Fate/dragon sphere   作:小櫻遼我

10 / 14
最近はずっと渋に引きこもってましてね……


第十節 愚かしい兵器

「──小太郎さん、2B、僕の合図で押しますよ。いいですね?」

「承知」

「わかった」

「では、いきますよ…………せぇ──のっ!」

 

 小太郎、2B、9Sの三人がタイミングを合わせ、巨大な鉄箱を押し退ける。……ここはパルカルの村、その裏手。廃墟都市へと直結する連絡路の出口は、外敵の侵入を防ぐため鉄箱で閉ざされていた。この大きさのものをどかすには、それこそヨルハが一機いても足りるか怪しいものだった。

 ──パスカルの村で突如発生した地震。そして、その原因であると言わんばかりに、連絡路で繋がる廃墟都市で大型機械生命体反応が出現した。2B達が過去の任務で破壊したはずの──或いは、取り逃した機体。これほどの地震を発生させるとなると、あの2Bが取り逃すのも納得だった。

 連絡路を抜け、都市に出る。コンクリートの廃墟群の中に緑の生い茂った美しい景色は一変し、舞い上がる砂塵が空間と空を覆い尽くし、まるでモノクロ映像のように無機質な空間へと作り変えてしまっている。そしてその砂塵に覆われ見通しが悪いが……空を見上げると、そこには確かに巨大な影が蠢いていた。

 9Sが目隠しに手を添え、影の方に目を凝らす。あの目隠し(バイザー)からは、きっと人間には見れない色々なものが”視えている”に違いない。

 

「……いました! やはり報告通り、先の作戦で2Bが接敵した個体と同型機のようです! 視覚情報、ホログラムで共有します!」

 

 すっ、と手をスライドすると、オレンジがかったホログラムモニターが藤丸達の前に現れた。ぎょろりと赤く光る目、重機を継ぎ接ぎしたような機体(ボディ)、そしてその大きさ……その無骨な異様さに、藤丸は僅かながら恐怖さえ感じてしまう。

 

「こんなやつが……。ダ・ヴィンチちゃん!」

問題ない(オーライ)、こっちでも観測できてるよ』

「大型機械生命体っていうとボーヴォワールを思い出すけど……サーヴァント反応は?」

『……やっぱり。サーヴァント反応を検知、しかも複数いる。ボーヴォワールの例があったから真名の解析パターンは組んであるんだが、如何せんすぐには特定できない。暫く持ち堪えてくれ!』

「了解。……よし、行こう!」

「ちょうど司令部から、ヨルハ飛行ユニットの配備の連絡がありました。マークした座標(ポイント)へ向かいます!」

 

 四人は、一斉に駆け出した。

 瓦礫を乗り越え、茂みを掻き分け、駆けてゆく……その中で藤丸は、人間である彼は一人だけ遅れを取っていた。片や西暦11945年最新のアンドロイド、片や戦闘機一機分の戦力と評されるサーヴァント……。魔術の才能もない、人理を救ったとは言えあくまで一般人である藤丸がついていけないのは当然だった。同時に、何十何百ものサーヴァントを侍らせてリーダーを気取っている自分にも嫌気がさしてきたのだった。

 

「藤丸さん! ついてこれてますか!?」

「ごめん、ちょっと、キツそう────っとぉっ!?」

 

 全力疾走し、スタミナを早くも消費した藤丸は、地面の瓦礫に気づけずつまづいてしまった。うつ伏せになりながらも腕に力を込め、立ち上がろうとする。

 ──が、その時、ズシン……と、とりわけ大きな地鳴りが響いた。藤丸が焦って周囲を見渡すと、砂塵のすぐ向こう、藤丸にも可視化できる位置に大型機械生命体の足が迫っていた。

 

「クソッ────!」

 

 急いで立ち上がり、三人のもとへ駆け寄る藤丸。あの一瞬、生きた心地がしなかった。もしあの大型機械生命体の足がもう数メートル──人間大で言えば数センチほどの僅かな間隔だ──でもズレていれば、自分はきっと肉塊すら残らなかっただろう。そう思うと、途端に冷や汗がどばっと吹き出した。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

「何とかな……。だけど、アイツの足元はさすがに危ないぞ……!」

「ルートを検索中…………よし。いいですか、ここから南方面──高速道路跡の広場の南側に、比較的崩落の少ない大きな廃ビルがあります。飛行ユニットはそこです。お二人の身柄の安全のため、ディフェンダーモデルにも待機してもらっています」

 

 早口で説明しながら、9Sはどこかを指差す。その方を見ると、廃ビルに絡まった巨大な木の根が目に入った。

 

「僕らはあの木の根を伝い、廃ビルの屋上を渡りながら向かいます。お二人は向こう──ここから東側の、大型機械生命体反応のない大通りを南下してください。目的地の入口付近から合図を送ります」

