仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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霧島によってついに始まったレジェンドライダークロニクル。ゲームエリアにいる人間がレジェンドライダーを模った戦士 レジェンドプレイヤーとなって戦い合うゲームだ。ゲーム病専門医 花家大我は仮面ライダースナイプとして仮面ライダークウガ、仮面ライダードライブの力を借りてレジェンドプレイヤーを助けるために戦った。CRのメンバーたちは今日も日本各地でオペに当たる。


第4話「2人のvampire king!」

「うお!なんだコイツ!」

 

「へぇ…スタッグフォンの中から人間が出てくるなんて…興味深いね。」

 

 

永夢に行ってほしいと言われた場所についた俺。ここは…ガレージか?巨大な装甲車が止まっている。中々俺の心を滾らせてくれる場所だ。

 

 

「おい!お前!聞いてんのか!?」

 

「ん?あ、ここは風都ってところか?」

 

「あ?うん、そうだけど…。」

 

「それならよかった。えっと…出口は…っと…。」

 

「あー、あっち。」

 

「ありがとう。」

 

 

人間相手にはちゃんと感謝の気持ちを述べた方がいい。永夢たちを見て学習したことだ。さてと、レジェンドプレイヤーのところへ行かなくては…。

 

 

「って待てーい!俺の話聞けってってんだろうが!」

 

 

白のジャケットに白のハット…。俺に話しかけてきたこの男にはあまり似合っていないように見える。その男を突き飛ばして髪の毛をクリップで留めた青年が俺の体を頭の先から足の先までジロジロと見回してきた。

 

 

「どうやって出てきたんだい?この小さな機械から。」

 

「俺はバグスターだ。ネットワークやゲーム世界を行き来するのはお手のもんなんだよ。」

 

「バグスター…?」

 

「や…やべえ!フィリップ、今は風都タワーのことだけ考えてろ!言ったろ!?」

 

 

ハットを被った男は慌ててフィリップと呼ばれた青年を揺さぶる。しかしフィリップはすぐに手に持っていた本を開き目をつぶり始めた。

 

 

「検索を始めよう。キーワードはバグスター。…ふむ…バグスターウイルス…2000年問題から発生したと言われるコンピューターウイルスのことで…」

 

 

何か1人でブツブツと話し始めた。いったいなんなんだ…?

 

 

「あーやっちまったー!図体がでかくなるだけでコイツは一切中身変わんねえな…。」

 

「おい、コイツどうしたんだ?」

 

「どうしたんだ?じゃねえよ!お前がフィリップの興味の対象になっちまったから風都タワーをどうやったら元に戻せんのか地球の本棚で調べられなくなっちまったじゃねえか!」

 

 

何を言っているのかわからないが…。とにかく今はレジェンドプレイヤーのことが最優先だ。俺はハットを被った青年が示していた出口へジャンプし外に出た。

 

ん?外かと思いきやここは事務所…?どうなっているんだ?

 

 

「んあ!誰…!?翔太郎君…にしては背が高い…。」

 

 

事務所のソファの上でジャンプする子供とその子供と遊ぶ女性が2人揃って俺を見てポカーンとしている。

 

 

「おい亜樹子!そいつ止めろ!ガイアメモリを使ってるやつかもしれねえ!」

 

「んええええ!ちょ!ストーップ!そこのドーパント!止まりなさーい!」

 

「止まりなさーい!」

 

 

親子なのだろうか。2人ともなぜかスリッパを誘導棒のようにして俺が外に出ないようにしている。

 

 

「はぁ…なんなんだ!たまたまここがネットワーク世界からの出口になってただけなんだよ!俺はすぐにレジェンドプレイヤーたちを救いに行かなきゃいけないんだ!」

 

「…!レジェンドプレイヤー?まさか街の人たちが仮面ライダーになってる件に何か関係あんのか?それにあの風都タワーも!」

 

 

翔太郎と呼ばれた男が窓の外を指さす。その先には現代風な街には似合わぬ巨大な城がそびえ立っていた。

 

 

「あれは魔界城…!」

 

「どうやら何か知ってるみたいだな。全部話してもらうぜ。あれを元に戻すのはある男からの依頼でもあるし、俺の望みでもある。」

 

