仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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霧島によってついに始まったレジェンドライダークロニクル。ゲームエリアにいる人間がレジェンドライダーを模った戦士 レジェンドプレイヤーとなって戦い合うゲームだ。天才外科医 鏡飛彩は仮面ライダーブレイブとして仮面ライダーブレイド、仮面ライダーオーズと共に戦いを繰り広げた。CRのメンバーたちは今日も日本各地でオペに当たる。


第7話「Magicalな超加速!」

ブハ!ブハハハハハ!!待たせたな!私だァ!ハハハハハハハ!!

 

…!私をジロジロと見るな。凱旋門には観光客が大勢集まっていることもあり神である私をどうしても凝視してしまうようだ。えぇい…フランスまで来たのは見世物になるためではない。ヨーロッパまでゲームエリアが広がったことで全世界がレジェンドライダークロニクルの中に入ったといっても過言ではない。

 

私のレジェンドライダーガシャットを勝手に流用して出来た駄作ゲームをこれ以上野放しにするわけにはいかないと直訴した結果、衛生省から許可が下りてここにいる。バグスターであるから全世界のどこにでも行けるという特性をいいように使われてしまった。何たる屈辱。

 

だが日本を飛び出すことが出来たのはこちらにとっても好都合。衛生省の管理下に置かれることなく新たなゲームの製作に没頭できるからな。レジェンドライダークロニクルをさっさと終わらせてナゾトキラビリンスをさっさと開発してしまおう。そこから私の計画は始まるのだから…!

 

えぇい!私の写真を撮るな!!

 

 

 

 

 

「パリに伝説の怪盗現る。神か魔法使いの子孫か。」

 

 

どうやら私の面は海外にも割れているらしく注目されていたらしいからインターネット世界を移動し人間たちには見られないよう工夫をしていた。そんな中見つけた記事がこれだ。怪盗などはどうでもいい、だが神…神だと!?

 

神は私だ!私に子供はいない!ふざけるなぁ!もしその怪盗を神とでも呼ぶ者が現れようものなら容赦はせんぞ。

 

 

「奴は神だぜ!金のない人のために金をむしり取ってくれるんだ!それも魔法使いみたいに華麗にな!姿を現すことなく金や宝石を盗ってくんだ。」

 

 

決まりだァ!この怪盗とやらをこの世から消してやる!唯一神であるこの私が…神だ!

 

 

 

 

 

犯行予告のあった深夜0時まで後10分ほどとなった。パリの警察も予告に書かれていたルビーを守るため警備している。しかし私のはそんな生ぬるい監視ではないぞ。場所は博物館。歴史的価値のあるルビーはショーケースの中に入っている。その外に置かれた解説用のタブレット。私は今その中にいる。完璧だ。人間の目には見えずともバグスターである私がハッキリと間抜けな怪盗の姿を捉えてやる!

 

電子機器の中にいる私は正確な時間を確認できる。5…4…3…2…1…!

 

0時になった!博物館の前に立っている時計塔の鐘が鳴り響くと共にショーケースのガラスが割られた。どういうことだ、私は何もしていないぞ!ショーケースの中のルビーは既になくなっている。一体何をした…!

 

ん?わずかだが微量のバグスターウイルスが検出できる。混乱に陥る現場においてタブレットから現れる私は対して注目されない。まったく…私が怪盗ならどうするんだ。

 

とにかく微量のバグスターウイルスを追えば何かわかるかもしれない。私はその後を追いかけていった。

 

 

 

 

 

パリから一歩出るともう辺りは畑が広がっている。とはいえ今は深夜だから辺りは見えないが。そんな中、車を走らせている私をバイクで後ろから追っているものがいるのだ。不快だな。車を止め降りるとバイクも止まった。

 

 

「なんだお前は…!私を追ってきたのか?」

 

「まぁね。お前が神と呼ばれる怪盗か?」

 

「私は神であるのは確かだが怪盗ではない…!」

 

「あーそういう感じの人ね。まぁ神ってことにしてあげてもいいけど…魔法を犯罪に使われちゃ見過ごせないな。」

 

「魔法…?」

 

 

この男、日本語を話している。犯罪だと?博物館に侵入した不法侵入を言いたいのか?

 

 

「悪いが捕まえさせてもらうぜ。」

 

 

-ドライバーオン プリーズ-

 

 

右手をバックルにかざすことでベルトが出現した。あのベルト…確かウィザードライバー…!

