真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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五十七話

如月「今日は農場に行ってイチゴの様子と酒屋さんに行ってワインの作り方を教えて、あとは……」

 

今日の予定を考えながら歩いていると

 

ドンッ!

 

「きゃっ!」

 

如月「あ……すみません。考え事をしていたものですから……大丈夫ですか?」

 

考え事をしていたらぶつかってしまい、相手は尻餅をついてしまった。ぶつかった相手は褐色肌にピンク色の髪のロングヘアーの女性だった。俺と同い年くらいか?って、そんなことより!

すぐさま手を差し伸べて女性を立たせる。

 

「え……ええ。大丈夫。こちらこそすみません。初めてきた場所なので周りを見渡すのに夢中になってしまって気付かなかったので……」

 

如月「陳留は初めてですか?なら、ぶつかってしまったお詫びとしてはなんですが、案内しましょうか?」

 

「ええっ!そんなの悪いわよ。」

 

如月「いえいえ、お気になさらず。これでもこの街の警邏隊に勤めているので色々と案内出来ると思いますよ。」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて…」

 

如月「はい。甘えちゃってください。」

 

と言うことで、世間話をしつつ女性を案内している

 

如月「へぇ…こっちの方は初めて来たんだ。」

 

「ええ……。揚州を出たことも、数えるほどしか。」

 

如月「この後はどこかに行くの?それとも揚州に戻るの?」

 

「いいえ。都に寄ってから、陸路で益州に向かうの。」

 

如月「都に寄ってから陸路で益州ってことは、漢中を通っていくんだよね?」

 

「こちらの地理はそこまで明るくないのだけれど…たぶん。それが何か?」

 

如月「いやー…今さ、漢中方面は曹操と劉備が争ってるから物騒なことになりそうなんだよね。だから、遠回りになるけど、都を出た後は南下して荊州から回って益州に行く方が安全かも。」

 

「そうなの?……っていうか詳しいわね。」

 

如月「仕事柄、商人さん達とも結構話すからねぇ。」

 

「へぇ、そうなんだ……っと、知り合いの姿が見えたからここまででいいわよ。」

 

如月「ああ。なら、案内はここまでで。」

 

「ええ。ありがとう。それじゃ、またどこかで。」

 

如月「ああ。良い旅を。」

 

彼女はぺこりと一礼すると、知り合いの女性のもとへ駆けて行った

 

 

 

蓮華side

 

私は祭を探しに宿から出て街並みを眺めながら歩いている。建業もかなり栄えている方だと思うけど、陳留はそれ以上って感じがする。そんなこと考え、周りを見渡しながら歩いていたら、

 

ドンッ!

 

「きゃっ!」

 

不注意でぶつかってしまい、私は尻餅をついてしまった。

 

如月「あ……すみません。考え事をしていたものですから……大丈夫ですか?」

 

ぶつかった人が手を差し伸べてくれたので、手を握り立たせてもらう。よく見ると私と同い年くらいだろうか。黒髪で優しそうな顔をしている。

 

「え……ええ。大丈夫。こちらこそすみません。初めてきた場所なので周りを見渡すのに夢中になってしまって気付かなかったので……」

 

如月「陳留は初めてですか?なら、ぶつかってしまったお詫びとしてはなんですが、案内しましょうか?」

 

と彼がそんなことを言う。ぶつかったのは私の方のも責任があるのにお詫びにって、そんなこちらも悪いのにと思ったので

 

「ええっ!そんなの悪いわよ。」

 

と、申し出を断ることに。でも、

 

如月「いえいえ、お気になさらず。これでもこの街の警邏隊に勤めているので色々と案内出来ると思いますよ。」

 

と言われ、またさっきみたいにぶつかってしまう恐れがあったので

 

「じゃあ、お言葉に甘えて…」

 

如月「はい。甘えちゃってください。」

 

彼の言葉に甘えることにした

 

その後は世間話をしつつ街を案内してもらっていたが、祭の姿を見つけたため彼にお礼を言い別れた。祭に近づき、

 

「祭。」

 

「おや、蓮華さま。このような所でどうなさいました?」

 

「どうもこうもないわよ、祭。貴女を探していたのよ。買い物に出ると言って、いつまでたっても帰ってこないんだから。」

 

「ははは。ですが、陳留の良い酒を手に入れましたぞ。いくつか試し呑みもしましたが、安酒ながらこれがなかなか。」

 

「はいはい。なら宿に戻りましょう。思春や明命たちも待ちくたびれてるわよ、きっと。」

 

「無論です。蓮華さまもぜひお付き合い下され。……蓮華さま?」

 

「そ……そうね。帰ったらね。」

 

「はて。先ほどの孺子の事でもお考えか?」

 

「……っ!み、見てたの!?」

 

「ははは、蓮華さまも良いお年だ。そのくらいの浮いた話があっても誰も驚きはしませぬよ。……して、どこの輩ですかな?」

 

「初めて会ったんだけど、話を聞く限り、この街の警邏隊に勤めているらしいわ。」

 

「警邏隊?と言うことは兵や将ではない……と。むぅ……それはちと難しいですなぁ……いや、さらってしまえば……」

 

「祭……いくらなんでもそんなこと、しないで頂戴ね?」

 

「ははは、そう睨まないでくだされ。分かっておりますとも。それと思春達には黙っておきますとも。あれが知るとややこしい事になりますゆえ。」

 

「まったくもぅ……あっでも、名前くらい聞いておいても良かったかしら。」

 

蓮華sideout

 

 

 

 

 

 

 

女性と別れた後歩いていると

 

「ち~~ん~~」

 

如月「ん?なんか声が?」

 

「きゅ~~う~~」

 

如月「九?」

 

「だーーいぶ!」

 

如月「ぐはっ!」

 

後ろから突然体当たりされ、前に倒れる。一体何ヤツ!

 

「兄上!これからどこへ行かれるおつもりですか?」

 

如月「ねね……飛びつくのはいいけど、今度からは前方からだけにしてくれ……」

 

「あうあう。わかりました……なのです。」

 

背中に乗ったままのねねにお願いしてから、ねねには降りてもらい、立ち上がる

 

如月「ん、今度からは気をつけてな。」

 

ねねの頭をぽんぽんしてから、肩車をする

 

如月「んで、さっきの質問だけどな。」

 

「はい。」

 

如月「農場に行って、イチゴの様子を見た後に、酒屋さんに行って新しいお酒の造り方の説明に行こうとしてたんだ。」

 

「イチゴですか?知らないものなのです。」

 

如月「たぶん、見れば分かるよ。んじゃ、行きますか。」

 

「おー!」

 

ねねを連れて農場へ。農場に着き、イチゴの様子を確認。うん、よく育ってるな。帰りに小さいながらも何個か収穫して持ち帰ることに。あれを作りたいんだよね。

酒屋さんへ行き、ワインの作り方を説明。葡萄が収穫出来たら試しに作ってみることにした。葡萄の時期が楽しみだ。

 

 


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