最強のライダーが行く異世界転生   作:バウ

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辺境の村

 リザードマンとタマゴの護衛と運搬という契約を交わしたものの、雷王竜がいるという目的地が分からない。

 

 まぁ、馬車が走って来た方向に向かえば、何とかなるだろうか?

 

――――――――――

 

「キバ…少々寂れているが、人間の集落のようだ」

 

「おー、この世界の建築物って初めて見…る」

 

 なんだろう。

 随分と建築様式が古い印象を受ける。

 

「あれで家のつもりなのか?」

 

「開拓村なら、こんなものだろう」

 

 山小屋なんて立派な物じゃない。素材こそ木を使ってはいるが、屋根は草で覆われている。

 日本にもかわぶき屋根何かが有るが、アレは雪に強く夏の風通しの良い屋根であり、ある意味とても便利な代物だ。欠点と言えば屋根をそこそこの頻度で交換する必要がある事だが、合理的で住み心地も悪くなかったと予想できる。

 

「村といっても人の気配が全くしないな」

 

 ただでさえ人類を凌駕するオルガイアな上に、レベルを500にもなると生き物の気配を探るぐらい訳はない。

 

「確かに妙だ……廃村にしては家が荒らされた様子もない。単に出払っているだけか…それとも」

 

 キバットと共にもう少し村の中を見て回る事にするか。

 

―――――

 

「動くな!?」

 

 暫らくして村の外から帰って来たのか、一人の男が先端が金属の長槍を構えながら叫ぶ。

 

「貴様ら何処の者だ!?」

 

「どこ…と言われてもな」

 

 所属を聞いているのだと解ってはいても、どこにも所属していないので解がない。

 

「何が目的でこの村にやって来た!?」

 

「まぁ、色々聞きたいことも有るだろうが、こっちも聞きたい事があってだな」

 

 出先から村に帰って来て喋る蝙蝠を連れた人間がいたら、そら不審に思うだろうけどさ。

 

「先にワシの質問に答えて貰おうか!」

 

「頼まれ事で雷王竜の所に届け物だ。ただ居場所が分からなかったんで、情報を求めて立ち寄ったんだ」

 

「何だ。配達屋さんか…ってそんな訳あるかっ!?」

 

 事実なのだが。

 

「お前、竜の所なんぞ行ったら殺されるぞ!?」

 

「なんでだ?」

 

「そんな事も知らんのか!?あいつ等は暇潰しで人間を襲うような種族だ。おまけに数が多くて強い」

 

 数が多くて強い?

 何だか違和感がある話だ。

 動物の生態系は、ピラミッド状に組み上げられるのが理想だ。強い生物程上に行く、もちろん理想なので例外はある。前の世界で、ピラミッド頂点に立った人間が増え過ぎたのが良い例だろうか。

 この世界は転生システムによって調節されている為、強い生物に生まれ変わるにしても上限があるハズなのだ。

 

 これはシステムに何かしらの異常が発生していると見るべきか?

 

「知るか!文句があるなら頼んだ奴に言え!」

 

 まぁ、もう死んでいる訳だが。

 

「今度はこっちの質問だ。この村の人たちはどこに行った?」

 

「…余所者に答える事は出来ん」

 

「って事は生きてはいるんだな。…それで家はもぬけの殻…避難したって所か?」

 

 何か無人のもの悲しさが、避難訓練で人気が無くなった学校を連想させる。

 

「ふん」

 

「まぁ、俺にとっては関係ない事か…それよりも雷王竜の居場所は…」

 

 面倒な配達場所を聞き出そうと話を始めた瞬間―――、村の中央に巨大な火の球が着弾した。

 

――――――

 

 全く面倒な事になった。

 

 どうも、あの火の玉は盗賊団の親玉が放った魔法に因る物らしい。(村であった老兵ぽっいおやじに聞いた)

 

 村の人気の無さも、この盗賊団から避難していたのが原因の様だ。魔法って貴族とかが独占しているイメージなのだが、良く考えてみれば技術って独自進化していくものだった。この世界では、魔法も立派な技術なのだ。