 

 

-シャバドゥビ タッチ ヘンシン!シャバドゥビ タッチ ヘンシン!-

 

 

なんだ!この耳触りの良い変身待機音は…!神の才能を感じる…!

 

 

「変身!」

 

 

男は左手にしたフレイムウィザードリングをウィザードライバーにかざす。

 

 

-フレイム プリーズ ヒーヒー ヒーヒーヒー!-

 

 

男の左側から魔法陣が出現。体を通り抜けると男を赤き魔法使いへと変身させた。そうだ、思い出したぞ。Dr.パックマンとの戦いの際に永夢に力を貸した仮面ライダーの1人 操真晴人 仮面ライダーウィザードだ。

 

 

「魔法使いは人を絶望から救うためにいるんだ。どんな理由があっても犯罪には使わせないぜ。」

 

「私は魔法使いではない、神だぁ!」

 

 

しまった、私は怪盗ではないことを否定するタイミングを逃した…!だが魔法の力のデータを取っておくのは悪くない。例えば牢獄から抜け出すことが出来る魔法の力などのデータが取れれば…!

 

 

-マイティアクションX!-

 

 

ゲーマドライバーを装着。倒すつもりもないし、圧倒的な力で捻じ伏せてしまえばデータの収集時間が減ってしまう。ここはプロトマイティアクションXガシャットオリジンで変身だ。

 

 

「グレード0、変身!」

 

 

-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティアクショーン!X!-

 

 

仮面ライダーゲンム アクションゲーマー レベル0になった私は先手必勝とばかりにウィザードへ襲いかかる。

 

 

-コネクト プリーズ-

 

 

ウィザードは魔法陣からウィザーソードガンをガンモードで取り出しそのまま銃撃。適当に撃ったかのように見られる銃弾は魔法の力で私を追尾し命中する。

 

 

「グゥ…!」

 

「ん?そのドライバー…エグゼイドと同じだな。ってことは魔法使いじゃない…?」

 

「そうだ!私は神!魔法使いではない!」

 

「その神ってのどうにかならないの?ただの泥棒でしょ。」

 

「盗みなどしていない!」

 

 

小学生の頃、女子のリコーダーが盗まれた時に真っ先に私が疑われたことを思い出してしまった。その時にも同じことを言ったはずだ。私は盗んだのではなく、女子のリコーダーのデータを収集しただけだった。確かに無断で拝借したのは誤解を招く行為だったかもしれないが、今回に関しては一ミリも疑われるようなことはしていない。

 

 

「じゃあなんで博物館の現場にいたんだよ。あそこは警備の奴しかいられなかったはずだろ。」

 

 

私のバグスターとしての能力を説明してもこんな奴に理解できるだろうか。くそ、残留したバグスターウイルスが徐々に風に吹かれて消えていっている。コイツをとりあえず振り切るしかない。

 

 

-シャカリキスポーツ!-

 

 

スポーツゲーマを召喚し、すぐに跨ってペダルを漕ぐ。

 

 

「じ…自転車だと!?」

 

 

ブハハハハ!さらばだ!魔法使い!

 

 

-エクステンド プリーズ-

 

 

うおおおお!!ウィザードの腕が伸び、スポーツゲーマごと私を縛り上げた。くそ!くそ!

 

 

-ガッシューン!-

 

 

「ふぃー。」

 

「おい!真犯人が逃げてもいいのか!?私なら本物の犯人を追跡できるんだぞ!」

 

「ほーん。」

 

「私を信じろ!」

 

 

これも小学生の時に言った気がする。それからすぐ私はその小学校を辞めたのだった。

 

 

「ったく…そこまで言うならわかったよ。でも手足は縛らせてもらうぜ。」

 

 

-バインド プリーズ-

 

 

ウィザードのバイク マシンウィンガーと私が鎖で固定された。変身を解除したウィザードは私の指示通りに運転する。やがて辿りついたのはボロボロの家が立ち並ぶ集落だ。

 

 

「本当にこんなところにいるのか?」

 

「ただ私はバグスターウイルスを追ってきたに過ぎない。」

 

「はぁ!?真犯人がここにいるって言ったんだろ!アンタなぁ…」

 

「おい!奴だ!」

 

 

そう、奴からバグスターウイルスがわずかに零れ落ちている。30代くらいに見える髭を生やした男。その手にはルビーとガシャットが握られている。どうやら私たちが追ってきたことに気がついたようだ。

 

 

-昆虫大戦争カブト!-

 

 

あのガシャットは…まずい!

