張三姉妹の処遇が決まった後、凪を探しているんだが、どこにいるんだろう?
「……ふぅ。」
あ、いたいた。
一刀「お疲れ様、凪。」
如月「お疲れ、凪。大活躍だったな。」
「あ、隊長、副長、みんな……」
「そうそう。凪ちゃん、今回は大活躍だったのー。華琳様もすっごく褒めてたのー。」
「いや、張三姉妹を捕えたのは副長じゃないですか。」
如月「凪がやつらの集合場所の手紙を見つけたからこそ、黄巾党を瓦解させ、張三姉妹を捕えることが出来たんだ。だから、凪の手柄だよ。」
「はい、分かりました。」
一刀「でも、なんかあまり、嬉しくなさそうだな……」
「そんなことないよなー。凪、これでもめっちゃ喜んでんねんで!」
如月「そうなの?」
表情が全然変わってないけど……まぁ、付き合いの長い真桜が言うならそうなんだな。
「……はい、これで大陸も平和になると。」
一刀「そうだよな。三人とも、そのために華琳の部下になったんだもんな。……ってことは、これからは?」
「もちろん華琳様の覇業に力を貸すつもりです。」
一刀「なら良かった。いきなり故郷に帰るとか言われたら寂しくなるなーって思ってさ。」
如月「ああ、せっかく可愛い三人が部下になってくれたのに、すぐにサヨナラは寂しいって思っちまったぞ。」
「そうですか////」
「可愛いって、そんなの当り前なのー。ほら、凪ちゃんももっと笑顔になるのー!ほら、むにむにー。」
「こ、こら、沙和……やへふぇ、やめふぇっへ!」
「そんな、可愛いやなんてー。お、沙和!こっちもうちょっと、ひっぱった方がええんちゃうか?」
「ひゃへー!ひゃへろ、たいひょう、ふくひょうたひゅけへ!」
一刀「んー?凪はもっと笑ってた方が可愛いって。なあ、みんな?」
「そうなの。凪ちゃんはもっと笑った方がいいの。」
如月「確かにな。二人とももっとやってやりなさい。」
「副長からも許可が出たし、沙和、やってまえ!」
「おー!ほらほら、こっちもこうやってー。」
「やめひぇー!」
如月「よし、華琳から俺の分の褒賞を含めて多めにもらったから、城に帰ったら隊のみんなで宴会するぞ!華琳が軍議は次の日にするって言ってたから、荷ほどきだけすませたら、あとは明日にやっちまおう!」
「おおー!さすが華琳様、話が分かる!」
「わ、わひゃひは……!」
一刀「主役の凪が来ないんじゃ、意味ないだろ。真桜、沙和、今日は絶対に凪を逃がすなよ。隊長命令だ!」
「まかせときぃ!」
「沙和におまかせなのー!」
「ひょんなー!」
……と、喜んだのも束の間。俺達は広間に集合をかけられていた。みんなあきらかに不満そうな顔をしている。
一刀「華琳。今日は会議しないんじゃないの?」
「私はする気なかったわよ。あなた達は宴会をする予定だったのでしょう?」
「宴会……ダメなん?」
「馬鹿言いなさい。そのために貴方達には褒賞をあげたのよ。……私だって春蘭や秋蘭とゆっくり閨で楽しむつもりだったわよ。」
如月「いや、華琳さん。そういう事はもっと小さな声で言ってくれ。」
「すまんな。みんな疲れとるのに集めたりして。すぐ、すますから堪忍してや。」
「あなたが何進将軍の名代?」
「や、ウチやない。ウチは名代の副官の張遼や。」
「なんだ。将軍が直々にと言う事ではないのか。」
「あいつが外に出るわけないやろ。クソ十常侍どもの牽制で忙しいんやから。」
十常侍ね。面倒くさそうだな。魑魅魍魎どもは。
「呂布さまのおなーりーですぞ。」
なに!呂布だと!生呂布が見れるのか!あ、一刀もビックリしてる。そりゃそうか。生呂布だもんな。
「……」
「曹操殿、こちらへ。」
「はっ。」
「……」
何も言わねーけど大丈夫か?
