仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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小児科医 宝条永夢は仮面ライダーエグゼイドとしてレジェンドライダークロニクルを攻略すべくオペに当たっていた。仮面ライダー電王 野上良太郎とイマジンたちの力を借りて仮面ライダーフォーゼ 如月弦太郎と共にレジェンドライダークロニクルが始まる時間へと遡る永夢。ディザストへと変身した霧島を止めた3人のライダーであったが現代に戻ってもレジェンドライダークロニクルは止まっていなかった。困惑する永夢の前に現れたのは自らを「通りすがりの仮面ライダー」と名乗る男で…。


第9話「Decadeの研究成果!」

「とりあえず…どうぞ。」

 

 

良太郎さんたちは別の時間でレジェンドプレイヤーたちを守るため、弦太郎さんは仮面ライダー部のみんなと共に天ノ川学園高校を守るため別々に戦うことになった。代わりと言ってはなんだけどCRについてきたのはこの茶髪の男性。特徴といえる特徴は特にないけど何と言ったらいいか…とにかく変わっている人なのはだいたいわかった。

 

ほら、僕が出したコーヒーもすぐ一気飲みしておかわりを要求するし…。

 

 

「たっだいま~~!」

 

 

ゲーム端末機の画面から出てきたのはポッピー。普通の人間なら驚いてもおかしくはないけれどこの人は動じない。

 

 

「あれ?永夢、お客さん?」

 

「あー、うん。タケルくんたちは?」

 

「まだまだレジェンドプレイヤーはいっぱいいるからね、オペを手伝ってもらってるよ。」

 

「いくら人手があっても足りない事態だ。そんな時に全員呼び出すとはどういう了見だ、小児科医。」

 

 

CRに飛彩さん、大我さん、ニコちゃんが入ってくる。ゲーム端末機の画面には貴利矢さんにジャケットの裾を掴まれながら渋々檻の中へ入る黎斗さん。貴利矢さんは画面の中から、パラドが僕の中から出てきてみんなが揃った。

 

 

「実はこの人が全員を呼べってしつこくて…。」

 

「ご苦労だったな。俺は門矢士、いくつもの世界を巡ってる仮面ライダーだ。」

 

「いくつもの世界だと?オカルト話に付き合うためにわざわざCR(ここ)に来たわけじゃねえぞ。」

 

「俺もオカルト話をしに来たわけじゃない。仮面ライダースナイプ、花家大我。」

 

「へぇ…闇医者先生のこと知ってるってタダ者じゃなさそーだ。アンタなにもん?」

 

「それだけじゃない、お前のことも知ってるぜ。仮面ライダーレーザー、九条貴利矢。」

 

「…!」

 

「俺はレジェンドライダークロニクルを止めるためにこの世界に来た。というかたぶんそれが俺のやるべきことだ。」

 

 

何を言っているんだ?僕にはまるで意味が分からない。

 

 

「レジェンドライダークロニクルはマスターガシャットがない。正確にはマスターガシャットが現時点では消えている。霧島の体の中にあるからな。」

 

「なぜそんなことを知っている。ドクターでもないお前が。」

 

「この世界に来た時は医者の服装をしていたぜ。でもコスプレをして楽しむって歳でもないから脱いできた。」

 

「結構冗談のノリがいい奴じゃんよ。でも自分たちは今真面目な話をしたいんだよね。」

 

「…仮面ライダーゲンム、檀黎斗…だったな。このデータを分析しろ。」

 

「私に命令するのは10年早いぞ。」

 

「データを一目見れば嫌でも手が止まらなくなるさ。」

 

 

そういいながらUSBメモリを近くにあったパソコンに挿す士さん。嫌々ながらも檻の中でデータを見る黎斗さんだったがすぐにその目つきは変わる。

 

 

「檀黎斗、なんのデータだ?」

 

「これは…!」

 

「レジェンドライダークロニクル攻略の鍵になるはずだ。」

 

「なんでてめぇそんなもん持ってやがる…!お前まさか財団の奴か?」

 

「なるほど。それなら納得がいくぜ。」

 

 

