仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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小児科医 宝条永夢は仮面ライダーエグゼイドとしてレジェンドライダークロニクルを攻略すべくオペに当たっていた。レジェンドライダークロニクルのラスボス レジェンドディザストに挑む永夢たちCRのメンバーと仮面ライダーディケイド 門矢士。それぞれの作戦を実行するも、戦った敵を分析しすぐさま対抗する力を手に入れるレジェンドディザストの力の前に次々と破れていく。しかしその戦いを目にしていた永夢とパラドはレジェンドディザスト攻略のカギを掴んだようで…。


最終話「Legendlyな結末」

…………………。

 

私は…今…私ではない。(レジェンドディザスト)の中に…多くの人々の意識が介在しているからだ。

 

そんな中、私自身の意識がハッキリしてきたのはなぜだろうか。宝条永夢が私の前に立ち塞がり私が攻略される見込みが出来たからか?いわゆる人間でいう走馬燈…というやつだろうか。

 

 

 

 

 

「目が覚めたかね、霧島君。」

 

 

目を覚ましたところは財団Xが運営している病院の手術台の上だった。私に声をかけてきたのは上司だ。

 

…そうだ、私は財団の支部に突入してきた栄光の7ライダーに敗れたのだった。しかしなぜ私は生きているのだ?

 

 

「君はNEVERとして蘇ったんだよ。」

 

 

NEVER…死者を不死身の兵士として蘇らせる技術だったな。財団が融資するか審査していたことを思い出した。その技術を使って私を蘇らせてくれたのだ。私は財団に必要とされているということだ。こんな私を…!

 

 

 

 

 

「君にドクター・フェイスを処理してもらいたい。彼は財団の指示に従わず、独自の研究をしている。財団の利益にならないものは消す。」

 

「お待ちください。ドクター・フェイスの才能は財団には必要でしょう。考えがあります。」

 

 

それこそ私のバグスター化だった。ちょうど私のクライアントの1人であった檀正宗からバグスターウイルスの研究に対する融資を依頼されていた。その見返りとして私のバグスター化に協力してもらう。

 

そして私がドクター・フェイスに感染し、もし彼が財団に歯向かうことをすれば私が彼を脅す。”相棒”とはそんな奇妙な関係が最期まで続いた。

 

 

 

 

 

私の人生は結局財団と共にあった。しかし任務中に財団からは裏切り者と見なされ処理されそうになり…

 

…私は暴走…。レジェンドライダークロニクルガシャットを作り上げそれを自らの体に挿した。財団、日本、世界、仮面ライダー…すべてを破壊したい…その願望に身を任せ。

 

そして今、その暴走を止めようと私の前に立ちふさがったCRのドクターたち、そして…宝条永夢…!

 

 

 

 

 

僕の中からパラドが出ていき変身が解かれた。もうマキシマムマイティXもハイパームテキも攻略されている。この2つを使うわけにはいかない。

 

 

-ガッシューン!-

 

 

分離したパラドは大我さんが使っていたバンバンウォーズガシャットを拾い上げ僕に投げてきた。これと後は…。

 

白衣の内ポケットからRGサーキットボードがクリアブルーの特別仕様 マイティクリエイターVRXガシャットを取り出し起動!

 

 

-マイティクリエイターVRX!-

 

 

「マイティクリエイター…!?…そうか!」

 

 

さすがは黎斗さん、この状況においてマイティクリエイターVRXガシャットを使うことができる理由を理解したようだ。

 

 

「永夢、どういうことだ?そのガシャットはVR空間専用って…」

 

「貴利矢さん、ここはVR空間と同じ扱いになってるんですよ。このレジェンドライダークロニクルのゲームエリアは多種多様な技術やエネルギーを集めて構成されてます。それは既にパラドが僕に教えてくれていた。」

 

 

パラドがニヤリとする。風都タワーをベースに魔界城が作られた際にその事に気がついていたのはさすがだ。

 

僕はさらにバンバンウォーズガシャットを起動!

 

 

-バンバンウォーズ!-

 

 

良かった、まだ使える!バンバンウォーズガシャットは数多くのガシャットを吸収しパワーアップしていたフェイスを倒すために作られたものでエネルギーの補充が必要な特別なガシャット。先ほどの戦いでエネルギーが切れていなかったか心配だったけどよかった!

