真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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二十三話

季衣とその友達を近くの森に連れてきて

 

如月「よし、ここら辺ならいいだろう。二人とも思いっきりやれ。」

 

「季衣、さっきも言ったけど連絡先くらい書きなさいよーーーー!」

 

「そんなの手紙くれた人に聞けばいいじゃんかーーーー!」

 

すぐさま金属の塊がぶつかり合う

 

「副長。ウチらはどないするの?」

 

如月「街の人がこの森に近づかないようにしよう。あと、攻撃がこっちに飛んできたら避けろよ。死ぬから。」

 

みんな顔が引き締まって、「「はいっ!」」と返事をした。

 

「どりゃーーーー!!」

 

「せりゃーーーー!!」

 

「副長!言ってる傍から飛んできたで!」

 

如月「そうあわてるな。あ、みんな……」

 

「何?副長?」

 

如月「ちゃんと避けろよ。」

 

そう言うとみんな「????」となっているが、飛んできた攻撃をフェニックスウイングで真桜や警邏隊のみんなの方へ飛ばす。

 

「うわーー!」

 

「ちょっ、副長!何してんねん!」

 

「不規則な攻撃の避ける練習。」

 

「アホかーーーー!!」

 

数刻後、華琳や一刀がやってきた。一刀に頼んで警邏隊を数十人連れてくるように頼んでおいたので来てもらっていた。

 

「どう?調子は?」

 

如月「見ての通りだよ。」

 

「副長!折れた木や気絶している鹿や猪はどうなさいますか?」

 

如月「柱とかに使えそうなものは大工さんに頼んで加工してもらおう。細かい枝は風呂の燃料に、鹿や猪はすぐに血抜きして、厨房に持って行ってくれ。」

 

「了解です!」

 

一刀「やるなら徹底的にやれね……。ほんとに全力でやってたんだな、あいつら。で、こっちで死屍累々になってる真桜や先に来た警邏隊のやつらは?」

 

如月「ああ、飛んできたあいつ等の攻撃の避ける練習をやった。もちろん、俺の方に飛んできた攻撃も奴らの方へ跳ね返したが。」

 

一刀「如月って、たまにドSになるよな。真桜、みんな大丈夫か?」

 

「うう……隊長……ウチ、何回死ぬ思うたか、教えたろか?」

 

「……いや、聞きたくない。」

 

如月「で、面会はどうなったんだ?」

 

一刀「ああ。これからみんなで、都に遠征に行くことになったよ。凪と沙和には準備してもらってるよ。」

 

如月「都かぁ……」

 

そうこうしている内に、

 

「……きゅう」

 

「……うみゅう……」

 

あっちも終わったようだ。

 

「ようやく決着がついたようね。」

 

「あ、華琳様……」

 

「曹操様……」

 

「立ちなさい典韋。」

 

「はい。」

 

「もう一度誘わせてもらうわ。季衣と共に、私に力を貸してくれるかしら?料理人ではなく、一人の武人……武将として。」

 

「分かりました。季衣にも会えたし……季衣がこんなにも元気に働いている所なら、私も頑張れます。」

 

こうして、典韋が新しく仲間になった。流琉という真名もあずからせてもらった。

 

 

「きー兄様。きー兄様は空を飛ぶことが出来るって聞いたのですが……」

 

如月「……流琉。この間から気になっていたんだが、」

 

「何ですか?」

 

如月「何で、きー兄様なの?」

 

「え?だって兄様たち、二人いるし、二人とも兄様じゃ分からないじゃないですか。だから分かり易い様に一刀さんが兄様、如月さんがきー兄様です。……ダメですか?」

 

悲しそうな顔をする流琉。

 

如月「いや、まあ、好きに呼べばいいよ。」

 

「はい!きー兄様!」

 

如月「それに流琉につられたのか、季衣もきー兄ちゃんになってるし。」

 

「えっ。ダメなのきー兄ちゃん。」

 

流流と同じく悲しそうな顔をする季衣。

 

如月「はぁ、季衣も好きに呼べばいいよ。」

 

クシャクシャと頭をなでる。可愛い妹分にこんなこと言われてダメって言えるヤツなんていないよな。

 

「で、きー兄様。さっきの質問なんですけど……」

 

如月「ああ、空を飛べることが出来るかってやつね。出来るよ、季衣から聞いたの?」

 

「うん。この前、少しだけど空を飛んだ時、気持ちよかったから。ついついしゃべっちゃった。」

 

「それを聞いて、私にもしてもらえないかなって。……ダメですか?」

 

如月「いや、いいよ。行軍中だけどさっそくやろうか。それじゃ、流琉手を握ってくれ。」

 

「手ですか?はい。」

 

流流が俺の手を握ってくる。流琉の手を握り、俺の馬と流流の馬に「ちょっとの間背中が軽くなるけどいいかい?それと、そのまま上に戻ってくるからね。」と馬たちに確認をとる。馬たちは「大丈夫!心配するな!」と言っているみたいにこちらを見て、鳴く。

 

如月「じゃあ流琉。ゆっくりと浮き上がるから、しっかりと手を握っているんだぞ。」

 

「はい!きー兄様!」

 

「いいなー。きー兄ちゃん、次ボクねっ!」

 

「わかった、わかった。」

 

と季衣に約束して、流流と一緒に空の旅路へ。少し上がった所で流琉を抱き寄せ両腕でしっかりと固定させる。

 

「わぁ!空を飛ぶってこんな感じなんですね!すごく気持ちいいです。」

 

