陣に入ってすぐに、髪の色がピンク色の娘がやってきて
「曹操さん!」
「久しいわね、劉備。連合軍の時以来かしら?」
へぇー、あれが劉備なんだ。てか胸がでかいなぁと思っていると
如月「イテッ!?」
急に両足に痛みが走った。
「「ふんっ!」」
なぜか季衣と流流が怒っていて、みんなが苦笑している。俺なんかやった?
と後ろでやんややんや、やっていると話が進んでいるようで
「・・・・それから通行料は・・・・そうね。関羽でいいわ。」
「・・・・え?」
一刀「なに・・・・?」
劉備と一刀がきょとんとしている。つーか、劉備はともかく一刀はいい加減慣れろや。何年、華琳と一緒にいるんだよ。
「何を不思議そうな顔をしているの?行商でも関所では通行料くらい払うわよ?当たり前でしょう。」
「え、でも、それって・・・・」
「あなたの全軍が生き延びられるのよ?もちろん、追撃に来た袁紹と袁術もこちらで何とかしてあげましょう。その代価をたった一人の将の身柄であがなえるのだから・・・・安いとは思わない?」
確かに破格すぎると思うな。俺だったら趙雲と諸葛亮か鳳統も、もらうところだけど。
「曹操さん、ありがとうございます。」
「桃香さまっ!?」
「お姉ちゃん!」
「・・・・でもごめんなさい。愛紗ちゃんは大事な私の妹です。鈴々ちゃんも朱里ちゃんも・・・・他のみんなも、誰一人かけさせないための、今回の作戦なんです。だから、愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ、意味がないんです。こんな所まで来てもらったのに・・・・本当にごめんなさい。」
「そう。・・・・さすが徳を持って政事をなすという劉備だわ。・・・・残念ね。」
「桃香さま・・・・私なら」
「言ったでしょ?愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ意味が無いって。朱里ちゃん、他の経路をもう一度調べてみて。袁紹さんか袁術さんの国境あたりで、抜けられそうな道はない?」
「はい、もう一度洗いだしてみます。」
一刀「なぁ、華琳。」
「劉備」
華琳、一刀をガン無視
「・・・・はい?」
「甘えるのもいい加減にしなさい!」
辺りに響き渡る華琳の怒号。みなさんビックリ。もち、俺も
「たった一人の将のために、全軍を犠牲にするですって?寝ぼけた物言いも大概にする事ね!」
「で・・・・でも、愛紗ちゃんはそれだけ大切な人なんです!」
「なら、そのために他の将・・・・張飛や諸葛亮、そして生き残った兵が死んでもいいというの!?」
「だから今、朱里ちゃんに何とかなりそうな経路の策定を・・・・」
「それが無いから、私の領を抜けるという暴挙を思いついたのでしょう?・・・・違うかしら?」
「・・・・そ、それは・・・・」
「諸葛亮!」
「はひっ!」
あ、あの娘が諸葛亮なんだぁ。ロリっ娘かぁ。思ってたのと全然違うなぁやっぱり。と言う事は鳳統も?
「そんな都合の良い道はあるの?」
「そ・・・・それは・・・・」
「稟。この規模の軍が、袁紹や袁術の追撃を振り切りつつ、安全に荊州か益州に抜けられる経路に心当たりはある?大陸中を渡り歩いたあなたなら、分かるわよね?」
「はい。いくつか候補はありますが・・・・追跡を完全に振り切れる経路はありませんし、危険な箇所がいくつもあります。我が国の精兵を基準としても、戦闘もしくは強行軍で半数は脱落するのではないかと・・・・」
魏と劉備軍の兵たちの練度は差がありすぎるから、良くて五分の一のこってりゃ良い方なんじゃないか?
