輝く音を探したら   作:いひょじん

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皆さん、こんにちわ!
よっとんです!
早いことで第3話です。
妄想するのが楽しすぎてやばいですわ…
それではお楽しみください!


海の音を聞きたい

「いっぴしぃ!おぉ寒い…」

「当たり前でしょ、こんな時期に海で泳いだりするから」

制服姿で海に入ってしまった為、完全に体が冷えてしまった。

そんな俺に少し怒りながら高海はバスタオルを渡してくれた。

「サンキュー。それにしても急に海に飛び込もうとした時は本当に焦ったわ」

「本当だよー。海に入りたければダイビングショップもあるのに」

女の子はしばらく黙っていた。

「海の音を聞きたいの…」

「えっ⁉︎」

女の子が口にした「海の音」という言葉が気になった。

「海の音?」

「うん…」

「どうして?」

また女の子は黙ってしまった。

「わかった、じゃあもう聞かないー」

高海は少しめんどくさそうに嘆く。

と、思ったらまた明るい顔で質問する。

「海中の音ってこと?」

「お前、もう聞かないってさっき言ってただろ?」

「別にいいじゃん。それに一ノ崎君には関係ないでしょ」

「へぇー、そうですか。これはお邪魔しました」

「ふふっ」

さっきまで暗い顔をしてた彼女が笑っていた。

「急に笑い出してどうした?」

「ごめんなさい。2人を見てたらとっても仲良いんだなーって」

「俺と高海が仲が良い?ないない」

「一ノ崎君ひどい!私は友達って思ってるのに!」

「友達は断ってるのにしつこく頼みこんで来たり、人の昼休みの時間を奪ったりはしませーん」

「むー、なんだとぉ!」

高海は俺をぽこぽこと叩いてくる。

「私ピアノで曲を作ってるんだけど、どうしても海のイメージが浮かばなくて…」

「へぇ、ピアノで作曲か」

「一ノ崎君と同じだね?」

「同じ?」

「そう、この子もね作曲をしてるんだ!」

「お、おい!人の趣味を勝手にバラすな」

「本当なの?」

「まぁ、趣味程度だからあんたみたいにピアノとかで本格的にやってるわけではないけどな」

「そういえば見たことない制服だけど、ここらへんの高校?」

「東京…」

「東京⁉︎わざわざ?」

「わざわざっていうか…」

何か言おうとしたところに高海が近づき横に座った。

「そうだ、じゃあ有名なスクールアイドルとか知ってる?」

「スクールアイドル?」

「うん!東京だったら有名なグループ沢山いるでしょ?」

「なんの話?」

「えっ?」

お互いの間に変な空気が流れる。

「もしかして、知らないのスクールアイドル⁉︎」

「有名なの?」

「もちろん!毎年スクールアイドルのドーム大会があったりして!」

このまま行くと高海が暴走しそうだからここいらで止めておこうかな。

「まぁ、知らない人だっていてもおかしくないだろ?」

「そうかな?」

「けど、若いのに知らないって言うのはちょっと珍しいかもな」

「私、小さい頃からずっとピアノをやっててそう言うことに疎くて…」

「じゃあ、見てみる?なんじゃこりゃ〜ってなるから!」

「そう、なんじゃこりゃ〜」

そう言いながら高海は女の子に携帯の画面を見せる。

「どう?」

「どうって、なんというか普通?」

そう言われると高海は女の子の方に背を向け、海を見た。

「あ、いや、その…別に悪い意味じゃなくて、アイドルって言うからもっと芸能人みたいな感じかと思って」

「だよね?だから衝撃だったんだよ…」

高海は砂浜を歩き始めた。

「私ね、普通なの。昔から特にこれと言ってやりたいことや夢もなくて、そのうち見つかるだろうって思ってたら高2になってた。どうしようこのままじゃ普通星人を通り越して普通怪獣ちかちーになっちゃうよ!」

急に向きを変えて、女の子の顔の直前に行く。

「ガオー!」

怪獣の鳴き真似をすると、2人で笑い出した。

そしてまた海の方を見た。

「そんな時だった、あの人達に出会ったのは…」

「私と同じ普通の女子高生なのにキラキラしてた。みんなで一生懸命練習して、心を1つにしたらあんなにもかっこよくて、輝いてて、素敵になれるんだって。スクールアイドルってこんなにも、こんなにも、こんなにも、輝けるんだって!」