「それに向かってけばいいわけだな、わかった。行くぞ、小太郎!」

「承知! お二人も、ご武運を!」

 

 そう言い残し、カルデアとヨルハは二人ずつ別れて進み始めた。

 裏路地を抜け大通りに出ると、確かに大型機械生命体はいないようだった。足音が遠くに響いている。だがその代わりとでもいうのだろうか、大中小の雑魚機械生命体が充血した目でこちらを睨みつけていた。

 

『あちゃあ、こりゃ大賑わいだ。藤丸くん、いけるかい?』

「このくらい……! 状況を開始する! 小太郎!」

「承知!」

(サン)ッ!」

 

 藤丸の合図に合わせ、二人はそれぞれ対となる方向へ散開した。

 駆け寄る機械生命体達。小太郎はその数を数え、見据えると、懐から取り出したクナイを真っ直ぐ投擲した。クナイは機械生命体の関節──駆動部分に命中し、機械生命体達はたちまち姿勢を崩し倒れ、もがき始めた。……我々は専門家ではない。何も破壊する必要はない。動けなくなってしまえは、人間だろうと機械だろうと皆死に体に変わりないのだ。

 だが、機械生命体はまだ迫ってくる。小太郎は懐に手を入れる。……が、この土壇場でのクナイ切れに気づく。そう言えば最後にレジスタンスキャンプを出て以来まともに休憩できたのは利用可能資源の乏しいパスカルの村くらいで、カルデア本部からの転送にも頼れず、小道具の補給もままならなかった。サーヴァントとて、飛び道具を使う皆が皆弓矢作成持ちではないのだ。

 一瞬の隙に、機械生命体達が目前に迫る。……だが、いくらクナイ切れを起こそうと、素手だろうと、サーヴァントであることには変わりない。アサシン・風魔小太郎の数値化登録された筋力ステータス水準はC+……金属など、易々と捻ってくれる。

 

()ッ」

 

 小太郎は迫りくる機械生命体に狙いを定め……その関節を平手で突いた。クナイを投擲した時もそうだったが……関節は曲がることによって機能する性質上、そこを金属のような硬い物質で覆い隠すとまともに動けなくなる。よって、どんなに強固な鎧を身に纏おうとも、関節だけは丸裸にならざるを得ない。小太郎が関節を突くと、その筋力に関節は砕け、瞬く間に機械生命体は姿勢を崩してしまう。続き迫る機械生命体にも一撃、当て身を打ち込む。機械生命体は何が起きたのかすら分からない内に、地面に這いつくばっていた。筋力ステータスに対し、敏捷はA+……カルデア内でもかなり上位に食い込むほどの素早さ。サーヴァントでもない者が、その動きを捉えられるはずがなかった。

 機械生命体との間に間隔が空き、小太郎は鎖鎌を取り出す。ムチのようにしなるそれを踊るように振り回し、機械生命体に迫る隙すら与えず切り刻む。もはや、たかが凡百の機械生命体程度では勝ち目はない。自我に目覚めぬ彼らはそれを認識することもなく、あっけなく破壊されていくのだった。

 ──一方、藤丸。まともな魔術の才も無い藤丸は、カルデアから支給された魔術礼装と、サーヴァント達から授かったなけなしの呪具で対抗するしかなかった。

 まず、藤丸はルーン石を投げつけた。スタンプラリー道中の一件で、これが実用的かつ誇大的な威力を持つことは分かっていた。ただルーン文字が読めない藤丸にはどの石がどんな効果を持つか分からなかったので、手当たりしだいに投げるしかなかった。不思議とあの連中(ケルト組)なら攻撃用の石しか寄越してこないだろう、という謎の確信はあったので、回復・防御効果が誤爆する心配はしていなかった。

 藤丸が投げたルーン石はひょろひょろと宙を舞っている。お世辞にもキレの良い投石ではない。……野球なんてやってこなかったんだ、仕方がないじゃないか。

 だが、その石は着弾する前に爆ぜた。……と思ったら、その破片の一つ一つが魔力を帯びた追尾弾となって、まるでミサイルのように機械生命体に襲いかかった。幾つもの破片の攻撃を一身に受けた機械生命体は全身をズタボロにされ、ガクンと機能を停止してしまった。

 

「えぐ……」

 

 その状況を見て、藤丸さえドン引きである。攻撃用しか寄越さないとは思っていたが、何というものを寄越してくれたんだ。これが誤爆したらと思うと……いや、あまり変なことを考えるのはやめよう。

 それからも、藤丸は次々とルーン石を投げつける──ところだったが、ポーチに手を突っ込んでふと思った。カルデアからの補給物資が次いつ来るかも分からない今、このポーチに収まっているだけのルーン石を早々に使い切ってしまうのは如何なものだろうか? お金やQPでもそうだったが、いい加減浪費癖は直して長期的なマネジメントを心がけたほうが良いのかもしれない……。

 藤丸はポーチから空手を抜き、人差し指を構えた。ガンドの構えだ。

 

