真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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三十六話

袁紹・袁術連合に対する作戦会議をしていると、連中が官渡に兵を集結させていると情報が入った。二面作戦をとるのが普通だと思うが、そこは袁紹と袁術のコンビ。アホですね。

会議では袁術の主力に第二陣として春蘭が、その補佐を季衣と流流が入ることになった。第二陣の全権も春蘭に任されることになった。

袁紹に相対する第一陣は霞と恋が、その補佐に凪、真桜、沙和、ねねが。

そして、俺、一刀、秋蘭は本陣に詰めることとなった。

会議が終わり、準備に向かう途中

 

「如月さんっ!」

 

如月「ん?おお、月に詠じゃないか。どうした?」

 

「準備が出来次第、すぐに出撃するって聞いてね。」

 

「それで、お見送りに来ました。」

 

如月「そうなんだ。ありがとう、二人とも。」

 

二人の頭をなでるが、顔が浮かない二人。

 

如月「ん?どうしたの二人とも?」

 

「如月がケガしないか不安になっちゃたのよ。」

 

「そうですよ。これだけ大きな戦ですから。ケガせずに帰ってきてくださいね。」

 

如月「心配かけて悪いな二人とも。でも、俺、本陣待機だから心配ないと思うけど・・・・まぁ、二人に心配かけないように無事に帰ってくるから。な。」

 

二人の不安を取るように優しく頭をなでる。二人とも気持ちが落ち着いたのか顔を赤くして

 

「へぅ////ケガしないように気を付けてください。約束です。」

 

「////そうよ。約束しなさい。無事に帰ってくるように。」

 

如月「ああ!分かった!約束する。じゃあ俺、行くから。」

 

「はい。いってらっしゃい。」

 

「ちゃんと無事に帰ってきなさい。」

 

如月「おう!いってきます!」

 

その後、みんなに合流し、戦の準備に入った。二部隊分の準備しかなかったのですぐに終わり、すぐさま官渡へ向けて出撃した。

 

官渡に到着した俺達。眼前に広がるは辺りを埋め尽くす袁紹・袁術連合と巨大な櫓の列だった。

 

如月「はぁー、壮観だなぁー。」

 

「はぁ、あなたはもう見慣れているでしょう。早く準備なさい。」

 

如月「へーい。」

 

「華琳様、袁紹が出てきました。」

 

「はぁ、面倒くさい。行ってくるから、いつでも攻められるように準備しておきなさい。」

 

如月「りょーかーい。いってらー。」

 

現在、ぜっさん舌戦の真っ最中だ。あ、華琳が右手を挙げた。

 

「撃てーぃっ!」

 

真桜が指示を出し、相手の櫓めがけて岩が飛ばされていく。あ、華琳が帰ってきた。

 

如月「じゃあ、俺も戻るから。あとよろしくー。」

 

「はっ!副長もお気をつけて。」

 

如月「いやいや、気を付けるのはお前らの方だからな。まぁ、いいや。お前らも気を付けてなー。」

 

と凪たちにそう言って本陣に下がる

 

如月「ただいまーっと。」

 

一刀「お帰りー。如月。てか秘密兵器って投石器だったんだな。」

 

如月「気づくのおせーよ。せっかくヒントまで出したのに。」

 

一刀「それは面目ない。」

 

と一刀とだべっていると華琳が本陣に戻ってきた。

 

「おかえりなさいませ、華琳様。」

 

「桂花、あとで真桜に褒美をあたえるように。あの投石器は中々のものだわ。」

 

確かにな、戦が始まって少したつけど、もう袁紹・袁術連合は投石器によって被害が甚大だもんな。恋も出てるし、敵が可哀そうになってきた。

 

「如月。あなたは春蘭への伝令に行ってきなさい。」

 

如月「俺?まぁ、暇だからいいけど。で、内容は?」

 

「“全権”を任せたことを、もう一度伝えてちょうだい。」

 

如月「了解。じゃ、いってきまーす。トベルーラ。」

 