高海の目はとても楽しそうに笑っていた。

「それから全部の曲を聴いて、PVも見て、歌や踊りも覚えたらした。

私ね思ったの。私も仲間と一生懸命練習して、あの人達と同じステージに立ちたい…」

「輝きたいって!」

輝きたい。

その言葉に俺の中の何かが騒めいた。

俺が曲を作る理由。

忘れかけていた何が蘇るように頭の中に飛び込んで来た。

俺が求めていたもの。

「輝く音を見つけたい」

「ん、どうかしたの?」

「え?いや、なんでもない」

俺は無意識のうちに言葉に出していたらしい。

聞かれたくないわけではないか、なんだか恥ずかしくなってきた。

「ほら、一ノ崎君も梨子ちゃんに自己紹介して!」

「え、梨子ちゃん?」

「改めまして、桜内梨子です。あなたと同じ高校2年生です」

「あー、あんたの名前か、これは失礼しました。じゃあ俺も自己紹介だな。俺は一ノ崎将太って言います。ってこれくらいしか言えることないや」

「えー、もっと言えることあるでしょ?好きな食べ物はとか、特技とかさ!」

「そんな学校の自己紹介みたいなことしたくないよ、この歳になって」

「そういえば、梨子ちゃん高校ってなんて言う名前なの?」

「名前?名前は音ノ木坂学院高校」

音ノ木坂って確かμ'sがいた高校だったような。

あの高校にいてμ'sやスクールアイドルを知らないって、本当にピアノ一筋だったんだな。

けど、今それを言うのはなんだが違うような気がするからやめておこう。

それから俺達は、焚き火で少し体を乾かしそれぞれの家へ帰宅した。

 

ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー

 

時間は18時

やらかした、これは完全に怒られる。

言い訳なんかしても絶対意味ないし、どうせ怒られるなら素直にお説教された方がいいもんな。

「た、ただいま…」

ゆっくり音を立てないようにドアを開け、誰もいないことを確認しようとした時だった。

「将太、あんたこんな時間までどこをほっつき歩いとった!今日は手伝って欲しいからまっすぐ帰ってこいってお母さん言ったよね?」

「えっと、生徒会長とお話したり、海で女の子を助けたりしてたら遅くなってしまいまして…」

「なにを訳の分からんことを言ってんの?とにかく早く着替えて来て、配達行ってきて!」

「ちょっと待って!配達は俺のやる仕事じゃないやろ?いつもはオカンかオトンが車でやってるやん!」

「本来あんたがやらなあかん分の仕事をお母さんたちがやったから、その時間がなくなってしまったの!つべこべ言わず早く行け!」

「そ、そんな…」

オカンは奥の方に消えていく。

最悪だ。

配達は手伝いの中でも1番嫌な仕事のうちの1つで、配達用に改造した自転車に10数キロはあるみかんや野菜なんかを載せて運ぶもの。

基本配達先が坂の途中にあったら、遠かったりとするので親にはこれだけはやりたくないと無理を言っているのだが、今日はそうもいかないらしい。

仕方ない、大人しく従いますか。

悪いのは俺だし。

俺はぐちぐち文句を言いながら自分の部屋に戻って、配達の時の服装に着替えて、配達に向かった。

 

ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー★ー

 