 

 

「おい!すぐにこの鎖を解け!変身しろ!」

 

 

ウィザードはすぐにフレイムドラゴンウィザードリングを装着。ん?待て、その前に言ったことが聞こえていなかったか?

 

 

「変身!」

 

 

-フレイム ドラゴン ボゥー!ボゥー!ボゥーボゥーボォー!-

 

-カブトにクワガタ!ハチ・トンボ!サソリ!バッタ!昆虫大戦争!-

 

 

怪盗のガシャット、あれはカブトプレイヤーに変身させることが出来るものだ。仮面ライダーカブトの能力を引き出されては非常に厄介になる。

 

えぇい…だからこの拘束を解け!!

 

 

-Clock Up!-

 

 

カブトプレイヤーがライダーベルトに触れると鳴り響く音声。まずい、やはりカブトプレイヤーが消えた。これはクロックアップ。仮面ライダーカブトが使える能力だ。タキオン粒子が体を駆け巡って、時間流を自在に行動できるようになり……ようは超高速スピードで移動できるようになるということだ!

 

 

「グア!」

 

 

ウィザード フレイムドラゴンスタイルと強化形態にもかかわらず見えない敵に翻弄されている。いいから私を解放しろ!クロックアップしたカブトプレイヤーを捉えるのは不可能と言っても過言ではない。大人しく時間が経つまで待つんだな。

 

 

-Clock Over-

 

 

何!?時間切れが随分と早いぞ。それにカブトプレイヤーがあたかも攻撃されたかのように倒れている。一体どういうことだ?ウィザードが何かしたのだろうか。

 

 

「何が何だかわかんねえぞ…。」

 

 

どうやら違うようだ。クロックアップを止めるには同じくクロックアップしてる者が攻撃を与え動きを止める方法がある。同じくカブトプレイヤーが近くにいるのか?

 

 

-Clock Over-

 

 

もう1人のカブトプレイヤー…。

 

 

「ぐ…何者だ?」

 

「俺にそれを尋ねるとは…愚問だな。」

 

 

怪盗が変身したカブトプレイヤーは膝をつきながら訪ねるももう1人のカブトプレイヤーはそれに答えようとしない。

 

 

「邪魔をするな!俺は義賊、俺に救われた人は大勢いるんだぞ!」

 

「ただの泥棒なら俺が出る幕ではない。ただの泥棒ならな。お前がワームであることはある男から聞いている。」

 

「…!」

 

 

もう1人のカブトプレイヤーは怪盗の秘密を何か知っているようだな。…っそんなことはどうでもいい!ウィザード、私の拘束を解け!!

 

 

「おばあちゃんが言っていた。何年経っても消えない味がある。それは大切な人が作った料理の味と罪の味だってな。お前らは元の人間を殺して生き延びてきたワームだ。逃がすわけにはいかない。」

 

 

お前ら…?集落を見るとあちこちでこちらをのぞき込む人々が見えた。こいつらもワーム…というもののようだ。それにしても知的で冷静そうなカブトプレイヤーが”おばあちゃん”と自らの祖母を呼ぶのはなかなかに違和感があるな。

 

 

「…俺たちはネイティブの一件以来さらに生きにくくなった…!お前たち人間が俺たちを受け入れれば俺たちも人間を殺して擬態する必要なんてなかったんだ!」

 

 

カブトプレイヤーであった怪盗の体が光り始め、やがてカニ型のクラブワームへ変化した。これが正体か!クラブワームの体から排出された昆虫大戦争カブトガシャットがウィザードの足元へ転げ落ちる。それを拾うウィザード。

 

 

「怪人だったってことか。アンタはただのカブトプレイヤーじゃなさそうだけど?」

 

「お前の噂は聞いたことがある。仮面ライダーウィザード。」

 

「うーん、世間じゃやっぱ指輪の魔法使いよりもそっちの名前のほうが有名なんだな。って俺の質問に答えてくれよ。」

 

「…さっさと片付ける。邪魔はするなよ。」

 

 

-Clock Up-

 

 

カブトプレイヤーとクラブワームは同時にクロックアップを起動。2人は私たちの視界から姿を消す。

 

 

「邪魔するなって俺たちじゃあの速さに追いつけないし…。」

 

「フフフ…。」

 

「え…何…?気持ち悪ッ…。」

 

「私の神の才能に不可能はないッッ!早くこの鎖を解け!そうすればあのカブトプレイヤーと同じスピードを手に入れられるぞ!」

 

 

