遊戯王5D's-TAG FORCE-赤帽子と愉快な仲間たち   作:中野 真里茂

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TF6までのカードのみと言っていましたがあれは嘘です。調べて現行カードも使っていきたいと思います。ただしエクシーズ以降の召喚方法は無し。

デュエルのルールはアニメ5D'sと同じ(はず)です


2日目 火曜日

 二日目 火曜日

 

 

「おはようございまーす」

 

 出勤一日目、一人暮らしをする社会人として自覚が持てたのか今日の朝は清々しい目覚めだった。家を出て昨日、就職したデュエルアカデミアネオドミノシティ校の購買に入る。購買には既にパンやカードパックの準備をする俺の上司、加藤友紀さんの姿があった。

 

「おはようコナミ君。早速で悪いけどカードバックの品出しを手伝って。重くて大変なのよ」

 

「わかりました」

 

 俺はカードパックの入ったボックスを開け一箱ずつショーケースに入れる。やっぱり購買にもカードパックは売っているんだな。カードショップに比べると少し種類は少ないがそれでも学校の中でこれだけの種類がそろっていれば十分なレベルだ。

 

「こんなところですかね」

 

「えぇ!コナミ君が来てくれたおかげいつもより何倍も早く終わったわ」

 

 友紀さんの笑顔が見られるだけで頑張ったかいがあるというものだ。アカデミアで授業がある月曜から金曜毎日出勤するわけではないが出来るだけ多く手伝ってあげたいという気持ちになってしまう。それだけ俺個人の用事は済まない一方なのだが。

 

「あとね、たまにだけどデュエルを申し込んでくる生徒もいるからその時は断らずにきちんと受けてあげてね。手加減して負けたりなんかしたら減給よ!」

 

「デュエルはいいですけど減給は困りますね……本気でやります」

 

 そんな朝の会話から数時間、昼までの授業を終えた生徒達が昼休みを迎え一斉に購買に雪崩れ込んでくる。確かアカデミアは一学年あたり200人、この校は中等部からあるから総勢1200人の生徒がいることになる。全員が購買に来るわけではないがそれでもおびただしい数の生徒に驚き、その忙しさに四苦八苦していた。

 

「ドローパン二つ。はい100DPね。ありがとう」

 

 一人の接客時間は十秒に満たない。次から次へと流れてくる生徒を相手するそれだけだ。ただ一つ楽なのは生徒が買うものがほぼ全員ドローパンであることだ。安いのは確かだが俺のアカデミアにはとんでもない具材入りもあったと思うがここのは美味しいものばかりなのか。俺はステーキが好きだったな。懐かしい。パンをその場で食べる生徒もいるようで激辛カレーが当たった生徒が口から火を吐くように叫んでいたり、黄金の卵が当たって喜ぶ姿が見えて青春のひと時を思い出すようだった。

 

「混雑する時間帯は過ぎましたかね」

 

「そうね、もう三十分経ったしパンもほとんど売り切れたわ」

 

「すいませーん」

 

 俺と友紀さんが喋りながらパンやパックの整理をしているとキュッキュと上履きの音を響かせながら生徒がカウンターまでやってきた。

 

「食べ物、パック?」

 

「あ、いやそうじゃなくてですね!デュエルしてほしいんです!」

 

「あ、はい。いいよ」

 

 まさか本当に来るとは。急すぎて声が裏返ってしまったが咳払いを一つ挟んで購買奥のデュエルプレイコーナーに一つだけ空席があったので誘導した。まさかこうやってアカデミアの生徒をデュエルをする機会があるとはアカデミア生の実力を見せてもらおう。

 

「あの新しい人ですよね? 私、宮田ゆまって言います。よろしくお願いします」

 

「俺はコナミだ、今日から来たから新人だけどこちらこそよろしく」

 

「「デュエル」」

 

「先攻は譲るよ」

 

「お言葉に甘えて、私のターンドロー。私は手札からE・HERO エアーマンを召喚します。エアーマンの効果発動!デッキからレベル4以下のモンスターを手札に加えます。私はE・HERO アイスエッジを手札に加えます。さらに魔法カード融合を発動。手札のアイスエッジと場のエアーマンを融合。E・HERO アブソルートZeroを融合召喚です。場に1枚カードを伏せてターンエンド」

 

ゆま 手札3 LP4000 フィールド アブソルートZero 2500/2000 伏せカード 1

 

 ゆまのデッキはエレメンタルヒーロー主体の融合デッキか。しかもあの融合モンスターは特定のモンスターではなくE・HEROと名のついたモンスターと水属性で融合できるカード。融合条件がぬるいわりに強力なカードだ。

 

