いろんなお話   作:食券乱用

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初投稿です。普段は読む専でしたが、数々の作品に触発され、執筆しました。文才皆無で至らない点もありますが、暖かくお守りいただけたらなと思います。
今回は折本かおりのお話。そもそも中学で間違えていなければこんな風になっていたのかな、なんて妄想しながら書かせていただきました。


失敗は成功の母

 人は失敗を元に変わっていくと言われている。大きな成功を収める人もまた幾度となく失敗し、その失敗の果てに輝かしい成功を収めた。

 もちろん、ただただ失敗すればいいというわけでもない。その失敗から何かを学ぶことが必要不可欠であり、それ無くては成功などありえない。『失敗は成功の母』なんて有名な言葉もあるくらいだ。

 つまり、中学時代に幾度となく告白を繰り返し失敗して学んできた俺がいつか成功するのは必然と言える。ここに宣言しよう、私比企谷八幡は成功するまで諦めない!」

 

「朝から何言ってんの、ウケる。」

 

 は?何言ってんのこいつ。まさか声に出てたか?

 

「…」

 

「固まってるのもウケるんだけど笑」

 

「どこから声に出てた」

 

「成功するまで諦めないって宣言したのだけだよ」

 

「そうか…」

 

 疚しいことはないが、こいつに聞かれるのだけは嫌だ。

 

「それよりも、あの噂本当だったんだね、うちの中学に告白魔がいるってやつ!比企谷だったんだ笑」

 

 全部聞いてるじゃねーかよ…。

 

「ちょっと死んでくる」

 

「あぁ!待って待って!悪気はないからさ!」

 

 こいつに知られるのだけは避けたかったなぁ。

 

 折本かおり、中学の同級生で俺の失敗談のうちの一人。

 

 

 

 

「あなたのことが好きです!付き合っててください!」

 

 入学式から1ヶ月も経った金曜日の放課後のことであった。

 部活終わりの生徒たちが下校する姿が見える屋上での出来事。

 

「えっと、同じクラスの比企谷君だっけ?」

 

「はい!ぜひ付き合ってください!」

 

「1つ聞いても良い?」

 

「なんでも!」

 

「私のどこを好きになったの…?」

 

「…」

 

「…」

 

「…優しいところです」

 

「…そっか」

 

「…」

 

「ちょっと考える時間が欲しい。返事は待って欲しいかな」

 

「…はい!」

 

 

 あの告白から既に2年が経過し、俺は3年生となっていた。自分の席に座ると周りから視線を感じた。入学式以来、女子と名のつくものには片っ端から告白していたこともありもともと奇異な目で見られることは多かったが、こんな風に見られたのは初めてだな。まさかモテ期!?なんて思いつつ俺は学校指定のカバンの中から今日の授業で使う教科書を出していく。「一限は数学か…寝よう。」

 それにしても、何故告白した子皆口を揃えて最低だの二股やろうだのと罵ってきたのだろう?まあ、これだけ告白繰り返していれば仕方のないことか。

 ふと前を向き、黒板に大きく書かれたものを見てしまった。無言で席を立ち、教室を出る。出るときに同じクラスの子達の笑い声が聞こえた気がしたがそんな事今気してられない。

 

 屋上の扉を開けるとそこには折本がいた。

 

「どういうことだ…」

 

「やっと来たね〜」

 

「黒板のアレはどういうことだ」

 

「ん〜?そのままの意味だよ?というか怒ってるの?ウケる笑」

 

「この話は2年前に終わったんじゃ無かったのか?」

 

 7月の猛暑が体に突き刺さり、額から汗が流れ落ちる。

 

「終わったと思ってたの?私返事は待ってって言ったじゃん!マジウケる笑」

 

「俺は連絡を半年も待ったが来なかった。ならフラれたと考えて可笑しく無いだろう?」

 

 純粋に半年も連絡を待った俺を少しは褒めていただきたい。馬鹿な話かもしれないが、当時の俺はそれくらいこいつのことが好きだったんだろう。

 

「まあそうだよね。ホントごめん。けど、この日のための2年間なんだ!」

 

「…飛躍し過ぎじゃないか?」

 

「男女のお付き合いの目的ってそういう意味じゃ無いの?」

 

 確かに。ならこいつを責めるのも御門違いということか。

 

「…後悔、しないんだな?」

 

「全然ダイジョーブ!」

 

「…親には相談したのか?」

 

「むしろウェルカムだったよ!」

 

「…するか」

 

「さっすが!マジウケる笑!」

 

 

 

 

 

「…」

 

 あぁ、こんな過去もあったものだ

 

「どうしたのぼーっとして?早く朝ごはん食べたちゃって!」

 

「昔のことを思い出しててな」

 

「数年前の出来事じゃん!なに年寄りじみたこと言ってんの!マジウ(ピンポーン)…はーい!今行きます!」

 

 パタパタパタパタパタ

 

 

 大学生になった今でも、たまに中学生時代のことを思い出しては死にたい気持ちになる。

 

「比企谷かおり様にお届けものですね。こちらにサインお願いします。」

 

「どうも〜!お父さんからかな?」

 

 

 パタパタパタパタパタ

 

「お父さんからだ!新生活に役立つようにだってさ!」

 

  「はぁ…」

 

「ため息なんかついちゃってどうしたの?」

 

「自分の過去を色々と後悔してたところだ」

 

「…やっぱ嫌だった…?そうだよね。少しノリで決めてしまったところもあったもんね…。」

 

「いいや、お前との結婚は後悔してないぞ。全く、教室の黒板にデカデカと『比企谷結婚するぞ!』なんて昔のお前はよく書けたな」

 

「2年間八幡だけを見て、この人なら私を幸せにしてくれるって確信を得れたからね!!話戻るけど、他の人に告白した時色々言われなかった?」

 

「あぁ、言われたぞ。ほとんどが最低とか2股野郎とか軽いなんて罵って来たけどな」

 

「そりゃそうだよ!女子には八幡のこと将来の夫候補なんて説明してたんだからね!」

 

「おい」

 

「失敗が成功の母なんて言ってるけど八幡最初から成功だったじゃん!マジウケる笑!」

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