そう言いながらゲーマドライバーを構えるみんな。でも士さんはそんな人には見えないんだけどな…。

 

 

「いいぜ、戦ってやる。まずは力を見せつけてやるのが俺のやり方だしな。」

 

 

そういうと士さんはゲーマドライバーとは違う白いカメラのようなドライバー ディケイドライバーを取り出し腰に巻いた。そして腰のライドブッカーからカードを取り出す。

 

 

「変身!」

 

 

-カメンライド ディケイド!-

 

 

ディケイドライバーを操作することで士さんは黒とマゼンタと白の色をした仮面ライダーディケイドに変身。みんなもそれぞれのガシャットを起動させ変身する。

 

 

-タドルクエスト!-

 

-バンバンシューティング!-

 

-爆走バイク!-

 

-パーフェクトパズル!-

 

 

「術式レベル2。」

 

「第弐戦術。」

 

「0速!」

 

「「「「変身!」」」」

 

 

---ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!---

 

-Dual up!-

 

-タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!-

 

-ババンバン!ババンバン!バンバンシューティング!-

 

-爆走 独走 激走 暴走!爆走バイク!-

 

-Get the glory in the chain!PERFECT PUZZLE!-

 

 

黎斗さんはデータの分析、ポッピーは僕の近くで困惑している。飛彩さんたちはそれぞれ仮面ライダーへと変身し、キメワザスロットホルダーのホルダースイッチを押して採石場のステージへと変更した。

 

 

----ステージセレクト----

 

 

「これよりディケイド切除手術を開始する。」

 

「ミッション開始!」

 

「ノリノリで行くぜ!」

 

「協力プレイ、心が躍るな。」

 

 

手に持っていたガシャコンマグナムで士さんに向けて射撃攻撃を繰り出すスナイプ シューティングゲーマー レベル2の大我さん。士さんはライドブッカーをソードモードにし弾を弾く。その隙をついてガシャコンソードとガシャコンスパローによる斬撃を決めようとするブレイブ クエストゲーマー レベル2とレーザーターボ バイクゲーマー レベル0である飛彩さんと貴利矢さんだったけど、ライドブッカーをガンモードにした射撃攻撃で2人を怯ませる士さん。

 

 

「タダじゃ勝てなさそうだな。これを使え!」

 

 

パラドクス パズルゲーマー レベル50になっているパラドはエナジーアイテムを操作して3人にそれぞれ適したアイテムを渡す。

 

 

-高速化!-

 

-透明化!-

 

-ジャンプ強化!-

 

 

飛彩さんはスピードの加速によるガシャコンソードの斬撃、大我さんは透明になったことでどこから放たれるか分からない銃撃、貴利矢さんはジャンプ力の強化で辺りを飛び回りつつガシャコンスパローによる攻撃を士さんに食らわせる。

 

 

「フン…やるじゃねえか。こっちも使うとするか…!」

 

 

そういいライドブッカーをブックモードにしてから腰につけカードを取り出す。そしてディケイドライバーを操作。

 

 

「変身!」

 

 

-カメンライド ウィザード!-

 

 

魔法陣が士さんの体を通っていきディケイドの姿からウィザードの姿へと変わる。ベルトだけはディケイドライバーのままのディケイドウィザードだ!

 

 

-フォームライド ウィザード フレイムドラゴン!アタックライド コネクト!-

 

 

フレイムドラゴンスタイルにチェンジした士さんは魔法陣からドラゴタイマーを取り出した。

 

 

-ドラゴタイム!セットアップ!-

 

 

「ショーを見せてやろう。」

 

 

-スタート!-

 

 

まずは飛彩さんが襲い掛かる。士さんは再びライドブッカーをソードモードにして対応。

 

 

-ウォータードラゴン!-

 

 

 

もう1人の士さん、ディケイドウィザード ウォータードラゴンスタイルが魔法陣から現れ飛彩さんを斬る。

 

 

「何!?」

 

 

-ハリケーンドラゴン!-

 

 

今度はハリケーンドラゴンスタイルが出現。透明になっていた大我さんを吹き飛ばす。

 

 