「俺のターン、ドロー。手札の墓守の司令官を墓地に捨てて王家に眠る谷-ネクロバレー‐を手札に加える。フィールド魔法ネクロバレー発動。このカードがフィールドにある限り俺達は墓地のカードに効果が及ぶカードをプレイできない」

 

 ネクロバレー発動に合わせてソリッドヴィジョンが動き出し、辺りが渓谷を映し出し、強く光り輝く太陽が照らすフィールドに変化した。

 

「さらにモンスターを1枚、カードを2枚伏せてターンエンド」

 

コナミ 手札2 LP4000 フィールド 伏せモンスター 1 伏せカード 2

 

「私のターン、ドロー。魔法カードE‐エマージェンシーコール。E-HERO レディ・オブ・ファイアを手札に加えて、レディ・オブ・ファイアを攻撃表示で召喚です。バトルフェイズ。アブソルートZeroで伏せモンスターを攻撃です」

 

「伏せモンスターは墓守の番兵。番兵のリバース効果。フィールド上の相手モンスターを一枚手札に戻す。アブソルートZeroを戻す。アブソルートZeroは融合モンスターだからエクストラデッキに戻る」

 

「あうっ……でもモンスターはいなくなりました!レディ・オブ・ファイアでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン。くず鉄のかかし。相手モンスターの攻撃を一度無効にする。くず鉄のかかしは発動後再びセットされる」

 

「あうぅぅ、レディ・オブ・ファイアの効果発動です。E・HEROと名のついたモンスターの数×200ポイントのダメージを与えます。今はレディ・オブ・ファイア一体だけなので200ポイントのダメージです」

 

コナミLP4000→3800

 

「これで私はターンエンドですぅ……あうぅ……」

 

ゆま LP4000 手札3 フィールド レディ・オブ・ファイア 1300/1000

 

「俺のターン、ドロー。手札から墓守の使徒を攻撃表示で召喚。バトルフェイズ、使徒でレディ・オブ・ファイアを攻撃。攻撃時に罠カード発動、マジシャンズ・サークル。お互いのプレーヤーはデッキ、手札から攻撃力2000以下のモンスターを一体特殊召喚する。俺はデッキから墓守の大神官を特殊召喚」

 

「私のデッキには魔法使い族はいません……」

 

使徒 1500/1500

 

レディ・オブ・ファイア 1300/1000

 

ゆま LP4000→3800

 

「あうぅ……でもレディ・オブ・ファイアが墓地に送られたときにトラップ発動。ヒーローシグナル、デッキからE・HERO フォレストマンを守備表示で特殊召喚します」

 

「大神官でフォレストマンを攻撃」

 

大神官 2700/2300

 

フォレストマン 1000/2000

 

「1枚伏せてターンエンドだ」

 

コナミ 手札 1 伏せカード 2

 

「私のターンドロー。一気に決めちゃいます!魔法カード、サイクロン!ネクロバレーを破壊です!」

 

「しまった……」

 

「行きますよぉ!手札から魔法カードミラクルフュージョンを発動です。墓地のアイスエッジとレディ・オブ・ファイアでアブソルートZeroを召喚。二枚目のミラクルフュージョンを発動。場のネオスと墓地のエアーマンを融合、E・HERO THE シャイニングを召喚。シャイニングは除外されているE・HEROの数×300ポイント攻撃力が上がります。除外されているヒーローは4体。シャイニングの攻撃力は3800です」

 

 シャイニングが効果によってぐぐっと巨大化する。シャイニングの攻撃力は3800、俺のデッキでも最も攻撃力の高いモンスターである大神官ですら足元にも及ばない。それでもチェックメイトにはまだまだ速いだろ。そう簡単に終わらせるわけにはいかない。アカデミアに来ての初戦で負けてこの購買の信用を失うわけにはいかないのだ。そしてアカデミア生に舐められるのも納得いかない。こんな状況でも勝つことしか考えられない。

 

「アブソルートZeroで使徒さんを攻撃です!」

 

「……くず鉄のかかしで攻撃を防ぐ」

 

「そうですよね。でもシャイニングで使徒さんを攻撃!」

 

シャイニング 3800/2100

 

使徒 1000/1000

 

コナミLP3800→1000

 

「ぐっ……使徒の効果を発動。デッキから『墓守の』と名のついたモンスターを裏側守備表示で特殊召喚できる。俺はデッキからモンスターを特殊召喚」

 

「えへへっ次のターンで押し切りますよ!1枚伏せてターンエンドです」

 

ゆま 手札0 フィールド アブソルートZero シャイニング 伏せカード 1

 