「はああっ!」

 

「くっ・・・・!さすが夏候元譲・・・・天下に響く勇名はだてではないと言う事ね!」

 

如月「春らーん!」

 

「策殿ぉ!」

 

「どうしたの?祭?」

 

「本陣の袁術から、撤退するから殿をつとめろと連絡が!」

 

「・・・・この状況で、そんな暇あるわけないでしょ!」

 

「こっちはどうした?如月?」

 

如月「伝令。華琳が『全権を任せるわ』だって。」

 

「・・・・」

 

それを聞いた春蘭は剣を納めた。それを見た孫策は

 

「・・・・え?」

 

ポカンとしている

 

「どうした?撤退するのだろう?」

 

「・・・・見逃してくれるの?」

 

「黄巾党の時の借りがある。いい加減、返しておかねばな。十数えるうちに視界から消えねば、追撃をかけるぞ。」

 

「・・・・なら、その返済、ありがたく受け取らせてもらうわ。・・・・行きましょう、祭。じゃあね、夏候元譲と御使い君。」

 

「うむ。さらばだ夏候元譲。あと龍谷如月。」

 

孫策とたぶん黄蓋さんが去って行った。

 

「・・・・ん?まだ何か用があるのか?如月?」

 

如月「いや。それより、季衣と流流の様子でも見に行こうぜ。」

 

「そうだな。」

 

「春蘭様!きー兄ちゃん!?」

 

「春蘭様はともかく、きー兄様はなぜいらっしゃるのですか?」

 

如月「春蘭に伝令と様子を見に来ただけだよ。」

 

「そうなんだ。あと、春蘭様。」

 

「なんだ?」

 

「袁術の追撃しなくていいんですかー?」

 

「せんでいい。戦闘態勢を保ったまま、指示を待て。」

 

「春蘭様。その指示ですが、本陣から追撃の催促が・・・・」

 

「それは華琳様のご命令か?」

 

「いえ。桂花さんです。」

 

「ならば捨てておけ。」

 

「いいんですか?」

 

「華琳様から第二陣の全権を預かっておるのだ。華琳様が命令せん限り、動かんと伝えておけ。」

 

「いいのかなー?」

 

如月「いいの、いいの。全権を預かっている春蘭がああ言ってるんだから。」

 

「伝令!孫策軍が袁術軍を裏切り、攻めています!」

 

如月「ほらな。あとは孫策が勝手にやってくれるさ。春蘭、俺らも戻ろうぜ。」

 

「そうだな。みな本陣に戻るぞ!」

 

本陣帰還後、凪から袁紹を取り逃がしたとの報告があった。逃げ足がすごく早かったらしい。春蘭が孫策と袁術に追撃をかけなかったことについては不問になった。華琳もこうなることを見通してらしい。

その後、華琳は袁紹の本拠地をあっという間に陥落させ、河北四州は華琳の支配下に置かれることになった。

戦が一段落したため、陳留に戻ってきた俺達。城に戻ると俺を出迎えてくれた二人がいた。

 

「如月さん、お帰りなさい。大丈夫でしたか?」

 

「お帰り、如月。あんた、ケガしてないでしょうね?」

 

如月「月に詠。ただいま。大丈夫、ケガしてないよ。二人とも出迎えありがと。(ナデナデ)」

 

「へぅ////ケガをしていないならなによりです////」

 

「////とにかく無事で良かったわ////」

 

一刀「おーい、如月。ラブってないで片付け手伝ってくれー!」

 

如月「へーい。じゃあな二人とも。片付け手伝ってくるから。」

 

月と詠と別れた後、兵たちと一緒に片付けをし、その後、兵のみんなと飲みにいった。

お会計の時、手持ちよりオーバーしていたので、残りをツケにしてもらった。そんなに大食いのヤツいたかなぁ?と見渡したら、恋もちゃっかり参加していた。参加するのはいいけど、一言欲しかったな。

 

 

 


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