「ドキドキ魔界城キバっていうゲームに出てくる城だ。レジェンドライダークロニクルのプレイヤーの中にはたまに力を抜群に発揮するやつだとか意識を保ったまま変身できる奴がいる。ドキドキ魔界城キバの力がなぜかあの場所で一気に発揮されたせいで作られたんだ。」

 

「あそこは前に大道が大量のエネルギーを溜め込んだ場所だったからな。土地に蓄積されたデータがコンピューターウイルスと結びついちまったのか?」

 

「さぁな。たぶん仮想ガシャットを持ったやつがあの城の中にいる。そいつを倒せば城はなくなるはずだ。」

 

「あと1つ質問だ。お前なんでこの街に来た?」

 

「俺は人間を救うために来たんだ。」

 

 

俺の真剣な顔を見た翔太郎はフッと笑みをこぼすと壁にかけてあった鍵と置かれていたヘルメットを手に取って事務所の出口へと向かった。

 

 

「俺も同じだ。街を泣かせる奴は許せねえからな。ついてこい。」

 

「え!翔太郎君!この人、会ったばかりなのに信じるの!?」

 

「俺ぐらいになると目を見りゃそいつの為人ってのはわかるんだよ。コイツぁ俺やフィリップとおんなじだ。罪を背負って戦い続けてる。そういう奴は嫌いじゃない。」

 

 

俺は自分のことを何も話していない。それなのに翔太郎は俺の顔を見ただけで信用することを決めたらしい。…その服、似合っていないというのは撤回しよう。

 

 

 

 

 

風都タワー…であった魔界城の下までたどり着いた。マシンハードボイルダーに乗っている間にフィリップの性格と能力について聞いた。地球の本棚ってのは心が躍るが、彼の夢中になったら周りが見えなくなる部分に関しては俺には似ていない…と思いたい。

 

…いや永夢のことになると夢中になってしまう部分はあるが…。

 

 

「さぁ行くぜ。街のシンボルを取り返させてもらう。」

 

 

城の中は古びた洋館になっていた。螺旋階段が遥か上へと続いておりどうやらその頂上にドキドキ魔界城キバガシャットを持つものがいるようだ。俺が一歩階段に足を置いた瞬間、突如吹き抜けとなっている頭上から狼の意匠がある青い怪人が襲い掛かってきた。

 

 

「避けろ!」

 

 

翔太郎の声がなければ回避が遅れていたかもしれない。この男、ただの探偵ではなさそうだ。

 

 

「コイツ…バグスターじゃない…!」

 

「ドーパントでもねえ。でもここは戦わないわけにはいかねえなぁ。フィリップ!」

 

 

…?

 

フィリップはこの場所にはいない。何を言っているのかとか翔太郎を見ると腰にはダブルドライバーが取りつけられている。

 

 

「ったく…早く終わらせろ!…ん?パラド?」

 

「なんだ?」

 

「お前パラドっていうのか。名前聞いてなかったな、そういや。ってそれより今は怪人だ!………くっそ、わーったよ。俺1人で行く。」

 

 

そういうとダブルドライバーを取り外し、バックルの片側がないロストドライバーを巻いた。そしてUSBメモリ型のアイテム ジョーカーメモリを取り出す翔太郎。

 

 

-ジョーカー!-

 

 

「下がってな。変身!」

 

 

-ジョーカー!-

 

 

ジョーカーメモリを装填されたバックルを展開すると翔太郎の体は黒の仮面ライダーへと姿が変わった。

 

 

「仮面ライダー…ジョーカー。」

 

 

名乗ると襲い掛かってきた怪人にパンチを食らわすジョーカー。どうやら俺の力は知らないらしいな。ゲーマドライバーを巻く俺はガシャットギアデュアルを取り出す。

 

 

-デュアルガシャット!-

 

 

「マックス大変身!」

 

 

-ガッチャーン!マザルアップ!赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!-

 

 

「仮面ライダーパラドクス、参上。」

 

「お前も仮面ライダーだったのか!」

 

 

青い怪人を止めながらジョーカーはパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマー レベル99となった俺の姿を見る。

 

 

-ガシャコンパラブレイガン!ズ・ガーン!-

 

 

ガンモードにしたガシャコンパラブレイガンで両手を抑えられている怪人目掛けて射撃。

 

 

「グアア!」

 

 

効いてる効いてる!このまま一気に撃破(ゲームクリア)だぜ!