 

 

「パラド、行こう!」

 

「おう!」

 

 

パラドの目が赤く光り僕の中へ入ってくる。…よし、行くぜ!

 

 

「変身!」

 

 

-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!天地創造の力!ゲットメイク!未来のゲーマー!マイティクリエイターVRX!アガッチャ!最終戦争 開幕 強者のウォーズ!-

 

 

俺はエグゼイド ウォークリエイターゲーマーに変身!クリエイターゲーマーの上半身の白い装甲部や腰のマントは迷彩柄へ変わっており、肩には戦車を思わせる大砲がレジェンドディザストの方を向いている。

 

 

「さすが私だ!マイティクリエイターを幻夢VRなしでも変身できるように改良していたこの私の神の才能のおかげ!!」

 

「ちょっと黙ってろ!しかしそれになってどうするんだ!またレジェンドディザストに解析されて終わりだぞ。」

 

「安心しな、ブレイブ。バンバンウォーズの力を使えば解析されることはないぜ!」

 

 

俺の言葉を聞いてスナイプはハッとする。気が付いたみたいだな。

 

 

「そうか、バンバンウォーズには体の周りにVR空間を作り出す能力がある。その空間は周りのゲームエリアとは異なるもの!」

 

「そっか!ゲームエリアが違えば解析されることはないってわけね!だから大我がレジェンドディザストに食らわせた攻撃はいつまでも回復しなかったんだ!」

 

 

スナイプとニコも合点がいったみたいだな。

 

 

「なるほどな。大体わかった。」

 

 

ディケイド…本当にわかってるのかわからないけど…。後解析されていないのはゲームを使って仮面ライダーになっていないコイツと俺だけ。

 

 

「ディケイド、協力してくれ。」

 

「あぁ、分かってる!」

 

 

ライドブッカーから3枚のカードが飛び出しそれをキャッチするディケイド。カードにはエグゼイド アクションゲーマー レベル2とライダーズクレスト、俺とガシャコンブレイカーが浮かび上がる。

 

 

「行くぞ!」

 

「おう!」

 

 

-ガシャコンブレイカー!-

 

 

俺はガシャコンブレイカーを、ディケイドはライドブッカー ソードモードを持って真っ白のレジェンドディザストの元へ駆けていく。まずは一太刀、次にディケイドがもう一太刀!

 

効いている!効いてるぜ!レジェンドディザストはもがき苦しんでいる。何とか修復しようとするも解析できない攻撃に成す術がない。

 

 

「グギャアアアアア!!」

 

 

解析はされないとはいえ後は純粋なテクニックとパワー勝負。テクニックならマイティクリエイターVRXガシャットの、パワーならバンバンウォーズガシャットの力を使うまで!

 

 

-ガッシューン!-

 

 

俺はマイティクリエイターVRXガシャットでミサイルを描きレジェンドディザストに撃ち込ませる。見事命中!

 

ディケイドは先ほど絵柄が現れたカードのうち1枚をディケイドライバーに装填した。

 

 

-ファイナルフォームライド エ・エ・エ・エグゼイド!-

 

 

そして俺の後ろに立つディケイド、何をする気だ?

 

 

「ちょっとくすぐったいぞ。」

 

 

背中に触れた…と思いきや…なんだこれ!俺の体が巨大なガシャコンブレイカー エグゼイドブレイカー ハンマーモードに変形。レーザーの時以上の変形に困惑するぜ…。

 

エグゼイドブレイカーを手にディケイドは新たなカードを読み取らせる。

 

 

-ファイナルアタックライド エ・エ・エ・エグゼイド!-

 

 

エグゼイドブレイカーを振り下ろし地面を叩く。衝撃でレジェンドディザストは浮かび上がり小さなゲームエリアの中に閉じこまれた。ハンマーモードからブレードモードへ変更!再びエグゼイドブレイカーを握ったディケイドの斬撃がレジェンドディザストを斬った!