もし俺がやることになったら、一番最悪な経路を想定し、その経路を越えれるような訓練を2~3年。それでも全員生き残るのは無理だな。
「・・・・っ。朱里ちゃん・・・・」
「・・・・」
諸葛亮は俯いてしまい、答えられない。
「そんな・・・・」
「現実を受け止めなさい、劉備。あなたが本当に兵のためを思うなら、関羽を通行料に、私の領を安全に抜けるのが一番なのよ。」
「桃香さま・・・・」
劉備が何か言おうとした所を
「それから、あなたが関羽の代わりになる、などという寝ぼけた提案をする気なら、この場であなたを叩き斬るわよ。」
と華琳に遮られ、黙りこくってしまう
「・・・・どうしても関羽を譲る気はないの?」
「・・・・」
「まるで駄々っ子ね。今度は沈黙?」
「・・・・」
「いいわ。あなたと話をしていても埒が明かない。・・・・勝手に通っていきなさい。・・・・益州でも荊州でもどこへでも行けばいい。・・・・ただし・・・」
「・・・・通行料ですか?」
「当たり前でしょう。・・・・先に言っておくわ。あなたが南方を統一したとき、私は必ずあなたの国を奪いに行く。利息込みでね。」
「・・・・」
「そうされたくなければ、私の隙を狙ってこちらに攻めてきなさい。そこで私を殺せれば、借金は帳消しにしてあげる。」
「・・・・そんなことは」
「ない?なら、私が滅ぼしに行ってあげるからせいぜい良い国を作って待っていなさい。あなたはとても愛らしいから・・・・私の側仕えにして、関羽と一緒に存分に可愛がってあげる。一刀も如月も嬉しいでしょう。可愛い娘が手に入るんだから。そうね、如月には諸葛亮と鳳統でもあげようかしら?小さい娘が好みなんですものね?」
えっ!と劉備軍のみなさんが俺を見る
如月「んなわけねーだろ!華琳!俺を犯罪者扱いするなよ!」
「でもあなた、季衣に流流、ねねに月、あと最近、風もあなたに懐いているじゃない?」
如月「そりゃみんな、懐いてくれてはいるけど・・・・だからと言って、俺は変態じゃない!」
一刀「・・・・如月、お前・・・・」
「如月殿・・・・」
「・・・・なんでや?ぺたんこか?ぺたんこがええのか?」
「きー兄ちゃん(キラキラ)」
「きー兄様(キラキラ)」
如月「違う!違うからなお前ら!そんな目でみるな!」
「稟、如月。劉備達を向こう側まで案内なさい。街道の選択は任せるわ。一兵たりとも失いたくないようだから・・・・なるべく安全で危険のない道にしてあげてね?如月は稟の護衛として行きなさい。」
「はっ。」
如月「おい無視すんな!華琳!」
「劉備。もし途中で村を襲ったり、米一粒でも略奪したりしたら、あなた達を皆殺しにするわよ。如月、そのときは遠慮なくやってしまいなさい。」
如月「はぁ、了解。そんなことするとは思えないけどな。」
「もしも、よ。それでは私たちは戻るわよ。」
華琳たちが帰って行ったのを見送って
如月「じゃあ、俺達も行くか、稟。」
「はいはい。あら?この荷物も持っていくのですか?」
如月「ああ、持っていく。」
「中身は何なのですか?」
如月「お土産みたいなものかな?」
「はぁ、あなたも甘すぎですね。」
如月「そうかな?まぁ、いいや。さっさと行こうぜ、稟。」
「そうですね。では劉備殿。付いてきて下さい。案内いたします。」
「すみません。よろしくお願いします。」
安全な街道を選び進んでいく。てかお通夜みたいにどんよりしている。まあ、華琳にあれだけ言われたからなぁと思っていたら国境ぞいに到着した。
「私たちが案内出来るのはここまでです。」
「ありがとうございました。郭嘉さん。龍谷さん。」