「えーっと、呂布殿は、此度の黄巾党の討伐、大儀であった!と仰せなのです!」
「……は」
「……」
「して、張角の首級は?と仰せなのです!」
「張角は首級を奪われることを恐れ、炎の中に消えました。もはや生きてはおりますまい。」
「……」
「ぐむぅ……首級が無いとは片手落ちだな、曹操殿。と仰せなのです。」
「……申し訳ありません。」
如月「なぁ、秋蘭。何進って誰?」
「軍部の頂点にいるお方だ。朝廷での地位でいえば我々どころか華琳様すら足元にも及ばん。」
「何進はね、皇后の兄で肉屋のせがれよ。」
一刀「お肉屋さんね……」
まぁ、肉屋の息子が大将軍ねぇ。しょうがないよね、こんな時代だし。
「……」
「今日は貴公の此度の功績を称え、西園八校尉が一人に任命するという陛下のお達しを伝えに来た。と仰せなのです。」
「……」
「これからも陛下のために働くように。では、用件だけではあるが、これで失礼させてもらう。と仰せなのです!」
如月「てか、全然しゃべってないけど……」
一刀「横の女の子が代弁してただけだな。」
「……ねむい。」
如月「やっとしゃべったと思ったら眠いだけかよ。……ん?」
終わったと思ったら、呂布が俺の方に来る。
「……きみ、強い?」
如月「……は?」
「……強い?」
「ああ、こいつは強いぞ。はっはっは!」
如月「春蘭、何言ってんだよ!」
「……恋……」
如月「……は?」
「……真名、恋」
如月「ちょ!真名!?いいの?」
「……(コクッ)」
如月「あ、ありがとう。俺は龍谷如月。如月って呼んで。」
「ん、如月。よろしく。」
如月「ああ、よろしく。」
ナデナデと頭をなでる。
「……ん////」
うん、嬉しそうだ。
「ちんきゅーキーック!」
何か声が聞こえたと思ったら、女の子が飛び蹴りをしてきた。あの子、陳宮だったのか。まぁ、それはいいとして、俺は陳宮の足をつかみ、床へ降ろす。
「何で勝手に恋殿の真名を呼んでいるのですか!しかも、頭までなでて!」
如月「いや!許してもらったし!頭なでたのは、手が勝手に動いた。」
一刀「如月ってなでグセがあるよな。」
「うう……恋殿ー!」
「ねね……いきなり蹴っちゃダメ。」
「恋殿・・・・うっうっ」
「ねね何やっとんや。すまんかったな。あとは宴会でも何でも、ゆっくり楽しんだらええよ。」
と言って、張遼と呂布と陳宮は広間を出ていく。
「……」
あれ?なんか変な空気。しかも、みんなして俺を見てるし。
「如月」
怒気をはらんだ声で華琳に呼ばれる。何かイヤな予感がするから、スカラを重ね掛けしておこう。
如月「……はい」
華琳に近づく。
「ふんっ!」
ドゴッ!と俺の腹に拳が突き刺さる。マジかよ。
「春蘭、秋蘭。閨に戻るわよ!気分が悪いったらありはしない!一刀達も今日は休みなさい。作業は明日からで構わないわ。二日酔いで遅れてきても目をつぶってあげるから、思いっきり羽目を外すといいわ。」
一刀「あ、ああ。分かった。そうさせてもらうよ。」
華琳が広間を出て行ったあと、一刀たちが俺によって来る。
一刀「如月。大丈夫か?」
如月「なぁ、一刀。俺ってドラゴニックオーラ纏ってんじゃん。それに、スカラを重ね掛けしてたんだよ。それなのに、この威力は……ないだろ。」
バタっ!と倒れ、
一刀「如月、大丈夫か!如月!」
如月「いや……大丈夫だけど、あまり飲めないかもしれない。まぁ、みんな俺に遠慮せずに飲めよ。とりあえず、飲みに行くか……。」
一刀「分かった。無理するなよ。」
そして、みんなで飲みに行った。あんまり飲めなかったけど、その分はしゃぎまわった。