ウィザードは渋々私に手をかざすと鎖は消えた。よし、これで変身できる!ゲーマドライバーを装着。

 

 

「それを渡せ。」

 

「え?」

 

 

ウィザードが持っている昆虫大戦争カブトガシャットも取り起動させ、ゲーマドライバーに装填。

 

 

-昆虫大戦争カブト!ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!カブトにクワガタ!ハチ・トンボ!サソリ!バッタ!昆虫大戦争!-

 

 

ゲンム カブトゲーマー レベル2に変身。これでカブトの力を使うことが出来る。

 

 

「ブハハハハハ!!クロックアップ!!」

 

 

とりあえず気分でキメワザスロットホルダーを叩いてみる。そんなことをしなくてもいいのだがせっかくなら本家のクロックアップを再現したいと思ってな。

 

クロックアップの世界に入るとカブトプレイヤーとクラブワームが戦っていた。カブトクナイガンをクナイモードにしてクラブワームの堅い装甲に斬りかかっている。その攻撃はやたらめたらに斬りかかるものではなく、相手の弱点を冷静に見極めている感じだ。

 

やはりこの男、ただのレジェンドプレイヤーではない。…まさか本物の…!

 

 

「貴様ァ…カブトか?」

 

「…俺は天の道を往き総てを司る男、天道総司だ。」

 

 

以前昆虫大戦争カブトガシャットを作る際にZECTのデータベースをハッキングしたことがあったが、そこで仮面ライダーカブトの装着者を見たことがある。その装着者の名前がそんな変わった名前だった。やはりこいつ…本物のカブトだ。

 

 

-イーンフィニティ!プリーズ!ヒースイフードー!ボーザバビュードゴーーン!-

 

 

なんだ…!ウィザードライバーの音声が鳴り響くと共に淡い水色のような白銀の魔法使いが現れる。これはウィザード インフィニティスタイル…!…そうか、インフィニティスタイルには時間干渉による高速移動能力が備わっているのはDr.パックマンの一件の際のデータ収集でわかっている。それでクロックアップの世界に入り込んできたというわけか。

 

 

「俺を置いていくなよ。」

 

「お前にもう用はない!」

 

「エグゼイドとは似ても似つかない奴だな。それよりあのワーム…とか言ったな。奴を倒すぞ。ぞろぞろとお仲間も出てきたみたいだしな。」

 

 

集落から現れたワームたちか。私は衛生省から言われた通り、レジェンドライダーガシャットを使う者からガシャットを奪えればいいのだ。本当なら昆虫大戦争カブトガシャットを取り返した今ならばここで去ってもいい。

 

だが…。

 

 

「ここで昆虫大戦争カブトガシャットを使った私が本物のカブト以上の力を示せば私の神の才能を証明出来る!!ハハハハハ!」

 

 

私の才能がほかの人間を下回るはずがないことを知らしめてやろう!カブトクナイガンをアックスモードにしてワームたちへ斬りかかる。ズバズバと斬っていくのは気持ちがいいぞ…!

 

カブトを見るとクラブワームに着実にダメージを与えつつ、すれ違うワームたちも蹴りを入れていく。緑色の爆発を起こしワームたちは消滅していく様は華麗さすら感じさせる。おのれ…カブトぉぉ!

 

 

「これで終わらせる…。」

 

「終わる…?終わるわけにはいかない…俺たちは…生きるために…!」

 

 

クラブワームは擬態した怪盗の姿に戻る。その顔にはいくつものヒビが入っていた。

 

 

「…!あれは!」

 

 

-1・2・3-

 

 

「…ライダーキック…。」

 

 

怪盗に近づきながらカブトゼクターを操作するカブト。その前にウィザードが立ちふさがる。

 

 

「どういうつもりだ。」

 

「ちょっと待ってくれないか。コイツは今絶望しかかっている。放っておくわけにはいかない。」

 

「ソイツは人じゃない、ワームだ。」

 

「人が擬態した存在なんだろ。分かってるよ。でも人の姿をしたコイツが絶望する姿を俺は見たくないんだ。」

 

 

そういいウィザードは怪盗の手を取りエンゲージウィザードリングをはめる。

 

 

-ルパッチマジック タッチ ゴー!エンゲージ プリーズ-

 

 

「俺が最後の希望だ。」

 

 

怪盗の手をウィザードライバーに当て魔法を発動させるウィザードは怪盗のアンダーワールドへと入っていく。私を置いていくとはいい度胸だ。だがこちらも手段がある。キメワザスロットホルダーのサブガシャホルダーからマジックザウィザードガシャットを取り出す。