「いえ、曹操様の命令なので。」
如月「あ、そうだ。劉備軍のみなさんに渡すものがあったんだ。」
「渡すものですか?」
如月「ああ。これは劉備殿に。」
劉備には桃で造ったお酒(カクテル)と桃餡を使ったまんじゅうを
「あ、ありがとうございます。」
如月「これは、関羽殿に」
関羽には子犬のぬいぐるみとストラップを
「いいのですか!?このようなものを頂いて。」
如月「いいよ、気にするな。張飛にはこれを」
張飛には肉まんを数種類とそれの作り方を
「ありがとうなのだー」
如月「それに作り方が書いてあるから、食べたくなったら作ってもらって。で、趙雲殿にはこれを」
趙雲にはメンマとお酒を一瓶ずつ
「おお、これはこれは。」
如月「味の好みが分からなかったから、良いものを選んだつもりだよ。あと、諸葛亮と鳳統にはこれ。」
「私達にもですか!ありがとうございます・・・・はわわっ!」
「朱里ちゃんどうしたの?あわわっ!」
軍師二人には艶本を
如月「バレる前に隠しとけよー。あと・・・・」
軍師二人に近づき小声で
如月「人のこと調べるのはいいけど、もっとバレない様にやるんだな。バレバレだぞ。」
と二人に言うと、はわわ、あわわとテンパっていた。
「でも龍谷さん。お土産?が私たちの好きなものばかりですけど、何で分かったんですか?会ったことありませんよね?」
如月「まぁ、蛇の道は蛇ってことで、どっかの誰かさんたちに聞いてください。」
「あの如月殿。こんなことを聞くのは筋違いだと思うのですが、私達は甘いと思いますか?」
と関羽に聞かれ
如月「そうだな。俺は大甘だと思うぞ。理想だけ掲げて現実を見ていない。見ないようにしてるのかな?そんな感じがする。みんなが笑って過ごせる世界だっけ?を目指すのなら、そこに向けて一つ一つ何をやっていけばたどり着くのかをみんなで議論しあったらどうですか?みんな見ている方向がバラバラのように見えるよ。ちゃんとみんなで同じ方向を向かないとバラバラになっちゃうよ。」
『・・・・』
あらら、黙っちゃった
如月「ま、考えて考えて決めな。じゃあ、稟。帰ろうぜ。」
「はぁ・・・・それではみなさんお元気で。」
と二人で歩き出したが一旦止まり、
如月「あ、そうそう。もし、攻め込んで来たら・・・・完膚なきまでに叩き潰してやるからな覚悟しとけ。」
劉備軍全体に殺気を放つが、それもすぐにおさめて
如月「ちゅーことで、バイバーイ」
再び歩き始める。
陳留への帰り道
「如月殿は鬼畜ですね。」
如月「いやいや!俺、鬼畜じゃないよ!」
「贈り物を送っておいて、最後は脅す。これのどこが鬼畜じゃないと?」
如月「まぁ、現実を見ようとしない甘ちゃん共にものすごくムカついたからな。つい、言いたいことを言ってしまった。反省してません。」
「お土産は?」
如月「なんか調べられてたから、テメーらよりこっちの方が上なんだよってことを遠回しに言いたかったから。」
「分かりにくいですよ。まぁ、別にいいですけど。」
如月「別にいいんかい。」
と稟とだべりながら陳留へと帰って行った。
陳留に戻り、無事に送り届けたことを華琳に報告。華琳達も劉備を追撃しに来た袁紹、袁術達を一方的にボコボコにして追い払ったらしい。
あとなぜか、城のみなさん、兵たちに俺がちっぱい、貧乳好きであるというデマが広がっていた。恋、詠、人和、霞が俺に詰め寄ってきて説明しろと言ってきたので、それは嘘ですと説明した。
巨乳もいいが貧乳もまたよし。オッパイに貴賎なしという某魔法少年先生に出てくるキャラクターの言葉を言ったところ、みんなに引かれたが・・・・俺何か悪いことした?(泣)