 

 しかし、そうなってくると武器突き付けられて「怪しい奴め!」状態になったのにも納得できる。多分盗賊の偵察か何かかと思われたのだろう。

 まぁ、一緒に火の玉で吹き飛ばされそうになったから、疑惑は晴れたとは思う。

 

「魔法か…面倒な相手だ」

 

「なぁ、俺って魔法使えるのか?」

 

「魔法は専門家が扱う技術の一つだ。技術ならば学習が必要になるが、使えない事はあるまい」

 

「なるほど」

 

 思うというのは現在、避難所の中にある個室に押し込まれているからだ。

 無理やり捕縛しようとするつもりなら、サクッと始末する心積もりだったのだが、客室に案内されるような対応だと無下にするのも心苦しい。あと情報吐かせてないし。

 

「しかし、暇だなぁ」

 

「私としては、洞窟の中と言うのは落ち着く」

 

「まぁ、コウモリだもんねぇ」

 

 キバットは器用にも逆様に天井に張り付いている。流石、蝙蝠である。

 

「卵が孵る前に親元に返してやりたいのだがな…」

 

 そっとドラゴンの卵を撫でた。

 

――――――

 

「どうだ。あの余所者の様子は?」

 

 俺が声を掛けると見はりに付いていた小僧が、ビックっと体を揺らす。

 

「ああ、なんだ狩り師のおっさんか…ビックリさせんなよ」

 

「悪かったな…顔が怖くてよ。で?」

 

「あー、退屈で眠っちまいそうだったよ」

 

 暗に何事もなかったと答える見張りの男。

 実際にキバは、雑談など特に気に留める様な行動は取っていなかった。

 

「そうかい…まぁ、魔法でも使われてたら素人の俺たちじゃ分らんが」

 

「大丈夫だって、あそこは元々村の保管庫だ。保存以外の余計な魔法が、掛らない様に魔法が掛けられてるって、婆様が言ってたしよ」

 

 小さな村では、不作になれば簡単に飢餓が起こる。昔は王都だとか金がある場所に少ない収穫を無理やり持っていかれたらしいが、今では非常時の貯えを各集落に常備している。

 それだけ裕福になったという事だが、実際は食料を長期間保管出来るようになったお蔭だ。

 

「そうだな」

 

「いつ頃、外に出すんだ?」

 

「盗賊騒ぎが終わるまでは、難しいだろうよ。ただの旅人にしても襲われかねん」

 

「旅の危険なんて、自己責任だと思うけどなぁ~」

 

 盗賊の対処は討伐と定められてはいるが、それが出来る戦力を持つ村など殆どいない。飛び地の様な辺境の村に、討伐隊が送られてくる訳もない。仮に討伐隊が編成され、無事到着したとしても、その頃にはもう盗賊は逃げ遂せているだろう。

 それ以前に、村が残っているかどうか。

 

「はぁ~、儘ならねぇなぁ」

 

 村唯一の戦力である狩人は、自身の力の衰えを感じながら『その時』を待つ。




名前 キバ
性別 男
種族 オルガイア

レベル500
HP 67500/67500
MP 253000/253000
スキル
【剣術Lv9】【盾術LV8】【戦斧術LV5】【槍術Lv5】
【重槍術Lv3】【重盾術Lv2】【偽装Lv10】
ユニークスキル
【アイテムボックス】【完全言語理解】
種族スキル
【魔人化】【魔獣化】【魔弾】【吸生双牙】
【眷属作成】【幻影主国】【眷属再生】【魔王化】

所有ベルト
 ・オーガドライバー
 ・キバットバットⅡ世
 ・バーストイクサベルト

偽造ステータス
名前 キバ
性別 男
種族 人間

レベル15
HP 65/65
MP 20/20

スキル
【剣術Lv3】【盾術Lv2】

所有ベルト
・オーガドライバー
・バーストイクサベルト
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