真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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十三話

偵察経路が定まり、みんな指示された場所へ、偵察を始める。俺は、指示された方向を空から偵察中だ。

 

如月「俺の方は、ハズレっぽいな。時計回りに探すか。」

 

と、時計回りに探し始める。少し飛んだ所で古ぼけた砦を発見。見つからないように砦へ近づく。

 

如月「ビンゴだ。敵は、物資を運びだしている最中か。ここから近いのは、春蘭か。春蘭に知らせよう。」

 

方向転換し、春蘭を探しにいく。少しすると、春蘭の部隊を発見し、地上に降りる。

 

如月「春蘭。」

 

「おお、如月か。どうした?」

 

如月「ああ、向こうの山奥に砦があって、そこに黄巾党どもがいた。すまんが、兵数の確認等々を任せていいか?華琳に報告をしてくる。」

 

「分かった。こちらの偵察が終わったら、こちらも一旦本陣に戻るから、華琳様に報告してくれ。」

 

如月「了解。頼むぞ。」

 

と春蘭とやり取りをかわし、本陣に戻る。

 

如月「華琳。奴らを見つけた。地図はあるか?」

 

「あら、ご苦労様。はい、地図。」

 

如月「ここの所に、砦があった。物資を運びだしている最中だった。春蘭の部隊が近かったから、そのまま偵察を頼んできた。確認後、一旦本陣に戻るってさ。俺は、他の部隊に帰還指示を出してくる。」

 

「ええ、分かったわ。距離が離れている者は、現地集合と伝えて頂戴。」

 

如月「了解。じゃあ、行ってくる。」

 

と華琳に報告した後、他の部隊に帰還指示を出しに行くために飛んでいく。

 

他の部隊に帰還指示と現地合流の指示を出しに行き、本陣に戻ると、桂花の怒号が飛んできた。

 

「この馬鹿!」

 

一刀「……すまん。」

 

その声が聞こえた方に行くと行く途中で、華琳と春蘭と鉢合わせし、桂花の所へ行き、桂花から事情説明をしてもらう。

 

「このばか、予備の糧食を三日分どころか全部配っちゃったのよ!」

 

一刀「いや、つい張り切っちゃって。ごめんなさい。」

 

「はぁ、今回は時間もないから、特別に私の指示だったことにしてあげる。でも、次に同じことしたら…分かっているわね?」

 

一刀「はい。……ありがとうございます。」

 

一刀何やってんだよと思い、ため息が出た。それから数刻後、撤収を終えた俺達は、山奥にぽつんと立つ、古ぼけた砦にたどり着いていた。

 

「すでに廃棄された砦ね…良い場所を見つけたものだわ。」

 

「敵の本隊は近くに現れた官軍を迎撃しに、行っているようです。残る兵力は、一万くらいかと。」

 

一刀「官軍が来たせいで砦を捨てるってか?もったいない。」

 

「華琳様のご威光に恐れをなしたからに決まっているわ。」

 

「連中は捨ててあるものを使っているだけだからな。そういう感覚は薄いのだろう。あと一日遅ければ、ここはもぬけの殻だったはずだ。」

 

「厄介極まりないわね。それで秋蘭。こちらの兵は?」

 

「義勇軍を合わせて、八千と少々です。荷物の搬出で手一杯のようでこちらに気付いておりません。絶好の機会かと。」

 

「ええ。ならば、一気に攻め落としましょう。」

 

「華琳様。一つ、ご提案が。」

 

「何?」

 

「戦闘終了後、全ての隊は手持ちの軍旗を全て砦に立ててから帰らせてください。」

 

「え?どういうことですか?」

 

「この砦を落としたのが、我々だと示すためよ。」

 

「なるほど。黄巾本隊と戦っている官軍の本当の狙いはここ…。ならば、敵を一掃したこの砦に曹旗が翻っていれば……」

 

「おもしろいわね。その案、採用しましょう。軍旗を持って帰った隊は、厳罰よ。」

 

「なら、誰が一番高い所に旗を立てるか、競争やね!」

 

「こら、真桜。不謹慎だぞ。」

 

「ふん。新入りどもに負けるものか。季衣、お前も負けるんじゃないぞ。」

 

「はいっ!」

 

「姉者…大人げない。」

 

「そうね。一番高い所に旗を立てられた隊は、何か褒美を考えておきましょう。」

 

如月「(褒美か。色々やりたいことがあるから、そのお金を出してもらうか。)」

 

「ただし、作戦の趣旨はたがえないこと。敵の守備隊殲滅と、糧食をひとつ残らず焼き尽くすことよ。いいわね。」

 

「あの…華琳様?」

 

「何?沙和。」

 

「その食料って…さっきの街に持っていっちゃダメなの?」

 

「ダメよ。糧食は全て焼き尽くしなさい。」

 

「どうしてなの…?」

 

如月「沙和、糧食を奪っては、華琳の風評が下がるんだ。糧食も足りないのに戦に出て、賊から食料を強奪したと。」

 

「けど、副長。」

 

如月「奪った食料を街に持っていけば、今度はその街が黄巾党の復讐の対象となるんだ。今より、もっと。」

 

「あ…」

 

「あの街には警護の部隊と糧食を送っているから、それで復興の準備は整うはず。華琳様はちゃんと考えておられるのだから、安心なさい。」

 

「そういうこと。糧食は全て、米一粒たりとも残さず焼くことが、あの街を守るためだと知りなさい。いいわね?」

 

「分かったの。」

 

「なら、この軍議は解散とします。先方は春蘭に任せるわ。いいわね?春蘭。」

 

「はっ!おまかせください!」

 

「なら、この戦を持って、大陸の全てに曹孟徳の名を響き渡らせる。我が覇道はここより始まる!各員、奮励努力せよ!」

 

さてさて、褒美のために頑張りますかねと気合を入れていたら、

 

「隊長、副長。楽進隊布陣完了しました。」

 

如月「おう、お疲れさん。」

 

「あの、副長。聞きたいことがあるのですが。」

 

如月「ん?どうした?何が聞きたいの?」

 

「街での防衛線でもそうでしたが、なぜ空を飛べたり、皆の体力を回復させることが出来るのですか?」

 

如月「まぁ、色々できるけど、そうだな、凪は気が使えたよな?どこまで使える?」

 

「気を放出しての遠距離攻撃と、自身強化ですね。」

 

如月「なるほど、分かった。この戦が終わったら色々教えるわ。」

 

「本当ですか!私も空を飛べたりするのでしょうか?」

 

如月「それは、気の使い方しだいかな?合う、合わないもあるだろうし。」

 

一刀「それって、俺にも出来るようになる?」

 

如月「わからんけど、やってみるか?」

 

一刀「ああ、やってみたい。」

 

如月「分かった、一刀にも教えよう。」

 

「何や、何や。なに、おもしろい話しとるん?」

 

「あー。みんな何お話してるのー。ずるーい!布陣終わったんだから、私も混ぜてなのー!」

 

如月「一刀がこの戦終わったら、歓迎会開いてくれるって。」

 

一刀「え、ちょっと、如月!」

 

「ホント?やったぁ!」

 

「言うたよなぁ?凪!」

 

「……ああ。」

 

一刀「うう、凪まで。」

 

如月「いいだろ。俺も何か作るからよ。」

 

一刀「ん…それなら…」

 

そうこうしている内に春蘭の檄が響き、突撃の号が発せられ、黄巾党の物資集積拠点を強襲した。

 

 

 

 

 


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