 

 

「ウアアアアア!!」

 

 

地面をのたうち回っているレジェンドディザストの体から白い光が飛び出していく。

 

 

「そんな…私の体から…人々の意識が!」

 

「よし、これでみんなを救うことができた!」

 

「私は…私は復讐する!財団に…世界に…仮面ライダーに!」

 

 

どうやら人々の意識が体から抜けていっていることでレジェンドディザストの本来の姿 霧島の意識が露わになってきたようだ。

 

霧島…今まで何度も俺たちを苦しませてきた宿敵。しかし最後はすべてだった財団Xに裏切られ自暴自棄という形でレジェンドライダークロニクル(このゲーム)を始めたようだ。

 

エグゼイドブレイカーから元の姿に戻る俺。とにかく今は霧島の体の中にあるレジェンドライダークロニクルガシャットを壊すことが最優先だ。

 

 

「永夢、行くぞ。」

 

「おう!みんなの運命は俺が変える!」

 

 

-ガシャコンキースラッシャー!ガッシューン!ガシャット!カミワザ!ガシャット!キメワザ!-

 

 

召喚したガシャコンキースラッシャーにマイティクリエイターVRXガシャットとバンバンウォーズガシャットを装填!

 

 

-ウォーズ クリエイター クリティカル フィニッシュ!-

 

 

ガシャコンキースラッシャーによる斬撃を直接レジェンドディザストに!だがそれを止めるレジェンドディザスト。

 

 

「ふざけるな…私は…消えない!!」

 

「俺はお前を消そうなんて思ってない!レジェンドライダークロニクルを止めたいだけだ!」

 

「もう私には…レジェンドライダークロニクルしかないのだ!!」

 

 

レジェンドディザストの力がオーラとなってガシャコンキースラッシャーを包みこみヒビが入り始める。まだこれほどの力を…!

 

 

-ダブル オーズ フォーゼ ウィザード 鎧武 ドライブ ゴースト エグゼイド ビルド ファイナルカメンライド ディケイド!-

 

 

ディケイドがケータッチを操作しコンプリートフォームにフォームチェンジ。もう俺の攻撃が突破されそうだ!

 

 

「ディケイド!」

 

「わかってる!」

 

 

-エグゼイド カメンライド ムテキ-

 

 

ディケイドのに俺の分身が出現。ムテキゲーマーは既にレジェンドディザストに攻略済みではあるが、ディケイドの生み出した力はバグスターウイルスによるものではないから攻撃が効くと考えたのだろう。

 

 

-ファイナルアタックライド エ・エ・エ・エグゼイド!-

 

 

ディケイドと俺の分身がジャンプする。ハイパークリティカルスパーキングを決めるつもりだ。ガシャコンキースラッシャーから手を離し俺は後ろへ下がる。その時にガシャコンキースラッシャーからマイティクリエイターVRXガシャットを取ってそのままキメワザスロットホルダーに装填!

 

 

-ガッシューン!ガシャット!カミワザ!マイティ クリティカル ストライク!-

 

 

ディケイドのハイパークリティカルスパーキングに気を取られているレジェンドディザストはその攻撃を抑えこもうとする。しかし俺のマイティクリティカルストライク、マイティクリエイターVRXの力で大きな足をオーラで作り出しレジェンドディザストへキックを叩き込んだ。

 

 

「ぐあああああああ!!!!」

 

 

これで…終わりだ。

 

 

-神撃の一発!-

 

 

巨大な爆発と共にレジェンドディザストの体からレジェンドライダークロニクルガシャットが飛び出しヒビが入った。

 

これでレジェンドライダークロニクルは…終わりだ。

 

 

爆発の跡には霧島が横たわっていた。意識はかろうじてある。

 

 

「私は…私はレジェンドライダークロニクルと共にある…。」

 

 

-ガッチョーン!ガッシューン!-

 

 

変身を解除した僕。士さんもケータッチを外して元の姿へと戻った。

 

 

「どうして…どうしてそこまでしてレジェンドライダークロニクルを。」

 

「…檀黎斗…お前ならわかるんじゃないか?」

 

 

黎斗さんなら…?僕たちは皆黎斗さんの方を向くも腕組みをしたままで答えようとしない。

 

 

「神、何か知っているのか?」

 

「知るはずがないだろう。ただ…。」

 

「ただ?」

 

「自分の才能の証明こそが私の存在価値、私が神としてある象徴!奴も似たような感情を抱いていたのかもしれないな。まぁ私の才能に及ぶ存在ではないが。」

 

 

はぁ…結局いつもの黎斗さん節か…。

 

 

「おい!エグゼイド!そいつを止めろ!」

 

 

大我さんの指さす方向では霧島が火花を散らしているレジェンドライダークロニクルガシャットを再び自らの体に挿そうとしているところだった。

 