「ガンド!」

 

 と藤丸が叫ぶと、赤黒い魔弾が指先から放たれ、機械生命体に命中した。どういう仕組みかはやはり分からないが、機械生命体にも通用するというのは幸運だったと言えよう。

 迫りくる機械生命体を次々と撃ち落としていく藤丸。だがなかなかに数が多く、撃退しつつ藤丸自身も後退っている。その様はさながら追い詰められたゾンビモノの主人公のようだった。

 すると──果たして何発のガンドを撃ったのか──スカ、スカと弾を撃つ手応えが指先から消えていた。何だ、と思って右手を見てみると、白色の戦闘服礼装に包まれた右手の甲に、これ見よがしに「0」という数字がホログラムで浮かび上がっていた。それが意味するところは……。

 

「畜生ッ……小太郎、小太郎ォッ!」

 

 万策尽き、逃げ回りながら叫ぶ藤丸。当然、それは小太郎の耳にも届いていた。

 

「ッ、主殿!」

 

 小太郎はクナイを拾い上げ、迫っていた機械生命体に投擲し破壊すると、即座に藤丸のもとへ駆け寄った。迫りくる機械生命体を鎖鎌で薙ぎ払い藤丸を抱え上げると、目にも留まらぬ俊足で機械生命体の群れから遠ざかった。

 

「う……小太郎、速すぎて……ちょっと、耳が……」

「あっ! 申し訳ありません、主殿!」

 

 ハッ、と小太郎は藤丸を下ろす。が、そうしている間にも機械生命体達は二人のもとへ迫ってくる。藤丸はガンド切れ、ルーン石は温存の方針で戦う術が残っていない。そして、今まさに迫りつつある機械生命体は二人分の群れが巨大な一群となっている。……小太郎には好都合だった。こう来てくれるのなら、一箇所に防衛を集中できる。それに何より、この程度の雑兵はいくら集まったところで大した戦力にはならないからだ。

 それからの小太郎は、水を得た魚のように暴れ回った。もはや機械生命体達を近づけることさえせず、尽くを殲滅していく。……藤丸は愕然とした。風魔小太郎はその生前の立場上、少数対多数に特化した、言わばゲリラ戦のプロフェッショナル。今までのシチュエーションでは見ることのできなかった彼の本気を目の当たりにし、自分より強い相手を従える立場として畏敬の念すら感じたのだった。

 

「────ッ、来るか!」

 

 雑魚を一掃した小太郎の前に現れたのは、それまでの機械生命体の何倍もある巨大な──しかしあの大型機械生命体達には劣る──体躯の機械生命体だった。機械生命体はこちらを視認するや否やその大きな腕を関節ごと振り回し、小太郎に接近する。……少々、分は悪い。あれほどの攻撃はさすがに防げる気がしないし、回避に専念したところで藤丸を狙われれば一巻の終わりだ。

 

「……主殿、御免!」

「は? って、うおおおおおおおおおお」

 

 ふと振り返った小太郎はおもむろに藤丸を抱え、なんとそのまま天高く放り投げた。──その瞬間、藤丸は確かに死を覚悟した。サーヴァントの力量による胴上げで圧しかかる風圧は凄まじく、これまでの飛翔や落下とはまた違ったベクトルの危機感を感じたのだった。

 ……が、そんな恐怖心もつかの間、藤丸は打ち上がってすぐ、小高い廃ビルの上に墜落した。上昇が頂点(エイペックス)に達して落下を始めてからすぐに着地したため、落下エネルギーによる衝撃は微小で済んだ。小太郎は端から計算づくだったのだ。

 

「……これで主殿に手は出せないな、俗物!」

 

 罵声を浴びせると、小太郎は一気に駆け出した。まるで地表を滑る一筋の光のように機械生命体の足元を駆け回る。……が、それは決して駆け回っているだけではなかった。小太郎が機械生命体の足元を通り過ぎる度に、その足に傷跡が増えていった。小太郎が、目にも留まらぬ速度で切り刻んでいたのだ。

 ──敬愛する我が主に仇なす愚弄者に誅伐を。

 ザァッ、と小太郎が立ち止まる。そしてそれに反応するように、ワンテンポ遅れて機械生命体は足の傷によって跪いた。機械生命体はただ小太郎を、その無機質な目で睨みつけている。だが、鋭い視線を向けているのは小太郎も同じだった。

 

「辞世の句でも詠んでおけ────火遁(ファイア)!」

 

 だん、と地面に平手を押し当てる。それは術式だった。地面にヒビさえ入らないが、遠くまで響いて聞こえるような掌底──その直後、機械生命体の股下から火花が舞い始め、そして大きな火炎の柱となって機械生命体を包み込んだ。べこ、ばき、と鉄板の歪みひしゃげる音が響いてくる。死体は確認していないが、あれではどの道助かるまい。

 