-ランドドラゴン!-

 

 

ランドドラゴンスタイルは岩をぶつけて貴利矢さんを止める。残ったフレイムドラゴンスタイルの士さんはパラドの相手だ。

 

 

「どうやらただのレジェンドプレイヤーとは一緒って考えない方がいいみたいだな。」

 

 

パラドはガシャットギアデュアルを抜いてパラドクスバックルの上からゲーマドライバーを装着。メインガシャットスロットにアクチュエーションダイヤルを戻してから入れた。

 

 

-デュアルガシャット!-

 

 

「マックス大変身!」

 

 

-ガッチャーン!マザルアップ!赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!-

 

 

パラドクス パーフェクトノックアウトゲーマー レベル99、パラドの本気だ。

 

 

「なら俺も変えるとしよう。」

 

 

-カメンライド ダブル!-

 

 

ディケイドウィザードからディケイドダブルに…!

 

 

「何!?翔太郎とフィリップ!?」

 

 

-フォームライド ダブル ヒートトリガー!-

 

 

赤と青のフォーム ヒートトリガーにハーフチェンジ。胸のトリガーマグナムでパラドを追い詰めていく。

 

 

 

 

 

一方の飛彩さんと大我さん相手にも士さんは再度変身をする。

 

 

-カメンライド オーズ!-

 

-カメンライド ドライブ!-

 

 

「…!どうやら少し本気を出した方が良さそうだな。術式レベル50!」

 

「あぁ、コイツただの仮面ライダーじゃねえ…!第伍拾戦術!」

 

 

ちょうどディケイドドライブと戦う大我さんと背中合わせになった飛彩さん。ガシャットギアデュアルβを手にしてそれぞれのゲームにアクチュエーションダイヤルを合わせる。

 

 

-タドルファンタジー!Let's going King of Fantasy!-

 

-バンバンシミュレーションズ!I ready for Battleship!-

 

--デュアルガシャット!ガッチャーン!デュアルアップ!--

 

-タドルメグル!RPG!タドルファンタジー!-

 

-スクランブルだ!出撃 発進 バンバンシミュレーションズ!発進!-

 

 

ブレイブ ファンタジーゲーマー レベル50、スナイプ シミュレーションゲーマー レベル5へとそれぞれレベルアップ。しかし士さんはそれぞれまたフォームライドのカードを使用する。

 

 

-フォームライド オーズ タジャドル!-

 

-フォームライド ドライブ フォーミュラ!-

 

 

ディケイドオーズ タジャドルコンボは空中へ飛び立ち、タジャスピナーから放たれる火炎攻撃をブレイブに食らわせる。

 

 

「ぐ…この攻撃は…オーズを守ったあの一撃と同じ!」

 

 

どうやら飛彩さんは映司さんと共に戦っていた時、士さんを一瞬見ていたらしい。思い返せば僕たちは何か見えないものに助けられてきた気がする。その始まりは大天空寺に持ち込まれてきたというレジェンドプレイヤーが写った奇妙な写真だった。

 

大我さんはディケイドドライブ タイプフォーミュラの超加速について行けず翻弄されている。

 

 

「まさか…お前がクウガを長野に呼んだのか!」

 

「ご名答。」

 

 

 

 

 

貴利矢さん側の士さんは…またカメンライドだ。

 

 

-カメンライド 鎧武!-

 

 

「フルーツ!?」

 

「氷川にはお前が会ったらしいな。」

 

 

-フォームライド 鎧武 ジンバーレモン!-

 

 

ディケイド鎧武 ジンバーレモンアームズはソニックアローで射撃攻撃を放ち貴利矢さんを撃ち落とす。

 

 

「氷川…!?アンタが氷川さんにレジェンドプレイヤーの情報を送ったってことかよ!」

 

 

 

 

 

-ガッチョーン!キメワザ!ガッチャーン!パーフェクトノックアウト クリティカル ボンバー!-

 

-カメンライド ビルド!-

 

 

フレームがディケイドダブルの前と後ろに出現し合わさることでディケイドビルド ラビットタンクフォームに変身。キックを繰り出そうとするパラドに慌てることなくカードを装填する。

 

 

-ファイナルアタックライド ビ・ビ・ビ・ビルド!-

 

 

パーフェクトクリティカルボンバーの射程から外れるためとボルテックフィニッシュを決めるために地面深くに潜る士さん。技を外したパラドは辺りを見回している。まずい、後ろだ!