「配達って、言っても一件だけか。これは楽勝だな。えーと、なになに場所は十千万っと」

十千万というのは、家から100mほど先にある旅館。

昔からのお得意様らしく、ここで出される料理の野菜は全部うちのものを使ってくれてるらしく、美味しいと評判らしい。

自転車で、5分もしないうちに目的地に着く。

本当は裏口から届けろと親から言われてるけど、旅館の人が大変だからお客様用の入り口からでもいいよと言われてるので入り口から声をかけている

「こんばんわー、野菜届けにきました!遅くなってすみません」

すると、奥の方からトタトタと走ってくる音が聞こえてきた。

「ご苦労様です。ってあら、今日は将太君が届けてくれたのね」

「こんばんわ、志満さん。ちょっと色々あって今日は俺が…」

「そう、ご苦労様」

「いえいえ。あ、印鑑もらっていいですか?」

「あら、印鑑忘れてきちゃったわ。今すぐ取ってくるからちょっと待っててね。先に野菜もらっちゃっていいかしら?」

「大丈夫ですよ。あと、ゆっくりどうぞ」

「お気遣いありがとう。千歌ちゃん、荷物届いたから厨房まで運んでちょうだい」

志満さんが、上の階に家族らしい人を呼ぶと印鑑を取りに行った。

その間、疲れたしちょっと椅子に座らせてもらいますかね。

「志満ねえ、私今忙しいんだけどー」

階段から降りて来た女の子。

見覚えがあるどころか、さっきまで一緒にいた人が階段から降りて来た。

「た、高海!」

「あれ、一ノ崎君だ。なにしてるのこんなところで?」

「何してるのって、野菜を配達しに来たんだけど」

「あれ、いつもは優しいおばさんが来てくれるのに」

お前、あれが優しいだと?

俺からしたら鬼だ!

「あれはうちの母親。今日は訳あって俺が届けに来たんだよ」

「そうなんだ!」

「高海はこの旅館の子なのか?」

「そうだよ、生まれも育ちも十千万です!」

内浦で生まれ育って17年経つけど、まさかの近所に住んでたクラスメイトと一度も顔も合わせず育ったなんて、色んな意味で凄いな。

まぁ、昔から家の中で曲聴いたり楽器触ったりして結構インドアだったんだけど。

「この野菜、俺が厨房まで運ぶわ」

「え、そんな悪いよ」

「俺がやるって言ったんだからいいんだよ。それとも厨房に入っちゃいけない感じか?」

「それは別に構わないけど」

「じゃあ決まりな。厨房どこにあるかおしえてくれ」

「わ、わかった。こっちだよ」

「よっし、よっこいしょ!って、重っ!」

「一人で持てる?」

「だ、大丈夫だ。これくらい平気だ」

あれ、こんなに重かった?と思うくらい重たかった。

けど、クラスメイトにいいところを見せようと、俺が言ったことだ。

ここで、無理なんて言ったらカッコ悪すぎるから、意地でもやってやる。

「ふー、ふー」

「ねぇ、一ノ崎君」

大股になり息を切らしながら野菜を運んでいると高海が声をかけて来た。

「なに?」

「荷物持つって行ってくれてありがとう。かっこいいよ」

高海は可愛らしく笑いながらそう言った。

おい、そいつは卑怯だぞ。

急に女子からかっこいいって言われて興奮しない男子なんていないだろ。

きっとこういった奴が勘違い男子を生んでしまうんだろうな。

恐るべし高海。

「別にこれくらい普通だからな…」

なんとか照れてるのを隠しながら歩いて行く。

そして厨房に着いた。

「ふぅ、重かった…」

「やっぱり重かったんだ」

少し小馬鹿にしたように笑う。

「なぁ、高海」

「なーに?」

「作曲のことなんだけどさ、もう少し考えさせてくれ」

「えっ⁉︎」

「2度は言わない。じゃあ俺はこれで帰るから」

「待ってよ、今のほんとう?」

「だから同じことは2度は言わない」

「えー!」

 

なんで、俺がこの時こんな事を言ったのか。

自分の中で求めるものが見つかるような気がしたから。

高海となら。

 




今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!
やっと、登場しました、梨子ちゃん!
この作品はなるべくアニメに沿った形で作っていこうと思っていて、今回はアニメでとても重要なシーンなので、何度もアニメのセリフを聞くのを繰り返して書きました。
短くなったり、変わってたりするのは読みやすくしたり長くならないように工夫した結果です。
そして3話目でやっと、アニメの1話の終わりという…
これは長くなるぞ…

お気に入りやご感想を下さった読者の方。
本当にありがとうございます。
それが僕の一番の励みになっております。
これからも頑張っていきますね!
それではまた次回お会いしましょう!

感想や評価お待ちしております。
よろしくお願いします。
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