウスフェイスを包み込む。
「ギャアアアア!!」
ゲムデウスフェイスの体からゲムデウスらしい装甲が剥がれ落ちていく。この攻撃で奴の中のゲムデウスは全て死滅するはずだ。
「ふざ…けるなああああ!!」
放たれるビーム攻撃から何とか逃れたフェイス。その姿はゲムデウスの力が失われたオンラインディザスターゲーマー レベルXX-100だ。
「ハァハァ…俺の…俺のゲムデウスの力がァァァ!!」
「終わりだ。ドクター・フェイス!」
「終わりなんかじゃねえ…終わりなんかじゃ…ねえんだああああ!!」
奴にとってゲムデウスは美しさの象徴だった。ゲムデウスに魅了された男 ドクター・フェイス。今奴の手からその力は消え去った。発狂している奴は隙だらけだ。今のうちに今度はディザストの力を切り離す。
-ガッシューン!バンバンシューティング!ガッチョーン!ガシャット!レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?アイム ア カメンライダー!-
シューティングゲーマー レベル1に変身完了。既にこの手の”患者”の治療法はエグゼイドから習得済みだ。
-ガッシューン!ガシャット!キメワザ!バンバン クリティカル ストライク!-
体に弾丸型のエネルギーを纏わせフェイスの体目掛けて特攻!体当たりによってフェイスの体は吹き飛んでいった。
-ゲ-ムクリア-
その反動でゲーマドライバーは大破、ガシャットは変身解除されたドクター・フェイスのいる方に転がり、ガシャコンバグヴァイザーⅡはポッピーピポパポたちがいる方へと飛んでいった。タドルルディザスターガシャットの方にはヒビが入ったのが見えたからもう使い物になるまい。
資料によるとドクター・フェイスはディザストのウイルスを過剰摂取したことでバグスターになった。檀正宗もゲムデウスウイルスを摂取したことでバグスターになったので対処法は同じというわけだ。さて、後はディザストを倒すだけだ。
アクチュエーションレバーを開こうとゲーマドライバーに手をかけると砂埃が収まりドクター・フェイスの様子が見えた。何者かに首を絞められている…!?そこに立っていたのは…霧島!?
「ククク…。」
「なんで…お前…!」
「あなたにやられた後、私は1粒のウイルスとなって再度あなたの体に感染したんですよ。ゲムデウスウイルスと共にね。」
「へ…それで俺の力が弱まった今…レベルXX-100の力で急培養して具現化したってわけか…ハハ…やるじゃねえか…。あぁ…最後のゲムデウスウイルス…!」
霧島の横には1粒のゲムデウスウイルスが浮遊している。
「今の貴方の体はボロボロでCBAは機能していない。終わりです。」
「てめぇ…霧島だな!」
「花家大我、あなたに用はありません。」
そう言うと霧島はドクター・フェイスを締めあげながらもう片方の手で風を起こし俺を吹き飛ばした。くそ、レベル1じゃ抵抗できねえ。またバンバンウォーズを…!
「消えろ、我が相棒よ。」
バンバンウォーズガシャットを取り出し起動させようとした時、霧島はゲムデウスウイルスの粒子を掴んで消した。それを見たドクター・フェイスは力が抜け消滅していく。患者のストレスが頂点に達した時、ゲーム病によって患者は消滅してしまう。ドクター・フェイスにとっての希望 ゲムデウスウイルスの消滅と共に自らも霧島のゲーム病によって消滅したのだ。
「霧島…お前…!」
「今私はあなたと争う気はない。南雲とフェイスに邪魔されなければ既にレジェンドライダークロニクルは始められていたのだから。」
「レジェンドライダー…クロニクルだと?」
なんだ、そのゲームは!また何か企んでやがるのか…?それを答えることなく霧島はその場から姿を消した。ちゃっかりタドルディザスターガシャットも持って行ってな。
現地の患者の診察が終わり俺たちは日本へ帰国した。仮面ライダーポッピーのレベルX-Pは仮面ライダークロニクルで培ったポッピーピポパポ自身の戦闘データをガシャットに入れたことで出来たため、XPつまりは
「え!だってみんなと一緒に帰ったほうが楽しいじゃん!」
…そうかそうか、ご勝手に。途中で飽きたのかポッピーピポパポは機内で一足お先にと言わんばかりに消えてCRへと戻っていった。何だったんだ、いったい…。
しかしこの楽しそうなこの場を守ることができた。俺はそれだけで今回の戦いに価値を見出している。あとは霧島…復活したやつを追わなくてはいけない。俺はバンバンウォーズガシャットを握りしめそう決心するのだった。