 

「やめて下さい!」

 

 

だが止めるには…遅すぎた。体にささったレジェンドライダークロニクルガシャットは粉々になり、霧島の体も消滅していく。…また人を救えなかった。僕はハイパームテキやリプログラミングといったような多くの力を手にすることが出来たけど、未だに救えない命はたくさんある。そのためには医者としてもゲーマーとしても、もっと学んでもっと鍛える必要があるんだ。もうゲーム病で二度と人が悲しまなくて済むように。

 

 

 

 

 

それからしばらくして士さんは僕たちの元を去っていった。

 

 

「もう行くんですか?」

 

「この世界は俺の世界じゃない。長居する理由はないな。」

 

「また…会えますか?」

 

「…他の奴らはもうドクターの仕事に戻ってるんだろ。お前も早く戻れ。」

 

「…はい。」

 

「……。」

 

「あの!」

 

「…なんだ?」

 

「本当に…ありがとうございました。僕たちを助けてくれて。」

 

「…また会えるさ。お前が戦い続けて、俺が旅を続けてればな。」

 

 

後ろを向いたままの士さんがどんな顔をしているのか僕にはわからない。でもたぶんいい顔をしていたんだと思うんだ。士さんは少しだけ手を挙げてから異世界へと去っていった。それを見送った僕の元には今日も患者さんが待ってる。僕には僕の戦いがあるんだ。その戦いの先で…

 

いつか…いつかまた!




これで仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング、最終回となります。長いようで短かったなあ。この小説は完全に自己満足で書いたものですので設定に無理があったり、矛盾点もあったかもしれませんがそこは温かい目で見ていただけたらと思います。

レーザーVSレーザーターボは「レーザーターボがなぜ生まれたのか」ということの説明のようなことをしたかったので作りました。レーザー好きなのでもうちょっとカッコよく出来たらよかったです…。ゲンムVSレーザーでもレーザーかっこよかったな…。

ゲンムVSプロトブレイブはゲンム、プロトスナイプ以外のプロトライダーを出したいなと思いました。またこの小説全体を通して敵として立ち塞がった霧島のデビュー戦ともいえます。

パラドクス&プロトスナイプではレジェンドライダーのガシャットを絡めてきつつ意外な組み合わせであるパラドと大我を組ませてみました。

ブレイブ&レーザーはゲンム戦で霧島がプロトブレイブに変身した理由というかタドルクエストに対する思い入れとして作って見た次第です。ちょっとこじつけ感もありましたがw
また霧島だけでは面白みがなくなってきたかなと思いドクター・フェイスを登場させました。モチーフとしてはブラックジャックのドクター・キリコですかね。後でスナイプと戦わせるつもりでしたので。

風魔withフェイスに関しては結構書きたかったものです。というのも風魔は劇場版だけのライダーにしておくにはもったいないなと思ったからですね。結構かっこいいし強い!

スナイプwithポッピーは…実は余り者たちです笑(スナイプとポッピー好きな人すいません!)
エグゼイドとクロノス以外のライダーを全部クローズアップしようと思ってたので残ったのはこの2人だけでした…。でもフェイスとの決着もあってそれなりに重要な章にすることが出来たかな?バンバンウォーズガシャットはレジェンダリー・エンディングでは破壊されてしまいましたが、後にその断片をニコの株主特権を使ってバンバンタンクにした…という裏設定もあります。

そして最後のレジェンダリー・エンディング…。
正直賛否両論だと思います。レジェンドライダーに頼るのは意見が二極化しちゃうだろうなと。それでもCRのメンバーたちと絡んでほしかったんです!許してください!w


さて話は変わってしまいますがこの前アナザー・エンディング3部作を見てきました。いやー、見ごたえはありましたがどうも心にぽっかり穴があいたような気分ですw
久しぶりのエグゼイドロス。マイティノベルXがとにかく楽しみです。
アナザー・エンディングの後を私も書こうかな…とは思いましたがまだ見てない方も大勢入らっしゃると思いますしマイティノベルXと必ず矛盾してきそうなので止めておきます。
次は今ハマっているビルドの小説を書きたいのですが、明らかに本編と矛盾しちゃうしなあ…。
とりあえず予定は未定ですね。また投稿したらその時はよろしくお願いします。
では!

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