「よし……主殿、もう大丈夫です!」

 

 小太郎がビルの上に呼びかける。するとその(へり)から、恐る恐る藤丸が顔を覗かせた。小太郎は両手を使って手招くジェスチャーをしている。この位置関係でそれをするということは……まぁ、ここまで投げ飛ばされて今更どうということもなかった。何より、小太郎を信頼しているから心配の一つもなかった。

 ばっ、と藤丸は飛び降りる。通常ならば落ちた方も受け止めた方も死にかねない高さだが、小太郎はサーヴァントならではの身体能力(フシギパワー)で見事藤丸を抱えてみせた。……その様子はどこか、お姫様抱っこのようにも見える。

 

「……下ろして……」

「ハッ、これは何たる無礼を……!」

 

 慌てて藤丸を下ろす小太郎と、服の汚れを払う藤丸。通信越しに、誰かがくすくすと笑う声が聞こえる。ホームズ以外なら誰だって犯人であり得る。逆に、ホームズはこういう時は胸の内で独りだけでほくそ笑むタイプなので決して犯人であり得ないだろう。

 

「……まぁ、これで粗方すっきりしたかな」

「はい。機械生命体など恐れるに足らずです」

「だな。頼もしいよ……」

 

 朗らかに返事をする小太郎に対し、藤丸は少し疲れ気味だった。あまりもの敵の物量に、今まで使ったことのない神経を使ったように錯覚していたのだった。

 ともかく、これで道は開け、このがらんどうを一直線に進んでいけば2Bと9Sに合流できるはずだ。藤丸は疲れを癒そうと牛歩で、しかし大型機械生命体の足音に急かされ、肩で息をしながら駆けていくのであった。

 

 

 

 ……しばらく通りを駆けていると、開けた広場に出た。崩れた高速道路と、廃墟にしてはまだ立派なビルが鎮座する空間。2B・9Sとの待ち合わせ場所(ランデブーポイント)だ。

 

「……! 主殿、下がって!」

 

 だが、問題があったのだ。やはりここでも粉塵で視界が悪く、小太郎に制されるまで藤丸は粉塵の奥に隠れた大型機械生命体の存在に気づけなかったのだ。そして藤丸がその存在を真に自覚したのは、大型機械生命体のけたたましい足音が響き渡ってからだった。遥か上空を見上げると、大型機械生命体の赤い目がどこかを向いてぎらりと輝いている……。

 

「クソッ、二人はどこに……、いた!」

 

 藤丸が粉塵の遠くへ目を凝らすと、チカチカと何かが輝いた。一定のリズムで点滅する光。それはきっと、2Bか9Sどちらかのポッドがライトを点滅させて合図を送っているのだろう。……しかし、その進路上では件の大型機械生命体が暴れていて、そこを突っ切って行ったら踏み潰されてしまうかも分からない。

 ここは、()()()()()で行こう。藤丸は──目隠し(バイザー)の視界良好を信じて──大きく腕を掲げ、ハンドサインを送った。片方の手で二人の方向を指差しながら、もう片方の手で大きく回るようなジェスチャーをする。すると、一瞬ライトの点滅が止み、直後にパッパッパ、とさらに素早いリズムで数回点滅した。これはこちらの意思を読み取った合図と捉えていいだろう。

 

「よし、行くぞ!」

 

 そう意気込んで、藤丸と小太郎は大型機械生命体を避けるように外周の道路を伝って行った。大型機械生命体が足踏む度にその足と赤い目の位置を気にしてしまう。こういう時、ちょろちょろと鬱陶しい虫ケラが足元にいたら踏み潰してでも追っ払ってしまいたくなるものだ。どうかこの機械生命体はそこまで知性が芽生えていませんように、と何処かへ祈りながら走る。

 が、幸運か──飛行ユニットに乗り込んだヨルハ達が飛行型機械生命体、および大型機械生命体と戦闘を行っているおかげで、大型機械生命体は一向にこちらに気づく様子がない。そしてその足元にも、やはり踏み潰されることを避けてか、機械生命体の群れは見られない。

 だからと言って、その足元でぼーっとしているわけにはいかない、奴の意識がこちらに向く前に、道路を走り抜ける。

 そして間もなく、藤丸達は2B、9Sと合流できた。

 

「よかった、二人とも無事そうですね!」

「ああ。でも敵の群れと遭遇して、切り抜けはしたんだが、俺はもう補給しないとまともな支援はできなさそうだ」

「そうですか……。先は短いですが万が一ということもあります。三人でボディガードとなって、離れないように進んでいきましょう」

 

 そう言うと、9Sはビルへと入っていき、他三人を先導する。藤丸は暴れる大型機械生命体を尻目に、はぐれないよう三人についていった。

 

 

 

 ビル内部はほとんどが瓦礫だった。まるで山を登るように、瓦礫の山を両手で掴み、四足歩行で這い上がっていく。身体能力の優れる他三人と比べ非常に遅く、藤丸は彼らに申し訳なくさえ思ってしまう。