だが帰ってきた日本において俺たちは霧島を追うことに集中できるような状況ではなかった。帰るや否や体表が異なる新型のバグスターが街の人々を襲っているのだ。すぐにゲーマドライバーを装着しガシャットを討つべき敵に向ける。今日も俺は戦う、仮面ライダーとして。
「変身!」
霧島はドアをノックし声がすると部屋に入った。手にはアタッシュケースと修復済みのタドルディザスターガシャットが握られている。
「失礼します。」
「久しぶりだね、霧島くん。」
「長らくご連絡できず申し訳ありませんでした。しかしもうご安心ください。ここにレジェンドライダーガシャットは全て揃っています。」
彼の上司のデスクの上にアタッシュケースを置いて開くとそこには17本のレジェンドライダーガシャットがきれいに収納されている。
「アメリカでひと騒ぎしてきたみたいじゃないか。」
「あぁ…あれはドクター・フェイスですよ。奴の中で私は期を見計らっていました。」
「あれからもう1週間以上は立っている。最上の一件は?」
「最上魁星…ですよね。もちろん存じ上げております。だからこそあなたと接触するのを待っていたんですよ。まぁタドルディザスターの修復に時間がかかったというのはありますが。」
「…財団のルールは知っているね?」
「…!」
部屋の窓から突如白服の男たちが突入してきて武器を霧島に構える。マスカレイド・ドーパント、屑ヤミー、ダスタード、グール…多くの戦闘員が霧島に好戦的な姿勢を示した。
「これは一体…!」
「財団には裏切り者が多すぎる。連絡をしばらく絶つものは容赦なく裏切り者として扱うことを忘れたか?」
「そんな…お待ちください!私は最上が動き出したことでもし奴がしくじれば財団は余計に面倒な立場に立たされると思いあえてこの1週間、接触を控えていたのです。奴まで倒され私もやられてしまえば財団の兵力は大幅に下がってしまう!」
「もう1つ残念な知らせがある。」
「!?」
「財団はレジェンドライダークロニクルから手を引くことにした。」
「な…!」
霧島は驚きのあまりタドルディザスターガシャットを落としてしまう。
「なぜ!?」
「最上がしくじった今、財団自身が再び派手な動きをするわけにはいかない。そもそもレジェンドライダークロニクルはマキナビジョンが実行する予定だったではないか。計画が狂えば我々は動かない、それも分かっているはずだ。だからこそこれだけの長い間、闇の商売人として我々は存続できたのだ。」
「そんな…私は今まで財団のために…レジェンドライダークロニクルの成功の為に…!」
「仮面ライダーたちの力を侮っていた。まさかエニグマまで止められるとは…こんな状況でレジェンドライダークロニクルを実施しても仮面ライダーに阻まれるだけだ。わかったらこのレジェンドライダーガシャットは私に預からせてもらうよ。」
霧島の手は震えている。今まで信じていた組織、仲間、上司、相棒…その全てに裏切られ自分は今裏切り者として処理されようとしている。
「…けるな…」
「?」
「ふざ…けるなああああ!!あああああああ!」
霧島、つまりはディザストの力とタドルディザスターガシャットが共鳴を始める。タドルディザスターガシャットはハリケーンサバイバルの能力も引き継いでいるから呼応したのだろうか。とにかくタドルディザスターガシャットはその特性を発揮し、デスクに置かれたレジェンドライダーガシャットの能力を次々と吸収していく。
「く…奴を殺せ!」
上司の命令に従い戦闘員たちは一斉に霧島に向けて攻撃を放つ。しかし彼を中心に部屋を破壊するほどの突風が吹き荒れた。
「うああああ!」
その勢いに抵抗できず戦闘員たちは飛ばされていくか何かにぶつかって気絶し戦闘不能となる。
「私が…私がレジェンドライダークロニクルを実行する!そうだ、初めから私がやればよかったのだ!この力を財団に…世界に…仮面ライダーに示してやる!」
狂気の沙汰に陥った霧島はレジェンドライダーガシャットを全て吸収したタドルディザスターガシャット改めレジェンドライダークロニクルガシャットを手に取った。
-レジェンドライダークロニクル!-
「ゲーム・・・スタート…!」
霧島はそのガシャットを肉体に挿した。霧島の体を中心に光り輝く巨大なゲームエリアが広がっていく。そのゲームエリアは日本全土を囲うほどだ。仮面ライダーたちの最後の戦いが今始まろうとしていた。