評価の方もよろしくお願いします。
重力魔人とビルド見てたら終わる日曜日がまた来ました。
「まだ息があったのか…リザードマン」
俺を呼び止めた者の正体を確認し、ため息交じりに声を掛ける。
「言ってくれる……死にぞこないである事は、否定できんが」
「我らはもう長くはない。故にお主に託したい」
「何の話だ?」
話の流れから馬車の卵の事だと当たりを付けるが、確定ではない。というか何処から見ていたのかと聞かれるのが、実にメンドクサイ。
「…御子様、の事だ」
「そこに転がっている屋根付きの馬車の中に、ココナツの実程の大きさの卵がある筈だ」
女が叫んでいた卵の事で、間違いない様だな。
ココナツの実って何だろう?
「その卵が、御子様だ。御子様は雷王竜さまの御子だ」
「雷王竜だと?」
いや、そんな深く頷かれても…誰よ?
「我らリザードマンは、王竜様に仕える唯一の部族。故に攫われた御子様をお助けに馳せた…結果は、見ての通りだ」
「ふむ」
良く分からんが偉い人の子供が誘拐されたから、助けに来たけど返り討ちにあったなう。って事かな?
「それで俺に何か用か?」
こっちはイクサのベルトを回収して、厄介事から逃げたいのだが。
「我らはもう動けぬ…御子様を雷王竜様の元にお連れ頂きたい」
「そんな事をして、俺に何の得がある?」
面倒事に巻き込まれるのにデメリットしかないとか、誰が関わるか。
「無事に御子様をお連れした暁には、雷王竜様から報酬を得られるかと……」
「不確かな報酬で、仕事は受けられん。それに依頼を受けた証もなければ、盗み出した者と疑われ襲われるのが落ちだろう」
「み、御子様を奪って行った者は、女でした。これは里に広がった事実です。実際に女でしたし、貴方の声を聞くに男性…疑いは懸念に留まるでしょう」
「仲間に男がいたと考えるのでは無いか?」
「むっそれは…」
どうしようか。
俺としては期待できない報酬より、益のある物をこいつ等は提供できる。仕事内容は届け物だ。まだ卵の状態らしいし、運ぶだけで済むだろう。
人間の妨害が懸念ではあるが、まぁ敵ではない。
「…良いだろう。その仕事、引き受けた」
「!」
「本当か!?」
「但し前金として欲しいものがある」
「なんだ?」
「前金…我らに金銭の文化は無いが……」
「お前たちの魂が欲しい」
「「!?」」
オルフェノクとファンガイアのハーフである俺には、基本的に食事の必要は無い。それはファンガイアとしてライフエナジーを吸収する必要もないという事だ。
では何故ライフエナジーの源である魂を欲するのか、理由は俺のスキル【眷属作成】が関わって来る。
【眷属作成】には三種類の眷属を作成する能力がある。
一つは、オルフェノクを作成する『使徒再生』で、対象生物の心臓を貫き消失させオルフェノクとして再生させる力である。ただし成功率は20%を下回り、そのまま死に至る。
二つ目は、ファンガイアを作成する『器生再誕』である。これは対象生物の魂にライフエナジーを注ぎ込み強制的にファンガイアに体を作り替える能力である。
これはファンガイアの持つステンドガラス状の体細胞に、ライフエナジーを直接注ぐ事で再生する能力を利用して行う『肉体強制変異再生』とでも言うべき事象が発生するのだ。これも成功率が低く、その成功率は5%未満の確率である。
そして三つ目、オルフェノクとファンガイア二つの力を持って、自由に生物の体を改造、変異させる力。『|命操転生≪めいそうてんせい≫』である。
この力は対象生物に与えるファンガイアとオルフェノクの『能力』の割合を決める事で、自由に対象生物の肉体を作り替えることが出来る。この能力を使う事で、オルガイアを作り出す事できると言えば、その能力の凄さが垣間見えるだろう。
だが『使徒転生』を除き、他の眷属作成能力には代価となる触媒が必要だ。その触媒となるのがライフエナジーである。
では何故、俺が魂と言ったのか?
答えは簡単だ。
この世界のライフエナジーとは、魂の力なのだ。
少し違うが、レベルと言い換えても良いだろう。
「魂だと…」
「なに、別に魂が消滅する訳では無い。転生時に世界に還元される魂の力、その力を俺が頂くだけだ」
「転生…?」
「当然…お前たちは死ぬ事になるが」
「他に不利益は無いのだろう?」
修練のダンジョンを覚えていないこいつ等は、転生と聞いても何の事か想像するしかない。だがあの修練のダンジョンを覚えている俺は違う。なんとなくだが、この世界のシステムに触れた気がしていた。
そこで神にあった時に聞いたのだ、転生システムの全てを。
世界には循環システムがある。雨水が地面に染み込み、川に溶けだし蒸発、雨雲になるように循環するシステム。
それが転生システムである。
この世界に存在する全ての生き物には、レベルが存在する。それは他の生物を殺す事で、魂の力であるレベルが上昇する。だが殺した者は魂の力全てを吸収する訳ではない。
その一部は転生システムの維持に回され、残った魂は修練のダンジョンにレベル1として送り込まれる。そしてダンジョンに潜り、戦いレベルを上げる。
このダンジョンでレベルを上げる事で、生物として位の高い存在に生まれることが出来るからだ。そしてダンジョンから生まれ変わった者は、レベル1として生まれる。
ダンジョンで蓄えられた魂の力は、転生システムの元に送られる。そこでモンスターや植物などを作り出し、世界中にバラ撒く。
こうして魂の力をエネルギーとし、世界を維持している。
だからリザードマン達に魂の力、いやライフエナジーを要求した所で本人たちにはデメリットは無いのである。
「死ぬ事を除いて、お前たちにデメリットはない」
実際は死なない程度にライフエナジーを吸収する事は出来るので、死なないことも有るのだ。原作のファンガイアは、何で皆殺しているのか。
「既に死に体の体だ」
「好きにしろ」
何の事もないと命を差し出すリザードマン。
これが武人と云うものなのか。
「武人よ、安らかに…【|吸生双牙≪きゅうせいそうが≫】」
ライフエナジーを吸収する二本の牙が、それぞれリザードマンに突き刺さる。
リザードマンの体から、徐々に色が消え失せ。その場には装備だけが散乱していた。
「さて、頼まれごとの前に…ベルトを回収するか」
倒れたまま動かなくなっていた女から、バーストイクサベルトを回収し馬車に乗り込む。
女は静かだと思ったら、気絶していた。
「ほう…生き残りがいたか」
変身を解除していなくて正解だった。と言った所か、実際は女が起きていると思っていたから解除しなかっただけだが。
「…う、うう…」
子供。
頭から生えた垂れ耳に、怯えたような声。
あの女の弟だろうか?