 

 

「待て!」

 

 

…!声のした方向を見るとそこには逆さになった仮面ライダー…!?

 

 

「ハァ!」

 

 

謎の仮面ライダーは俺にパンチを決めてきた。なかなかやるじゃねえか…!

 

 

「だったらこっちも!」

 

 

-ズ・ゴーン!-

 

 

アックスモードに変更し謎の仮面ライダーに斬りかかる。謎の仮面ライダーは動いていないにもかかわらずガシャコンパラブレイガンを振った俺の手は止められた。

 

 

-俺様もいるぜ(えおえふぁまもいるふぇ)!-

 

 

コウモリ型のモンスターがガシャコンパラブレイガンのアックスエリミネーターPBG、つまりはアックスモードの刃の部分を噛みつくことで止めているのだ。

 

 

「な…なんだコイツ!」

 

「キバット!無理しないで!」

 

-鍛えた成果を(ひはえはへいかを)渡にも(わたふひも)見せてやろうってな(みへてやろふっへな)!-

 

 

噛みついているせいで上手く喋れないのか。とにかく俺は謎の仮面ライダーを、ジョーカーは青い怪人を相手取って戦う。

 

 

「俺は人間を救いたいんだ!」

 

「僕だって仲間を救いたい!」

 

「仲間だと?あの化け物がか!?」

 

「化け物じゃない!ガルル…次狼さんだ!」

 

 

あの青い怪人、ガルルというらしい。…違う違う…名前は対して重要じゃない。アイツはここの頂上にいるレジェンドプレイヤーの元に俺たちが辿りつけないようしている。つまりは人間の敵だ。

 

 

「次狼さんは操られているだけなんだ!僕に次狼さんを助けさせて!」

 

 

何?ガルルは操られている…だと?

 

 

「…証拠は?」

 

「今見せる。」

 

 

そう言うと謎の仮面ライダーは腰に着いたホイッスル状のアイテムを取り出しキバットと呼ばれたモンスターの口に装着させる。

 

 

-ガルルセイバー!-

 

 

音色が鳴り響くとその音に反応し遠吠えを上げるガルル。体の中からステンドガラスの模様の棒状の物体が飛び出し割れるとガルルの体はガルルセイバー 彫刻形態へと変化した。謎の仮面ライダーはそれを左手で手にすると瞳が青く変化する。

 

 

「次狼さん、無事でよかった…!」

 

 

キバットが謎の仮面ライダーの腰から離れると変身が解除され、元々の姿であろう青年の姿になった。ガルルセイバーもエネルギーを放出しながら人の姿になる。

 

 

「助かったぞ、渡。ジョーカー…とか言ったな。世話をかけた。」

 

 

ジョーカーもジョーカーメモリを抜き変身解除。元の翔太郎の姿に戻る。

 

 

「おいおい一体どういうことだ?訳がわからないぜ。」

 

 

-俺様が説明しよう!-

 

-ガッチョーン!ガッシューン!-

 

 

俺もとりあえず変身解除。どうやら本当に敵というわけではないらしい。

 

 

「じゃあ教えてもらおうか?キバット…だっけ?」

 

-本名はキバットバットⅢ世様だが特別にキバットって呼ばせてあげるぜ~!-

 

「いいから早く話してよ、キバット。」

 

 

渡という青年に促されて話し始めるキバットバットⅢ世。

 

 

-コイツは紅渡。人間とファンガイアの共存の為に戦ってる。-

 

 

「ファンガイア?」

 

「吸血鬼…みたいなものかな。前までは人間と対立していたんだけど僕の兄さんが人間との共存を目指すことを掲げたおかげで今は平和に暮らしてる。…表向きは。」

 

 

-ファンガイアの中にはまだ人間との共存に反対する奴もいる。レジェンドライダークロニクルに乗じてそのファンガイアの中の1人が上手いことファンガイアが人間たちと袂を分かつキッカケにしてやろうって動いているってわけだ。-

 

 

「俺はウルフェン族のガルル。渡に協力しているが、そのファンガイアに洗脳されていた。新しいチェックメイトフォーになれ…とな。」

 

「チェックメイトフォー…。兄さんが廃止したのにまた復活させようとしているんですね。」

 

 

渡は思いつめたように俯く。

 

 

「とにかくアンタたちが敵じゃないのはわかったぜ。頂上にいる奴が人間にとって敵になるってことだな。つまりソイツをぶっ倒すことが俺たちの共通の目的ってわけだ。」

 

 

…確かにそうだ。頂上にいる奴は人間を襲うファンガイア。倒すべき敵だ。でも俺は本当にそれでいいのか…?