 

 

「それは…。」

 

「私はすでにマジックザウィザードガシャットを使用したデータがある。そこから仮想ガシャットを私の手で作り出すことなど造作もないこと…!カブト!お前にはウィザードの力を使えないだろう!ブハハハ!」

 

「…。」

 

 

カブトの無言は何を意味しているのか。とにかくカブトはほかのワームとの戦闘を続けるようだ。私はウィザードを追い、カブトのみならずウィザードも超すことを証明してやろう。

 

 

-マジックザウィザード!ガッチョーン!ガッシューン!ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!シャ・シャ・シャバドゥビタッチで 変身!プリーズ!マジックザウィザード!-

 

 

今度はゲンム ウィザードゲーマー レベル2にチェンジ。ウィザードが開いたアンダーワールドの入口から私も入っていった。

 

 

 

 

 

怪盗のアンダーワールド。それは人間の怪盗を擬態怪盗 クラブワームが抱きかかえているところだった。

 

 

「俺の…代わりに…義賊を続けてくれ…。」

 

「今から病院に行けば間に合う!俺たち2人でまた貧しい人やワームたちを助けよう!」

 

「無理だ…金がないからな…。」

 

「…盗んだ金を使おう。助かるためだ!」

 

「だめだ!俺は自分のためには盗んだ金は使わない。なぁ…俺が死んでもそれだけは守ってくれ…。お前は俺なんだから…わかってくれるよな…?」

 

 

そう言うと人間の怪盗を力尽きた。擬態怪盗は本物の怪盗から皆を託された。それこそが彼にとっての希望。まもなくしてアンダーワールドは巨大なカニのファントムに破壊され始めた。アンダーワールドが破壊されれば擬態怪盗はファントムと化す。

 

 

「さぁショータイムだ!」

 

 

-ルパッチマジック タッチ ゴー!チョーイイネ!キックストライク!サイコー!-

 

 

空中へウィザードが飛ぶ。まずい、いいところを取られるわけにはいかない!

 

 

 

-ガッシューン!ガシャット!キメワザ!マジックザ クリティカル ストライク!-

 

 

私も空中へジャンプ!ウィザードのストライクウィザードに合わせ私もマジックザクリティカルストライクを叩き込む。巨大なカニは奇声をあげながら爆発を起こした。

 

 

-ゲームクリア-

 

 

 

 

 

現実世界へ戻ってくると擬態怪盗を残してどのワームも周りにはいなかった。どうやらカブトがすべて片付けたようだ。ウィザードはすでに変身を解除している。

 

 

「さてと、やるべきことはあと1つだな。」

 

 

今度はタイムウィザードリングを指にはめてウィザードライバーにかざすも反応しない。

 

 

「うわ…魔力が足りない…。」

 

「俺の出番のようだな。」

 

 

そういうとカブトは異空間から飛んできたハイパーゼクターを手に取る。

 

 

「そのウィザードリングは時を遡るものだろ。アンダーワールドで何か変えられる過去を見たようだな。」

 

「随分魔法使いのことに詳しいんだな。アンタ一体…。」

 

「天道総司だ。ハイパーキャストオフ。」

 

 

-Hyper Cast Off-

 

 

カブトの体が変化していく…。あれがハイパーフォームか!

 

 

-Change Hyper Beetle-

 

 

「アンダーワールドで見たのは半年前だ。このワームが擬態した人間を救ってほしい。」

 

「わかった。」

 

「おい、カブト。お前はワームを倒すのが使命だったんじゃないのか?」

 

「…仮面ライダーゲンム。お前は何のために戦う?」

 

「何…?」

 

「地球上のあらゆる生き物を守るために戦う。人間からアメンボまでな。ワームもネイティブもすべて含めて。コイツが誰も本当に殺していないのならコイツも俺の守る対象だ。ハイパークロックアップ…!」

 

 

-Hyper Clock Up-

 

-ゲームクリア-

 

 

ハイパーゼクターの操作とともにカブテクターが展開し始めた。おそらくカブトは過去に飛んで本物の怪盗を助けるつもりだろう。そうすれば先ほど倒したワームたちが倒される未来も変わるはずと。

 

私はこの男のようにはなれない、いやなる気もない。だが共通するところがあるとすれば私も地球上のあらゆる生き物を楽しませるために戦っていることだ。

 

すべての生き物が楽しめるコンテンツ…それを私は作るのだ!


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