「お前…その首は」
「っ!」
この世界でも首輪は所為者の存在を示す物だ。生き物に付いていればペットだろう。だが獣人っぽい見た目とはいえ人が付けているとなると。
「奴隷か?」
「………………」
「ふむ、ともかくその抱えている卵を渡して貰おうか」
獣人は首を左右に振るだけで、動こうとはしない。
「主人から卵を任されているのか?」
「…」
小刻みに首をこくこくと縦に振る。
「そうか」
キバットから実験に使う生物は、犯罪奴隷が良いと聞いていたから奴隷の知識はある。
奴隷は例えどんな命令でも拒む事が出来ない。その為、非道な扱いを受けて当たり前の存在なのだ。拒めなければ何をしても良い訳では無いが、人が見ていないところで酷な事をする者は絶えない。
全員がそうとは言えないが。
「奴隷から解放したら、その卵…渡してくれるか?」
「!」
再び首を縦に振る。かなり素早かった。
「じゃあ」
バキィン!
甲高い金属音が響くとその首には、もう首輪の存在は無かった。
「あ」
「卵…くれるか」
「は、はいです!」
獣人君は恐る恐るといった様子で、卵を手渡してくれた。
「でもどうやって外したんですか?」
「握りつぶした」
「壊したって事ですか?そんな…何ともないんですよ?」
獣人君は不思議そうに自分の首を触っている。
奴隷が命令に逆らえないのは、安易に量産が可能な首輪の所為だ。これは魔道具になっていて魔力で体を縛り、強制的に命令に従わせる。
それだけだといつ壊されるとも限らないので、誰かが外そうとすると爆発して首が飛ぶ仕掛けがされているらしい。普通ならば高位のアイテムである解錠のカギシリーズが必要なそうだが、俺には関係ない。
首輪を魔力で覆って、圧縮すれば壊せるのだ。触らずに壊せれば爆発はしない。要は魔法でなら解除可能なのだ。
「で何で奴隷になったんだ?」
「はい…僕は奴隷になる前、キュミロットという田舎で暮らしていました。父と母、妹と暮らす穏やかな毎日だったのですが、ある日奴隷狩りが村にやって来ました」
「奴隷狩りか…」
違法奴隷という物がある。公的な機関を通さず首輪を嵌められた哀れな被害者達だ。そんな被害者が発生する原因の一つが、奴隷狩りと呼ばれる犯罪者集団である。
この奴隷狩りは、極力命を奪う事はしない代わりに襲った所から、奪える物は全て奪って行くという話だ。
「僕は運良く逃げられましたが、村に戻った時には…何も残っていませんでした。家も家族も井戸すら……」
少年の話は続く。
「そこが自分の村だと信じられず、あちこち歩き回りました。気が付いたら僕は……奴隷になっていました。奴隷商で僕を買い求めたのが、あのお嬢様です」
「そうか」
「言葉こそ突き放した言い方でしたが、夜抱き枕にされる以外不便はありませんでした」
抱き枕…?
まぁ、そこは良いとしてだ。
「…お前、恨みはないのか?」
「え?」
「丁度実験体を探していた。力なら与えてやれる」
「僕に恨みなんて…」
「あの女にじゃない。お前から全てを奪った奴隷狩りにだ」
「!?」
「まぁ、俺は実験が出来ればそれで良い。このまま奴隷として過ごすのも良いだろう」
獣人君は、少し悩んだ様な素振りを見せると下げていた顔を持ち上げた。
「お願いします!」
「じゃあ…」
――――お前に力をやろう。
こうして、この世界に初めてのオルフェノクが誕生した。
そうリザードオルフェノクが。
名前 キバ
性別 男
種族 オルガイア
レベル500
HP 67500/67500
MP 253000/253000
スキル
【剣術Lv9】【盾術LV8】【戦斧術LV5】【槍術Lv5】
【重槍術Lv3】【重盾術Lv2】【偽装Lv10】
ユニークスキル
【アイテムボックス】【完全言語理解】
種族スキル
【魔人化】【魔獣化】【魔弾】【吸生双牙】
【眷属作成】【幻影主国】【眷属再生】【魔王化】
所有ベルト
・オーガドライバー
・キバットバットⅡ世
・バーストイクサベルト
偽造ステータス
名前 キバ
性別 男
種族 人間
レベル15
HP 65/65
MP 20/20
スキル
【剣術Lv3】【盾術Lv2】
所有ベルト
・オーガドライバー
・バーストイクサベルト