 

 

 

 

 

頂上に上がると玉座が置かれていてそこに1人の男が座っている。その両脇には緑色と紫色をした怪人が1人ずつ立っていた。あれがガルルの言っていたバッシャーとドッガのようだ。

 

 

「ようこそ魔界城へ。半純潔のファンガイア…キバよ。」

 

「ファンガイアは変わったんだ。ライフエナジーももう人間を襲わなくても得られるようになったでしょ。」

 

「そういう問題ではないのだ。ファンガイアは全魔族の頂点に君臨する種族。支配しなければならない!」

 

 

-けっ!そういう考えはもう今”オワコン”って言うんだよ!-

 

 

「フ…ファンガイア族の家来でしかない下等種族が。」

 

 

-な…!ファンガイア族とキバット族は同盟関係だ!くっそもう行くぜ!渡!-

 

 

「…うん。ファンガイアと人間のために…君を倒す!」

 

 

-キバっていくぜ!ガブッ!-

 

 

キバットバットⅢ世が渡の手に噛みつくことでベルトが出現する。一方の翔太郎は再びダブルドライバーを装着。フィリップにコンタクトを試みる。

 

 

「フィリップ!もういいだろ!」

 

 

-駄目だよ翔太郎。まだリプログラミングの部分を読み終っていないんだ。あー、リプログラミングされるとどうなるのか、その実験結果を見てみたいものだね。-

 

 

「あー!もー!!リプロなんちゃらなんて知るかよ!ってなんだこりゃ?」

 

 

翔太郎の手に握られているのは名探偵ダブルガシャット。たった今出現したようだ。

 

 

-名探偵ダブル!-

 

 

「なるほどな、コイツでダブルに変身できるらしいな。」

 

「やめておけ、ガシャットを使えば理性を失う可能性がある。」

 

「男の仕事の8割は決断だ。そこから先はオマケみたいなもんなのさ。俺なら大丈夫だ。俺は仮面ライダーなんだからな。」

 

 

確かに仮面ライダーだった者がガシャットを使っても理性を失わないと永夢から教えてもらったんだった。

 

俺はゲーマドライバーを装着しガシャットギアデュアルをメインガシャットスロットに挿入。

 

 

-デュアルガシャット!-

 

 

「マックス大…」

 

「「「変身!」」」

 

 

翔太郎のダブルドライバーにサイクロンメモリが出現。それを押し込むとジョーカーメモリも装填しバックルを展開。

 

顔に紋章が浮き出ている渡はキバットバットⅢ世を自らのベルトに装着する。

 

 

-ガッチャーン!マザルアップ!赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!-

 

-ハーフボイルド!数えろ!お前の 罪を!名探偵ダブル!-

 

 

3人の姿がそれぞれ仮面ライダーに変身!パラドクス、ダブル、キバのそろい踏みだ。

 

 

「渡、俺を使え!」

 

「わかってます!」

 

 

-ガルルセイバー!-

 

 

ガルルフエッスルが吹かれたことでガルルの姿がガルルセイバーは変化。それを掴んだキバはガルルフォームにフォームチェンジした。荒々しい戦闘スタイルに変わったキバは一番近くにいたバッシャーに襲い掛かる。

 

ダブルはドッガを相手取ることに。何度もパンチをするがドッガの堅い装甲を中々崩すことは出来ない。

 

 

「堅ぇな…。ならコイツだ。」

 

 

-メタル!サイクロン!メタル!-

 

 

ダブルはサイクロンメタルにハーフチェンジ。メタルシャフトを手に取り風を纏いながらドッガに打撃攻撃を叩き込む。今度は効いたようでドッガの体がよろける。

 

俺はというと玉座に座った男に向けてガシャコンパラブレイガンの銃口を向けた。

 

 

「いいぜ。お前が俺の相手だな。」

 

 

そう言い取りだされたのはドキドキ魔界城キバガシャットだ。

 

 

-ドキドキ魔界城キバ!-

 

 

それを挿した男の姿はキバと同じ姿のキバプレイヤーへ変化する。

 