 穴を飛び越え、時には小太郎の手を取り、ビルを登っているうちに開けたエリアに出た。奥を見ると、橋のようにかかった瓦礫を通じて別のビルの屋上まで続いており、そこには2Bと9Sが乗るであろう飛行ユニットが待機していた。

 

「よし! これで……わあっ!?」

 

 と、その時、藤丸達が足元を抜けたあの大型機械生命体が、その回転掘削機(バゲットホイール)の腕を振りかざしビルの中にいるこちらを攻撃してきたのだ。その巨大な一撃でビルは大きく破壊され、崩落こそしなかったものの屋根が消し飛び、一行は丸裸にされてしまった。

 

「くそっ! ──2B! 前回作戦時のデータを参照して、配線が集中しているハブの情報を表示します!」

「小太郎、なら2Bの攻撃する場所が奴の弱点のはずだ、後に続いて攻めるんだ!」

「わかったッ」

「御意!」

 

 9Sはバトルフィールドの端に避け、ハッキングで大型機械生命体の脆弱性を探る。そのデータが2Bに転送され、ヨルハと情報を共有できない小太郎も2Bに続いて攻勢に出る。二人がそれぞれの飛び道具で攻撃する中、突如大型機械生命体の顔面がパックリと開き、そこから赤・紫のまるでイクラのような魔弾の弾幕を乱射する。

 

「藤丸さん、こっちへ!」

 

 9Sが呼びかける。藤丸は弾幕が到達する前に急いで駆け寄ると、9Sは藤丸を庇うようにポッドのバリアを自分の周りに展開した。

 

「いつまで持つか分かりません、どうかいつでも逃げられるように!」

「ああ、分かってる!」

 

 藤丸に声をかけながら大型機械生命体の解析を行う9S。するとそこへ、藤丸の方もダ・ヴィンチからの通信が入る。

 

「ダ・ヴィンチちゃん、解析が!?」

『ああ、終わったよ! アルターエゴ、真名エンゲルス。思想家、フリードリヒ・エンゲルスとカール・マルクスの要素が混在した英霊複合体(ハイ・サーヴァント)だ! どう見ても本人じゃないが、どうもこの特異点では哲学者や思想家の類から真名を拝借するパターンがあるようだ!』

「でも、それじゃあ弱点の探りようが……!」

『安心したまえ、それらしい弱点は発見済みだ! ハイ・サーヴァントとは言ったが、メルトリリスやパッションリップとは違いかなり物理的な複合形態をとっているようだ。本体であるエンゲルス、その両腕についた掘削機(エクスカベーター)のそれぞれがマルクス。異なる霊基を無理矢理繋げているからか、その接合部に霊基の綻びが視える!』

 

 ──なるほど。確かにロボットとしては設計通りの合体メカかもしれない。だがサーヴァントであるという点で見ると、異なるもの同士を繋げるまさに規格外接続であるわけだ。そういった規格外兵器は、総じて不安定なものであると相場が決まっている。

 

「2B、口内です! 奴が弾幕を放つ瞬間の口内に、機関部へ衝撃が伝播する脆弱性を発見しました!」

「小太郎、両脇だ! あの腕はそれぞれが本体とは異なるサーヴァント、無理矢理繋げたその接合部に霊基の綻びがある!」

 

 前線の両者に、それぞれの言葉が届く。弾幕が落ち着いた一瞬、二人は顔を合わせ意思を疎通する。

 

「結合部を狙う!」

「口の中を攻め立てます!」

 

 それを合図に二人は散開し、またエンゲルスの弾幕が再び放たれた。

 2Bは弾幕の隙間をくぐり抜けるように回避し、エンゲルスの脇にポッドのレーザーを放つ。バトルフィールドを縦横無尽に駆け回り、ポッドプログラムやミサイルモードを利用しそれぞれの脇に満遍なく損傷を与えていく。

 小太郎はヌンチャクや鎖鎌を振り回し、弾幕を弾く。そして僅かな隙間を見つけては、小さな爆弾をくくり付けたクナイを投擲する。2Bよりも攻撃の勢いは弱いが、口が開き敵の内部が丸見えになっている分、与えるダメージは2Bのそれに引けを取らない。

 

「ポッド、薙ぎ払え!」

「了解」

 

 先程にも増して太く高出力のレーザーが放たれ、定規で線を引いたように胴体と両脇にかけてまでを一閃する。その一撃で両腕が蓄積されたダメージにダウンし、同時に胴体にも攻撃を加えたことでエンゲルス本体の動きも鈍った。それは一瞬の放心状態のようにも見え、その口をぽかんと開けてしまっている。

 

成敗(ブレイク)!」

 