如月「まあな。おっと、もうそろそろ時間だな。降りるぞ。」

 

「えー、もう少し飛んでいたいです。」

 

如月「そう言うな。行軍中だしな。また、やってやるよ。」

 

「本当ですか!約束ですよ、きー兄様!」

 

如月「ああ、約束だ。」

 

そのあと、季衣も空へ連れて行き、地上に戻った後、集合場所へと行軍していく。

 

 

「曹操様!ようこそいらっしゃいまして。」

 

ようやく集合場所につくと、顔良が出迎えてくれた。華琳が軽く挨拶した後、すぐに軍議を開くらしく、華琳、春蘭、秋蘭、一刀は軍議へ、俺と三羽烏は顔良の指示に従って陣の構築、桂花はどこの諸侯が来ているかの調査になった。

 

如月「なあなあ、顔良さん。」

 

「はい、えっと、お名前は……」

 

如月「おっと、すまない。自己紹介がまだだったな。性は龍谷、名は如月。如月と呼んでくれ。で、俺らはどこに陣を張ればいいんだ?」

 

「はい。では如月さん、こちらです。」

 

如月「よし、あとは建てるだけだから。案内ありがとうございました。」

 

「いえいえ、では私も戻りますね。おたがい頑張りましょう。」

 

と顔良が袁紹軍へ戻っていく。

 

 

如月「さて、みんなー!さっさと建てるぞー!」

 

「その必要はないわ。すぐに出発することになったから。」

 

如月「華琳。そうなんだ。みんなー!すぐに出発することになったから立てなくていいぞー!出発の準備をしろー!」

 

「「うーっす!」」

 

荷ほどきも終えてなかったため、陣地展開せずに、すぐに都に向けて行軍を開始した。

 

如月「で、軍議では何が決まったの?」

 

一刀「汜水関は公孫賛と劉備連合が初戦で、袁紹がこの連合の総大将になっただけだ。」

 

如月「えっ、それだけ?」

 

「ええ、それだけよ。ですが、汜水関は公孫賛と劉備ですか……」

 

「ええ。連合の初戦、我々で引き受けた方が良かったかしら?」

 

「いえ、汜水関の将は華雄一人です。それほど強い相手ではありませんし、そこで無駄な力を使う事もないでしょう。戦力は虎牢関まで温存させておくべきかと……」

 

一刀「虎牢関は……呂布と張遼だっけ?」

 

「それは確定事項なのか?」

 

「さっき戻ってきた斥候の情報だから、今のところ最新情報よ。」

 

「なら、その情報、あとで公孫賛と劉備の所にも送ってやりなさい。」

 

「……よろしいので?」

 

「公孫賛は小物だけれど、麗羽と違って借りを借りと理解できる輩よ。劉備というのは良く分からないけれど……公孫賛が信用する人物のようだし、戦いぶりは汜水関で分かるでしょう。」

 

「承知いたしました。」

 

「軍議中、失礼します。華琳様、報告が……」

 

凪が軍議中に入ってきた。本隊からの伝令かな?

 

「何?また麗羽が無理難題でも言い出したの?」

 

「いえ、そうではなくて……袁術殿が先行して勝手に軍を動かしたようです。」

 

袁術っていうのは、袁紹の従姉妹でちびっ子らしい。連携を取るのかと思ってたけどグダグダだな。先鋒は孫策軍らしく、春蘭が借りを返したいと言っていたが、華琳に今回は自制して、いつか返せる時がくるから我慢しなさいと注意を受けていた。ちなみに孫策軍は敗れたらしい。袁術からの糧食の補充がされなかったらしい。

 

 

如月・一刀「「あれが汜水関かぁ……でかいなぁ」」

 

一刀と一緒にハモる俺。巨大な関だ。ダムみたい。その汜水関を攻めているのは、公孫賛と劉備の連合軍。二つの隊はお互いを助けあうような動きを取っている。

 

「……始まりましたね。でも……本当に見ているだけでいいのでしょうか?」

 

一刀「いいんだってさ。指示があるまで戦闘態勢のままで待機ってのが、華琳の命令だしな。」

 

「まあ、今の所はこっちが有利見たいやし、大丈夫やろな……」

 

「あれ?砦から兵士が出てきたの……」

 

如月「こういう時って、普通籠城なんじゃないの?」

 

「定石で言えばそうですが、先ほどこちらが何か言っていたようですし、挑発に乗ってしまったのではないでしょうか。」

 

「守備隊の将ってどんだけアホやねん。」

 

如月「まあまあ、そう言ってやるなよ。その通りだと思うが……あ、一騎打ちだ。ありゃ、誰だ?」

 

「劉備の所の将軍で、関羽というそうだ。」

 

如月「あれ?秋蘭、どうしてここに?」

 

「あまりに暇なのでな、伝令を買って出た。」

 

一刀「華琳は何て?」

 

「汜水関が破られたら、直ちに進撃をする。劉備達は様子見で引いた隙をついて、一気に突破する。追撃をかける。」

 

「敵の罠やったら?……あっ」

 

「今負けたのが、汜水関の総大将だ。このまま逃げ出す輩に、そんな器用な作戦が立てられるはずがない。」

 

如月「あらま。本当に逃げ出したよ。」

 

「こちらも移動を開始するぞ。先頭は姉者が務めるから、お前たちもうまく合流するがいい。」

 

如月「総員!移動開始!門が閉まるまでに無理やりねじ込むぞ!」

 

結果的に俺達が一番乗りを果たしたな。

 


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