 

「このキバの鎧…模倣品だとは思えぬ。ファンガイアの王のみ身につけることが出来るこの鎧…ククク…!」

 

 

なるほど。どうやらキバの力はファンガイアの王のものらしい。その力をレジェンドライダークロニクルによって手に入れることが出来たこの男は自らが王になろうとこんなことをしたのだろう。

 

とにかくキバプレイヤーに変わったことで条件はフェアになった。さぁ戦闘開始(ゲームスタート)だ!玉座から立ち上がったキバプレイヤーに銃撃するも空中へ飛び避けられる。

 

一方のキバはガルルセイバーをキバットバットⅢ世に噛みつかせる。

 

 

-ガルルバイト!-

 

 

キバはガルルセイバーをクラッシャーに咥え回転しながらバッシャーに斬りかかった。

 

 

「キバット、魔皇力は…」

 

 

-わかってる!抑えめにしといたぜ!-

 

 

パワーが抑えられたガルル・ハウリングスラッシュを受けたバッシャーは傷を抑えながらも起き上がろうとする。そこで今度は緑色のバッシャーフエッスルをキバットバットⅢ世に吹かせるキバ。

 

 

-バッシャーマグナム!-

 

 

バッシャーの体から棒状の物質が飛び出て破壊される。バッシャーの洗脳が解けた証拠だ。

 

 

「いてて…。」

 

「ラモンくん!力を貸して!」

 

 

バッシャーはバッシャーマグナム 彫刻形態へ変わりキバの右手に握られる。右腕が変化しバッシャーの力もキバに加わった。

 

 

-ヒート!トリガー!-

 

 

ダブルは火力特化のヒートトリガーでドッガに着実とダメージを与えた。

 

 

「これで決まりだ。」

 

 

-トリガー!マキシマムドライブ!-

 

 

トリガーメモリをダブルドライバーから抜いてトリガーマグナムに装填。マキシマムドライブが発動だ。

 

 

「トリガーエクスプロージョン!」

 

 

最火力で発射されたトリガーエクスプロージョンはドッガを襲い、その体に大きな火傷を与えた。しかしさすがは最硬のアーマーを持つドッガ。バッシャーと同じく立ち上がろうとする余裕はある。

 

 

-ゲームクリア!-

 

 

「うーん、フィリップがいない分やっぱ火力が弱いな。おい、キバさんよ!出番だ!」

 

「うん!」

 

 

キバがドッガフエッスルを吹くとドッガはドッガハンマー 彫刻形態に変化しキバの元へまっすぐと飛んでいく。それを握ったキバの胸部は紫色の鎧へ変化しキバ ドガバキフォームに姿を変えた。

 

 

-よーし、全ての武器を取り戻したぜ。-

 

 

「武器じゃない。仲間だよ、キバット。」

 

「あとはあの偽物キバだな。」

 

 

キバはタツロットフエッスルをキバットバットⅢ世に噛ませる。それを見ていたキバプレイヤーも同じタツロットフエッスルを自らの腰にあるキバットバットⅢ世に吹かせた。

 

 

-テンションフォルテッシモォ~!-

 

 

タツロットはキバの方に来るかと思いきや…後に吹かれたキバプレイヤーの方へ向かっていき封印の鎖を解き放っていく。

 

 

-な…何ぃ!?-

 

 

「そんな…タツロット!こっちだよ!」

 

 

そこまでバグスターウイルスは仮面ライダーの力を再現できるのか…。自画自賛のようになってしまったな。とにかくキバプレイヤーは力を解放することでエンペラーフォームへとフォームチェンジ。いよいよヤバイな…。

 

そこへエクストリームメモリが窓の外から入ってきた。ダブルの横にフィリップを召喚すると2人の上をクルクルと回る。

 

 

「フィリップ!バグスターウイルスはもういいのか?」

 

「いいやまださ。だがリプログラミングのところを読んでいる時にパラド、君の名前が出てきた。」

 

「…!俺は確かに永夢にリプログラミングされているからな。」

 

「興味深い…!是非君の力を近くで見ようと思ってね。」

 

「そう言うことならいつも通りで行かせてもらうぜ。」

 

 

ダブルの体から名探偵ダブルガシャットが排出された。翔太郎はガシャットを俺に投げて渡してきた。エンペラーフォームとなったキバプレイヤー相手に投げられたガシャットをキャッチできる余裕があるのは俺が天才ゲーマーMだからだろう。

 

 

「んじゃ行くぜ、相棒。」

 

「あぁ。」

 

 

-サイクロン!ジョーカー!-

 

 

「「変身!」」

 

 

-エクストリーム!-

 

 

エクストリームメモリが2人を1つにしダブル サイクロンジョーカーエクストリームに変身。これが最強のダブルか…!