 エンゲルスが大口を開け、弾幕も停止した隙に、小太郎は一際大きめの爆弾──手で投げる用の手榴弾を、野球ボールのように思い切り投擲した。そのメジャーリーグもののストレートは真っ直ぐエンゲルスの口内に突き刺さり、投擲の衝撃か手榴弾の効果かその頭は爆炎と共に弾け飛び、首の欠けたまま動かなくなった。

 

「やった! 藤丸さん、いい指示でした!」

「いや、仲間がいてくれたからだよ。……それより飛行ユニットに向かおう! 小太郎、2B!」

 

 藤丸が号令をかけると二人はすぐに戻ってきた。藤丸と9Sの指示が功を奏したのか、全く疲れた様子は見られない。

 

「祝杯は後。まずは飛行ユニットで残りの大型機械生命体を叩くのが先」

「もちろん、分かってるよ」

 

 四人は瓦礫を越え、隣のビルまで橋を駆ける。辿り着いた屋上には白黒一機ずつの飛行ユニットが待機しており、搭乗を待ちかねるようにコックピットを開いている。

 

「よし……飛行型機械生命体が攻めてくるほど高高度じゃない、狙ってくる大型機械生命体も排除した。ここなら安全です」

「ありがとう。二人は飛行ユニットで残りの奴を倒すんだろ? 俺達は……」

「結構無理をしたでしょう。一旦ここで息を整えていてください」

「まぁ……そこまで言うなら」

 

 藤丸が頷くと9Sは笑顔を見せて、そのまま2Bと共に飛行ユニットに乗り込んだ。コックピットハッチが二人の姿を覆い隠し、肩と背中のブースターを点火すると垂直に離陸し、残りのエンゲルス個体の元へと飛んで行った。

 

「……でも、な。正直休もうにも休めないな」

「はい。敵が機械生命体なら、奴がいる可能性もあります」

 

 そう、あの和装のサーヴァント──鏖殺のセイバーがどこかに潜んでいる可能性もある。こちら側の存在である以上、そこら中に溢れているヨルハ達ではなく藤丸達を真っ直ぐ狙いに来ることは予想できる。また、あのセイバーがいるとなると、奴が連れ帰った二体の人型機械生命体も気がかりだ。どうもあの二体に関してはサンプルデータが足りず、カルデアでも分析が進めずにいるらしい。行動原理も、目的(ターゲット)も不明。である以上、現状は二体の人型機械生命体とセイバーは三位一体と考えていいだろう。……いざとなれば、ダ・ヴィンチが回線を繋げた通信機で二人を呼び戻すしかない。

 ふと、藤丸はエンゲルス個体の様子を見る。……一体どうしたのだろうか、一向に倒れる様子がない。あの二人を含めそれなりのヨルハが駆り出されているはずなのに、皆攻めめあぐねているようだった。

 思案する藤丸の目に入ったのは、先程破壊したエンゲルスとは異なる攻撃の種類だった。大きな腕の振り回しと魔弾弾幕は変わらず、魔弾のエネルギーを収束させたであろう極太レーザーと、おびただしい程の地対空ミサイルの応酬だ。確かにあの二種の攻撃は、先程の狭く近接の距離では使えない武装だっただろう。下手に近づけばレーザーで撃墜され、退けばミサイルの餌食に、高度を上げれば敵軍の対空兵器に目をつけられてしまう。故に彼らにできるのは、様子を伺い、攻撃を避けることだけだった。

 

「まずいな……あれじゃ埒が明かないぞ」

 

 手も足も出ず、数機のヨルハはただエンゲルス個体の周囲を旋回するだけしかできなくなってしまっていた。あれほど巨大な図体だ、弾薬やエネルギーがそう簡単に切れるとも思えない。何ならエンゲルス個体には腕での物理攻撃も残っていて、周囲には対空兵器が飛行しているので、現状で言えば機械生命体軍の方が有利でさえあった。

 

「……そうだ」

「小太郎?」

 

 ふと、小太郎が声を上げる。すると小太郎は藤丸にあの二人と通信を繋ぐよう強く頼み込んできた。

 

「お願いします、妙案が浮かんだんです!」

「わ……分かった、繋げるよ」

 

 その気迫に圧され、藤丸は戸惑いながらも二人に通信を繋げた。

 

『こちら9S、トラブルですか!?』

「こちら小太郎、作戦を思いつきました! 僕を飛行ユニットの上に乗せていただくことは可能ですか?」

『う……上に!?』

「小太郎、作戦って一体……」

 

 小太郎は藤丸の方を振り返って、自信ありげに答える。

 

「僕の宝具を使います。攻めあぐねた機体が奴の周りを旋回しているのを見て思いつきました。僕を乗せた飛行ユニットが同じように奴の周囲を旋回し、その地表へ僕が形代──分身を投下します。あとは普段通り、宝具を発動するだけです」

「でも、そんな大規模なやり方ができる宝具なのか? 魔力消費も、威力だって……」

「そこで……主殿には令呪の行使をお願いしたい。その後押しがあれば、この案は机上の空論などではなくなります」

 

