真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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七十八話

 全軍突撃命令を出した俺。普通なら後ろで指揮を取らなきゃいけないが、

 

「あのー如月さん…」

 

如月「どうした凪?」

 

「後ろで指揮を取らずに突撃に参加して良いんですか?」

 

如月「良いの良いの。それに詠とねねの練習になるだろ?」

 

「それはそうですけど…それにしては詠とねねから戻ってこいとの伝令が…もしかして、言ってなかったのですか?」

 

如月「はっはっはー!」

 

「笑って誤魔化さないで下さい!」

 

 そう俺は、詠とねねに何も言わずに飛び出して来たのだ。

伝令には詠とねねが指揮をしろって言っといてと後ろに送り返した。

 もう少しで両軍激突と言う所で

 

「右の黄蓋軍から矢だ!全員盾で『いやする必要はない!』如月さん!?」

 

如月「俺が対処する。気にせずに突っ込め!」

 

 そう指示を出し即座にバギマを唱え全ての矢を落とす。

矢を全て落としてすぐに両軍が激突し、

 

如月「一番槍はこの龍谷如月が頂いたー!」

 

 一番槍をゲット!いやー、一回やってみたかったんだよな~

 

「如月さんに続けー!呉の奴らに我々の強さを三度(みたび)知らしめてやるのだ!」

 

『うぉぉぉぉぉぉっ!』

 

 俺が先頭の兵を倒し、一番槍を取ってすぐに敵味方入り乱れての乱戦に入った。

 

 

 

 

 

如月「でりゃゃゃゃっ!…うっし、次は誰が相手かな?…っ!?」

 

 入り乱れての乱戦になったあと、ひたすら敵兵を倒し続けていたら左の首筋がヒヤッとしたため首を剣でガードすると、チリーンと言う音と共に首めがけて一線。ガキンッ!と音が

 

如月「あっぶねー…流石は甘興覇だな。」

 

「チッ…仕留め損ねたか。だが、ここで貴様を殺せば問題ない。」

 

 そう言うや否や襲いかかってきた甘寧。周りが敵味方入り乱れているのに俺と甘寧を中心に半径三メートルくらいのスペースに誰も入ってこない。

 

 甘寧と打ち合うこと数十合。

周りの呉兵達も倒れていく者が多くなってきた頃にヒュンヒュンヒュンと矢が飛んで来た。

 

如月「っ!?ふんっ!」

 

「がっ!?」

 

 甘寧のお腹をミドルキックして甘寧を蹴り飛ばし、飛んで来た矢を払い落とす。

 

如月「まったく…祭さん、邪魔しないで下さいよ。邪魔者は馬に蹴られますよ。」

 

「やかましいわ如月。そいつを回収しに来ただけじゃ。ほら思春。撤退するぞ。」

 

「ですが!」

 

「ええ。撤退よ思春。」

 

「れ、蓮華様っ!?」

 

 祭さんと共に現れたのは孫権だった。

 おいおい…お姫様がこんな所まで来るとかスゲーお姫様だな…まあ、孫権がここまで来て撤退を伝えに来たと言うことは…

 

「伝令!突然右から騎馬隊が急襲!馬超・馬岱の両名が雪崩れ込んで来ました!」

 

 ちゅーことだわな。取り敢えず離ればなれになっている凪の隊と合流して体勢を整えた後に横槍を入れてきた馬超と馬岱に備えるように指示。

まあ、孫権達を逃がすための奇襲だからもう襲っては来ないだろうが。

 

如月「ちゅーことで俺は行くから。あ、祭さん。こっちで飲んだお酒の代金、後で貰いに行くからね。」

 

「何を言っておるんじゃ。あれは死に逝く者達への為に出したものじゃろうに。」

 

 戦場のど真ん中でそんなアホみたいなやり取りをし、その場を離れる時にふと孫権の方を向くと何か言いたそうな顔をしていたが周りに促されそのまま撤退していった。

 

 その後、凪と合流し部隊編成をし、馬超達に備えたが彼女らは現れなかった為、本陣に戻った。

 

如月「ただいまー。」

 

「ちんきゅーきーっく!」

 

如月「ぷげらっ!?」

 

 本陣に戻り自分の天幕に入った瞬間にちんきゅーきっくが炸裂。

何すんだよ!と文句を言おうと顔を上げるとそこには修羅と般若を宿した詠とねねが。

 

「「正座。」」

 

如月「あ、はい。」

 

 え?文句を言うんじゃなかったのかって?今の二人に文句を言える奴が居たなら教えてください。

もれなく俺の身代わりにしてあげるから。

 

「アンタ…何こっちの指示無視して突っ込んでんのよ?戻ってこいって伝令出してたでしょ?」

 

如月「いやぁ…後ろで構えてるのでは無く、前線にいた方が士気が上がると思いまして…嘘です!一番槍やってみたかったんです!」

 

 今までは最前線で指揮をすることはあっても、自ら飛び出してしかも一番先頭で突撃かますなんてやったこと無かったからな。

そりゃ本来しなくて良いことをしたあげく、乱戦の中で暴れまわってたら心配もするわ。俺だってする。

 

如月「もうやらないから許してくれ二人とも。あと、月にも余計な心配をかけさせたな。すまん…」

 

 三人に謝罪した後、順番に頭を撫でて許しをこうた。

三人が納得するまで撫でていたら恋も戻ってきて撫でろと頭を出してきたので恋の頭も撫でた。

 次の日からは被害確認や華琳の所に集まって軍議等に追われ、成都に向けて出立したのは一週間後だった。

 

「如月さん~。月ちゃんや詠ちゃん達の頭は撫でたのに私達を撫でてくれないのはなんでなんのですかね~。」

 

 はい…他の皆様も撫でさせて頂きます。

 


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