 

僕はゲーマドライバーを腰に巻き、マイティブラザーズXXガシャットを起動。間に合ってくれ!

 

 

-マイティブラザーズXX!ダブルガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティ!ブラザーズ!2人で1人!マイティ!ブラザーズ!2人でビクトリーX!-

 

 

パラドが僕に半強制的に吸い込まれる。

 

これで”俺”はエグゼイド ダブルアクションゲーマー レベルXに変身し、パラドを救うことが出来た。さっきまでパラドがいた場所にはディケイドがボルテックフィニッシュを叩き込んでいる。危なかったぜ。

 

 

「やるな、仮面ライダーエグゼイド。」

 

「お前があの写真をゴーストに渡したのか?」

 

「あぁ。翔太郎に風都タワーの件を依頼したのも、ブレイドになってジョーカーの力を発揮することで財団Xのアジトに剣崎一真を呼び出したのも、天道総司にワームのことを伝えたのもな。」

 

 

自分たちを影で支えていたのはどうやらディケイドだったようだ。みんな変身を解除するとディケイドも変身を解いた。ステージも元のCRに戻る。

 

 

「待っていたぞ、諸君。私の神の才能にかかればこの10年分のデータも10分で読み終わる!ブハハハハ!」

 

「いいから内容教えろよ、神!」

 

「レジェンドライダークロニクルの設計図だ。これさえあればマスターガシャットがなくともどのようにクリアすればいいのかわかるのだ!だがこれをどこで手に入れた?」

 

「ビルドの世界だ。そこにも霧島はいるからな。財団Xには最上という男がいただろ。奴も本来には不可能な異世界の自分との交流を財団Xのシステムを使って行っていた。霧島もそれと同じ手段で2人で研究を重ねていたというわけだ。」

 

「そのもう1人の霧島はどうなったんだ?」

 

「俺とビルドで協力して倒した。そいつが持っていた設計図にはバグスターウイルスを使った研究がかかれていたからな、詳しいことは俺は分からないからお前たちに持ち込んだというわけだ。」

 

「随分回りくどい方法を使ってくれたもんだ。」

 

「俺が異世界に不用意に触れれば破壊しちまうかもしれないからな。この世界は他の世界を支える大きな柱だから不用意には触れるなと海東の奴に言われたんだ。」

 

 

どういう意味なのかいまいちよく分からなかったが、とにかく今まで隠れ続けたのには理由があったらしい。そしてもう今はそうも言ってられず、一刻を争う事態であるということも分かった。

 

 

「それで黎斗さん、どうやったらレジェンドライダークロニクルを終わらすことが出来るんですか?」

 

「その前に…門矢士、彼が力をたった今ディケイドの発揮してくれたおかげで世界の滅亡へと繋がった。」

 

 

-ゲームクリア-

 

 

「!?」

 

 

ゲームクリア音と共に地響きが鳴り始める。

 

 

 

 

 

聖都大学付属病院の屋上へ出た僕たちは空を見上げる。これは仮面ライダークロニクルのラスボス ゲムデウスが出現した際と同じ現象だ。

 

 

「どういうこと?説明して、黎斗!」

 

 

ガシャコンバグヴァイザーⅡを手にポッピーが叫ぶ。

 

 

「ゲームエリア内で各レジェンドライダーの力が一定以上発揮されるとゲームクリア音が鳴るようになっていたようだ。そして18本のレジェンドライダーの力が全てクリアされた時…ラスボス レジェンドディザストは現れる…!」

 

 

黎斗さんのいう通り、空から現れたのは巨大なモンスター レジェンドディザスト…!

 

 

「やはり俺が触れた世界は破壊されるのか…。」

 

 

士さんはレジェンドディザストを睨みながらそう呟いた。


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