 今のソリッドヴィジョンはこんなにリアルだったか、久々のデュエルで感覚が鈍ったか、シャイニングの攻撃でずれた帽子を深く被りなおして一つ深呼吸。ネクロバレーを破壊されたことでゆまはミラクルフュージョンで墓地のカードを使い放題になってしまった。その代わりにくず鉄のかかしが残ってくれたのが幸いだ。出来ればこのターンで決めたいところだ。ただ伏せカードだけが懸念だ。あのカードにすべてひっくり返される可能性もある。

 

「俺のターン、ドロー。魔法カード、テラ・フォーミングを発動。デッキからフィールド魔法カードを1枚手札に加える。もちろん手札に加えるのはネクロバレー。そしてネクロバレーを発動」

 

「さっき使徒の効果で特殊召喚したモンスターを反転召喚。モンスターは墓守の偵察者。偵察者のリバース効果、デッキから攻撃力1500以下の『墓守の』と名のついたモンスターを一体特殊召喚する。デッキから墓守の召喚師を特殊召喚」

 

 確かあのアブソルートZeroの効果は場を離れた時に相手フィールドのモンスターをジェノサイドするとんでもインチキ効果。さっき番兵でエクストラデッキに戻した時は他にモンスターがいなかったから良かったけど今度はそうもいかない。ただしドローは最高の結果だ。このままこのターンで押し切るしかない。

 

「さらに手札から墓守の末裔を召喚。末裔の効果発動。『墓守の』と名のついたモンスターを一体リリースすることで相手フィールドのカードを1枚破壊する。召喚師をリリースしてシャイニングを破壊!」

 

「あうっ!? シャイニングが破壊された時、除外されているカードを二枚手札に加えることが出来ます。私はエアーマンとアイスエッジを手札に加えます」

 

「召喚師がフィールドから墓地に送られた時に召喚師の効果を発動。デッキから守備力1500以下のモンスターを手札に加える。デッキから墓守の巫女を手札に加える」

 

「ま、まだまだ、アブソルートZeroがいる限り負けません!」

 

「俺はもう一度末裔の効果を発動。偵察者をリリースしてアブソルートZeroを破壊する」

 

「えぇ!?いいんですかぁ!?アブソルートZeroの効果を発動です。このカードがフィールドを離れた時、相手フィールドのモンスターを全て破壊します!」

 

「末裔は破壊される。しかし大神官の効果発動。このカードが破壊される時、代わりに手札から『墓守の』と名のついたモンスターを1枚捨てることができる。手札から墓守の巫女を捨てて大神官の破壊は免れる」

 

「そ、そんな……でも……」

 

「大神官の元々の攻撃力は2000、ネクロバレーの効果で500アップ、さらに大神官の効果で墓地の『墓守の』と名のついたモンスターの数×200ポイントアップ。墓地には司令官、番兵、使徒、召喚師、偵察者、末裔、巫女が1枚ずつ。1400ポイントアップ。合計で1900ポイントアップ」

 

「バトルフェイズ、大神官でダイレクトアタック!」

 

「トラップ発動。聖なるバリア-ミラーフォース-、攻撃表示のモンスターをすべて破壊します!これで次のターンで私の勝ち!」

 

「そうだ、それだけが怖かった。でも次のターンは来ない!罠カードオープン、ネクロバレーの王墓。ネクロバレー及び『墓守の』と名のついたモンスターがフィールド上に存在する時のみ発動できる。効果モンスターの効果、魔法、罠の発動を無効にし、破壊する」

 

「そ、そんな……」

 

大神官 3900/2300

 

ゆまLP3800→0

 

元の二倍程に巨大化した大神官のパンチがゆまに炸裂する。ゆまのLPが0になると周囲の風景がネクロバレーから購買に戻り、大神官のソリッドヴィジョンも消えた。膝をついて悔しがるゆまの姿が見えると俺は駆け寄って手を差し伸べ、ゆまはゆっくりと立ち上がる。

 

「お疲れさん。いいデュエルだったよ」

 

「あうぅ……負けちゃいました……」

 

 ゆまはがっくりと肩を落とし項垂れる。流石に学生のサンドバック代わりになるのは嫌だからな。俺も全力でデュエルを受けて立たなければならない。後ろから拍手で俺達を迎え入れてくれてくれた友紀さんがゆまの肩をポンポンと叩き慰めの言葉をかけている。こういうところも購買のお姉さんとして愛される一因なんだろう。

 

「コナミさん!デュエルありがとうございました。また来ますね!」

 

「ちゃんと戦略を考えてからくるんだぞー」

 

 昼休みも終了直前、ゆまは挨拶を済ませると駆け足で教室へ帰っていった。この町に来て初めてのデュエルがまさかアカデミア生徒になるとは。そういえばWTGPは老若男女問わず参加できるとか言ってたしアカデミア生徒と出るのも良いかもしれない。いやそれは色々問題があるか……明日はジャックが済んでるらしいガレージに行ってみよう。

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