真桜と工兵達が船同士を鎖につなぎ始めて数日後
「船が揺れないってさいっこーなの!みんなー!気合入れて今日の訓練もがんばるのー!」
一刀「……元気いっぱいだなー。」
「そうですね。この鎖のおかげですよ。」
一刀「確かに。ここまでの効果があるとは思わなかったけどな。けど……」
相当な突貫工事で付けられたらしく、乱雑に叩きつけられた釘の痕と『さわるな!』と書かれた札がべたべたと貼られている
如月「お前らそれには絶対に触るなよ。」
一刀「あ、如月。」
「おはようございます如月さん。」
「ふくちょーおはよーなのー。」
如月「ああ、おはよう。……で、もし触ったりしたら……」
『触ったりしたら?』
如月「いくらお前たちでも、真桜の螺旋槍でぐちゃぐちゃにされるぞ?」
一刀「はっはっは、そんなまさか……」
「触りなやっ!」
寝てた真桜が起きて、突然叫び、三人はビクッ!ってなっていた。
如月「真桜。こんな所で寝てたら風邪ひくぞ。中で寝て来い。昼間の調練はこっちでやっとくから。」
「ふわぁ……うん、副長の言う通りにするわ……ああ、もしそれに触ったりしたら……」
一刀「触ったりしたら?」
「ウチの螺旋槍でグチャグチャにすんで。それがたとえ華琳様や春蘭様でもや。」
『ぜ、絶対に触りません!』
「ん……なら寝るわ……おやすみ……」
そう言って仮眠室へ向かう真桜
「こ、怖かったのー……」
「あ、ああ……」
一刀「なぁ如月。ザメハで眠気は取れるんじゃないのか?」
如月「眠気は取れても気力ややる気までは回復しないよ。気力ややる気がなければ効率は落ちるし、それに機械じゃないんだから。まぁ、生物の三大欲求には勝てないと言うことだ。」
一刀「そうだな。確かに。」
「隊長。如月さん。少し気になることが……」
如月「どうした凪?」
「はい。あそこの船の兵達なのですが……」
凪が指を指したのは俺達が乗ってる船の二つ隣の船だった
一刀「あそこの船の兵士たちがどうかした?」
「あそこの船の兵達は知らない顔ばかりです。この意見は沙和とも合いました。」
一刀「え、まさか全員覚えてるの?」
「いえ、さすがに全員は……ですが一人二人は教えた顔がいるはずです。」
「あ、たいちょー。あれって……」
沙和や凪の知らない兵士たちと親しげに話しているのは
如月「祭さんか……」
一刀「凪、華琳に報告を。黄蓋さんに気付かれないようにな。」
「了解です。」
「ふむ。見たことのない顔の兵士が祭と親しく談笑していた……と。」
「はい。なので黄蓋殿の兵ではないかと。」
「十中八九そうでしょうね。祭や祭の兵士たちが動いたとき、混乱してる中でもウチの兵だとすぐに分かるようにしたほうがいいわね。何か良い案でもある?」
「そうですねー……黄色い布でも身につけますかぁ?」
「黄色い布ね……いいわね。祭に気付かれないようにウチの兵にくばりなさい。風、すぐに準備を。」
「かしこまりましたー。」
「凪は祭以外の将全員に通達を。」
「はっ!」
時が経ってその夜
如月「さーて、晩飯何作ろう……」
そんなことを考えていたら
バタンッ!
「きー兄ちゃん!一緒にご飯食べよー!」
「おなかへったのです~。」
「ちょっと季衣、風さま!ダメですよ!きー兄様お騒がせしました。ほら二人ともいくよ。」
勢いよく部屋の扉を開け、食事を誘ってくる季衣と風。そして二人を連れ出そうとする流琉の三人がやってきた
如月「流琉、別にいいよ。一緒に食べようぜ。」
「やったー!ほら流琉!」
「如月さんが良いと言っているのですから、良いのですよー。」
「うぅ……なら失礼します。」
俺がOK出したもんだから、申し訳なさそうに入ってくる流琉。そんなに気にしなくてもいいのに。でもまぁ、そこが流琉のいい所か
如月「ちょうど今から作ろうと思ってた所だ。何か食べたいものある?」
「お腹いっぱい食べたい!」
「風は軽くつまめるものを~。」
如月「流琉は?」
「えっと……じゃあこの前の麻婆春雨がいいです。」
「麻婆春雨?何それおいしいの?」
「うん!春雨っていう麺と麻婆を合わせたやつなんだ!」
「へぇーおいしそうですね~。風も食べてみたいです~。」
如月「了解。麻婆春雨とじゃあ親子丼でも作るか。」
メニューを決め作り始める。ちなみに親子鍋は職人さんに作ってもらった一品ものだ!
四人で晩飯を食べ、雑談をしていたら
「ZZZ……」
「ぐぅ~……」
如月「何か静かだなと思ったら、寝ちゃってたのか。」
「ほら季衣、風さま起きて下さい。」
如月「そのまま寝かせておいて流琉。ベットに運ぶから。」
季衣、風の順でお姫さま抱っこしてベットへ運ぶ
如月「二人とも軽すぎだろ。ちゃんと飯食ってんのか?……そういえば季衣はたくさん食ってたわ。」
本当にあの量食べてどこに栄養がいってるんかね。あれ全部パワーにかわってるとか?そんなことを考えていたらクイクイと流琉が服を引っ張っていた
「きー兄様……」
如月「ん?どうした?」
「あの……その……ぎゅってしてほしいです……」
如月「そうだな久しぶりだもんな。ほらおいで流琉。」
「はいっ!」
胸に飛び込んできた流琉をぎゅっと抱きしめる。少しの間抱きしめていたら顔を上げうるうるとしためでこちらを見てきて
「ちゅー……してほしいです……」
如月「ん、了解……ん。」
「んっ……好きです……きー兄様……」
如月「俺も流琉のことが好きだよ。」
「ボクもきー兄ちゃんのこと好きだよ。」
「風も如月さんのこと、大好きなのですよ~。」
「「ふぁっ!」」
声がした方を見ると季衣と風が起きていた
如月「えっと……二人はいつから見てたのかなー?なんて……」
「お二人がちゅーしてる所からですー。」
「はうっ!」
流琉の顔が火を噴きだすんじゃないかってくらい真っ赤になってる
「きー兄ちゃんずるいよー。流琉だけじゃなくてボクにもしてよー。」
「風にもしてほしいのですよー。」
如月「ああそうだな。流琉だけじゃ不公平だもんな。ほらおいで。」
「うん!」
季衣がダイブしてきたので、しっかり抱きとめ季衣とキス。そのあとに風ともキスをしてその日は一緒に寝た。
三人相手はきついっす