 そう、サーヴァントを従えるマスターにはこれがある。令呪……三画のみ与えられた魔力の結晶。サーヴァントへの強制命令権であり、サーヴァントを縛る鎖でもある。逆に言えばこの令呪が無くなった時、マスターはサーヴァントへの制御権を実質的に失い、サーヴァントに離反されようが殺されようが文句を言えなくなる。実質的な聖杯戦争ではないカルデア産の令呪も命令権としての機能は有しているが、こういった戦場ではもっぱら魔力のブーストとして機能することが多い。また通常の聖杯戦争における令呪とは異なりこの令呪はカルデアの魔力によって貸与されたものであるため、カルデアの魔力さえあれば二十四時間に一画というペースではあるものの回復が可能だ。

 だが、ここはカルデアではなく特異点内。カルデアとの魔力のパスは遮断され、令呪の回復といった大掛かりな処理は行えない。つまり、特異点を修正し帰るまで、実際の聖杯戦争通り令呪三画だけでやりくりせねばならない。故に、その使い所にはよく気を配る必要があるのだ。

 果たして小太郎の作戦には、令呪を賭ける程の確証があるのだろうか。エンゲルス個体は未だ傷は少なく、ヨルハ達はただ逃げ回って消耗し、焦燥を蓄積させていく。そして令呪の秘める魔力量は凄まじく、魔力枯渇状態から一気に宝具使用まで持っていけるほどだ。それを万全な状態のサーヴァントに使えば、本来の宝具性能の"200%"を叩き出すことさえ可能だろう。

 ──結論が出た。

 

「……わかった。小太郎を信じる」

「っ……ありがとうございます! では9S殿、お願い致す!」

『詳細は分かりました、直ちに向かいます!』

 

 と、通信が切れると、すぐさま9Sが飛び込んできた。9Sは地面スレスレまで降下しながら、他ヨルハへと広域回線で指示を送る。

 

「9Sより各機! 大型機械生命体撃破のため、ご協力ください! まず、広範囲に及ぶ攻撃を用いるため付近──特に地上のヨルハ部隊員は退避してください! またこの作戦のために大型機械生命体の周囲を旋回する必要があります。安全な高度を確保するために、飛行ユニット搭乗中のヨルハは対空兵器の排除を優先してください! ……さぁ、乗って!」

 

 9Sの呼びかけで、小太郎は飛行ユニットの上部に飛び乗った。そして飛行ユニットはその場を飛び立ち、再びエンゲルス個体へと接近していった。

 下を見ると、9Sの要請を受けたヨルハ達が散らばっていくのが分かる。そして上空では飛行ユニットに搭乗したヨルハ達が対空兵器を撃墜し、降り注ぐエンゲルス個体のミサイルの標的を買って出て意識を逸らしている。

 

「これなら……。9S殿、お願いします!」

「了解、旋回しますッ!」

 

 ぐおぉ、と上に乗る小太郎にも強烈なGがかかる。コックピットに固定されていない分姿勢維持に使う力も大きいが、サーヴァントである小太郎にとっては些細な問題だ。

 ぐるり、と飛行ユニットが円を描くように飛ぶ。その軌道上に、小太郎は形代を等間隔に投下していく。他のヨルハ達のおかげでエンゲルス個体は小太郎達には目もくれない。機械にこれを言っても難しいかもしれないが、その注意散漫が仇となるのだ。

 一周程した時点で小太郎は手を止める。小太郎の視力は、円を描くように均等に地上に配置された形代を確かに捉えていた。

 

「よし。9S殿、高度を上げて安全な距離に! 宝具を発動します!」

「了解しました! 9Sより各機、退避してください!」

 

 9Sは一気に高度を上げ、対空兵器がいなくなった空に出る。同時に9Sの通信を受けた他の飛行ユニットも散らばり、エンゲルス個体だけが戦場に取り残されている。

 飛行ユニットが安定すると、小太郎は立ち上がる。円を描く形代と中心のエンゲルス個体を見据えると、己が真名を高らかに宣言する。

 

「──サーヴァント、アサシン。真名を風魔小太郎! 魔を宿す、(シノビ)が頭目なり! 是なる一撃は貴様を葬るため、争乱を終幕へ導く先導とならん! ──主殿!!」

 

 小太郎が大声で叫んだ。念話さえ要らないほどの、魂からの叫び。当然、その気迫は藤丸にも届いた。藤丸はその右手を掲げ、高らかに宣言する。小太郎にも負けない程の想いを込めて、空高くまで絶叫する。

 

「令呪を以て命ずる! アサシン、風魔小太郎! ……ブッ飛ばせぇぇぇーーーーっ!!!」

 