 

 

「敵の全てを閲覧した。キバ、君は魔皇力をキバプレイヤーに注ぎ込むんだ。」

 

 

-ハァ!?そんなことしたらアイツが強化されちまうだろうが!-

 

 

「いいから早くしたまえ。」

 

 

キバットバットⅢ世は「知らないぞー!」っと言いながらもキバプレイヤーのところまで飛んでいき噛みついた。魔皇力を注入されたことでより強化される…と思いきや俺から離れて苦しみ始めた。どういうことだ?

 

 

「キバの鎧を扱うのは普通のファンガイアでは無理だ。黄金のキバの鎧ともなればそれはさらにハードルが上がる。魔皇力をさらに注ぎ込んだことで肉体が耐えきれなくなったのさ。」

 

 

フィリップの推測通り、キバプレイヤーの変身は解除されタツロットはキバの元へ戻ってくる。

 

 

-いっきまっすよ~!-

 

 

タツロットの力でキバはエンペラーフォームを取り返す。男はというと顔に紋章が浮き出てからホースヘアワームファンガイアへと変化した。

 

 

「そして奴の正体は他の生物を洗脳することが出来るハリガネムシの力を持つファンガイアだ。彼の能力でアームズモンスターたちは操られていたのさ。」

 

「俺たちは2人で1人だけどアイツは1人で4人をやってたってことか。空しい奴だ。」

 

「黙れ!腑抜けたファンガイアたちにも鉄槌を下すのが俺の役割だったのに…ウオオオオ!」

 

 

雄たけびをあげるホースヘアワームファンガイア。味方が誰もいないその姿は寂しさの一言につく。

 

 

「みんな、行こう!」

 

「っしゃ。」

 

「心が滾る…!」

 

 

-ウェイクアップフィーバー!-

 

-エクストリーム!マキシマムドライブ!-

 

2人は各々の必殺技を発動させている。俺は名探偵ダブルガシャットをキメワザスロットホルダーに装填した。ん?いつからかキメワザスロットホルダーはなくなってた?使う時には出せるのさ。

 

 

-キメワザ!名探偵 クリティカル ストライク!-

 

 

ダブルがサイクロンジョーカーエクストリームに変わるときのように体の真ん中を割る動作をすることで俺の体は左側がパズルゲーマー レベル50、右側がファイターゲーマー レベル50へと”ハーフチェンジ”した。

 

 

「「ライダーエクストリーム!」」

 

 

ダブルの2人の掛け声と共にキバと俺もホースヘアワームファンガイアにキックを叩き込む。…俺の結論は間違っていないはずだ。

 

 

-ゲームクリア!-

 

 

 

 

 

魔界城は消えていき元の風都タワーに戻った。地上へ降りた俺たちはホースヘアワームファンガイアだった男を抱えている。

 

 

「なぜ…俺を助けた…?」

 

 

必殺技をぶつける前に防御と回復系エナジーアイテムをありったけ地球の本棚から取り出しホースヘアワームファンガイアに与えておいた。3人の必殺技を受けても無事だったのはそのおかげだ。

 

 

「俺も人間の味方になるなんて思ってもいなかったんだ。ちょっと前までは。人間の味方になるくらいなら消えた方がマシだって。」

 

「…!」

 

「でも今は違う。永夢が俺に人と生きる道を照らしてくれたんだ。きっとお前にもそんな道があると思う。」

 

「お前にもいい相棒がいるんだな。」

 

 

翔太郎の言葉にニヤリと笑みを見せる俺にフィリップも満足げな顔をしている。

 

 

「さっきはごめん。もう一度やり直そう。」

 

 

渡が男に手を差し伸べる。傷だらけの男はしばらく地面に座ったまま俯いていたが黙ってその手を取った。人間の敵だった俺だからこそ救えた命がコイツだったと俺は思う。


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