 瞬間、令呪の一画が輝き、消えた。そしてその一画は魔力となって遠くの小太郎に流れ込み、有り余るほどの魔力を以て小太郎は印を結ぶ。

 すると、地表に撒かれた形代が人の形をとった。分身だ。風魔一族の忍びを模した分身たちはそれぞれが等速、同じ円周の軌道を駆け回り出す。少しずつ、少しずつ分身は加速していき、やがてその姿は炎のようにぼやけ、彼らが駆けた軌跡には文字通りに炎が舞い上がる。

 

「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前──」

 

 九字を結び、術式を一気に励起させる。円周に走った炎の軌跡は一気に燃え上がり、まるで炎の竜巻のようにエンゲルス個体を包み込んだ。

 以上に気付き、その腕でもがくエンゲルス個体。だが炎の渦で視界を奪われ、誰もいもしない場所に腕を振るうだけだ。

 そして小太郎は、一切の慈悲も与えず、その名を叫ぶ。

 

「即ちここは阿鼻叫喚……大炎熱地獄! 混沌を鋳造せよ! 不滅の混沌旅団(イモータル・カオス・ブリゲイド)!!」

 

 瞬間、ボッ…………と、音が消えた。

 それは、もはや音さえ置き去りにした大爆発。エンゲルス個体を取り囲んでいた渦が一気に収束し、その熱量は大きな爆炎を伴って弾けた。規模こそ小さいものの、エンゲルス個体の周囲を諸共巻き込んだ大爆発はまるで核爆発のようであった。音と共にやってくるその爆風に、木々はざわめき、瓦礫は宙を舞い、ヨルハ達は髪をなびかせ踏みとどまる。パスカルの村からも、衛星軌道にあるというヨルハのバンカーからもそれは見え、聞こえたことだろう。

 ──サーヴァントとは、まこと、恐ろしいものだ。愛いヒトの姿を取りながらも、地形さえ変えかねない力をその身に秘めている。

 ……が、直後異常が生じた。爆炎の中に見えるエンゲルス個体が強く発光し、大地がまるで怒っているかのように震え出したのだ。地形さえ変えかねない……とは言うが、これは違う。小太郎の宝具が、直接地形を変えたわけではない。エンゲルス個体に共鳴しているのだ。

 

「っ……奴め、まだ足掻くか……!?」

「お……オペレーターさん、これは……っ!?」

『敵兵器の振動、さらに増加中……戦闘地域の地下空間が共鳴しています!』

「地下空間が、共鳴──!?」

 

 と、9Sが疑問をオペレーターに伝える間もなく、エンゲルス個体は先の宝具にも負けないほどの激しい光を伴いながら、爆ぜた。

 

 

 

「っ……今の、光は……?」

 

 光が止み、遠くで見ていた藤丸は目を開ける。すると、そこには目を疑う光景が広がっていた。

 まるで削り取られたかのように大地か抉れている。下水管も切断され、水が絶えず滝のように流れながら、その大きな陥没の中には爆発に巻き込まれたビルの残骸が散らばっている。

 そしてその陥没は、藤丸の目と鼻の先……ビルのすぐ手前まで広がっていた。

 

「一体何が……」

 

 すると、困惑する藤丸のもとに小太郎を乗せた9Sと2Bが帰還する。小太郎は到着するやいなや着地を待たずに飛行ユニットから飛び降り、藤丸の身を案じ駆け寄った。

 

「主殿、怪我は!?」

「俺は大丈夫……でも、あれは一体……」

 

 四人揃って、訝しげに陥没を眺める。果たして何が起きたと言うのか、そして何をもたらすものだったのか……。

 意外にも、その答えはすぐに、双方で提示された。

 

『藤丸くん! 藤丸くん!』

「ダ・ヴィンチちゃん? ちょうどよかった、今……」

『そっちで一体何が起きているんだい!? 魔力が、ブワッと……間欠泉みたいに溢れ出してる!』

「えっ? それって……」

 

 直後、ヨルハの二人にも異常が告知された。

 二人の目の前に浮かび上がるディスプレイ。その複数のウィンドウにはどれも赤い警告色で"ALERT "の文字が記されている。そしてその大文字の下に流れる文章……それを読んだ9Sは分かりやすく、しかしあり得ないものを見た顔で驚愕した。

 

「これは……」

 

 

 

 所変わって、衛星軌道、バンカー。

 地上で戦うヨルハ部隊をサポートする管制室、その主モニターに、大きな赤い警告が流れている。それを見たオペレーター達は慌ててキーボードを叩き、モニターと睨み合う。

 そんな中、オペレーター達より高い位置から管制室全てを把握する司令官(コマンダー)──ホワイトは、主モニターに表示された警告文を見て顔をしかめた。それは驚愕や絶望ではなく……()()の表情だった。

 赤く染まる主モニター。そこに写されたのは……"ALIEN"という五文字。

 

「まさか……数百年も姿を現さなかったエイリアンが……、地下にいるだと…………?」




とりあえずここで一つの区切り・山場……という感じで構想していました
令呪も切っちゃったのでネ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。